2011年05月

プラッキング修行8 新しいポイントへ

5月24日の日記。






急遽、連休となったので今回も出撃する事にしました。
連投となるので、前回の釣行での疑問の答えをまだ見つけられていません。
しかし、ただ考えるだけではその答えを見つける事は出来ないでしょう。
結局、様々と考えながらも、実際に釣りをしないと分からないのです。






今回も、天気予報では荒れるとの事であった。
波高は三メートル、北東の風が風速10メーター以上との事である。
地元の方からのお話では、瞬間的に風速16メーターという話もある様だった。
正直、荒れの海はウンザリだ!
爆発するかもしれないが、怖々と釣りをして、自身の釣りに集中出来ないのは不快極まりない。
見送ろうかとも思ったが、時間をかけて荒れでも安心して立てる場所を絞り込んで行った。


最近、ショア青物は好調で、めぼしいポイントにはどこも早くからアングラーが入っている。
交流のある方々も、同地域のめぼしい場所に立っているそうである。
各々のセンサーを用いて、魚を追って行けばおのずとポイントが重なるのは仕方がない事だろう。
ただし、私がそれらの場所を選んできた理由は、ただそれだけではない。
ゆえに時と共に、その場から離れる事は自然な事かと思っている。





南紀到着は、午前3時をかなりまわった頃であった。
絶え間なく降りつける雨、そして眠気でペースを上げれなかったのである。
いつものコンビニには、もう、駆け込む様にして入ったと思う。
あと少しの事なのだが、とてもじゃないが目がもたない。
おまけに横殴りの雨である。
駐車してエンジンを止めると、吹き荒れる風が南紀特急を大きく揺らせるのだった。
これはダメだ・・・。
心の声にしたがって眠る事にした。
起きた時、なる様になれという気持ちだった。





結局、一時間ほどで目を覚ます事となった。
まだよく開かない眼で辺りを見る。
うっすらと明るくなって来ているのだった。
これから初めて向かう場所には、この明るさが必要なのだ。
危険なルートを、ヘッドランプだけで進むのは不安である。
コンビニで買い物もせず、すぐさまポイントに向かった。
飲料水を忘れ、途中の自販機で購入する。
すぐに駐車し、用意を整えポイントに向かった。





事前に航空写真にて予習していたが、実際、その場に立つと迷う事も多い。
大まかなルートを迷うのではなく、もっと細かなものを迷うのだ。
歩きにくい道を進んで行った。
どの磯でもそうだが、なかなかストレートに進める場所は無い。
何かしらの難所を、いくつか越えなければならない事も多いだろう。
私にとって、今回の場所もそうした場面に直面するのだった。
時に慎重すぎるくらい慎重に越えて行く。
あともう少しだ。





何とか無事に立ちたい場所にたどり着いた。
もう、いつもなら投げている時間であった。
まずは海を眺める。
いつもながら、海を見ただけでは全く気配など分からない。
自身はそんな海が好きだ。
思惑通り、目前に広がる海は凪いているのだった。
すぐに潮を観察して行く。
とはいえ、まだまだ、まだまだ潮の事はよく分からない。
今、それを、「変化」、としか説明できないが、その違和感を探して行くのだった。
その、「変化」、を期待してエントリーしたが、それは間違っていなかった様である。
今日は小潮ではあるが、私からは十分な流れが見てとれるのだった。
これで、まず投げる場所が決まった。





不安と期待を胸にまずはキャストした。
何も無く戻ってくるルアー。
足場の高さを考慮して、今日は少しだけルアーの重量をかえている。
水面からは飛び出さないのだが、不用意にアクションさせるとイメージ通りには動かない。
何となくではるが、一投目にそれを体に覚え込ませて行った。


続いて二投目、またもや気になる流れを撃って行く。
確かめる様にアクションを入れて行った。
おそらく、魚がいればすでに見ているだろう。
あと一つ、二つ、狂おしい程の動きが出ればいい・・・。
そんな時、流れと風を受けてルアーが踊った。
その刹那、水面が割れた!
海面には、静かに大きな波紋が出来たのだった。
























DVC00055 (2)

いつもより沖で掛けた為か、まったくもって引かない。
ただ適度な重さを感じながら寄せるのみであった。
前回の失敗もあって、すぐに血抜きする事にした。
とても心が痛むのだが、なるべく苦しまなくて良い様、大量の流血をする様に刃を入れた。
(いつものデジカメが動かないので携帯にて撮影です)
















シメの儀式を終え、キャストを再開して行った。
どうやら、今日は魚はいる様だが、ルアーアクションにはシビアな様子である。
それはおそらく、他のルアー釣りでも珍しい事ではないだろう。
急いで、その答えを見つける為にキャストした。


5投目位だったろうか、違う流れにてバイトを得た。
大きそうな感じだったが、残念ながらフックアップにはいたらない。
おそらく、もう、このルアーの役目は終わっただろう。
いつもながらの盲信であるが、その声に素直にルアーを交換するのだった。


結んだのは、前回、悶絶する程多数のバイトを得たにも関わらず、
乗せる事が出来ず、結局、足元でフックオフさせてしまったルアーである。
今回もそのままの仕様でキャストした。
一投目は、まずその動きを確認して行った。
立ち位置の加減と、風向き、そして潮の流れで、前回とは全く別の入力をしいられる。
ゆっくりと丁寧に引き、コツをつかめばそれほど悩む事はない。
あまり気にせず、コチラのペースでルアーを動かして行った。
そして、一瞬のステイ後、地味な水柱が立った!













待つ・・・・・。
僅かの時間ではあるが、とても長く感じる。
いったい、どれだけ経ったろうか。
やがて、奴の鼓動がラインを通じて手元に伝わって来る。
フッとラインが走った!
躊躇なく大振りなアワセを叩き込んだ。










ゴン!っとグリップに響く衝撃。
乗った。
まだ足りないか!?
更に追いアワセを入れた。
しかし、どうした事かまた引かない。
スルスルと巻けるハンドル・・・。














巻く手を止め、海面を覗きこんだ。
するとどうした事だろう・・・。
魚は全く抵抗せず、じっと海面近くで浮いているではないか。
ゆっくりとそのまま巻き寄せて行った。
足元に来ると、さすがに少し暴れるのだった。
最早、ST56 3/0は自然には抜けない程強くヤツの口元を捉えている。
抜き上げるのが不安だったのでギャフに頼る事にした。


























DVC00047 (2)

写真左が二匹目の魚です。
絶命後の姿ですみません。
その後、二度ほど小さく出たが乗らなかった。
雨は降り続けているが、ムシムシとして魚が傷みそうなので撤収する事にした。









急いで車に戻り、クーラーで魚を冷やす。
これで一安心である。
漁港にて、楽しそうに泳ぐ小魚を見ながら朝食をとった。
眠ろうかと思ったが、時間がもったいない気がした。
少し休憩し、今度は別のポイントを開拓してみる事にする。



二か所目に訪れた場所は、探し辛い場所であった。
地図をよく見てやっと気づいた様なポイントである。
磯に降りようとするが、少し入水しないと行けないのだった。
今回は諦め、もう一か所気になる場所を目指す。



少し山の中を歩いていると、藪の中にうっすらと道らしきものが見えた。
慎重に進んで行くと崖の上に出た。
幸い、何とか降りれそうな感じだった。
確認の為、何も持たずにまずは降りてみる。
ほどなくして磯に到着し、辺りを観察して行った。
この頃には風向きが変わり、南から強い風が吹いていた。
何か所かには良いサラシが生まれている。
少し浅いのだが、急いでタックルを取りに戻った。
沖のシモリ、潮目、そして手前のサラシなど、ミノーでチェックを入れてみたが反応は無かった。
もしかしたら、条件によっては良いかもとその場を後にした。





四時間ほど車で寝ると、そろそろの時間になってくる。
ゆっくりと準備をし、再び朝の場所に戻る事にした。
短期決戦、夕マズメの勝負である。






やはり、結んだのは前回、敗北したルアーであった。
どうしても、もう少し試しておきたかったのだ。
ゆっくりとしたペースでキャストし、魚の回遊を待った。
それは意外にも早くやって来た。
開始から20分もしない内であった。
スローに引いていたルアーにジュボ!っと出た。
朝よりサイズは落ちたがメジロが喰った。
前回はフックオフに泣いたが、口の硬い部分にしっかりと、ST56 3/0は貫通していた。
エラにナイフを入れ、魚をタイドプール入れる。
休まず、すぐにキャストして行く。







数投目、今度は派手な水飛沫が上がった。
一瞬のタメを入れ、フッキングを入れる。
しかし、手元に伝わる衝撃は小さい。
ハンドルを巻くと、引かないが重い。
やはりスレであった。
上がってきたのはツバス。
頭部にスレ掛かりをしていた為、リリースは断念しキープする事にした。
その後も、出ればツバスという状態になり納竿する事にした。






















P1000980



















P1000981







大事に魚を持って、もと来た道を戻って行く。
車に戻り、魚をクーラーに入れると一杯になってしまった。
RockBeachのクーラーは小さいのです
本当は、次の日も釣るつもりでいたが帰る事にした。
家族で美味しく頂くには、十分すぎる程の幸であるのだから。





狙いを定め、新しく開拓したポイントでの釣果。
そして、苦汁を味わったルアーでのヒット。
自分なりに満足感を得られた一日だった。



余談ですが、さばいた一匹から、「ブリ糸状虫」、が見つかった。
なるべくなら見たくないものだったが、ついにという感じであった。





どうしたか?
気持ち悪かったが、そのまま食べました。
人体には無害だという事を信じて。
身も味も、虫がいない魚と変わりは無かった。
ただ、正直、気分的には落ち込んだ。
約一週間後、このブログを書いていますが、今までに感じる身体の異変はありません。
虫がいようといまいと、魚には何の罪も無い。
ましてや、抱卵している魚の生命を奪ったのは自分である。
せめて、上手く調理し、美味しいと言って食べてやりたい。





それでは






タックル

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プラッキング修行7 夏の様な日。

5月18、19日の日記




最近、タイトルに、「プラッキング修行」、とうたっています。
何が修行なのか!?
それは自身の釣りの引き出しを増やしていく事なのです。
釣れない時、貴重な一匹をあげたいと必死になります。
結ぶのは、とても実績のあるルアーかもしれません。
おそらく、それは間違いの無い釣りでしょう。
どうしようもない時、もちろん私もそれを結びます。
それで釣れたとして、当然に嬉しいのです。
しかし、それはお土産が確保出来たという喜びなのかもしれません。


何度も、何度も、遠い南紀まで通う自分にとって、
その喜びだけでは釣りに向かう原動力が薄れる時があります。
釣果を得たいからという釣りだけでは続ける事が難しいのです。


他人と比べてではなく、毎回毎回、自身の釣りを高めようと努力する事で、釣りの気持ちを維持しているのかもしれません。
だからこそ、私は自身がコレ!と信じたルアーを結びます。
それがおおよそ、その時々の当たりの物から外れていても全く気にしません。
たとえ釣れなくても、自分らしい釣りをしたいのです。
尚、当ブログでは殆ど使用するルアーの実名は述べていません。
それは、ブログを見て下さる方のイマジネーションを極力、邪魔したくないからです。
釣具屋さんで、何十分も考え悩み、今度釣りに行く為にルアーを買ったんだ!!
そんな気持ちを大切にしたいと思っているからです






前回の釣行は、病み上がりの南紀特急の慣らし運転もかねていた。
ゆっくりと、確かめる様に走行していった。
新しく組まれた部品に自身の走りをしっかりと覚え込ませて行った。
経過は上々である
再び元気な排気音を取り戻した南紀特急であった。
気持ちよく走り、ポイント付近には午前2時に到着。
早速、準備を整えて磯に向かった。



先端まで来ると、暗闇にタックルが置いてあるのが見える。
こんな早い時間から入られているのかと驚く。
闇に眼が慣れてきて更にビックリした。
何と! 波が被る場所にてお一人、熟睡してみえるではないか。
まあ、今日は凪だから大丈夫ではある。
しかしながら、ふいの大波が来るかもしれない為、
日の出までそのアングラーを見守る事になった。



寝ていた彼が目を覚まし、ご挨拶をさせて頂く。
彼の立ち位置を聞くと、自分の希望とは違った。
遠慮なく立たせてもらう事が出来そうだ。
もうすぐ夜があける頃になって、更にお二人のアングラーがみえた。
どうやら、一番乗りで、しばらく車で仮眠されていた様子であった。
釣りを始めてしまった為、お声をかける事が出来なかったが、
お二人の服装ではこの場所は厳しいかと思った。
少し心苦しいが、そのまま釣りを続ける事にした。




今回、まず結んだのはミノーである。
暗くてルアーが見えない為、トップを正確に動かすのは難しい。
暗闇に潜むビッグワンを狙っての選択である。
今日の海ならば、ミノーが気持ちよく泳ぐという事でまず選んだ。
しかし、どうもうまく流れに噛みあっている感覚が無い。
おそらく、ただバタバタと動いているだけだろう。
すぐに見切りをつけ、少し早いが表層を狙ってみる事にした。
朝一のポッパーほど興奮するものは無い。
何しろ、魚の出方がエキサイティングなのである!
しかしそれは、単に視覚的要素だけの選択ではない。



ほどなくすると、熟睡されていたアングラーが掛けた様だった。
慣れた手つきで魚を寄せ、波に乗せてポンっと抜いてみえる。
とはいえ、よく肥えた良型のメジロである。
しばしの間、ポッパーで粘ったのだが出そうな気がしない。
そこでルアーを交換してみる事にした。
結んだのは15センチ程度のシンキングペンシルであった。
じつは私は、いわゆるシンペンの釣りにあまり自信が無い。
ましてや、これから投げるのは初めて使うルアーなのである。
チャンスタイムに、こうした冒険をする事はリスクが高いだろう。
しかしまた、そんな時こそ魚の反応を見るのには絶好の瞬間なのではないか。
釣果よりも自身の冒険心を優先させた。




このシンキングペンシル、あまり沈まないし、リーリングすればすぐに浮き上がってしまう。
今回、装着したフックは、ST56 2/0である。
軽すぎるという事はないだろう。
おまけに、トゥウィッチやジャークなどを大袈裟に入れてみても、殆どヒラも打たない。
なかなか、自身のイメージでは難しいと感じるルアーであった。
しかし、何か特出した動きが隠されてやしないか?
そう信じ、一投、一投と確かめる様にキャストして行った。




しばらくすると潮の流れが少し変わった様だった。
足元から沖に向かい、緩やかではあるが絡む様な流れが生まれている。
先程のルアーのまま、まずは沖にフルキャストした。
ゆっくりと丁寧に巻いてきて、その流れにそっと馴染ませてみた。





これだ!!!






流れに噛みあった瞬間、そのルアーは全く別の動きを見せたのである!
ゆっくりと流れに逆らう様に泳がせると、まるで生きているがごとく動いたのだった。
なんと艶めかしい泳ぎなのだろうか・・・。
自分で操りながら、あまりの泳ぎに身震いしてしまう。

間違いなく魚は狂う。

そう直観し先ほどと全く同じ地点に再びキャストした。
同じコースをたどり、素早く潮に馴染ませる。
今度は少し早く、その艶めかしい泳ぎを出す事が出来た。
巻く速度を一瞬上げたその時、背びれを出して奴が襲ってきたのであった。
ギュン、ギュン!っと大きく体をくねらせながら喰う瞬間をはかっている。
瞬間的な出来事なのだが、おそらくアングラーにとって長く感じる時であろう。
意地悪に速く奴から逃げてみて、次の瞬間に力尽きてやる。
直後に上がる水柱、足元にてガッツリと喰わせてやった!
間髪入れず、大きなアワセを一発叩き込む。
更にもう一発入れる。
そのアワセで一瞬、魚は水面近くまで浮上したが、そこから一気に潜って行った。




ギシ!!っというキシミ音がガイド付近から鳴って行く。
ロッドに一気にテンションがかかったのだ。
潜りながら磯際に並行して走る魚。
たまらず片手のみを伸ばし、ラインが擦れない様にあと50センチほど竿を突き出した。
それで凌ぎ、またすぐに一歩前に出る。
ドラグを出さない様にしている為、強引が一気に片腕を襲う。
荒れ狂う魚を腕力でねじ伏せるのだった。
魚以上の力でリフトさせる。
首を振るより先にそのまま抜き上げてやる。
なかなか強かったが何とか勝負あり。





















P1000977

しっかり肥えたメジロでした。
ボディーフックのみが口内に刺さり、魚をコントロールしやすいはずでしたが・・・。
なかなか強いファイトをみせたのでした。
おそらく、自身の壁である、80センチ、5キロは超えたと思われます。
非常に満足度の高い勝負でありました。
やったね!!






忙しいからと、数枚の撮影だけをしてタイドプールに泳がせておく。
今日は少し粘りたいので、あえて血抜きもシメも行わない。
そのまま続投して行った。
良い波が来る度、振り返ってメジロが泳いでいるかを確認する。
何度目だったろうか、振り返ると魚がいない!
すぐに辺りを散策してみるが、メジロは忽然と姿を消しているのだった。
どうやら、自力で泳いで海に帰ってしまった様だった。
突然の失踪に少し落胆した。
せめて計量したかったなあ




気分をかえたくて、今度は20センチ弱のペンシルを結んだ。
もちろん、そんな大きなベイトを見る事はない。
ただ、自分が好きで使っているルアーである。
まずは何投かは丁寧に泳がせていった。
ゆっくりとドッグウォークさせながら、時折、大きく左右に横を向かせてみる。
しかし、全く反応が見られない。
今度はかなり激しい動きを与えてやった。
水面から飛び出すぐらいにジャークさせてみる。
するとどうだろう!


ガボ、ジャボ、バシャン!!と出るわ出るわ!
これだ!っという激しい動きがルアーに出たら必ずバイトしてくるのだ。
おそらく、約10分程の間に、7~8回は水面を割った。
出るまでいかない、水面のモヤモヤはもっとあったろうか。
しかし、悔しいかな乗らないのだ。
ST56 3/0には全くもってカスリもしなかった。
違うルアーには全く反応しなかった。
面白い経験であった。



少し休憩と腰かけて一服していると、一人の方が声をかけて下さった。
ブログされてませんか?
Rockさんと違いますか?っと彼。
まさかの質問に戸惑って即答出来ませんでした。すみません
当ブログを見て下さっている方にお声をかけて頂くのは初めてである。
なんと、お連れの本格的な女性アングラーさんまで私の所にお呼び下さった
突然の事にビックリだったが、恥ずかしい様な嬉しい様な気持ちであった。
今度、またどこかでお会い出来たら、一緒に竿を出してくださいね。
有難うございました。




その後、再び釣りを再開して行った。
あと何度か回遊があると、お二人にお伝えしたものの厳しい状況であった。
お二人が帰られた直後、灰色の40センチクラスがフラフラとチェイスしてきた。
フン!っという感じで見切って消えて行ってしまった。
晴天の昼間でも、ベタ凪でも釣りにならないとは思ってはいない。
しかし、澄み潮がグっときいてくると、とても難しいと思う自分である。
どうにも、先ほどから透明度がかなり上がっているのだった。


ほどなくして自身も磯上がりした。
妙に疲れたのでゆっくりと観光してみる事にした。
何度となく訪れている南紀だが、たまにこうして散歩すると新しい感動がある。
お腹いっぱいに昼食を頂き、小高い丘から海を眺めてみた。
晴天のもと、真っ青な海が広がっていた。
空と海の青さ、雲と波の白さが際立っていた。
夏はもうそこまで来ていると実感したのだった。





翌19日、少し寝坊して午前4時半に目が覚めた。
かなり疲れがたまっているのだろう。
起きるのがとても辛い。
この時間から行きたい場所のベストタイムにはとても間に合わない。
ならばと、ここからほど近い気になる場所に向かう。
ここは以前、二回チャレンジしている場所であったが、途中の難関がどうしても越えられず、
目的の場所に立つ事が出来なかった。
私にとって、唯一、立つことが出来なかった磯である。











じつはこんなアイテムを用意していました

P1000974

ザクタス Z-01
耐油長靴です。

良いと先輩に教えて頂いた物は売っていなかった。
白色の物はチラホラと売っているが、自分には似合いそうもない。
BLACKが好きなのと、「Z」、という名前で決めました。
山の中で落ち葉を踏んでも滑りません。
フェルトピンでは滑りやすい岩の上でもしっかり粘ってくれました。
黒は暑いと釣友の方々はアドバイス下さいましたが・・・。
はい、もうムチャ暑いです!
真冬に生足のミニスカの女性の気持ちですかね!?
お洒落は忍耐です!!
Rock is BLACK!
行けるトコまで頑張ります。
真面目な話、磯の岩質、天候などで履く磯靴を選びますと、より安全に釣りを楽しめるでしょうね。
安全第一





長靴のおかげか、何とか無事に磯に辿り着く事が出来た。
おそらく、少し前に到着されたルアーマンがお一人みえた。
ご挨拶をして釣りを始める。
目の前の海は鏡の様である。
水面を覗きこむと、沢山の種類の魚達が泳いでいる。
また、凄い数のベイトの量に驚くのだった。
静かな海だが、全く流れが無いわけではない。
緩い流れにのって、おびただしい量の切れ藻が漂ってくる。
少しだけプラグで探ってみたが海藻をひっかけたりと良くない。
すぐにジグに交換し、速いピッチで連続して狙って行った。
しかし、なかなか反応が得られない。
マッタリとしたペースでキャストを続ける。



休憩しながら隣のアングラーとお話させて頂いた。
すると、またもやブログやってませんか?とのご質問
今までなかった事にやっぱり驚いてしまいました。
この方にも色々と教えて頂きました。
自分は次のポイントに向かう為に納竿。
また、お会い出来ましたらご一緒させて下さい。
有難うございました。



帰りの道中も黒長靴のおかげで滑る事は一切ナシ。
バッカンがズレてきて一回バランスを崩しましたが
とにかく夏の様なお天気で汗だくになって戻った。
そして今回、最後に向かったのは初日の場所。
どうしても昨日のパターンを再現したかったのである。
ポイントに到着するとお一人の方がキャストしてみえた。
お話を伺うと、かなり遅くに入られたとの事。
良い魚を一本、仕留められたという。



早速、昨日のペンシルを投げる。
何投かしていると、水面をモワモワと波紋の様なものが見えた。
小さくてよく分からなかったが、ルアーを回収して海面を見ると、
ゴボ! ガバ!!っと、足元のベイトを捕食し始めた。
よし、今日も反応する魚はいる。
少し立ち位置を変え、風向きと波にうまくルアーの進行方向を合わせてみた。
今日は激しいアクションにはどうも反応がよろしくない。
ドッグウォーク主体に緩急を与えながら探ってみる。
おそらく、そろそろ魚達が集まって来たろう。
今まであえて通さなかった流れにルアーをのせてやる。
おそらく、喰うならばココだろう。
間違っている解釈かもしれないが、そうイメージして真剣にアクションさせる。
三投目、アクション後の長いポーズに水面が割れた!






しかしまた乗らない!!






乗っていないからアワセも入れなかった。
するとどうだろう!
放置したルアーに再び襲いかかってきたのである。
そしてルアーが消えた。
足元の事なので、魚が走り出すのを待っている余裕は無い。
ありったけの力でアワセを入れた。
水中でギラリと輝くのが見えたかと思うと、すぐに真下に向かって突っ込み出したのである。
ヤバイ・・・。
凄いパワーである。
片腕では止めきれず、ロッドエンドを足に添えてリールを巻いた。
何とか魚を止めていざ浮かせようとした時であった。
プンっという感じでテンションが抜けた。
フックアウトであった。
またしても足元での攻防に負けてしまった。
間近で喰わせて獲るのは本当に難しい。
しばらく粘ったが、再びヒットが得られる事は無く帰路についた。


単純に運が悪かったとも言えるだろう。
喰わせ、アワセ、ファイトといった一連の動作のスキルアップ、
タックルの細かい調整などで何とか攻略出来ないものか。
考え、悩み、実戦を繰り返さないと分からないだろう。
名人に教えてもらったとして、それが自身にもマッチするかである。
自分で見つけるのだ。



それでは





タックル

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5月11日の日記


今回の日記はあまりに情けないので書く気になれなかったのです。
ただ、どんな釣行も綴って来たので、今さら止める訳にもいかず。
そんな惰性の気持ちで書いています。
しかしながら、今回、普段通りの日記はキモチ的に書けそうもないのです。
ですから、まずは私が今、「情報」、についてどう思っているか少し書いてみます。



日々、自分なりのアンテナを張りめぐらせてはいる。
「情報」、に左右されるかどうかは別として、常に海の事が気になるのだ。
単純にドコソコで何が釣れたなどは、聞いていてとても面白い。
シンプルに魚釣りが好きだから、釣りのハナシは聞いていて飽きない。
とはいえ、ともすれば海で生計をたてている方々と、密接した関係を持つ地元アングラー達の情報量の多さには到底かなわないのである。
そしてまた、リアルタイムで釣れている場所に立ったとして、はたして自分に釣れるかという事。
だから、どこで釣れているという事が最重要ではない。



ただ、自分が好きな場所の事はいつも気にしてはいる。
釣れない時、または空いた時間には、たとえ遠くからでもその海を眺める。
何故好きか!?と言われると返答に困るのだが、それはおそらく、この釣りを始めた時にとてもワクワクしたからではないだろうか。



何が起きるか分からない。



そう感じたからこそ竿を振り続けたし、自身の心に刻まれる一匹を釣る事が出来たのではないかと思う。
しかし、通えば通うほどに、そんな淡い気持ちは遠くなるものだ。
変に経験値だけを積み、海を見て、また実際に竿を出して、固定観念という物差しではかってしまう。
じつは、こうして通う中で、いつもそんな気持ちと闘っている自分がいる。



釣行の二日前の夜中、そんな自身のアンテナに強烈な電波が触れた。
もちろん、釣果ではない。
それは何かに飢えていた私の心に大きな衝撃を与えたのだった。
今回は釣りに行って良い連休ではない。(お金が無いからです!)
しかしもう、いてもたってもいられない!
急遽、スクランブルの計画をたてるのだった。





釣行の前日、何度かお世話になった渡船屋の船頭に連絡する。
なかなかお忙しく、携帯にかけてもつながらない。
やっとお話が出来たのは夜の7時をまわった頃であった。
あの磯にて釣りをしたいのですが、明日はいかがでしょうか!?
祈る様な気持ちでお聞きする。
天候を見る限りでは、普通ならば断わられる状況であった。




せっかくだけど、雨と波でやめといてもろた方が良いですよ。
竜巻のハナシも出てますから・・・。




ハッキリとは言わないのがこの船頭さんらしいが、現時点の情況で、安心して釣人に楽しんでもらう事は難しいとの気持ちが伝わってくるのだった。
喉から手が出る程に立ちたいのだが、その気持ちを何とか理解して諦めるのであった。



しかし、一度でも火がついた気持ちを収める事は難しい。
行くと決めた以上、もうどうにも止まらないのだ。
おそらく、良い潮が入ってきてるのはこのピンスポットだけではない・・・。
良い時、かなり遠く離れた場所からも似た様な結果だったと、何度も伝え聞いた事があるのだ。
良い日の、その日限りの、広範囲にわたる、同時多発的な奇跡を信じている私である。
全く意味不明な言葉の羅列かと思う方もみえるだろう。
ともかく、明日は釣りをすると準備をするのだった。




現場付近に着いたのは午前2時を過ぎた頃だった。
今日の予報では、南からの強い風、そして波高は3メートルとの事。
午前2時の今現在、予報とは違い、ほぼ無風の状態が続いた。
道中、雨はずっと降り続けていた。
しかし、それは合羽を着ていれば問題ないほどの雨量である。
もう少しポイントまで近づくと、今度は北からの風を感じるのだった。
車を停めて、よくよく確認したが、強く北東の風が吹きつけていたのである。
本当はある程度、足場が高く、荒れに強い場所に立とうと考えていた。
しかし、予報とは違った風が強く吹いている・・・。
もしかしたらと、予定通りの場所に行ってみる事にしたのだった。



ポイント近くまできてまずは車を停めた。
波の音を聞きたかったからである。
いつもよりは強くその音は繰り返されてはいる。
しかし、まだ向かう気力を削がれる程の音ではないと感じた。
雨雲に覆われた空なのだろうか、今夜は漆黒の闇に包まれている。
おそらく、いまだかつて、これ程暗い海に向かった事は無い。
一瞬、躊躇して引き返そうと思った。
それでも尚、一歩一歩確かめながら進むのだった。
ポイントに向けて歩いていると、次第に波の音が強くなる。
ここでは強いと表現するが、それは恐怖と同義語なのである。
時折、ヘッドランプに照らされる、妙に輝く岩肌がその恐怖を更に強くして行った。



ほどなくしてポイントに到着する。
海からかなり離れた高台にてまずはじっと眺めるのだった。
真っ黒な辺りには恐ろしい音が響いている。
目が慣れてくると、そんな闇の中にうねる波が見えてくるのだった。
それは、その場で硬直してしまう程のものであった。
おそらく、実際に2メートル以上の高さの波が絶え間なく打ち寄せている・・・。
時折、いわゆるセットというものだろうか、とんでもない波が叩きつけるのだった。
高台にいてなお、足元まで来た波に気持ちが大きく揺らいだ。


一歩たりともその場から動けないでいた。
時はもう、いつものチャンスタイムを過ぎている。
しかし、まだ光量の少ない今、はっきりと周りが見えないので動く事が出来ないのだった。
おそらくそれは、その場の状況判断だけによるものではなかった。
何故か!?
数時間前に少し離れた場所にて地震があったからである。




述べる事すら忌わしい。
しかしそれは、私の心にとても強いトラウマとなっていたのだろう。
真っ暗な海を前に、止めども無くあの光景がフラッシュバックしてきたのだった。
様々な恐怖の連鎖でおかしくなっていたのだろう。
おそらく、パニック的な感情だったかもしれない。
あまりに恐ろしく殆ど覚えてもいない・・・。
はたして、今まさに津波が来たら、どうして生き残る事が出来るだろうか。
釣り好きで、好きな場所にて命をまっとう出来たら本望か!?
一瞬だが、それをリアルに考えた瞬間だった。
こんな所で一人死にたくない!!
それが本心であった。




後戻りする勇気が無い訳ではない。
しかし、しかし、たとえ一投でもこの海を確かめてみたかった。
回収でルアーが磯際に根掛かりするのは目に見えている。
その場から二歩だけ前に出た。
いつもより10歩以上も離れてはいる。
そこからフルキャストした。
荒れに強いルアーでさえ、まるで木の葉の様に海面を舞って行った。
その時、それ程強くない波が寄せてきた。
ドン!!っと下腹から波が自分にブチ当たる。
もう限界だ・・・。
あまりの怖さに気分が悪くなってしまう。
逃げる様にして波とは無縁の場所に移動した。



少し呼吸を整え、大きく内側に入ったワンド状の場所に向かった。
しかし、ここでも時折、打ち寄せる大波でまるでモヤの様に潮があたりを漂っていた。
ただし、波の直撃だけは避けられる様だった。
ベイトが非難し、それを狙いに魚が巡ってやしないか。
そう思いルアーをキャストして行った。
しかし、そこでは山側からとても強い風が吹きつけていた。
狙いを定めた場所にルアーを届ける事すら出来ない。
我慢しながら何投かするが、全くイメージ通りに展開する事が出来ないのだった。
再び高台に立ち大きくため息をついた。
もう心がもたない・・・。


茫然としていると、どうやら潮が静かになってきた様だった。
おそらく、干満の動きが停滞した瞬間だったのだろう。
冷静さを欠いた頭でさえ分かるほど、打ち付ける波が静かになって行く。
半ば強制的に気持ちを落ち着かせ、再度、少し離れた立ち位置に立った。
ルアーをキャストすると、何とか泳いではくれている。
しかし、何も起きる事は無かった。
海中に目を凝らして何となく分かった気がした。



心身ともに疲れ果て車に戻った。
今日はもう無理だと思った。
波静かな場所にとにかく向かいたい。
何に怯える事もなく、ゆっくりと竿を出したいと心から思ったのだった。
すっかり陽が昇った今、車を走らせる。
行けども行けども、辺りはまっ白い霧の様なものに覆われていた。
いつもは輝く海がまるで見えないのだった。
まるで私の心をうつしている様な光景であった。

それでは


























GWプラッキング珍道中 Day2  筋肉痛

5月6日の日記




前回の日記の続きです
5日、結局、陽が沈むまで磯にいた二人でした。
急いで車まで戻り、クーラーにそっと魚をしまいます。
街まで戻り、24時間営業のスーパーに向かいました。
夕食と明日の釣りの飲み物などを買って行きます。
いつもの駐車スペースに車を停め、TNK氏との反省会が始まりました。
反省会・・・すなわち宴です
色恋ハナシもほどほどに楽しい夜は更けて行きました。
はたして明日、ちゃんと起きれるのでしょうか!?






午前四時起床。
隣のTNK氏は心地良いサウンドを奏でながらまだ夢の中にいます。
そっと起こさないない様に起き上がる。




ピキッ




あれれ、全身が筋肉痛である
翌日に出るとはオレもまだ捨てたモンじゃないなー
などと喜んでいる場合ではナイ!
身体をほぐす為、ゆっくりと海辺を散歩してみる事にした。
朝の静かな海を眺めるのも本当に良いです。
しばらくして車に戻ると氏もお目覚めのご様子。
マッタリとした時間をタップリ過ごし、のんびりと磯に向かう二人でありました。
どれほどダラダラしてたかは内緒です。



ポイントに着くと前日とはうって変わって車は殆ど停まっていない。
一応、世間的には5日でGWが終わりだからでしょうか。
朝マズメをすっかり過ぎた磯に向かいます。
ポイントに到着して海を眺める。
穏やかな海が広がっていた。
タックルを準備し、ゆっくりとキャストを始めて行った。
道中の渋滞も考えて、今日の釣りは午前中だけと思っている。
マズメは逃してしまったが、また回遊があるだろうと焦らず釣りをして行った。
予想の時刻にはまだ一時間半ほどある。
丁寧にルアーを引いて行くのだった。



何投ぐらいした時だったろうか。
僅かな流れの向こう側にルアーを届け、少し速めにアクションを入れていた時だった。
ルアーの後方から、おびただしい数の魚達が磯めがけて突っ込んで来た!!
中にはルアーを追い越して行ってる魚もいる。
何!!! ボラの大群か!!
すぐに磯まで到達して、今度は磯に沿って進路を右に向けた様だった。
すぐさま氏から叫びがあがる!


うぉぉぉぉー!!
今日もまた、氏のルアーが奴らの連続攻撃を受けているのだった。


私も急いでキャストする。
足元めがけてポチョン!
トゥイッチを一つ入れたらゴンっと来た
そのまま竿を起こして無事キャッチ。



















P1000970

爽やかサイズの魚が釣れました。
やったね!




予想には15分ほど早かったがやっぱり回遊して来たみたいだ。
その後、すぐにキャストを繰り返したが、非常に足の速い魚達だったのだろうか。
再び群れが戻って来ることは無く、タイムリミットが来た為、納竿する事となった。



丸二日間、ご一緒頂きましたTNK氏に感謝しています。
とても楽しい時間を有難うございました。
ぜひ、また釣りに行きましょう。


それでは







GWプラッキング珍道中 Day1 ~の様なもの

5月5日の日記。



私の仕事では珍しく、今年はGWに2日間の連休をもらう事が出来ました。
平日の釣行ばかりの私にとって、世間の皆様と休みが合うのは一年を通じても稀な事。
せっかくの機会ですから、今回は仲間のTNK氏とご一緒させて頂く事にしました。
ちょうど、南紀特急は心臓のオペ中
ご厚意にて、氏の愛車に乗せて行ってもらえる事になりました。
二人の男の夢をのせ、大型ワゴン車での旅の始まりです






今回も行先は南紀である。
人ごみを避けたポイントに立つ事も考えてはいた。
しかし、今日は仲間と一緒である。
氏と相談の上、自身のデータから、ある程度読める場所に今回は立つ事にした。
コンビニにて必要なものを購入し、用意が整ったのは24時半。
期待を胸に磯に向かった。


ポイント付近まで来ると、いくつかのヘッドランプの灯が見えた。
ある程度、予想してはいたが、それでもさすがにこの数には驚いた。
ご挨拶がてら伺うと、すでに場所取りをされている方々が数組いるとの事。
おそらく、朝マズメには今の二倍ほどの人数となる様子であった。
GWだから仕方ないなと、それでも少し離れた場所に陣を構えた。
道中、氏との楽しい語らいに時間も忘れる程ではあったが、頭の片隅では今日のプランを考えてもいた。
普段、あまり人がいない状況で竿を出す自分にとって、予想される混雑の中での釣りは違ったものになる。
漠然とではあるが、そんな状況に対応する為の展開を考えていた。
以下は、まったくの自身の想像であり、事実かどうかは未だ分からない。
ただ、そんな風に思っていた。



おそらく、今日も魚は回って来る。
昨日も、一昨日も、多分ココに来ていただろう。
何匹かは釣り上げられたろうが、残った奴らは沢山のルアーを見ていたはずだ。

いわゆる、プレッシャーが強くかかっていると想像したのである。
相当、シビアな釣りになると思った。
夜明け前の僅かの時間、もう一度、自身の気持ちを確認して行く。
こうして、氏との二日間の Rock'n'Roll Fishing が幕を開けた。





まだ暗い内は水中をゆっくりと探って行った。
ようやく海面が見える頃、今度はトップにて様子を見る。
基本、私は同行者と重なる狙い方はしない。
今日の正解をいち早く見つける為、各々が違うパターンで狙った方が早道であると思うからだ。
しかし、事前に打ち合わせる様な事もしない。
それは野暮であると思っている。



しばらくキャストを続けたが魚の反応は見れなかった。
離れた場所でやっている大勢のアングラーを見たが、やはり誰にも反応が無い様子であった。
おそらく、魚はもうすでに磯まで到達していると思った。
しかし喰わない・・・。
おかしいと思うよりは、やはりかと感じるのだった。
皆が釣りに夢中になっている頃、大きく離れた場所でキャスティングしている一人のアングラーに気付く。
今、ここにいるアングラーの誰にも似ていないパターンで、黙々とキャストを続けてみえた。
面白い釣りだなと見ていると、すぐにロッドが大きく曲がった。
ゆっくりと丁寧なファイトの末、彼のネットに収まったのは型の良いメジロだった。
辺りを見回したが、おそらくそれには誰も気付いていない様子だった。
皆、自分の釣りに夢中になっている。





しばらくして、その彼は再びキャストを始めた。
先程と同じ様に、また丁寧にアクションを続けている。
最初のヒットからおそらく20分程たった頃、また彼にヒットした!
先程に比べ、今度はロッドの曲がりが大きい様だ。
リールも巻けていない。
それでも何とか手前まで寄せてみえたが、あと一息という所で残念にもラインブレイクしてしまった。
悔しそうな素振りで、またラインシステムを組んで行かれるのだった。




これだ!!
しかし、そのアクションは私の引き出しにはまるで無いものだった。
ここからでは、彼がキャストしていたルアーも見えない。
だいたいの想像はつくが、すぐさま真似る事が出来るものではないのだ。
目の前の海を眺めながら、様々な事が頭を巡って行った。
なるほどと、何となくではあるが思う事が出来た。




それからしばらくすると、大勢のアングラーが一人、また一人と竿を置き始めた。
飲料水を補給する方、座り込む方、また横になる方など、各々のスタイルで休憩をとってみえる。
こちらも少し休憩をとるが、それでもすぐにキャストを再開して行った。
それからずいぶんと時間が流れ、少し沖に海面がザワザワしているのが見えた。
それには他のアングラーも気付いた様子であった。
そのざわめきは、しばらく沖を行ったり来たりしながら、磯から約150メーター程まで近づいた。
急いでタックルを持って走るアングラー達、フルキャストで一斉砲火を浴びせて行く。
すると一人の方にヒット!
手慣れた手つきですぐに浮かせていた。
ポンっと抜きあげたのは元気なツバスの様だ。
すぐに2~3人の方にも同様にヒットした。
サイズはともかく、皆んなの顔に笑顔が戻って行った。
そんな中、私は一人エギングをしていた(笑)




すぐに元の海に戻り、アングラー達もまたもとの休憩に戻って行った。
その間もキャストを続けては行くのだが、目の前に広がる海はどうにも良くない。
不思議と全く流れず、波で出来た白い泡がいつまでも浮かんでいるのだった。
他のアングラー達は長い休憩の末、とうとう帰り支度を始めた。
TNK氏は一旦、車に荷物を取りに戻られた。
帰り支度をしているアングラーの前の海には、ここよりは少しだけ流れがあった。
おそらく、魚がまだいるのなら、あそこにいるだろうと思った。
いよいよ、荷物をまとめ立ち上がられたので、空いた場所に入れて頂く事にした。




キャストを開始して5投目ぐらいだったろうか。
沖の流れの向こうから引いて来て、少し緩んだ場所にルアーが差し掛かった瞬間、ガッっという感覚が穂先に伝わって来た!
すぐにルアーに目をやると、良いサイズのメジロが喰いきれず、その場で大きく身体をくねらせている。
いつも泳ぎながら飛び掛かってくる様なイメージを持っていたので、これには少しビックリしてしまった。
まるで、空中でホバリングするヘリコプターの様に思えた。
何で持って走らないのだろう!?
そんな疑問が自身の反応を遅らせてしまう・・・。
どうやら、それは喰えないのではなく、すでに口の中にルアーがあってモゴモゴしてるらしかった。
走るのを数秒待っていると、とうとうメジロはルアーをポンっと吐き出してしまったようだ。
すぐにアクションを入れたが再び喰う事は無かった。
情けない失敗でチャンスを逃してしまった。




やっぱりいたかと、続けてキャストするが何も起きない。
氏が戻って来て、今あった事を伝えた。
すぐに氏もキャストして行く。
しばらくすると、今度は氏の引くトップに水柱が立った!
ミスバイトがあったが、すぐに喰い直してきてヒット!!
グッとロッドに重みが乗り、ファイトを開始するも残念ながらフックアウトしてしまった。
その後もキャストを続けるが、全く反応が無くなってしまう。
いよいよもって厳しくなってきた。
でも、まだこれは想定の範囲内なのであった。
ここまでで、およそ7時間程キャストを繰り返している。
まだまだこれからである(笑)
絶対に獲る!
二人して釣って笑うのだと決意は強くなって行った。
厳しい時こそ、気持ちで釣るのだと自分は思っている。





食事と仮眠をとりながらも、更にキャストを続けて行く。
もしかしたら、今は魚が近くにいないかもしれない。
また、魚はいるのだが、いまいち喰い気が無いのかもなど、
様々な想像が頭に浮かんでは消えて行った。
どちらにせよ、絶対にチャンスはやって来る。
そう信じて何度も竿を振った。
かれこれ、11時間ほどキャスティングしている。
最早、腕も腰も足も、痛い所は無い程であった。
とうの昔に限界は来ている。
その時が来た時、ルアーが水の中に無いならば絶対に釣れない。
絶対にこのルアーを喰うのだ。
ひたすら信じる事で、挫けてしまいそうな気力を奮い立たせて行った。





少し前から、沖からの強い風が吹いてくる様になっていた。
適度な波が生まれ、また流れも出てきた。
足元にはベイトの小規模な群れが何組も行ったり来たりするのが見える。
おまけに潮も大きく動きだして来た。
二人して、この大きな変化に驚くのだった。
いくら鈍感な私でさえ、今のこの状況の変化は一目瞭然であった。
正直、ここ数か月の間で、一番の海に見えたのである。






しかし出ない!!







間違いないはずなのに。
この日、この瞬間が一番辛く思った。
足元に見えていたベイトの数はどんどんと増えて行く。
もう、網ですくえば一杯に獲れるかという数となって行った。
これでもダメなのか・・・。
諦めそうになりながら遠くの空を眺めた。
徐々に薄赤く染まってきていた。
ラストスパートを今かけないでどうするか!!
そんな声が聞こえた気がした。
集中力を研ぎすませ、よくよく海を見つめ直す。
すると一点、そこだけ違って見える所が目に映った。
狙いを定め、その一点に向かってルアーを撃つ。
間髪入れずに連続してアクションを入れた。
すぐにストレートなリトリーブに移り、再度、アクションを入れた瞬間だった。







ガンッ!!







喰った!!
あまりの嬉しさに、喰った喰ったと大声を出していた。
5キロほどにしてたドラグがジージーと小刻みに出る。
しかし、魚はもう潜る事は出来ない。
ドラグを締め込み、一気に距離を詰めてそのまま抜いた。
小さいと笑いながら大喜びであった。





リーダーを持って魚を移動させようとして驚いた。
何とルアーのアイが潰れてしまい、スプリットリングが伸びて今にも外れそうになっている。
アイはともかく、リングは強化の#6を使用しているのだ。
そう思っていると魚が暴れて手が滑ってしまった。





ブス!





痛い~!!
スネにフックが刺さり、魚がバタバタする。
これには悶絶
幸い、刺さりが浅かったので切れて外れてくれた。
痛いと騒いでいたので氏が駆けつけてくれた。
魚を見て、氏がしゃがみ込んでじっと見ている。
別に青物を初めて見たワケじゃないでしょ!っと冗談を言おうとして止めた。
真剣な面持ちで見てみえるからだ。
何かおかしいのかな?
ちょっと青白いだけちゃうかなと不思議に思う。





すると少し離れたところにいる餌師が指さしながら何やら叫んでいる。
大波か!?っと驚き、ふいに氏の背中を引き寄せたが違う様子だ。
ザバーっと波飛沫と共に何やら降ってきた。
一瞬の事でサッパリ状況が分からない。
ハッとして足元を見て驚いた。
何と!大量のベイトが磯めがけて飛んで来たのである。
餌師はどうやら、沸いた沸いた!!と教えてくれているのだった。
ルアーが壊れている私には投げれない。
氏が走った!




うおー!!っと言う氏の叫び。
どうやら相当の攻撃を受けているみたいだ。
しかし、無茶苦茶に狂っている魚のせいか乗らない。
すぐに沈んでしまったがまだ遅くはない。
気を落ち着かせ再びキャストをしていくTNK氏。
ほどなくしてヒットの雄叫びがあがった!



























P1000963

お見事でした!!
粘りに粘って獲った一本、本当に嬉しかったですね
先日のメジロに続き好調のTNK氏です。
やったね!












さくさくっと上手くシメていく氏を見ながら私も Stop Fishing とします。
さっき、何で魚マジマジ見てたん?っと、TNK氏に聞くと。


だって、アレ、マサでしょとおっしゃる。


いやいや、ちゃうよと私。
確かにチョット変な気がしたけど・・・。
自分もシメながらだんだん変な気がしてくる。
そんな事を言われるとかなり気になってきます!
シメる前によく見ろって(笑)





























P1000968

うーん、上顎の端はなんだか丸い様な。
でも、色は違う様な・・・。



























P1000965

すみません。グロ画像で
ヒレを見ると何だかソレっぽくも見えます。













ハイブリッドだか、ハーフだか、ニューハーフだか分かりません
たまに聞く、「ブリヒラ」、っていうのでしょうか???
とにかく、よく分からないのでこう呼ぶ事にしました。



























「ヒマチ!!!」


















T先輩、有難うございます!!
名づけ親になって下さいまして(爆)





楽しい、GW釣行という事で脱線しちゃってすみません
その夜はささやかにTNK氏との宴で盛り上がりました。
二日目の釣りはまた今度。

それでは





タックル

Rod   MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z4500H
Line   YGKよつあみ  PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 80LB


Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000
Line   YGKよつあみ  PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 100LB


























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