2011年02月

プラッキング修行4 Day1夢への道

2月23日の日記


このブログでは、釣れていない時も更新しています。
おそらく、多くのロックショアアングラーの方々のブログ、HPでは釣果を得られた時か、もしくは特別な事があった場合にしか更新はされていないかと思います。
勿論、中には釣れ過ぎて、更新など面倒だと言う方もみえるでしょう!!
見て頂いている方には、「何だ、またボウズか!!」、っとせっかく見て頂いたのに、面白くない思いをさせてしまい誠に申し訳なく思っています。

何故、それでも更新するか?
正直、それは自分の為なのが一番の理由です。(スミマセン)
記憶力が乏しいので、年間のシーズナルパターンを忘れてしまうので。
また、その当時、何を自分は考えていたか明確に分かるからです。
そんな私も、他のアングラー様のブログ等を拝見させて頂くのは大好き。
でも、釣れた時しか更新されていませんから、ああ、この方は本当に毎回釣ってみえるんだなーっと勘違いしてしまいます。
本当はきっと、釣れなかった時にこそ大切な事があるのではないか。
そんな気持ちで日々過ごしているRockBeachです。


前回の釣行では全ての歯車が噛み合わず、また、自身の不甲斐なさで全く釣果に結びつかなかった。
正直、相当ショックで自身の釣りが分からなくなった。
当然、自然が相手なのだから、どうしても駄目な時はある。
しかし、同じ条件にて、釣ってみえる方々は確実に存在するのだ。
その方々に釣れて、自分には釣れない・・・。
即ち、それは自分の釣りが間違っているか、何かがズレているのではないだろうか。
今回はダメだった、次回は頑張ろうと素直に思えないのだった。
南紀からの帰宅途中、その日の釣行について猛烈に反省した。
また、家に帰っても、次の日も、またその次の日も反省し、考える日々が続いたのである。
本来、楽しいはずの休日の釣りで、何故、そこまで苦悩するかと疑問に思われる方もみえるだろう。
それはおそらく、きっと自分に負けたくはないからだろうか。


ある程度、自身の釣りの軌道修正を済ませた頃、同時に次回の釣行のプランを立て始めた。
最近は、結構な広範囲のエリアに実際に行ってみて、その海の情況を見てくる事が多い。
釣行は週に一度か、多くて二度である。
また、チームなどに席を置いていない自分には、一日に広範囲の多くの情報を得る事は困難であるからだ。
そしてまた、ある特定のエリアに重点を置き、そこでしっかり釣りをする事によって、身でその海を感じていたのである。
では、現場に向かえない時はどうするか?
可能な限り、自身のセンサーに触れる情報を探したりしている。


そんな中、小さな小さな情報を得た。
この一年数か月の経験から、その情報を仮定し、分析して行く。
ともすればそれは盲信であり、危険極まりない邪教の信仰と変わらないだろう。
しかし、それに自身のここ数週間の経験を重ねて行った。
他人から見ればそれは妄想であろう。
しかし、私にはそれは確信であった。
いつも、結構な疑問符を残す自らの読みであったが、今回だけは心の底から間違いないと断言出来たのである。
皆様には理解しがたいだろうが、仲間の数人に御一緒出来ないかとお誘いをした程であった。
皆、仕事が忙しく休めないのは分かってはいた。
それでも、もしかしたらと連絡させて頂いたのである。
私にも一応プライドがあるので、やっぱりダメでしたでは辛い。
要するに、それ程に確信に満ちていたのだった。
残念ながら、やはり友人達とは都合がつかなかった。
独りが心細いのではない。
普段通りの事であり、勇んで南紀に向けて出発したのだった。
今回、どうしても粘ってみたかったので、職場の上司に頼んで連休をもらった。


初日である今日の目標は、「沖磯」、である。
この、渡船区の船を利用させて頂くのは初めてだった。
場所により、同じ渡船でも大きくルールは違うものだろう。
初めてで、それがよく分からないので当然に船頭に電話をする。
ルアーで青物を狙いたい事を告げ、念のために予約を入れさせてもらう。
現地到着は午前4時であった。
しばし休憩を取り、受付を無事に済ませて準備を整えて行った。
出船は午前6時20分との事だった。
港の船着き場には、驚く程の寒グレ師達でごった返していた。
一応、身なりはさほど変わらない。
しかし、「持ち物」、は明らかに違った。
不思議そうにみる者、また、あからさまに笑う者もいた。
様々な夢を乗せて船は港を出て行く。
今日の予報では波高3メートル、そして大きなウネリとの事だった。

港から出て沖に向かうと、すぐさまその予報が間違っていない事を悟る。
波はそうでもないが、大きなウネリによって凄まじい力で潮が磯を叩きつけているのだった。
少し進むと、グレ師のグループが湾内の磯に渡った。
そこから、遠くに目標の磯が見てとれた。

うわあ・・・。

思わず声が漏れてしまった。
いったい、何という雰囲気なのだろう。
轟々とうねり波飛沫を上げるその磯の周りには、おびただしい海鳥が舞っているではないか!
低空飛行にてホバリングする集団、また、海面に何度もダイブを繰り返すものまで、合わせてざっと数百を越える鳥達が見えた。
もう、今にも海面が爆発しそうな感じだった。
そこで、無情にも船頭からマイクを通じて宣告がなされた。
「今日は沖は無理や!! 波に気つけて岸寄りで頑張ってみてや!」。
落胆したのは私だけではない。
船頭の決定は何にも勝るのを知ってか、皆声には出さないが、その表情は一気に曇って行くのだった。
結局、自身の渡礁は一番最後になった。
それまでにも、十分、雰囲気の良さそうなポイントはあったのだが、どこも多くのグレ客が渡っていたのである。
「悪いなあ、今日はココで勘弁してな」、っと船頭。
初老のマイペースなグレのカゴ師と一緒に、何と湾内の静かな地磯に渡る事となったのである。

思わず、その方と顔を見合わせてしまった。
お互い言葉にはしない。
おそらく、前日の同地域における不幸な事故でナーバスになってみえるのだろう。
また、上客である上物師に迷惑がかかる事があってはならないという配慮かもしれない。
また、新規客ゆえの事かもしれなかった。

期待が大きかった為に余計にこたえた。
ショックで一気にモチベーションが下がり、しばし途方に暮れてしまった。
しかしながら、これが現実である。
たったそれだけの事で、今日一日の釣りを無駄にする事は出来ない。
そう思って無理矢理に自分を奮い立たせた。
しかし、落ち着いて海を眺めると、実はそんなに悪くない事に気付く。
足元には大きく沈み根が張り出しており、浅深の地形の変化も見られた。
また、沖からは磯に向けしっかりと潮が当たってきており、磯の脇からは逆に沖に向かって払い出す潮も見てとれた。
湾内の地磯だけあって、ここでは全く波も無いのだった。
ただし、ウネリが大きい為、時折、大きく潮が打ち寄せ波飛沫を上げている。
更に海面を凝視してみると、手前の少し潮が緩んだ場所にどうやら、小さいベイトが集まっている様に見えた。

じっとしていても仕方ない。
早速、タックルを組んで行くのだった。
今日、結ぶルアーはもう決めていた。
完全なフローティングのトッププラグである。
気持ちを込めて、まずは沖の潮の流れにフルキャストする。
約50メートル程飛んだろうか、静かにルアーは着水した。
まずは様子見と、活性の高い奴がいないかと連続して速いピッチで探ってみる。
2投、3投と繰り返し様子を見るが何も無い。
やはり、手前約20メートル付近にはベイトが密集している様だ。
ルアーがそこを通過する度、体長約3センチ程のシラスがピチピチと飛び跳ねている。
思わず笑みがこぼれる。
今日、選んだルアーを試すにはもってこいの情況に思ったからだ。
ゆっくりとしたペースで、気になる箇所を攻めて行くのだった。

ここで一気にルアーのアクションを変えてみる。
おそらく、魚は遠くからでもルアーには気づいているはずだ。
それでも何も無いのは、おそらくルアーのアクションが気に入らないからではないか!?
そう思い、今度はとてもゆっくりとアクションさせて行った。
確かそれを3投ほどしていた時だろうか、頭上の鳥、そして海に一瞬の変化があった様に感じた。
んん!? その時はその位にしか感じていない。
気にせず、そのままのペースでゆっくりとアクションさせ巻いて来た時、ルアーのすぐ後ろが青く見えた気がした。
その時であった!


ガバッ!!!


音と共に何かが全身をあらわにして飛びかかって来たのだった!
一瞬の事で姿形までは見えなかった。
ただ、薄いエメラルドグリーン色をした何かが水面を割っているのだ。
直後にルアーは水中に消し込んだ。
来た!!
わずかの瞬間ではあるが、落ち着いて竿で聞いてみる・・・。
おかしい、多分、乗っていない。
そう思うのと同時にルアーが浮いた。

くそ!! やっぱり乗ってない。
しかしまた、おそらくその魚にはフックは刺さっていないだろうと直観する。
瞬時にルアーにパニックモードの動きを送る。
もう一回喰いにこい!!!
祈りにも似た気持ちでアクションを入れた瞬間だった!


ゴバアッ!!


そのファイターは更に猛烈にアタックしてきたのだ!
再びルアーが消え、今度は即座にラインが入った。
よし! 乗った!!
まずはスイープに力強くアワセを入れる。
すぐさま、二度目のアワセを鋭く入れてファイトが始まった。

最近、どうにもバラシが続いたせいもあって、ドラグは随分と楽な設定にしていた。
無理をせず、魚に合わせて走らせて獲る作戦であった。
しかし、これは間違いであった。
ファイト開始とともに、奴はまず沖に走った。
そうかと思えば右に走り、今度は足元めがけて突っ込んで来たのだった。
ドラグが緩すぎてロッドでさばこうにも止まらない。
縦横無尽に走るのだった。
時すでに遅し、一気に沈み根に向けて突っ込む奴はラインが根に触れると、何と!今度は真横に向かったのである。
たまらず、ガガガガガッ!!っとラインが根に擦れた。
まるで、ラインの切り方を知っているかの様な動きであった。

切れる・・・。
一か罰かベールをフリーにする。
これは本当に心臓に悪い行為だが、そのまま切られるよりはマシだ。
幸運にも魚は沖に向かって走った。
水面に向かうラインの角度にてそう判断する。
すぐにドラグを強く締め込み、ラインスラッグをとる。
やはり、ラインに干渉するものは無くなっている。
一気に勝負だ!!
ガンガン巻いてやると、意外にもあっけなく浮いて来た。
まぎれもない青物であった。
しかし、驚くほどサイズは無い。
いったい、コイツのどこにそんなパワーがあったのだろうと思いながら一気に抜きあげた。



どこか、いつもと色が違う様に見えた。
小さいのにこの精悍な顔。


















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急速に胸騒ぎがしてくるRockBeachであった。
自分は実物を見た事が無い。
しかし、いつまでも磯の上で暴れさせては可哀想である。
美味しく頂く為にも、とりあえず昇天して頂く儀式を行った。
ここで、いつものデジカメが不調となった。
SDカードの不具合の様だ。
すぐに携帯電話のカメラにスイッチする。



撮った写真を、信頼している先輩お二人に送る事にした。
お二人にジャッジを委ねる事にしたのだった。
ほどなくして、先輩からはほぼ同時にメールのご返信があった。
メールを開けてみる。


おめでとう!!
やったね、ついに獲ったね!

「ヒラマサだよ!!」。


途中までメールを読み、心から熱いものが噴出して来て涙しそうになった。
ヒラマサ・・・夢にまで見た魚。
こいつに出会いたくてどんなに頑張っただろうか。
何度も死にかけ、震える身体で磯に立ってきたか。
追いかければ追いかけるほど遠い存在。
どうしても南紀で会いたい、遠征ではなく南紀で出会いたかった。
私にとって特別な存在であった。
半泣きになりながら、関係者の皆さんにメールする。
仕事中にもかかわらず、沢山の方々からすぐにお祝いの言葉を頂く。
至福の瞬間であった。











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残念ながらシメた後の撮影である。
おそらく、皆様が普段、目にする色に変わって行った。
上あごの端は少し丸みを帯びている。







DVC00016
胸びれよりもお腹のひれが後ろにある様である。








DVC00015
サイズは50cm程度であった。
見慣れたツバスほどである。
その引きは重量感、トルクこそ無いが、一瞬の瞬発力はメジロに負けないものがあったと思う。
もう、私にはサイズなどどうでも良かった。
小さくても、南紀で出会えただけで十分であった。


今回、目標の磯には渡れなかったが、自身が絞りに絞ったエリアで出会えた事も嬉しかった。
また、自身の釣りに再び戻り、ナブラもボイルもない海で、また、何も無い所から誘い出して食わせた事も本当に嬉しかった。
ここ数週間、通いつめ、数多くの失敗、バラシともう一歩の所で苦汁を味わって来た末の事で、本当に言葉にならない感動があった。
実に、約4ヶ月もの間、青物を釣ってはいなかったのである。
今までご指導頂き、時に励まして下さった関係者の皆様。
本当に有難うございました。
RockBeachはまだまだ夢を追って行きます。
本気で願うならば、きっと夢は叶うと信じています。
いつかきっと、海は微笑むのだと。

それでは




タックル

Rod   MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000
Line  YGKよつあみ  PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 80LB



















プラッキング修行3 バレンタインの大雪

2月15、16日の日記


2月14日、私の住む地域では昼前位から雪が降った。
夜までずっと降り続け、瞬く間に銀世界となって行ったのである。
三日ほど前から世間様は3連休であった。
サービス業の私は当然に仕事・・・。
仕事上、非常に大切な三日間であった。
数人の友人は釣りに行っていた。
友人の釣果を聞き、とても、ストレスフルな三日間を過ごした。

ともかく、無性に釣りに行きたかった。
しかし、道路情報を見ると道中の峠は通行止め。
また、高速道路も同様であった。
そんな事ぐらいでは、一度、火が付いた心を収める事は出来ない。
通行止めなど関係ないのだ。
その気になれば真っ暗な山道を越えればいい。

幸いにも、峠の規制は解除された様子だった。
しかし、未だ高速の方は解消してはいない・・・。
大通りのルートを捨て、出来るだけ交通量の少ない裏道を走って行く。
大台の町中まであともう少しという所まで来て、道は全く動かなくなって
しまった。
夜も更け、日中に積もった雪が完全に凍ってしまったのだ。
大型トラック、また、冬用タイヤを装着していない車達は、軒並み動けなくなってしまっている。

RockBeachの相棒である南紀特急。
実は全天候型のまさしく釣り車である。
今夜の様に、アイスバーン化した道路でも、全く不安なく走破できる様には整えてあった。
しかし! 先行車が動かないでは仕方ないのだ。
ここは片側一車線のルート42なのである。
結局、渋滞で失われた時間は約3時間、やっとの事で南紀に入ったのは午前6時を過ぎた頃だった。

最近、通っている場所のプライムタイムには全く間に合わない。
待つ釣りから、攻める釣りにと、本来の自分のスタイルを取り戻した自身にとって、この遅れは絶望的とも思えた。
すぐにプランを修正し、極力エントリーに時間のかからない場所に向かった。
ここなら、急げばポイントまでは5分とかからない。
急いで準備を整え、いざポイントに立つ。

想像以上に波が高い!!

まったくどうして、立ち位置には近づけない感じだった。
しばし様子を見て、何とか立てそうな場所に向かった。
しかし、それでも時折、バカでかい波が押し寄せてくる。
不測の事態を考え、十二分にマージンをとってのファーストキャストを打った。

分かってはいた。
全くルアーが馴染まず水面を滑っているのだ。
この潮の流れ、風向き、そして波の高低差に対処可能なトップのルアーは持ってはいない。
仕方なくヘビーミノーにて広範囲を探ってみた。
しかし、まったくもって反応は無い。
沖から潮が当て、離岸流の様なものと複雑に絡み、モワモワしている部分が見てとれる。
しかし、今の立ち位置からはどうにも打ち込めないのだ。
ただただ時間だけが過ぎて行く。
いっそ、思い切って移動してみる事にした。
おそらく、目的のポイントに立つのには一時間はかかるだろう。
苦渋の決断ではあるが、ここで時間を無駄にするよりは良い。

移動後、ポイントに到着したのはやはり一時間後であった。
それでも、海の感じはすこぶる良かった。
だがしかし、一通りの回遊が終わった海であった。
それでも、何が起きるか分からないと、一回、一回のキャストを丁寧にこなして行く。
結局、4時間ほど粘ってはみたが、何も起こす事は出来なかった。

その後、しばし休憩し次の狙いに照準を絞った。
磯のアオリを真剣に狙ってみる事にする。
16時すぎにポイントに到着、もうすでに釣ってみえる方がいらっしゃる。
夕暮れ間近になって、一人、また一人とアングラーがやって来る。
一見して地元のベテランと分かる方ばかりだった。
日が沈む頃、周りも一斉にキャストを始める。
途端に、1キロ、2キロと、目視ではあるが、どんどんサイズアップしたイカが仕留められて行った。
しかし、RockBeachには全くアタリが無い。
数時間ずっと頑張ってみたが、一回としてアタリも感じないまま終了となった。
これには、本当に心から敗北感で一杯になった。


それから車中泊の準備をして眠りについた。
おそらく、心が折れてしまったのだろう。
翌朝、4時半のアラームでは起きられなかった。
目が覚めたのは、すっかり陽が昇ってからであった。
とりあえず、昨日、遠くからでも多くの鳥が見えた場所に向かってみた。
ここはいつも、凄い数のベイトがいる場所だ。
山道をしばらく歩き、海が見渡せる場所にたどり着く。
しかし、どうした事か、今日は一羽の鳥も飛んでいない。
いざ、磯に立って海を覗いても、全くベイトが見えなかった。
海とは本当に不思議である。
わずか、十数時間で状況はがらりと変わっていた。
2時間ほど竿を出してみたが、ただただ虚しくルアーだけが戻ってくる。
今日の朝もまた外してしまった。

その後は癒しを求め、数か所のポイントをランガンしてみた。
海を見ていると、小さなボイルが出ている。
どうやら、可愛い青物が沸いている様だった。
早速、エギングロッドに小さなジグを付けて投げてみる。




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ブルルル!

アジが釣れました。
飽きない程度にポツポツと釣れてくるが、どうも気分が沈んで釣りを続ける気持ちにはなれなかった。
またの機会に楽しもうと釣り場を後にした。

苦労して南紀まで来たものの、どうにも何かがズレてしまった今回の釣行でした。
移動中、車の窓から海を眺めると、沖では鳥山が立ち、凄い水飛沫が立つ場面もありました。
寒い中でも魚は沢山いる・・・。
しかし、ショアラインにはなかなか近づいてくれない感じでした。
いや、きっと今回の自分の選んだポイントが間違っていただけでしょう。
帰りの車中、様々な反省をしながら家までの5時間を過ごしました。
悔しい。

それでは




プラッキング修行2 大きな間違い

2月9日の日記


いつも、その日の釣りを帰りの道中に振り返ってみる。
最近、主軸にはペンシルを用いてきた。
大きく、重く、そのルアーが生み出す波動は強い。
過去の経験から、その場にわずか一匹ないし、極少数いるであろう魚を寄せる力は絶大であったと思う。
バイトこそ得られなかったが、どこからともなく現れた青物の姿を何度も目撃してはいた。
しかし、魚に対してのアピールが強すぎるのだろうか・・・。
ルアーを見切られるというか、飽きられる事がとても速い様に思ったのである。

たとえ、食わせやすいライトゲームの相手でも、日によってはとてもよく釣れ、また非常に難しい時もあるものだ。
釣れるからといって、同じ事を繰り返していればいつかスレてしまう。
それでも、魚がベイトに程よく狂っている時はずっと釣れ続けたりもする。
もちろん、そんな時は稀であり、どなたも試行錯誤しておられるだろう。

磯の青物釣りもその例外ではないと思われる。
ベイトがいる、いないに関わらず、奴らは習慣的にショアラインにやって来る事も多かった。
もしかしたら、ベイトを発見するより前に、自身が投げるルアーに気付いて追ってきた事もあったと思う。
そんな青物達が、広範囲にわたって餌を求めている刹那の事。
やはり、アピールの大きすぎるルアーを投げれば投げる程、
また、間違った動きをすればする程、奴らはそれを学習しているかの様に思うのだった。

ずっと、ただそのルアーだけでは勝負にならない。
だからこその、ローテーションを考えてみる事にした。
現役を退いた物、また、良くないと判断しすぐにお蔵入りとなった物。
手持ちのルアーの全てを、あらためて見つめ直す事にした。
難しいセオリーなどは気にしない。
何が正解と出るか、頭の中でイメージを描き選んで行くのだった。


最近、通っている磯に今回も釣りに行ってみる。
別にそこが特別なポイントという訳でもない。
また、釣れている話も聞こえてはこない。
魚の反応があったとか、ベイトがいたとか、全て自身で感じた事である。
しかし、結局、それも一週間も前の話なのである。
海自体が生き物の様であり、一日の中でも刻々と状況は変わるのだ。
長い時間を経て、再び自分らしい釣りに戻った。
それで良いのだ。
それだけで十分であった。

現地に到着したのは、午前4時を少しまわった頃だった。
まだ、少し早い。
いつもながら体調も良くはない。
軽く準備を済ませ、時間まで仮眠をとる事にする。
まず、これが間違いであった。
携帯のアラームで目覚めたのだが疲れていたのだろう・・・。
一度、起きてはみたが二度寝してしまった。
再び目を覚ましたのは、午前6時10分。
本来ならば、もう磯に向かって歩き始めている時間だ。
大急ぎで駐車スペースに向かったが、南紀特急のロックをした頃には空は白々としてきていた。

普段、約15分をかけて先端に向かう。
それではとても間に合わない。
磯の上を転がる様にして駆けるのだった。
走り始めて10分、ようやく先端にたどり着いたが二人の先行者の姿。
ミノーと思われるルアーを、まさにマシンガンのごとく打ってみえる。


しまった・・・。


おまけに、この日は北西の強風が吹き荒れていた。
予報での波高は3メートル、殆どの場所にサラシが生まれており、打ち寄せる波に磯はどこも濡れていた。
先行者二人は絶妙の立ち位置にいる。
空いているのは、まったく潮が当たっていない場所と、沖からの潮がしっかり当たってはいるが、激しく波が叩く場所のみであった。
仕方なく、まずは潮が当たっている場所に立つ。
見ていると、海中にある沈み根のある付近で背丈ほどの波が立った。
そのままの勢いで磯に到達する。
叩きつける様に波が顔を打った。
おそらく、水温と気温との差が殆ど無いのだろう。
すぐに濡れていない部分は無くなったのだが、全く冷たさも寒さも感じなかった。



早速、ルアーを投げて行く。
この日、ローテーションする予定のルアーは全てポケットに入れた。
まずはこれだ!というルアーをキャストする。


あかん!!


全くもって今の潮に馴染まないのだった。
当てる潮、真正面から強く吹き付ける風に、ルアーはまるで木の葉の様に水面を舞っている。
次も、次も、また次も・・・。
釣行前のイメージとは裏腹に馴染まないルアー達。
それでも、何とか気を落ち着かせてルアーの操作に集中する。
時として良い動きをする瞬間もあった。
しかし、その半分以上が、イメージと全く違う動きで足元に戻って来る。
もう分かっていた。それこそ確信に満ちていた。
これでは、食いたくても食えないと。

まさに今、海は満潮に向かっていた。
ルアーのアクションがどうと言う以前に、まったく安全を確保出来ない状況である。
波が気になって、とてもではないが釣りに集中出来ないのだ。
心に大きくブレーキをかける。
良さそうな場所を諦め、潮が当てていないおだやかな方に移動する。
そこでやっと、自身の想定内のアクションが可能にはなった。
しかし、すでに遅すぎる様に思った。
そこはまた、先行者がすぐ隣で、おびただしい数のキャスト&リトリーブを繰り返してもいるのである。

それでも、心の底ではまだ諦めてはいない。
海は何があるか分からないからだ。
丁寧に、ゆっくりと一つ一つのアクションをルアーに送信して行く。
少し休憩しようとした時、それはふいにやってきた。
魚からの反応ではない・・・。
大波であった。

ルアーをガイドにひっかけてラインを巻き、後ろを振り返りざまにきたのであった。

ヤバイ!!!

そう思った瞬間には、波は胸まで私をとらえていたのだ。
そして、ライフジャケットの浮力のせいで身体はいとも簡単に浮く。
一度、地面から足が浮くともう自由はきかない。
ただ、波まかせに後ろ向きにされ、波が引いた瞬間、背中から磯に叩きつけられたのだった。
後ろ向きに波が拡散して行く磯の形状であったから助かった。
もし、そうでなければ、きっと引き波に体ごと持って行かれただろう。
これぐらいなら大丈夫だろう・・・。
数々の経験からの慢心である。
やはり、慣れてきた頃にこそ事故は起きるのだ。
大いに反省するのだった。



その後しばらく、満潮からの下げまで休憩をとった。
少しの事で、海は劇的に静かになって行くのだった。
様々な事を考えながらキャストを繰り返して行った。
この日の状況では、選び抜いたルアーは全くの誤算であった。
先行者の存在も想定外である。
深く考えなくとも、この日、出ない理由は明らかだった。
一投、一投の大切さを、改めて実感する。

チャンスは本当に僅かなのだ。
全ての動作に無駄があってはならない。
間違った感覚かもしれないが、強くそう感じるのだった。
そして、ほぼ、100パーセントに近い事が出来たとして、それがいつも、釣果に結びつくとは思えないとも感じ始めているのだった。
魚に聞いてみなければ、その日、その瞬間の奴らの気持ちは分からないからである。
どうしても、水面、もしくは水面直下に出たくない時もあるだろう。

ただし、釣りを運まかせにはしたくないのだ。
自身がやれる最大限の事までは出来る様になりたい。
その上で、どうする事も出来ないのならば、晴れやかに釣り場をあとに出来るだろう。
日々、努力あるのみである。

それでは






















フックサイズの変更


最近では、「直ペン」、「ダイビングペンシル」、を使われる方をよくお見かけする様になってきました。

どちらかといえば、オフショア向きのルアーだとお思いの方も多いと思います。
実際、全長は20センチ前後、推奨フックサイズが3/0や4/0など、大型のマグロやヒラマサを、船からのキャスティングで狙う為のものが多いと思います。


ものは試しと、約1年ほど前よりショアにて使用し始めました。
最初は、どうアクションさせるかもサッパリ分かりません
それでも、手さぐりで色々とやっている内に、「なかなか良いかも!」、
なーんて思える機会も増えてきたのでした。
そんな中、なかなかクチを使ってくれず、アマ噛み、ショートバイトが多発する状況で釣りをする機会がありました。
おまけに、前日までは10数センチのカタクチがベイトだったのに、急に7~9センチのベイトに変わるという状況でした。

周りの皆さんは、9~12センチ程度のシンキングペンシルを使う方が殆どでした。
久々に青物がいる海に来れたし、魚の反応を見るには、またとない機会かなと思ったRockBeach
手持ちの中でも、小型のダイビングペンシルを使ってみたのでした。
結果、アクションが決まれば必ずヒット!
しかし、合計7~8ヒット中、釣り上げたのは一匹(笑)
おまけに、根にガンガン突っ込む強力なヤツをバラシてしまいました。


この時のルアーは、「BRITT PENCIL 145mm」、です。
重量は48グラムと少し重いかな!?という程度ですが、純正で装着されているフックはなんと!

「ST66 2/0」


私の未熟なウデでは、平均60~65センチのハマチを上手く掛ける事が出来なかったのです。
そこで、無知な私は無いアタマで考えました。



 フックはもっと細くて、小さくすれば掛かりやすくなるかな 



 でも、小さく細くなるとフック自体が軽くなる。
   多分、ルアーの動きも変わるし、ダイビングもやりにくくなるな 



 じゃあ、ST66 2/0と同じ重さに出来たら良いワケじゃん 


何か無いかな。

・・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

そや! イカに使った奴がある
その位のア〇さ加減で思いつきました(汗)
でも、悪くない感じなのでご紹介してみます。
私の様に下手っぴでない方、大物狙いの方は、純正をそのままお使い下さいね






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「BRITT」です。








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基本的には、やはり中型~大型の青物に照準を定めているんでしょう。
豪快に太いフックが標準装備となっています。









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写真左   純正サイズのST66 2/0
写真右   手元にあったST56 1/0








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大きさもさる事ながら、太さは強烈に違います!








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そこで、取り出したるは、「糸おもり」、です。
どこの釣り具屋さんでも、おそらくすぐ購入できるものです。
撮影用に結構、太いタイプのものを使っています。
もっと細いものもありますから、お好みに合わせて選んで下さい。









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自分はこんな感じで巻きます。
大事なのは巻きの美しさではなく、メーカーが推奨するフック(この場合、ST66 2/0)と同じ位のフック重量に合わせられるかです。
ハカリを使うとより正確に合わせる事が可能でしょう。








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まぁ! 何と!すぐに出来ました
撮影用に巻き量はデタラメです。
あくまでも、イメージです。








P1000860

最後はルアーに取り付けて、ハイ!完成
お疲れ様でした~




以上は小型青物向けの調整となります。
現在、20センチ弱、推奨フックサイズが3/0、4/0のルアーも試験的に使用しています。
対象魚の種類やサイズ、タックル、ライン等々のバランス、そして、自身の技術や癖などなど、それに合わせどういう組み合わせがマッチするか、分からないながらも試行錯誤の真っ最中です。
ルアー自体の大きさが大きさなので、単純に小型のフックを用いる訳にもいかないでしょう。
また、わざとフック重量を変える事により、そこから生まれるルアーの動きや性格の変化も興味深く感じています。
天候や波の状態、また、魚の活性やその日ごとのヒットパターンに合わせ、適格な調整が出来る様になればと思います。

それでは





















プラッキング修行

2月1日の日記


完膚無きまでに叩きのめされた前回の釣行。
当然、脳裏に焼き付いていた。
私は釣りを考える性質である。
しかしながら、多くのアングラーが持っている、基本的な知識や常識的な事を持ち合わせてはいないかもしれない。
誰かにきけばおそらく、一瞬にして分かる事も多い。
しかし、遠回りしても自身で体感する事。
それを信じたいと思っている。
次の休みまで指折りあと少し・・・。
いつもにも増して遠く感じた。



仕事に追われ、準備が整ったのは午前1時をかなり過ぎた頃だった。
仮眠はおろか、ゆっくりしている間も無いほどの過密プランである。
自宅を出てすぐに高速に乗る。
少し開けた窓から吹き抜ける風は、いつもにも増して冷たかった。
これは道路が凍結しているかもしれない。
矢野川峠の気温計はマイナス8度、何かあっても咄嗟に対処出来る速度でゆっくりと南下して行く。
現地到着は午前5時頃であった。



ポイントに向かう道中、街灯の下に車をとめ準備を整えて行く。
駐車スペースでは真っ暗でよく見えないからである。
防寒着を着込み、磯靴を履き、すぐに向かえる状態で車中にて夜明けを待つのだった。
車を降りたのは、遠くの空がうっすらと明るくなってきた頃。
必ず夜明けは来るのを確信していても、一人真っ暗闇の磯は恐ろしい。
先端まで急いで15分、タックルの準備に3分としても、十分間に合うはずである。
空が白々としてきた頃、ようやく磯に向かうのであった。



前回、ゆっくりと確かめながら進んだおかげで、暗闇の中でも迷いなく進む事が出来た。
おそらく、水温の加減であろうか、ここ最近のショアラインのジアイは午後から夕方にかけて来る事が多い。
しかし、何故にあえて朝一をプライムタイムと想定するか。
うまく説明は出来ないが、それも前回の釣行で感じた事だからである。
自身の直観が的外れならば、潔く皆が言う時間にかけてみれば良い。
間違いであれば、またその時点で修正をすれば良いのだ。
しかし、まずは自分に素直になりたかった。



タックルを準備しながら今日の海を見て行く。
ようやく、遠くの空が茜色に染まり出し、幾重にも複雑に絡む潮の流れが目に入ってくる。
海の一点をながめれば単調ではあっても、辺りを大きく見渡せば気になる箇所がいくつもあった。
残念ながらカメラは一点しかとらえられないが、雰囲気だけでもとシャッターを切ってみた。




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ここ最近では珍しく、まったくの無風がしばし続いていた。
おそらく、明るくなれば、釣り人のモチベーションを奪い去る様な凪の海が広がって見える事だろう。
凪の海が好きだと公言している私ではあるが、それは大きな波やウネリが無い状態を言うのである。
潮の流れは欲しいし、何より必要な、「風」、というものがある様に思う。
残念ながらこの日、そのどちらも殆ど無いのだった。
おそらく、おそらくであるが、唯一の時間は長くて30分、いや、おそらく15分も無いだろうか。
胸がムカつく様な緊張の中、Rock'n'RollFishingが幕を開けた。



まず結ぶルアーであるが、おそらくどなたも悩まれる事だろう。
まずはミノー、まずはポッパー、まずはジグ・・・等々。
釣り人の数だけ選択肢がある。
そんな私はポッパーが好きだ。
まだよく見えない中、少し目を離すと、見失いそうになるポッパーからあがる水飛沫。
操る手から生じるそれとは別に、突如として起こるスプラッシュ!!
たまらない瞬間である。

それには大きなロマンを感じるがしかし、海況によって選ぶのが自然な成り行きだろうと思う様になってきたのだった。
ミスポッピングが頻発する様な波の状態では意味がないと。
確実な理論は持ち合わせてはいない。
そこはフィーリングでチョイスしている。
今回、まず最初に結んだのは、オシア ポッピングベイト150Fである。
自身のアクションでは、そう大きなポップを生み出す事は出来ない。
それよりはむしろ、スプラッシュを上げながらも、時にミノーライクに、時にペンシルの様に操りやすい性質がとても気に入っている。



まずは気になる流れの中を通して行く。
まだ、十分な明るさが無いのでルアーがよく見えない。
勘を頼りにスローに探って行くのだった。
5投、10投と続けるが何も起きない。
はたして、自身が奏でる旋律が間違っているのだろうか・・・。
そんな不安にかられながらも、今日のヒットパターンを探してひたすらにキャストを続けるのだった。

ここでルアーを交換するのは簡単である。
はたしてそれが正しいか!?
チクタク、チクタクと終わりに向かって時間は流れて行くのだ。
考えている時間など無い。
自身が出した結論は、ルアーはこのままで行くであった。
ただし、大きく立ち位置を変えてみる。
残念ながら今、ここには奴らは来てはいない。
全くの思い込みに間違いないが、そう感じたままに動くのみ。
磯の上を走りながら、ここぞと思う流れを見つけ立ち止まった。
僅かながら、そこは沖からの風が吹いており、少しだけ潮が当たっている様に見えたのである。
もう残された時間はわずかだ。
ここにかけてみた。



2投ほどした頃だった。
激しくスプラッシュをあげ、一気に潜らせて速いテンポでトゥイッチを入れていた時である。
ルアーの後ろにモワモワと違和感が見てとれた。



きた!!!



前回の事もあり、全身に力がみなぎった。
しかし、一瞬でそのモワモワは消えてしまった。
再度、同じスポットに同じ様にルアーを通してみる!
ルアーを引き始めて10メートル程たった所で、再びモワモワと水面が僅かに動いた。
しかし、出ない!!

ここで迷いが生まれた・・・。
ルアーが大きすぎるのだろうか!?
よく分からないマッチザベイトの知識、ルアーのサイズで大きく反応が変わる・・・。
そんな擦り込まれた感覚がグッとあらわとなって来る!
試してみないと分からない、そう無理矢理に自分に言い聞かせたかもしれなかった。
すぐに、12センチ程のシンキングペンシル、そしてシンキングミノーと結び直して掛けに行く。



この迷いは、ただ迷いで終わってしまった。
どうしても、全く何も反応が得られないのだった。
時間が無いっ!!
すぐに元の150Fに結びかえキャストする。
するとどうだろう!?
再びルアーのすぐ後ろには、今にも水面を割るかのごとく、不自然な小さいウネリが出るのだった。
しかし、どうにもそれ以上の感じがない。
チェイスしているのは間違いないが、あまりに、嫌々追ってきている様にしか見えないのだ。
いくつもの正解のただ一つでしかない俺のルアーではある。
それなのに、どうにも魚が躊躇してあと一歩が踏み出せないでいる。
何故、あと一歩が踏み出せないのか!?



至極、単純な事だと思った。
おそらく、色でも、大きさでも、シルエットでもないだろう。
それは、「ルアーの動き」、ではないだろうか?



残された時間はもう幾何も無い。
遅すぎるのは分かっている・・・最後のチャンスだ。
今までのアクションを大きく変えてみた。
少しでも水中にルアーを泳がせてはいけない!
きっとそうだと確信する。
ゆっくりと、丁寧に滑る様に水面を躍らせて行く。
しつこい位のドッグウォーク、舐める様に大きく横を向かせ、左右に頭を振って行った。



バシャ!!
当てる潮とは別の水飛沫が上がる!
しかし乗らない!!
見えないが、水の中にいる奴らの存在を明確に感じる。
磯際から約5メートルのそこから、えもいわれぬオーラの様なものが伝わってくる。

絶対にまだそこにいる!!
全く同じラインを通す。
今にも爆発しそうなウネリがルアーのすぐ後ろに見えた。
再度、同じ線上にルアーを置き、ゆっくりと一つ一つの動きを確かめる様に動かすと、ついに奴は姿を見せた。
拳より少し大きい頭を水面に出し、すぐさまルアーを消し込んで行った!




「・・・・・。」




コンッともカスッとも伝わらない。
音も無くルアーを持って行った奴ではあったが、ラインにもロッドにも何の変化も出ないのだ。
一瞬の事ではあったが、永遠にも思える間を待って、それよりまだ少しだけ我慢して、力の限りフッキングを叩きこんだ!!

しかし・・・。
無情にも大きく振り上げたレイジングブルは、ブンっと大きな風切り音だけを残し虚しく宙を切るのだった。
予想した時間はほぼ正確であった。
その後、様々な事を試したが、まったくもって魚からの反応を得る事は出来なかった。



そこには、ボイルもナブラも無い。
意識しないならば、ただ何も無い海が広がっているだけである。
そして、あまりに短い時間。
私はそれでも屈しない。
往復、500キロの道のりを経てそこに立つ。
ただ、夢だけが自身を駆り立てるのだ。

それでは



















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