2012年08月

満月に誘われて

8月1日、2日の日記







気もちは磯に向いていましたが、またしても台風が邪魔をしていました。
せっかくの連休だし釣りには行きたい。
少し考えていますと、昨年の事を思い出したのでした。
海は時化ていますが、雨も殆ど無く、おそらくあの川はちょうど良い濁りだろうと。
シーバス初心者の私ですから詳しい事は分かりません。
何となく良いかも知れない。
そんな気持ちに素直になってみるのでした。









1日は日没より粘ってみようとまだ明るい時間に出発する。
シーバスとはいうものの、狙いはマルでもヒラでもなく 「タイリク」 であった。
幸いにしてそこには、贅沢にも三種のスズキが混在する。
とりわけ、このタイリクスズキに魅力を感じてしまう。
昼の内から道具も用意した。
ウェーダーも安物だが新調する事にした。
やるからには全力である。
磯でないからと妥協は無かった。








現場に到着したのは午後6時半を回った頃だった。
すぐに装備を整え、ラインを通してルアーを結ぼうとする。
しかし、あるはずの場所にルアーケースは無い。
間違って置いたかと他も探してみる。
無い、無い、どこにも無い。
なんと、よりによって大切なルアーを家に忘れてきてしまったのだ。
今までの釣りでも、さすがにこんな失敗は無かった。



何とか少しでも投げたい。
夕暮れの水面を前に想いが込み上げる。
車の中をしらみつぶしに探し、ようやく見つけたのは根魚用の小型ミノーだった。
約7センチ、重量は10グラムにも満たないだろう。
投げてみたが、殆ど泳がせている感覚さえ無かった。
何をしているか、握っているタックルでは全く分からない。
結局、30分程度やって諦める事にした。
その後は少し移動して、夏アジを真剣に狙ってみる。
表層から宙層にて何度かのバイトは得た。
しかし、あまりに魚が小さいのか全く乗らなかった。
たまに釣れるのはボトムでのミニガシラのみ。
粘ってみたが、あまりに切なくなって竿をたたむのだった。
無念極まりない一日であった。









次の日はもう釣りは止めておこうと思った。
他にも気になっている事もあるし、昨日の失態からまだ立ち直れていない。
そう思っていると、先輩からメールが届くのだった。
早速、開けてみると、タイリク釣れましたとのご報告であった。
聞くと、昨日、自身が向かった川の少し上で仕留められたとの事。
やはり入っていたか・・・。
そう思うと、悔しいやら胸騒ぎがするやらで、居ても立ってもいられなくなった。
再出撃を決めるのに時間はかからなかった。









この日は昨日より少し遅れて現場に着く。
自身としてまだ入った事の無い場所に立ってみる事とした。
深い草むらをかき分けてそこに降りる。
まだまだ潮位は高く、立ち込むのは難しいと水際からキャストしてみる事にする。
風も無く、むせかえる様な湿気が体中に絡みついて行った。
蚊をはじめとして、沢山の害虫が粘つく皮膚にまとわりつく。
不快指数はマックスとなる。



明確な流れやヨレもまだ見えはしない。
はたして、スズキはどこに居てどこで喰うのだろう?
見ているだけでは分からない。
だからこそ投げて探ってみる。
ひとまずは広範囲にキャストしてみて、それからは水際スレスレを通してみる事にした。
しかし、何の反応も得られなかった。








しばらくすると、近くに特徴的なエンジン音が聞こえてくる。
おそらくは先輩の車だろうか。
ほどなくして上がると、用意をしてみえる先輩の姿がそこにあった。
準備が終わり、更に上を目指す事にする。
せっかくの機会なので、先輩の後について行かせてもらった。
ほどなくして降り立ったのは、細く浅いせせらぎの様な場所であった。
おそらく、その水深からして、スズキののぼれる上限ではないかと予想する。
捕食場所となるならココかと、先輩は狙いの場所を探られる様だ。
自身はその少し上に立ってみる事にした。
しかし、あまりに浅く、シャローランナーを引いてもすぐにボトムを擦ってしまう。
二投ほどで見切りをつけ、そこから下りながら探り行く事にした。







ここでも、狙い目として絞ったのは水際である。
よりタイトに打ち込む為、どうしても根掛かりが多発した。
川の中でさえ、浅瀬には何かの根っこの様なものが点在している。
普通に通してくるだけでも引っかかってしまった。
この時点で一軍ルアーのいくつかをロストしてしまう。
頼りになるのは、僅かに二個を残すのみとなってしまった。
更に下流をめざし、少しだけ水深があるエリアへと辿り着く。
そこでは水に浸かる事にした。
ヨレが僅かに生まれる場所があった。
比較的強い流れがあり、一気に開けてワンド状になる部分に着目する。
おそらく、上からも下からも、訪れたベイトがたむろしそうな場所かなと思い込んでみるのだった。








少しずつ着水点を変えて行き、通すラインも意識的にズラして行く。
ルアーの動き、泳ぐ層もやはり変えて探って行った。
そこかなと思い、めいいっぱい岸際にルアーを届けてやる。
引き始めてすぐ、ガガッとした感触が伝わった。
即座にフッキングを入れると無事に乗った様である。
一気に浮かせ、水面を滑走させながら寄せる。
とても静かな河原に、ソイツが跳ねる音だけが響く。
月明かりに映ったのは、50センチほどの体高のある奴だった。
いつもなら抜き上げるところだが、自身が水の中にいる為に戸惑った。
寄せながら後ずさりして岸を目指す。
しかし、途中でバレてしまった。
美味しそうな川ヒラ様はお帰りになった。








その後は更に潮位が下がり、辺りからは騒々しいほどの魚の跳ねる音が聞こえてくる。
大小のボラの騒ぐ音であった。
しかし、時折、ボラのそれではない低音のそれも聞こえて来る。
とうとうその時が来たか?
投げる手にも力が入った。
一度はルアーが着水と同時にボワッと出た。
よし!っとフッキングをすると、何と魚は根に変わってしまった。
何故かは不明である(笑)

足下ほぼ近くまで奴らは来ている様子だ。
何となくその場に殺気が漂った。
自身も先輩も思う様に攻め続けたが残念ながらヒットは無し。
先輩は見切りをつけて、撃ちながら上流へと戻られて行った。
自身は先程、ヒラがヒットした場所へと戻る。
魚は居ると信じて粘ってみる事にした。
おそらく、何かが原因でふいにルアーの泳ぎが変わった時だろう。
ゴコンっとした感触が出る。
バシッとアワセを入れると乗った。
バラさない様にゴリ巻きしながら後ずさり。
何とか魚を陸へと上げる事が出来た。




























P1020006

やったね!
嬉しいセイゴさんが釣れました。










その後は車に戻り、それぞれ分かれてポイントに立つ事とした。
自身が向かったのは更に下流である。
潮位も下がり、どうしても去年よかったヨレがあるかを探しておきたかったのだ。
結果からすると、そのヨレはもうそこには生まれなかった。
おそらく、大雨や台風によって地形が変わってしまったのだろう。
しばらくすると、先輩からの電話が鳴った。
彼が狙いを定めた場所にて、無事にタイリクを獲られたとの事であった。
おそらく、電話の向こうからはバタバタと魚が暴れる音が響いている。
その後は自身も移動したのだけど・・・。
時すでに遅し。
ボラの背中にルアーを擦るのみで終了となった。






やはり、そこにタイリクは入ってはいた。
魚は居るが喰わせられない。
いつもの事である。
でも、それだから止められないんですよね。
あっつんさんいつも有難うございます。



それでは




My Tackles


Rod  YAMAGA Blanks EARLY 100MR
Reel DAIWA MORETHAN BRANZINO 3000
Line  YGKよつあみ GALIS JIGMAN X4 PE #1.2
Leader VARIVAS NYLONE 30LB

とても難しい。

7月25日、26日の日記








題名にもある通り、釣りはとても難しいと思っている日々です。
自身のスキルと選んだ道具の数々。
はたして、たまたま行ける海に合っているのでしょうか!?
そのギャップを少しでも埋める為、様々な工夫と新たな道具を揃えてはみます。
それでも、とてもではありませんが、合わせる事が出来ない日々を過ごしています。









今回も狙いを定めての釣行でした。
誠、「偶然」 に、先輩のS氏、Y氏と二日間に渡り竿を出させて頂く機会を得ました。
この、厳しい目標を狙い撃つには、仲間の存在はかけがえのないものだと思います。
とても、とても、心の励みになりました。































P1010998

初日、朝の数投で魚信を得ます。
茶色に見える何かが出ましたが乗りませんでした。
その後すぐ、パシャっと爽やかな反応アリ。
やった! ソウダGET!!
するすると巻き寄せると、思いもしないお客様が掛かっていました。
その当時、なかなか姿を見せる事が無かった小メジロさんです。
SNS等々で、夏の脂ノリノリのハマチが釣りたいと言っていた私。
おそらく、きっと南紀の海の仏様が叶えてくれたのでしょう。
後にも先にも反応はコレッきりでした。
パンパンの小メジロさんに感謝です。





























P1020003

その後、激流が一瞬だけ収まりました。
自分らしいアプローチを開始してすぐの釣果です。
すぐに続投すれば追加はあったのかも知れません。
それよりは、一尾を可能な限り美味しく頂く事がモットーです。
しっかり、その一瞬にシメるのでした。










その後は激流ゆえに全く合わせる事が出来ませんでした。
二日目もまたフルで参戦いたしましたが・・・。
珍しくトップにこだわり、おおよそ、40本ほどの大小シイラを掛けてしまいました。
この時、彼らはあくまで邪魔者であり、ただの羅針盤でしかありませんでした。
可能な限り、彼らのヒットは避けていたつもりです。
掛かってしまっても、何とかしてフックオフを誘発する様にしました。
しかし、どうしようもなく深く捉えた場合はキャッチしなければなりません。
上げれば徹底的に抵抗する彼らです。
無傷でのリリースは不可能です。






釣りに焦るあまり、目標を追い求めるあまり、時にそんなシイラ達を軽んじる事がありました。
一つ一つの生命を重んじたいと発信してきた自身でしたが・・・。
釣りの欲望にそれを見失いかけてしまったのです。
告白しますが、傷をおった彼らをリリースしました。
全く、言い訳も出来ません。









その時は必死の想いでした。
陸に上がり、すぐにそれが間違いだと思いました。
釣果云々など全く関係が無いのです。
心の問題なのでしょう。






その様な釣師にはたして、海の仏様は応えてくれますか!?
今だけの釣果だけではなく、己が通い続けるその日までの事。
森羅万象、全ては因果応報であると確信します。
その時点で、今回の私の釣行は間違いであったのです。
もう一度、よくよく考えて次回をと思います。
心を失った釣りなど無意味である。
いつか、その罪を償って磯に臨みたいです。




それでは







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