2012年05月

釣りしきり

5月16日、17日の日記





今回も連休となったのですが海は時化る予報でした。
「先輩達の釣行にご一緒させてもらえたらな」、なんて思っていましたが、急用が入り延期されるとの事でした。
この時点で行く気半減



同時に会社の同僚からバス釣りに誘われてもいました。
しかし、手持ちのタックルやルアーはウン十年前のもの。
おまけに放置しっぱなしで、愛用のベイトリールは動きもしません。
新調しようかなと思い、口座の残高を確認すると・・・。


 ⇒  ⇒  ⇒  ⇒  ⇒  ⇒ 


とても無理!!
おまけに釣行さえも厳しい感じでした。
これで釣りに行く気はゼロになってしまいました。



各地でのヒラマサ情報も、おかげ様で頂いてはおりましたが、どうにも熱が入りませんでした。
家でじっとしていても仕方ないしな
モヤモヤと夜中まで悩みましたが、結局は行く事にしました。
だから!お金が減るんです








家を出たのは午前2時すぎであった。
ちょっと、南紀の朝マズメには間に合わないかな!?
そんな事を思いながら高速を走っていると、一台の車が結構な勢いで真後ろについた。
バックミラーに映る、特徴的なHIDヘッドライトでだいたいの想像はついた。
これから、七色ダムに釣りに向かう同僚達であった。
自身は古くなったタイヤのバーストが怖いので速度をあげられない。
追い越し区間がくると素早く追い抜かれてしまった。

その後、下道に降りたが彼等の乗ったワゴンの姿はもうどこにも無い。
特に気にせず走り続けていると、ノロノロ運転のトラックに遮られたその姿が見えて来た。
パッシングポイントで追い越し、自身はいつもの走りで行く。
尾鷲市内のコンビニに入ると、彼らもまた立ち寄ったのだった。
しばし談笑し、さらに30分のタイムロス。
これでは、紀東の地磯でさえ夜明けには間に合いそうもない。


更に進み、海が一望できる高台へとやって来た。
漁へと向かう船が暗闇に見えたが、大きなウネリによってひどくアップダウンを繰り返している。
この波だと渡船は厳しいかもな。
しかしおそらく、比較的エントリーの楽な地磯はもう満員だろう。
しばし、行先を葛藤する。
迷ったが、すでに空は白み出してきているので渡船に乗る事にした。
最悪なら船は出ないだろう。
出ても湾内の磯かもしれない。
全くの賭けである。






渡船屋に着き、用意をして行くが人の気配が無い。
駐車場には、釣り人の車が何台も停まってはいるのだ。
しかし、釣師はおろか、渡船屋の従業員さんもがその姿をあらわさない。
不思議に思って店内へと入ると、今まさに出てこられた女将さんの姿が見えた。
早速、お話をきくと、今日は波があるので皆さん弁当船で渡るそうですよとの事。
ルアーの自身にとっては、その時間では一つチャンスを失ってしまう事になる。
やがて、船頭がおみえになったので相談させて頂くのだった。
行けるかどうか、海を見てくると船頭は言って下さった。
待つこと15分程度、笑顔で戻って来た船頭は行きますか!と一言。
波が高いので充分に気をつけて下さい!!
船頭はそう何度もおっしゃるのだった。
予定時刻より40分ほど遅れはしたが、何とか無事に出船出来たのだった。










港を離れるにしたがい、大きなウネリが船を揺らして行く。
いつもは静かな湾内磯でさえ、高くまで波を被っているのだった。
はたして、あの足場の悪い磯に無事に渡る事が出来るだろうか。
緊張してその時を待った。
目的の磯が近づいてくると、まず、船頭はぐるりと船を回して行った。
波を見て、今の状況にて船をつけるのにベストな場所を探してくれているのである。
磯を見ると怖いくらいに波を受けていた。
凄い高さまで波が這い上がっている。
すぐに船頭から激が飛ぶ。
気をつけろ!
船首にて落ち着いてタイミングをはかるのだった。
勢いで行ってはいけない。
今回も、少しだけ躊躇したタイミングに船は大きく持ち上げられ、凄い衝撃と共に磯を離れてしまった。
安定する僅か一瞬を待って一気に渡る。
波が這い上がる前に斜面を登りきった。
そこまでして、振り返って船頭に手を振った。


やがて高台へと辿り着くと、眼下には荒れ狂う波が広がっている。
いくつかのルートを見たが、どこも激しい波に洗われているのだった。
タイミングを見計らい、更に滑らない様に慎重に進む。
単独での釣行なので荷物は全部一人で運ぶ。
極力、軽くコンパクトにまとめてはいるが、空いているのは片手のみである。
渡礁時についで緊張する瞬間だ。


今回は磯の一番高い場所に荷物を置く事にした。
普段の釣り座はうんと下だが、そこは今、波の中に消えてしまっている。
タックルを組みながら立てる場所を探した。
二か所ほど何とか立てそうだが、磯の地形のせいで回収したルアーを当ててしまいそうである。
とはいえ、ここで指をくわえて見ているだけでは勿体ない。
ルアー破損を覚悟してキャスト体勢に入ったその時である。
ズドーン!と音がしてすぐに波がスネまでをかすめて行った。
この高さでも波が来るのか!
沖に立つ波高を注意しながらキャストを始めて行った。









まずはトップから引いてみる。
本当は直ペンを使いたいのだが、この高さ、この潮ではうまく動かせそうにない。
そこで、まずはシンキングペンシルを使う事にした。
極力、フックを太軸のものに換え、少しでも沈みやすくして来てはいる。
しかし、思うスピードで引こうとすると、すぐに浮かび上がってミスアクションとなってしまった。
ラインスラッグを出しながら、更に遅い速度で引くならば何とか泳がせる事は出来る。
しかし、気分ではなく、しばしそんな我慢の釣りを続けて行った。
本当はもっと細いライン、リーダーを使えばより操りやすくなるのかも知れない。
しかし、今は極力、道具に頼る事は避けたいのである。
ある方の釣りを見てそう思っている。
回収時にはルアーを何度も岩にぶつけてしまった。
こちらも、ハイギヤタイプのリールとすればある程度はカバー出来るだろう。
やはり、それも今の道具でもう少し上手く出来る様になりたいと思う。






















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山側からの風が強くなって少し波が静かになりました。
もう一段だけ降りて頑張ってみます。






次にペンシルポッパーにて速く、広範囲に探ってみる事にした。
しばらく投げ続けてはみたが、こちらの方も何ら変化無しである。
トップで出る気配が感じられなかったので、ミノーへと換えてみる事にした。
ウネリが強く、また潮流も複雑な為、安定して泳ぎきるS12を結ぶのだった。
この頃、背中から吹いていた風は向きをかえ、沖から真正面に吹きつける様になった。
残念ながら自身のタックル、システムでは殆ど飛んではくれない。
それでも瀬際に生まれる流れ、サラシを通して行く。
コンっと、不意にロッドに伝わる感触があった。
すぐに足元に目をやると、ピックアップ寸前のルアーに躍り出たところだった。
ルアーは宙を舞っている。
自身の釣りではとても珍しいおヒラ様のご登場だ。
少し待っていてねと、出来るだけ沖を探るのだった。


























DSC_0380

沖からの強風で更に波が高くなってしまいました。
安全に立てる場所はありません。
無理をしていると、大事なS12のリップを折ってしまいました。
潮位が下がるまでマジ寝する事にします。
入眠ドリンク剤で頂上にて爆睡です!
四時間ほどグッスリ出来ました。












しっかり眠ったおかげで頭も冴えてきた。
ドリンク剤特有のめまいなどの副作用も一切ナシである(笑)
潮位も下がり、安心して立てる様にもなった。
先程、少し待っていてねと、お願いしておいた魚達に再びご挨拶をしてみる。
S12が殉職してしまったので、いつもコッソリ忍ばせている裂波をキャストしてみた。
しかし出ない。
陽が昇ったので無理なのかな!?
波の勢いも衰え、サラシも薄くなってしまっている。
ヒラ釣りの経験が殆ど無い自身にはよく分からないのだ。


とりあえず、自分なりにやってみよう。
14センチのお気に入りのミノーに結び換えてみる。
キャストしてゆっくり巻いてみる。
すると、出るわ出るわでびっくりであった。
だけど全然乗らない。
サラシの無い部分でも、水の中でギラっと反転しているのが見えた。
さすがに躊躇して喰い上げては来ないのだが。
そこで、とりあえずドラグをユルユルにしてみた。
ブルブルと速く泳がせても出ては来ない。
ラインスラッグを出し、よたよたとかろうじて泳ぐくらいにすると出てくれる。
しかし、コンっとくるだけで乗らない。
これは、ドラグだけではカバー出来そうにないと判断。
立ち位置をかえ、波と潮をみてキャストしてみた。
そうすると、ラインスラッグを出さずテンションを張った状態でも、よたよたスイミングを演出する事が出来た。
出るかな?って思ったトコロで本当に出た!
しっかりと喰い込んで乗った。
ごめんねこんな竿使って。
























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久々のヒラさんが釣れました。
海が良くてラッキーでした。
とても楽しかったのでハマってしまいそうです。
何故か?その後は一度も出ませんでした。
腕時計を見ると11時すぎでした。










それからはひたすらジグの釣りをして行った。
たまにプラグを引いたりして目先を変えてはみる。
今回は、こんなにもこの場所は深かったか?と驚くのだった。
おそらく、潮のせいだろうか、ジグが落ちるのも、引き上げてくるのにも相当に時間がかかる。
ほぼ、どこに投げてさえ、しっかりと潮に噛んだジグはとても重い。
引き重りの少ないロングタイプを中心にしたが、その抵抗にすぐに腕は悲鳴をあげて行った。
いかにも釣れそうな感覚だったが、何時間かけても何も起こす事は出来なかった。
おそらく、そこに魚はいたはずである。
色々と試したが、その口を使わせる事が出来なかっただけだろう。
船頭が迎えに来てくれるギリギリまで続けた。
悔しいかな完敗である。




陸にあがりすぐに向かったのは 「嶋勇」 さんであった。
追加の氷とS12を購入させて頂いた。
ヒラさんには、しっかりとクーラーで冷えていてもらわなければならない。
それから山道をひた走る。
対向車のオーバーランに何度もドキっとして辿り着いた。



























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七色ダムで頑張っている同僚に合流してみました。
沖磯からダム湖のボートへ。
我ながら馬鹿がつくほどの身軽さですね。
バスタックルが無いのでエギ竿持って行きました。
ルアーはアジ&メバルさん用です。
夕まずめのラストスパートに向け、ボートは軽快に進みます。

























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後輩の姿を撮ってみました。
水は少し濁っていましたが、大きなバスが沢山見えました。
なんですかね、私には反応させる事すら出来ませんネ。
ダム湖という閉ざされた場所で、毎日イヤというほどに叩かれているバス達。
それはもう利口になっているのです。
広い海で、一度もルアーを見た事がない様な魚を相手にしている自身。
違う釣りなのですが、学ばなければならない事も多いかと思いました。
私には釣れませんでしたが、無理をして一緒に釣りをして良かったです。
たまにはちゃんとバスもしてみようと思います。








バス釣りを終え、近くのコンビニの駐車場にて同僚と語った。
陽が沈む頃まで楽しい話は続いた。
皆はそのまま帰宅する。
自身は一路、串本を目指すのだった。
途中、前々から気になっていた小さな港に立ち寄った。
キャストを始めるとすぐにアタリが出る。
何度となくアワせるが乗ってはくれない。
街灯の下でよく目を凝らすと、4~5センチ程の魚が突っついていた。
魚種は不明である。
また、それとは別に変な感触が伝わる様になった。
表層から宙層にてアタるのである。
正体は皿丈イカであった。
かなりの数がワームに群がって来る。
残念ながら餌木を忘れてきてしまった。



串本に着いて食事を済ませた。
その後すぐにアジ釣りに行ってみる。
向かったのは、前回、結構良い型が揃った場所であった。
早速、釣りを始めると、ここでも先程の妙なアタリが出るのだった。
見えないが、またサラタケがワームを弄んでいるのだろう。
なるべく早くボトム付近へと落とす為、ジグヘッドを少し重くしてみる。
すると、今度は沖に向かって竿を引っ手繰られてしまった。
驚いていると近くの方が話しかけて下さった。
サラタケの他に良いサイズの赤イカも回ったあるで。
なるほど、ワームを見るとガシガシに噛み千切られている。
先程までのイカには無かった事である。


何度もこのアタリがあったが、ジグヘッドにはどうしてもうまく掛からない。
餌木さえあれば良いお土産ができたのにと悔やんだ。
イカの回遊が過ぎると、今度はまた小さいアタリが連発する。
こいつも乗せるのが難しい。
ココっときたかと思うと、ギューンと一気に持って行くのである。
前回より少しだけ大きくなったサバの子であった。
我慢して、我慢して本命のアジを狙って行く。
これはアジのアタリだという感覚が出始めるが、アタリがとても小さく、二発目、三発目と後が続かない。
一瞬だけ、ついばむ様な感触があって次が無いのだ。
あまりのショートバイトに苦戦する。
アワセを失敗すると、決まってワームがフックよりズレていた。
ワームがズレて 「し」 の字になると、もう絶対に後が続かないのである。
何度、新品のワームに換えても同じであった。
最初のコツンでは全く乗らない。
今思えば、瞬間接着剤でワームをくっつけてやったら良かったかもと思う。
何時間もかけてアジは二匹を釣ったのみ。
大苦戦であった。
比較的釣りやすい数の多い魚ではあるが、行く度に変わるのでとても難しい。
だからこそ面白く思う。









翌朝、目覚ましにやはり起きる事は出来なかった。
朝からずっと釣りをしてきたからであろう。
遊び過ぎである。
ゆっくりと目を覚まして行った。
今日は朝から快晴である。
波も落ちて、久々に穏やかな海が広がっていた。
そこで、自身には険しい場所に行ってみる事にする。




いくつかの難所を越えると海が広がった。
三重とは海の色が違う。
見慣れたその色に心は弾んだ。
陽はもう高くなってしまってはいる。
それでも、プラッギングから始めてみる。
潮に乗って、大量の切れた藻が流されて来ているのだった。
キャストをする度にそれがフックに掛かってくる。
穏やかな海では、なかなかその流れを見る事は難しい。
しかし、こうした漂流物でもそれをうかがい知る事は出来る。
厄介ではあるが、しばし海を眺めて流れを学ぶのであった。


しばらくすると、突然、見えていなかったベイト達が水面を飛び出した。
見えないからベイトが居ないのではない。
見えない層に群れているだけだろう。
バシャっと一発だけ何かが出たのだが、はたしてそれがフィッシュイーターであったかは分からない。
とりあえず、ルアーをすぐに送ったのだが反応は無かった。
何故、それが何か分からないと言うかであるが、この日、ボラにしても浮きグレにしてもおかしな動きをしていたからである。
浮きグレについては何度も見ているのだが、どうにもその動きが変であった。
何かのフィッシュイーターさながらの動きと見えなくもない。
それ程に粗ぶって水面を割っていたのである。
それに驚き小魚が逃げたのか、何かが突き上げたのかは不明である。



いよいよ、風も吹き出し、流れも強くなって来た頃、遠くで雷鳴が轟いた。
空を見上げると、真っ黒な雲がこちらへと流れて来ていた。
さっきまでは快晴だったのだ。
勿論、雨具など用意して来てはいない。
今から磯上がりしていてはとても間に合わないだろう。
沖を見ると、もうすぐそこまで雨雲が近付いている。
雲の下だけ、海は荒れて雨が叩きつけていた。























DSC_0388

竿を置いて岩陰へと移動しました。
まだ、こちらの空は明るいです。
写真には写りませんが、雨粒が落ちて来ました。























DSC_0389

あの黒い雲がクセモノなのです。
前回の釣行でもやられました。
黒潮流れるこの地では、スコールの様なものがあるのかもしれません。
ちなみにある所ではセミが鳴いていました。
さすがに驚きました。








真上の空が雲に覆われた頃、雨は突如として豪雨へと変わった。
滝の様なという表現はおかしいかも知れないが、まさにそんな感じの雨である。
僅か10数秒にてパンツまでグショグショになってしまった。
おまけに雨が冷たいのである。
吹きつける強風に雨は真横から当たって来る。
雷は鳴り響き、ただ岩にしがみついて事が過ぎるのを祈るだけであった。
やがて雨足が弱まり、再び釣り座に立った頃には海は変わっていた。
いかにも出そうな雰囲気なのである。
期待を込めてキャストしていると、またもやあの黒い雲が現れた。
速乾性のシャツを着ているとはいえ、もう体温はかなり下がってしまっている。
これ以上濡れてしまっては体調を崩しかねない。
そう思って、急いで磯から上がる事にした。
最近、早めの判断が功を奏している様だ。
























DSC_0390

磯から上がり着替えると大雨になりました。
今度はしばらく止みそうにはありません。
二か所目のポイントは諦める事にしました。
急いで三重へと引き返します。
まだまだ時間は早いのになぁ










途中、新宮でファーストフードを食べる。
幾分か小雨になったが、まだまだ雨は止みそうにない。
更に進み、七里御浜を半分くらい行った頃からフロントガラスに雨が当たらなくなった。
浜を見ると意外にも波もウネリも無い。
大雨となった串本とは大違いであった。
帰る前、もう一勝負やりたい。
すぐにハンドルを向けた。

























DSC_0397

三重の地磯はダイナミックですね。
山に入って約20分、何とか無事に辿り着く事ができました。






















DSC_0398

よく潮が動いていました。
沖からの風が強くなり、次第に海も荒れて行くのでした。
プラッギング主体でキャストを続けます。























DSC_0395

しばし休憩と、景色を見に高台へと登ってみました。
素晴らしいですね。








その後、海は更に荒れて行き、低い足場では絶えず潮を被る様になった。
釣り座をかえ、今か今かとキャストを続けて行く。
最終的には、ミノープラグ一本で夕方まで粘ってみた。
レンジを変え、自分なりに色々と探ってはみたがノーバイトに終わる。
とはいえ、それは素人が何とか荒れた海で竿を出せているという事に過ぎないのだ。
ルアーに命を与え、操るという事には程遠いのではないか。
三重の海は難しい。
南紀の海でも満足に出来ない私ではあるが、ことさらそう感じるのである。
利口なアイツを振り向かせるまでにどれほど通わないとならないか。
そんな思いを胸に磯を後にするのだった。






釣れませんでしたが、今回の釣行もとても楽しかったです。
お小遣いが無くなりましたので、しばらく釣りには行けません。
行ける皆様は頑張って下さいませ。
次の機会まで、また色々と考えてやってみたいと思います。


それでは







My Tackles

Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-2
Reel  DAIWA SALTIGA Z6500EXP with Z6000GT Spool
Line   YGKよつあみ PE #5
Leader VARIVAS NYLONE 100LB


Rod  MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000
Line   YGKよつあみ PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 80LB





遅めのGW 親子釣り(後篇)

5月9日の日記







いったい、どれほど眠った頃だったろうか。
頬のいやおうのない違和感に目を覚ます。
指でなどると、熱く、痛痒い感覚が遅れて伝わって来る。
寝ぼけた頭では、その全てがスローモーションであった。






なーんて言ってみますが、何の事はない、蚊によるただの虫刺されなんですね~
しかし、コイツが非常に厄介な奴なんです。
車内に二匹も入りますと、もう寝ている間にボコボコにされてしまうのですね。
あのプーンという音がとても大きく感じます。
蚊取りも、殺虫剤も無い中では一撃で仕留めるしかありません。
かといって、暗闇では、その感覚からはどこを刺しているかは分からないのです。
なので、その羽音だけを追い、一番それが大きくなる様に仕向けるのです。
要するに自ら誘導して、自身の耳を蚊に捧げるのです。
幸運にも耳にその針を刺したその時、確実に殺るのです!
今宵はこれで三匹までを静かにさせました。


グッタリと疲れて再び眠りに落ちます。
おそらく、三段重ねでセットしてあった携帯アラームを全て解除したのでしょう。
目覚めたのは、起床時刻を大幅に過ぎた午前4時半でした。
渡船の出船時刻は4時50分です!
慣れないRock父を連れては間に合いません。
すぐに電話をして、二番船での渡礁をお願いするのでした。
もう、結果オーライです(笑)







Rock父にとって、渡船での磯あがりは初の経験となる。
自身にとっても、実に5か月ぶりの渡礁となるのであった。

渡船屋に着いておかみさんにご挨拶をする。
準備が出来次第に行くよっ!と有難いお言葉。
急いで荷物をまとめ船頭が待つ港へと向かった。
すぐに港に着くと船頭が待機していて下さった。
今日は初めてのRock父が居るのだし、おまけに第二便での渡礁である。
父に無理をさせないのは勿論の事、周りの釣り師の妨げになる事だけは避けたい。
よって、自身の釣りは考えない様にして来たつもりであった。
ともかく、安全に誰にも迷惑をかけずに楽しむ事。
それがまた、慣れない父にゆっくりと楽しんでもらうのにも一番だと考えたのである。


これを船頭に素直にお伝えする事にした。
幾つかの磯の候補をあげ、更にそこに釣り師が渡っていないかを確認させて頂く。
一つ一つ、その質問に丁寧にお答え下さった船頭ではあった。
しかしまた、こうも付け加えて言われたのである。


「今そこは喰いが悪い。」
「足場が悪く危ないぞ。」



この海を知りつくしてみえる船頭が言うのだから間違いはないのだろう。
分かりました、お任せいたします。
そう言って、船頭の助言を待つのだった。
即答される船頭。
その言葉には耳を疑ったが、なるほど、喰いも安定していて足場も比較的に良い。
しかし、他の方々もいらっしゃるし本当に良いものか!?
嬉しい半分、心配になってすぐに答えられないでいると、船頭は更におっしゃった。



「ええ、大丈夫や。」
「こっち側で竿出したらええ。」




有難うございます。
お願いいたしますと一礼しすぐに荷物を積んで行く。
これから向かう先は名礁、第一級の磯であった。
その様な磯にRock父を連れていってやれる!
予想だにしなかった幸運に心から熱くなるRockbeachであった。










船は静かに港を出て行く。
大海原に出てもそれは殆ど変らない。
とても穏やかな海が二人を出迎えてくれた。
これならばきっと、危険な渡礁のその時もスムースに行くだろう。
そんな事を思いながら海を眺めて行った。
やがて前方に目指す磯が見えてくる。
数人の方がいらっしゃった。
潮位も高くはなく、打ち付ける波も殆ど無い。
やがて船首が磯に押し付けられ、まずはRock父は手ぶらで磯に渡る。
数個の荷物を手渡し、自身は持てる限りの荷物を持って一気によじ登るのだった。
こうして不安無く渡れるのも、船頭の類まれなる操船技術あってのものである。









すでに竿を出されている方々にご挨拶をすると共に、申し訳ありませんと言って傍を通らせて頂いた。
その内、何人かの方々は見覚えのあるお顔であった。
早速、荷物を降ろして一息つく。

Rock父に本格的な磯での仕掛けは分からなかったが、号数の違う磯竿を数本、そして色々と狙える道具を持たせてあげていた。
まずは何をしたいか尋ねると、浮き釣りをしてみたいのだという。
私は勿論の事、父もいわゆる 「フカセ」 などした事はない。
幸いにも足元の海はそう深くはなさそうに見えた。

シンプルに浮き止めゴムを通し、そこに玉ウキを刺す。
あとは小さなガン玉を一つ付けるだけの仕掛けとしてみた。
流れに乗せたり、様子を見ながらタナを変えて行ったりしてみたら?
そんな感じでとりあえず始めてもらう。
しかし困った事に、サシ餌のオキアミがどうにも柔らかい様だった。
仕掛けをゆっくりと放つだけで針から外れてしまうのである。
潮に馴染んでもすぐに餌が無くなっていた。
浮きには何の変化も出ていないので、やはり餌が自然と外れてしまうのだろう。
それは私にはどうしてやる事も出来ない。
釣り行く中で、Rock父に上手くやってもらう以外にはないのだ。
ある程度、慣れる父を見届け、やっと自身の竿袋の紐を解いて行った。









自身の釣りは二の次であったとはいえ、そこは道具だけはちゃんと持っては来ていたのである(笑)
釣師の数も多く、今日は広範囲に探る事は難しい。
そこで、いつもより幾分かライトな道具に手を伸ばした。




Rod RAGING BULL 100XR-1
Reel 10 SALTIGA 5000






ロッドはいつもよく使うものだが、リールの方は少し番手を下げてみる。
撃てる場所の水深は浅く、ジグを用いたとしてもそれほどの抵抗とはならないであろう。
また、ショートキャストを数多くこなしても行きたい。
僅か数百グラム軽いだけではあるが、されどの軽さなのである。
自身の体力ではその疲労が全く違ってくる。
これからの長期戦を考慮しての選択であった。




まずはトップから始めて行った。
あくまでも様子見である為、今回は特にそれで粘る事はない。
広範囲に何度か通してみてすぐにルアーを換えて行った。
しばらくすると、沖合約200メーターほどの海面を何かが割っているのが見えた。
遠いのを除いてなお、そのボイルはとても小さく見えた。
数も僅かな様である。
キャストしながら眺めていたが、約10秒ほどでそれは消えてしまった。
更に続けていると、一つまた一つと遠くに船の姿が見えて来る。
ケンケン漁をする漁船、そしてジギングをするボートも出ている様だ。
何か魚の姿が映っているのだろうか?
しかし、どの船も釣れている気配はない。
プラッキングによる一通りの攻めが終わった頃、南の空が黒い雲に覆われ始めた。
遠くでは地鳴りがごとく雷鳴が響いている。
一雨くるな・・・。
空は更に暗くなって行く。
南から強い風も吹いて来た。
やがて大粒の雨が頬を打った。
そしてすぐに雨風が叩きつける。






Rock父の方を見ると、風にあおられて長竿を持っているのがとても辛そうに見えた。
何より、どんどんと雷が近づいている様に思えたのである。
ともかく、まずはしゃがんでもらう様に伝える。
ふらつき、転落でもしたら大事になる。
落雷を避ける為、竿を立てずに置いて離れた方が良いとも伝えた。
自身はすぐにロッドを置いた。
しかし、周りの釣師は誰も竿を置く気配は無い。
稲光が走りどんどんと雷鳴が近づいて来ているのに。
皆んな怖くないのだろうか?
ともかく、我々は極力静かにその小嵐が過ぎ去るのを待った。
強い風と共に波も一気にその勢いを増して行く。
どちらにせよ、下手な我々がまともに釣りが出来る状態ではない。
危険と判断した船頭が、いつ迎えに来てもおかしくないなと自身は思っていた。
しかし、だんだんと雨脚は遠ざかって行った。
それに伴い風向きも変わる。
嘘の様に雨は止んだが、強い風が逆の方向から強く吹き続けたのだった。








雷がどこかに行った頃、再び釣りに戻るのだった。
相変わらず吹きつける風に向かっては、ルアーの飛距離は大幅に失われてしまう。
波気も立ち、潮もまた違う流れ方をして見えるのだった。
ここで数本のジグを取り出して行く。
じっくり、ゆっくりとジグで探って行きたいと思った。
一時間か二時間か、集中してやっていた為にその感覚は無い。
やがて風も緩み、朝の穏やかな海に戻りつつあった。
もう今の立ち位置から届く範囲は探り尽くした、少し離れたあの場所で投げてみたい。
そう思って歩き出すのだった。
雨で濡れてしまった磯は平坦な部分でさえよく滑る様になっている。
おまけに、いつものフェルトピンスパイクはRock父に譲っていた。
今、自身が履いているのはただのピンスパイクであった。
何度かズルっとしながらも進む。
やがて、下りの急勾配となった。





あそこに足をかけたら滑るだろうか?
おそらく滑るだろうが、すぐにあの平坦な部分まで行けるだろう。








そんな風に思っていた。
そして、その一歩を踏み出した時だった。
予想は正しく、そして間違っていたのである。
踏みしめた岩はまるで氷の様であった。
瞬間的に投げ出されて宙を舞ったのだ。
何とか、前向きに倒れる様にするのが精一杯であった。
右肘から着地し、全体重が圧し掛かって行く。
耐えきれずに曲がり、持っていたロッド、リールを岩に打ち付けてやっと身体が止まった。
突き出た岩に背中、横腹を強打してもいる。
一瞬、呼吸が止まる程の衝撃であった。
すぐに重い痛みが広がって行く。


涙目をこすりタックルを見た。
どうやら、今回はロッドも強打してしまった様だ。
リールを見ると、エンド部分は変形し、スプールとローターにも損傷が見られた。
やってしまった。
おそらく駄目だろう。
そう思って振りかぶりそのまま投げた。





パン!





何度も聞いたあの嫌な音が響き渡る。
皆が振り返るほど大きな音が鳴った。
折れたロッドがまるでヤエンの様に海の中に突き刺って行った。


























P1010864

痛みか、それともショックのせいでしょうか。
涙目はさらに景色を霞ませるのでした。
またやってしまったのです。
想い出が詰まった竿を、自身の不注意で折ってしまいました。











折れたロッドを回収し、元来た道を戻るのだった。
そして、それを静かにしまう。
もうワンセット、使えるタックルは持ってはいる。
しかし、それを紐解く気にはなれなかった。
しばらくの間しゃがみ込み、話す事も出来ないのだった。
強打した右肘にも嫌な痛みが走る。
今はキャストさえ出来そうにない。
静かに時間だけが過ぎて行った。









しばらくして、再び握ったのは磯竿であった。
落ち込んでいても仕方がない。
何より、Rock父もそれでは楽しめないだろう。

そこで、カワハギを狙っての仕掛けを落とし込んでみる。
着底し、すぐに底を切ると小気味良いアタリが伝わって来た。
上がってきたのはシラコダイであった。
チョウチョウウオによく似た黄色い魚である。
何度やっても、このシラコダイばかりが釣れて来た。
おそらく、そのあまりの勢いに他の魚には届かないのだろう。
磯ベラさえもが喰わなかった。
一匹を巻き上げて来ると、下からワーっと群れが追いかけて来るほどであった。
数匹を釣ったところで諦める。
やはり、自分にはルアーしかない。
そう思いもう一つのタックルに手を伸ばした。







タックルを準備し終わった頃、海の様子が変わり始めた事に気付く。
沖合を流れる潮に変化があったのだ。
しばらくすると、離れた場所にみえる方が自身を呼んだ。
海を指さし、潮が変わった、絡む様な潮が当ててきたぞとおっしゃってみえる。
こっちに来て投げてみろと言って下さった。
お言葉に甘えて移動する。
しかし、残念ながらそこでは何も起きなかった。
けれど、餌師の方のご厚意は凄く嬉しかった。
元の場所に戻り無心でキャストを続けて行った。





いつ魚が回ってくるか?
また、いつそんな魚のスイッチが入るか?








自身にはそれを知る術は無い。
ただただ、その時が来ると信じてキャストを繰り返すのみなのだ。
やがて、遠くに見えていた潮がとうとう磯を直撃する様になる。
今まで、何事も無く入っていた底物師の仕掛けが斜めを向いて流され出した。
おそらく、今日の最後の大変化だろう。
それが好機なのかは分からない。
しかし、自身は変化をチャンスと思い込む様にしている。
やるだけの事はやる!
すぐにジグケースの中からお気に入りのロングジグを取り出した。
ともかく、今はこれを撃ちまくるのみ。


シャクル度に右肘には強い痛みが走った。
構うものか!
無視をして続けて行く。
っと、キャストして届く場所にボイルが出た!
小さいボイルだが、水面にて激しく追い回す何かが見えた。
浮きグレやボラのジャンプではない。
全力でジグを回収して、そのボイルに向かって撃ち込む。
二度通したが追って来る気配は無い。
おそらく、御三家ではない。
そう直観してルアーケースまで走った。







急いでルアーを交換する。
結んだのはプラグであった。
再び立ち位置に戻るもボイルは消えている。
丁度、その頃、何人かの方が荷物をまとめて移動され始めた。
そこで空いた場所に立たせて頂く。
改めてキャストをし始めると、少し離れた場所で再び飛沫が上がった。

もっと寄れ!
そう念じると本当に群れが近づいて来た。
狙いを定めて全力でロッドを振る。
残念ながらこのキャストでは少しボイルを外してしまった。
全速力で回収する。


次は外さない!
全力にて投げたルアーがボイルを直撃する。
すぐに強くヒラを打たせた。
バシュっと水面が割れ、何かが身を露わにして飛びかかる!










ガツン!!








自身のルアーに魚雷が被弾する。
間髪入れずに強いアワセを二回叩き込む。
しかし、魚は走る事が出来ない。



今日は幾度となく、サメの不気味な背びれを見ていたのだった。
そして、今、磯の周りを流れる潮はとても速い。
魚を潮に乗せてはならない。
それは過去に自身が痛烈に味わった事であった。
サメをかわし、潮にも乗せない。
私には 「真っ向勝負」 しか思いつかなかったのである。






竿を立ててその走りを止めた。
途端にガクガクとロッドが震え出す。
それはやがて大きくも小刻みな振動となって行った。
超高速のバイブレーション。
そう、サバなどが生み出すあの感覚である。

しかし、ここまで大きなものは初めてだった。
少しその勢いが衰え、今だ!という気がした。
そのままの態勢にて二度、更に強く追いアワセを入れる。
絶対に逃がすものか!
そこでロッドを下げ、魚に対して真っ直ぐにして行った。
後はただリールのハンドルを巻き上げるのみ。
一気に回すと、Z6500EXPの強大な力に一瞬にして魚が浮いた。
真っ直ぐ水面を走ってくるその姿。
近付くほどに胸が高鳴る。
そのまま、一気に瀬際まで寄せて抜き上げた。
予想以上に重かったが愛竿はヤワじゃない。

























P1010854

ついに!ついに陸から出会う事が出来ました!!
遠い沖を泳ぐこの魚。
いつか釣りたい。
ずっと夢に描いていたのです。

本鰹

やったね!!

























P1010860

いつもの様に記念撮影です。
先日、購入した 「Z6000GT Spool」 にも入魂する事が出来ました。
ロッドを折ってしまった事は本当にショックでしたが、諦めずに頑張って本当に良かったです。
メチャ嬉しかったなぁ























P1010866

Rock父も最後まで粘りの釣りをやり切りました。
グレは釣る事が出来ませんでしたが、ナイスサイズのアイゴを上げていました。
父ちゃん、やったね!








今までずっと両親には面倒ばかりかけて来ました。
おそらく今も。
今回の釣行でも、正直、楽しんでもらえたかは分かりません。
これからも機会を見つけて、父だけではなく母とも過ごす時間を増やせたらと思いました。
末永く元気でいて欲しいです。


それでは





My Tackles

Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-2
Reel  DAIWA SALTIGA Z6500EXP with Z6000GT Spool
Line   YGKよつあみ PE #5
Leader VARIVAS NYLONE 100LB

Rod   MC Works RAGING BULL 100XR-1  殉職


遅めのGW 親子釣り(前篇)

5月8日の日記






長かったゴールデンウィークも終わってしまいました。
皆様も釣りに行楽にと楽しまれた事かと思います。
なかには、絶海の孤島まで大遠征をされ、凄い釣りをされました方々もいらっしゃる様で
いやー 誠に羨ましい限りです。
そんな私はずっとGWは働いておりました



さて、少し前になりますが、珍しくも父親から休みを合わせてくれないかと話がありました。
無口な性格の父は多くは語りませんが、どうやら一緒に釣りに行きたい様でした。
母親にきくと、あんたがいつも行ってる串本に行きたいんやって!  との事
早速、日程の調整をして行きました。


数日後、日取りだけは決まりました。
しかし、いざどこで何を釣るかがまとまりませんでした。
せっかくの機会なので、父にも夢をみてもらえたらと考えたのです。
しかし、そこは高齢の父ですから、慣れない危険なルートを行かせる訳にはまいりません。

何日も考えた結果、父の釣り経験、そして持っている道具などから、無難なのは、「カセ」、での真鯛狙いかなと考えました。
今回の釣行プランについて、数名の方々より情報やアドバイスを頂きました。
誠に有難うございました。
しかしながら、最終的なプランを相談する中で父は言ったのです。





















ショアから釣りたい!







いやはや、これで全ての下調べは無駄となりました
血はあらそえないって事でしょうかネ。

出発の前日、陸から狙える夢を求めて、最低限の餌釣りの道具を買い足しました。
遅めのGWとなりましたが、こうして、二人の南紀のんびり旅が始まったのです。











今回の旅の足は南紀特急ではなく、父の愛車で行く事になった。
意外にも荷物が多く、1ナンバー貨物の方が積み良いと思ったからである。
私の運転にて高速を走り行くが、実に音が心地良いのであった。
本当にディーゼル3000ccのNAかと思うほどの咆哮を放つのである。
釣りには全く関係無いハナシだが、やはりこうしたサウンドは大事だと思う。
心の盛り上がり方が全然違う。


高速を降りてすぐに寄ったのは餌屋さんであった。
南紀周辺でも買えなくはないのだが、虫エサはこちらの方が豊富で気もち安価な気がする。
オキアミは現地で買うとして、いくつかの種類の虫エサとアミを買って行くのだった。
普段、ルアーは高いなと溜息をつく私だが、いやいや、エサもまた高額である。
釣りをしていると金銭感覚がマヒをしてしまう(笑)
家を出たのは零時ちょうどであった。
途中、何度か立ち寄りをして南紀への到着は午前3時半であった。
とても車が少なく快適な道中であった。









今回は漁港での釣りをメインとする。
串本の市街地に入り、まず向かったのは24時間営業のスーパーであった。
半額のおにぎりとお菓子、飲み物を買って、早速、釣り場へと向かった。
漁港での餌釣りでもまた、良い魚を釣りたいとは思うのだけども。
その為に重い荷物を抱かえ、遠くまで歩くのはツライものである。
出来れば、車横づけで楽しめればそれが一番であろうか。

そんな軽い気持ちでポイントを探して行った。
とはいえ、狙いの魚が居ない様ではいけないのでそこは真剣である(笑)
広い港の中を三か所ほど周り、ようやく色々と楽しめそうな場所を見つける事が出来た。
皆さんもよくご存じの様で、連休直後とはいえ結構多くの釣り人が竿を出してみえる。
広いスペースに車を停めて準備をして行った。







自身はまず、シーバスロッドに3000番のリールを組みつけて行く。
テールスピンジグ、カブラ小にてボトムを狙ってみる作戦だ。
Rock父は投げ仕掛けをセットしている様であった。
元気なマムシを数本の針に刺している。
だんだんと空が白みだし、ダイナミックな景色が明らかとなって行く。
目立った風も無く、見渡す限りの海は凪いでいる。
父にとっては、ほぼ20年ぶりとなる串本での釣り。
これからの二日間に向け、豪快な音と共に仕掛けは彼方へと飛んで行った。



自身は今の場所から、とりあえず届く範囲を広く探ってみる事にする。
しばらくすると、Rock父はチョット他の方の釣りを見て来ると言ってどこかに行ってしまった。
投げておいて放置、いつものカレイ釣りの気分なのだろう。
ここは串本、そんな事で大丈夫か?と不安に思う。
ルアーでは何のアタリも無い中、どうにも気になっているとやはりそれは起った。
ガシャン!っという音に振り返ると、立てかけてあった投げ竿が完全に浮き上がってしまっている。
急いで駆け寄って、竿が飛ばない様に止めるのが精一杯だった。
糸フケを取りながらきいてみるも、魚はすでに針を離した後であった。
待ってみても再び喰い込む気配は無い。
そこまでして、やっとRock父の姿が見えた。
もう言わんこっちゃない!っとブーブーと文句を言う。
自身はここでの投げ釣りで、過去に竿を二本も夜の海にダイブさせてしまっている。
結局、マムシ餌での投げでのアタリはこれが最後であった。
夜明けのデカイ一発は何であったか?今も気になるところだ。








そのすぐあと、隣の方がサビキにてアジを連発するのだった。
それを見てタギるRock父。
自身も砂もの狙いに飽きたのでアジングの準備にかかる。
サビキ、アジング、二人して同時に始めるが全くもって反応が無い。
さっき釣っていた方の竿も全く上がらなくなってしまった。
朝マズメの一瞬のジアイ!?
それにしても速過ぎではないか?
思わず父と顔を見合わせて苦笑いであった。


やがて陽が完全に昇った頃、Rock父のサビキ竿に反応が出始める。
元気なサバの子が一荷で上がって来た。
小さい小さいと言いながらも、今日初めての魚信にマンザラでもない様子である。
自身もアジ狙いを止め、サバ子に照準を合わせてみた。
いつも通りのジグヘッドでの釣りだったが、バイトは頻繁にあれどどうにも乗りが悪い。
隣りのRock父はバンバン釣っている。
ルアーマンが負けるワケにいかないでしょ!って事で急遽、
サビキVSルアー勝負となった(笑)


早速、ジグヘッドを捨ててマイクロジグにチェンジする。
これが正解でほぼワンキャスト、ワンキャッチとなった。
サバは大きいものでも小アジ程度。
しかし、なかなかよく走るので楽しいものである。
時間が経過するほどに群れの数は増すばかり。
そんなサバ子であっても、やはりスレて来たり、喰い気が下がる時があった。
様々なジグのアクションにて再びヤル気にさせる。
小物の数釣りはこうした所がとても面白い。
気がつけば、小型のクーラーボックスは魚で一杯になっている。
勝負の軍配はサビキのRock父にあがった。
いくら手返しよくしても、複数の針への一荷には勝てなかった。
今度、アラバマ何とかにジグを結んでやろうか(笑)









サバ子の釣果には十分に満足して、他の魚を狙う為に場所移動する事にした。
せっかくなので、ポイントを見ながら少し観光をして行く。
その昔、子供だった私が父に連れられて来た頃には、まだ大島へは船で渡るしかなかった様に思う。
確か今の道路がある場所には、浅海波止と呼ばれる素晴らしい波止があった記憶がある。
そこで二人で竿を出したのだが、波止はとても高く、その水深の深さと速い潮流でまったく釣りにならなかった。
足下を見下ろすと、60センチはあろうかというグレが悠々と通り過ぎて行った。
周りでは大きな真鯛が釣れたり、その光景の数々は当時のRock少年にとって強烈なインパクトとなった。
今から20年以上も前の事である。
そんな記憶が蘇って行く中、今こうして大島への橋を渡る。
何か所かの目ぼしいポイントを巡って行ったのだが、そのどこもヤエン釣りの方々で混み合っているのだった。



大島を後にし、再び漁港の一角にて釣りを始める。
今日は大潮であり、岸壁は大きく露出しているのだった。
それでもまだ干潮には程遠い時間である。
Rock父は投げ、カゴ釣り、サビキと忙しくやっているが全くアタリは無い。
自身は砂もの、アオリと狙ってみるがこちらも同様だ。
やがて、探りながら目が閉じて来たので堤防の上に大の字になって眠ってしまった。
その間もずっと続けていたRock父であったが、釣れ上がるのはここでもサバ子だけとの事。
粘る父に向かって昼食に行こうと誘う。








向かった先は潮岬のレストランであった。
南紀で釣りをされるルアーマンの皆様ならご存じの方も多い事でしょう。
是非とも、Rock父にかの、メガ鮪天丼セットを食べてもらいたいと思って来たのであった。
今日はもう一人運転手がいるので、自身は瓶ビールを頼む事にした。
メガ天丼とビール、いやいや、なかなかどうして食が進むのである。
実に美味い!
満腹になり駐車場の車へと戻る二人。
ふと、辺りを見回すと、凄腕ショアマンの車もちらほらと。
そんな光景を横目に車中にて爆睡する二人であった。










目覚めたのは午後7時であった。
ビールを頂いたせいでスコーンと快眠する事が出来たワタシ。
イビキがうるさい!と怒るRock父だったが、そんなオヤジも寝言で何度か自身を起こしたのでお互い様である。
辺りが暗闇に包まれる頃、夜のアジを求めて再び竿を出す事にした。



まずは港内の街灯下でやってみる。
Rock父はサビキ、少し離れて自身はアジングで探る。
すぐにサビキの方で一匹釣れたのだが、その後がなかなか続かない。
自身のワームにはサッパリであった。
海面を眺めていると、白く、長細い何かが群れになって速く行ったり来たりしている。
どうやら、ケンサキの様なイカが入っている様であった。
そこで自身は少し移動し港の外側を狙ってみる事にした。
広大な堤防であるが、その殆どの場所には街灯の灯りは届かない。
僅かばかり街灯が照らす場所を選びそこに立つ事にした。
潮は左手から右手に向けてかなりの勢いで流れている。
水深も結構ありそうな感じであった。



そこで、港内で使っていたものを止め、1.5グラム程のジグヘッドを結んでみる事とした。
キャストしてすぐにフォールに入ると、やはり大きく右に向かって流れて行く。
この流れのせいでおそらく、その沈下スピードは落ちているだろうか。
潮に乗せながらゆっくりと送り込んで行った。
ほどなくして、コツンっと小さな感触が伝わる。
しかし、どうやらまだ口の中には入っていない様であった。
すぐに同じ位のバイトが二度、三度と続いて行ったのである。
どうやら、同じ個体が追い喰いしているのだろうか。
少しラインの角度を変えてやると、明確にコツンっとした感触が伝わってきた。
そこで間髪入れずにフッキング。
ギュンギュンっと絞り込み、流れに乗った魚は結構元気である。
あがって来たのは、20センチちょっとのアジであった。
しっかりと上顎に掛かかっており、満足の一匹に笑みがこぼれる。
その後は連発劇こそ無いものの、5分に一回くらいの感覚でバイトを得られた。
ポツポツと良型のアジが揃って行く。
やはり、港内で釣れるサイズよりは少し大きい様で、20~24センチまでマチマチの型が釣れてくれた。







初めて知ったのだが、実はRock父はアジングをやってみたかった様である。
自身が購入した雑誌をみたりもしていたとの事であった。
この時も自身の竿を手渡し、隣で基本的な操作を伝えながらやってはみた。
フォールだけよりもリトリーブを入れた方が良くないか?など、結構な用語も出てきて驚いたのだった。
しかし、ちょうどアジの喰い気が下がった頃で残念ながらヒットまでは行かなかった。
今度、またチャンスがあれば、近場でのアジングに誘いたいと思っている。
アジ地獄に引きずり込んでやりたい(笑)






何だかんだと、色々やりながら気がつけば日付が変わる頃となってしまった。
二日目の釣りに備えて納竿とする。

明日はどうしよう?
今日一日、日中の漁港での釣りはとても厳しいものであった。
明日もまた漁港か・・・。
さすがにRock父も気が重い様に見えた。
天気予報を見てみると、時折は雨が降りそうだが、明日もまた穏やかな海となりそうである。
色々と考えてはみたが、今更、まったりとカセ釣りをするのはどうかと思った。
そこで思い切って伝えてみる。






磯に行こうかと。





無論、前途した理由から地磯の釣りは難しいだろう。
たとえ釣れなくとも、最高のロケーションの中で一緒に糸を垂れ、磯で弁当を頬張ったら気持ちいいだろう。
また、自身がいつもどんな釣りをしているか知っても欲しい。
それ故に渡船にて渡してもらうプランを話してみた。
Rock父はお前に任せると一言であった。
眠れるのはあと二時間ほど。
大急ぎで準備をして横になる二人であった。




後篇につづく














I found it !!





久々にタックルを買いました

















P1010851


ずっと欲しくて探していました。
やっと程度の良いものに巡り合えました。
予想外の出費でしたがそこは無理をして


早く磯で試してみたいです。


それでは

土曜のアジ

4月28日の日記





仕事の休み時間、先輩のあっつん兄さんとメールで話していました。
兄さん曰く、今夜は複数の仲間とアジングに行くよとの事。
でも、今夜は友人との約束が入ってる
いいな、いいなとソワソワしていると、何と友人からちょっと時間的にキビシイとの連絡。
相談の上、会うのを延期する事となりました。
帰宅後、再度あっつん兄さんに連絡をとると、いまさんとノリ兄さんもいるよとのお話です。
明日は早くから仕事がある。
でもまぁ良いか
急遽、皆さんの釣りに参加させて頂く事となりました。







先輩達の出発から約1時間ほど後に家を出る。
皆さんがいる紀伊長島方面へと南紀特急を飛ばして行った。
やがて漁港へと入るが兄さんたちの姿は無い。
電話をすると意外な場所で竿を出されているそうである。
すぐに到着し歩いて行くと、久々のご対面となるいまさんが迎えて下さった。
移動しながら順にご挨拶をさせて頂く。
お話通り、今夜は大人数での釣りであった。
暗くてよく見えなかったが、初対面の方が2~3名ほどいらっしゃった様である。
ご挨拶もほどほどにすぐに空いているスペースに向かった。



あっつんさんに状況をお聞きするとアジは居るとの事。
しかしショートバイトが多く、かなり厳しい状況の様である。
まずは海を見てみる。
数日前に強い雨が降り、水はかなり濁っている様に見えた。
どちらかと言えばシーバスに良さそうな感じである。
立ち位置では斜め横から強い風が吹いていた。
日中はかなり暑かった為、ロンTの上にフリースを一枚羽織ってきただけの軽装であった。
これが大失敗でとても寒い。

時折、パシャッと水面で跳ねる魚がいる。
おそらくはアジだろう。
この状況であれば、まずは軽量のジグヘッドにて表層をスローに狙ってみるのがマイセオリーである。
周りをみると、どうやら皆さんもそんな感じで狙われている様に見えた。
ワームの種類やカラーを換え、何とかヒットパターンを探してみえるのだろうか。
しかし、ここで自身が同じ事をしても面白くないと思った。
きっと皆さんとはラインやリーダーも違うのだし、ここはやはり変えてみようと。
そこで、1.5グラムのジグヘッドにてボトムから始める事にする。







ここは初めてのポイントであり、水深もよく分からなかった。
まずは探る為にテンションを残して沈ませて行く。
しかし、なかなか着底のサインが伝わってはこない。
どうやら、横からの強い風が邪魔をして沈むのが遅い様であった。
そこで、ジグヘッドはそのままにして、斜めに、風上に向かってキャストをして行く。
飛距離は落ちるのだが、これでちゃんと沈む様になった。
まずはそれで探ってみて、フォールを遅らせたいならば逆にその横風を利用する。
そんな感じでしばらくやって行った。








しかし、どうにも反応が無い。
皆さんも苦戦されている。
そこで狙いを変え、足下のシェードとその明暗の境を探ってみる事にした。
意外にも堤防際に着いていた事もあったからである。
やっと、コンッ、コンッと小さなアタリがやって来た。
とても小さく短いものであった。
待ち構えていてアワせてみてもまるで針掛かりしない。
気難しい奴だな!と意地になって来た。
どうも底を少し切った位のところで出る様だ。
何度も繰り返して、やっと一匹を掛ける事が出来た。
ムキになっていたので結構ウレシイ。
喰った喰ったと声を出して喜んでしまった。
しかし、上がってきたのはちょっと丸かった。
サイズ的にはアジと同じ位なんだが・・・。
ヘッドランプを灯すとやはり違った。
人生二度目のウミタナゴさんであった。
あぁ恥ずかしい。



しばらく粘るもアタリは同じウミタナゴばかり。
いよいよ身体が冷え切って心が折れて来る始末である。
そろそろ竿を置こうかとウロウロしていると、移動しましょうかとお声がかかった。
有難かった。









そこから更に南下して着いたのはいつもの場所であった。
有難い事にほとんど風は無かった。
これで再び釣る気力が戻ったのだった。
早速、空いている場所に入れて頂いた。
いつもよりも底を意識してみよう。
ただし、今夜はフォールで狙うのではない。
底ギリギリを水平に泳がせてみたい。
イメージとしてはそんな感じである。
実際には見えないので、本当にそうなっているかは分からないのだけど。


多分、最初の数投が大事ではないか?
最近の釣行でそんな風に思っていた。
どうにも、何度も通している内に見切られている様な気がしていたのである。
アジが見切る!?
よく釣れる時、そんな事は考えもしなかった。
投げて巻くだけで、エンドレスに釣れ続いた時も多かった。
しかし、最近は何となくそう思う様になったのである。
気のせいかも知れないが。






そんな事を考えながら慎重にワームを底まで届けて行った。
意識して竿を立て、ワームの姿をイメージする。
巻きながら竿の角度を変えて探って行った。
もうすぐ、少し海底のかたちが変化する場所を通過するだろう。
そう思い、更に巻き寄せた時に変化はあった。
とても小さくコッと響いた。
すぐに鋭いアワセを入れる。
強めのドラグが音を立てて出て行った。
来た!


しかし、結構な重みがロッドに乗ったやいなや、あっけなくテンションが消えてしまう。
しまった。
回収してくるとフックが派手に外を向いていた。
何の魚かは分からないが相当なパワーであった。
気をとり直してもう一度同じラインを通して行く。
すると嘘の様にアタリが出た。
やはり、ドラグを引きずり出し、すぐにテンションは無くなったのである。
今度はフックではなく、ラインブレイクによるものだった。
おいおい、今日のリーダーはフロロの1.75号を使っているんだぜ!?
残念ながら、それから二度と奴らのコンタクトは無かった。






ふと、少し先にみえる、あっつん兄さんを見ると何かを掛けた様であった。
細糸を使用されている為、かなり丁寧なファイトをしてみえた。
ジージーと鳴るドラグの音がここまで聞こえて来る。
やがて上がって来たのは、グッドサイズのメバルであった。
その後も何度か両型の根魚をヒットさせてみえた。







自身はずっと沈黙しっぱなしである。
全く何のアタリも無かった。
普段なら嫌になるところだが、何故かこの日はそれが妙に心地良かった。
おそらく、先日の南紀でのアジングと対照的だったからだろう。
釣れないのが良い、まさかではあるがそんな気さえしたのである。
いよいよ、磯での青物狙いの時と同様に、「変態」、となってきたのかも知れない。
今夜は独りではないが、それでも闇や静けさが集中力を持続させて行った。
何度キャストを繰り返したか覚えてもいない。
無心になって続けていた時、やはりとても小さな変化が伝わるのだった。
即座にフッキングを入れる!
今度はしっかりと掛かった。
おそらく、このタイミングならば外れる事は無いだろう。
ゴリ巻きで一気に寄せてポンっと抜き上げた。


やっとアジの顔を見る事が出来た。
フックはしっかりと上顎を捉えていた。
サイズは23センチ程度だったろうか。
フラッシュがご迷惑となるかもと、今回は撮影は止めておいた。
その後も粘り続けたが、自身にはこれが最後の魚となった。
あまりに難しかった今日のアジングであったが、たとえ一匹でも満足の釣りが出来た事が嬉しかった。









皆さんと竿をださせて頂き、とても楽しく良い勉強になりました。
また機会があれば、是非ともご一緒させて頂きたいです。
有難うございました。



次の日のシゴトは眠かった

それでは








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