2013年11月

Heartbreak

10月29日(夜)~31日(深夜)の日記














もう、しばらく前の事にはなります。
突如、交際していた女性から三行半を突きつけられたのです。
まぁ、男と女なんてそんなものでしょう。
奈落の虚無世界へと転落して行きました。






さすがに何もする気が起きませんでした。
あまりに Chaotic な話の内容だったからです。
独りでいてはどうにかなりそうだ・・・。
そう思っていた頃、メールの着信音が鳴りました。
TNK氏からのものでした。






内容は釣りへのお誘いでした。
最近、アジを狙って釣行をされているとの事。
これには、本当に救われた気分でした。
辛い時こそ海へ。
結局、私にはそれしかありません。














仕事の都合上、自身は早くには向かえないのだった。
よって、TNK氏には先に釣りを始めて頂く事にする。
前回の釣行からかなり時間は経っているのだが、
未だ例のベイトが群れてはいないだろうか?
そんな淡い期待から、同じ場所へと入って頂く事をお勧めさせて頂いた。

行く道中に実況報告を頂戴するのだが、これがかなり厳しい状況との事。
果たして自身に釣れるか。
南紀特急のアクセルを踏む足に力が入る。













ポイント付近まで来るとすぐに氏の姿を確認できた。
ほぼ、ロックショアさながらの完全武装で竿を振っていらっしゃるのだ。
さすがだなと微笑ましく思った。
早速、お声をおかけして少し場所を移動する。
まずはと、いつもの様に海を覗き込むが静かなものであった。
ベイトの姿は見えなかった。
果たして、それが分かりやすく表層付近に群れていないだけかは分からない。
前回もどこからともなく押し寄せて来たのだから。
期待と不安を胸に竿を出すのだった。















自身のサーチパターンを10本ほど撃ったが何の反応もない。
アタリが無いとふいに彼女の事がアタマに浮かんでくる。
顔を横に振り、それをかき消して釣りを続けるのだった。
全て忘れ海に集中しろ!
いったい、何度それを唱えた事だろう。
心が掻きむしられるようだった。
とにかく魚を。
こんな苦しい釣りはない。












最初のアタリを捉えたのはやはりボトムであった。
底のピンスポット。
いつも、そこでは何かがある。
今日もジグヘッドの号数は重いものだ。
ブームとは真逆のそれで全層を通す事にしている。
おそらく、より軽いものでも結果は同じだろう。
そんな予感がしていた。
その一点においては止めて動かし、
そして、僅かにリフトをさせる感じで誘ってみたのである。
何かの蟲をイミテートしてみたのだった。
それでようやくアタッた。
20センチ足らずのマアジであったが、
この時、その魚にどれだけ救われたかはご理解頂けない事だろう。














自身の蟲パターンでポツリポツリと釣果を伸ばした。
しかし、それも長くは続かない。
再びパターンを変えて違う層を引く。
とても小さく、ツンっという感触を得た。
アワせると一気にドラグを唸らせる!
今日の海にもサバが居てくれた。
しかし、それも後が続かない。



似た様な感じで探り続けて行った。
ずいぶんと時間が過ぎた頃、やっと小さな感触を得る。
フッキングを入れると、またもセルテートが鳴いた!
サバと信じて疑わなかったが、途中からその動きが変わり行く。
手前に走って来たかと思うと、ギューンっと底へと突っ込んで行く。
何度かラインをやり、ようやく現したその姿は紛れもないアジであった。
それも、25センチはくだらないであろう 「トンパク」 だった。
本当に嬉しかった。




しかし、その後は全く沈黙してしまう。
私一人であればまだそれも良いだろう。
しかしながら、今夜は氏との釣りであるのだ。
そこで、移動をご提案させて頂くのだった。















結構な距離を走り、到着したのは自身が好きなポイントである。
ここでダメならばちょっと他が思いつかない。
なるべくなら、ランガンは避けたかった。



竿を出すとすぐにアタリがあった。
サイズはずっと落ちてしまったが、
そこそこの数の魚が回っている様だ。
入れ喰いとまではいかないが、二人して数を伸ばす事ができた。
その釣果に安心し、自身は少し深みへと移行する。





そこでは、豆アジのアタリは消えた。
たまにあるのは、特徴的なキンギョのバイトだけである。
それでも続けた。
何があるか分からないと。
そろそろ潮時か?
掻きむしられる様なあの感情に飲み込まれそうな時だった。
ツンっと小さく触れた。
即座にロッドを振り上げた。







































P1030062













けたたましく響くドラグの音。
突っ込み、走り、縦横無尽にと暴れた。

暗闇にブルーに光るその背中を見て確信する。


「トンパク」 だ!


先程よりも更にデカい。
いったい、何というパワーか!!






























P1030065













美しい色です。
自身のルアーにアタックしてくれて本当にありがとう。


























P1030066













嬉しいのでもう一枚。
この目です!
これに会いたい。
この瞬間だけはおそらく、悲しみを忘れていたかも知れません。



































P1030068













その後、氏と並んでやっていますと。
ルアーとあまり変わらない大きさの魚が釣れました。
ちゃんとクチに刺さっていましたよ!
撮影後、すぐにお帰り頂きました。








結局、ポツリポツリと釣れ続き、午前4時半まで竿を出していた。
そろそろ、磯へと歩き始めても良い頃ではある。
しかし、どうにも眠たかった。
頭と心を再起動したかったのもある。
小さなパーキングスペースに二台を停めて就寝するのだった。






















目覚めたのは、8時を大きく回った頃であった。
氏はすでに起きてみえた様だが、
身動きしない私をそっとしておいて下さったのだろう。
青物師の名に恥ずかしい重役出勤ではあるが、
これから、初めての磯へと向かうのであった。





やがて、山への入り口と思しき場所へと辿り着く。
「今から入ります」 と、磯の釣りの大先輩へとご報告するのだった。
彼は仕事中にも関わらず、すぐにそのご返事を送って下さった。
そればかりではなく、ご丁寧にもお電話まで頂戴する。

「山は迷いやすく、道を間違うと、何時間もさ迷う事になる」 とのご警告であった。



とても詳しく、チェックポイントをお教え下さったのである。
本当に心強く思った。
地磯は少しばかり経験があるとはいえ、
これほどに深い森をガイド無しで行った事は無いからである。







歩き出してすぐに筋力のデッドポイントをむかえる。
身体がなまっている。
胸が苦しく、思う様に足が上がらない。
途中、幾人かのトレッキングを楽しむ方とすれ違う。
いかにも、ここは山なのだ。
彼らが一様に汗だくで、疲労困憊している顔を見て少し不安になった。
帰りは地獄かもしれない。
アオダイショウに驚いたり、冗談を言いながら進んで行った。
もういいだろう!
歩く事に嫌気がさしてきた頃、やっと視界が開けた。


































P1030069













疲れましたが、それでも海を見ると元気になりますね!
目指すポイントはまだずっと先ですが(笑)
いつもの様に岩山を転がりながら駆けて行きました。















水辺に降りると思いの外、波のパワーはあった。
遠目には分からないのが恐ろしい。
波が当てるところは高くまで水飛沫があがっている。
眼下にはいくつかの良さそうなサラシが生まれていた。





早速、荷物を紐解き準備にかかる。
自身はまず、ヒラスズキを狙ってみる事にした。
タックル、ラインシステムは大型青物を想定したもの。
ミノーは思う様には飛んではくれない。
たまらず根掛かりしてしまう。
ヒラは全く出る様子はない。









次に青物へとスイッチする。
トップではもう出ないか?
何度か引いてみたがやはり反応はない。
ミノーもどうにもな感じがしたので、ジグをスイミングさせる様に引いてみる。
すると、回収間際に手前の底から魚が躍り出てきた。
50センチ程のシオに見えた。
しかし、青物のチェイス&バイトはそれっきりであった。



シンキングペンシルに換えると、今度はサラシの中からバイト。
どうやら、ヒラフッコの様だったが乗せる事は出来なかった。
魚からの反応はそれらのみ。
飲み水も無くなったので戻る事にする。





やはり、帰り道は地獄であった。
何度となくしゃがみ込み休憩をした。
我々が名づけた 「通称〇〇さん」 ポイント。
それはナイショであるが、休憩はやはり大事である!
休めば軽い足取りで再び行けるのだから。

















街へと戻り、朝昼夜の食事をまとめて貪った。
そして、再び寝る!
身体と心の再起動である。
TNK氏は温泉へと向かわれた。
さすがに体力がある。
夕方になり、しぶしぶ目覚めると氏は待っていて下さった。
本日のラストスパート。
再びアジ釣りに向かう。












かなりの距離を走り、向かったのは新しいポイントであった。
なるべく、氏に色々な場所を知って頂きたいのもある。
それとは別に妙に気になってもいた。



到着し、水辺に近寄ると餌の方が数人。
アジが釣れないと嘆いていらっしゃった。
幸運にも魚の息吹はすぐに感じる事が出来た。
沖では、おそらく、大型のカマスが小魚を襲っている。
何となくだが、その音で分かる様になって来た。
しかし、この、岸寄りで荒ぶるヤツは違う様に思う。
その感じ、たぶんアジだろう。
それも、普通のサイズではない。







自身が知る、ボイルパターンの引出しを全部だしてはみた。
しかし、喰わない。
これは悔しかった。
ベイトのサイズも大きいのである。
それに見合うルアーが無い訳ではなかったが。
どうしてもバイトを得る事は出来なかった。
そこで、昨夜の豆アジ場所に戻る事にする。














到着し、ほどなくして、自身の心はとうとうパンクしてしまった。
たまらずに、TNK氏にこぼしてしまう。
それを優しくもただ聞いて下さった。
アジをポコポコ釣りながらも、氏はそっと頷いていて下さった。
自身は既にロッドを置いていた。


明日は仕事。
二度目の日付が変わっていた。
辛くも、楽しい一日は瞬く間に過ぎて行った。







TNK氏
ありがとうございました。
また行きましょう。








それでは






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台風ィングⅡ

10月25日の日記










前回の釣行で見つけましたベイトの群れ。
釣れたサバの引き。
そして、その美味しさ!
もう、いてもたってもいられません。



二日経つがまだ居るだろうか?
行って確かめる以外にはありません。




そしてまた台風がやって来ていました。
釣りが出来るかどうかも博打です。
この日は休みでしたので、夕方から家を出る事にしました。


















道中の雨は降ったり止んだりといった感じであった。
さすがに風がきつく、高所ではハンドルを大きく取られるのだった。
事故を起こさない様に慎重に進む。








コンビニに車を停めた頃には雨は止んでいた。
氷と飲み水を持ってレジに並ぶ。
勘定が済み、外に出た直後に土砂降りとなった。
もしかして、雨は無いのでは?
そんな希望はものの見事に消え失せる。
今日も厳しい釣りになるだろう。
覚悟をして現地へと向かうのだった。















ポイント付近に南紀特急を停める。
強風で車体が揺られている。
少し歩いて海を見る事にした。
ヘッドランプを灯すと海は濁っていた。
大きな白い塊が膨らんでいるかの様だ。
何か、静かなのがよけいに不気味であった。



期待していたベイトの群れは無い。
この濁りのせいだろうか?
半信半疑のまま準備をして釣りを始めた。














この日の為にいくつかの品を買ってきたのだった。

まずはルアーである。
先日、私にはベイトが赤と金色に見えた。
よって、赤と金が散りばめられたものを選んだ。



もう一つはジグヘッドである。
ここのところ、0.8グラムのそれで通す事が多かった。
自身には器用さも鋭い感覚も無い。
ともかく、慣れて慣れて、身体でそれを覚えるしかなかった。
ゆえに、ほぼその号数のみで毎回の釣りをしていたのだった。



だが、今回はその縛りを解く事にする。
やっと、人並みに釣果を得られる様になって来たのもある。
しかし、本当の理由はそれではない。
その速さが必要だと考えたのである。
リーリングによるのではない、負荷を与えた際の自然な速さが欲しかった。


ベイトが見えない今、まずはジグヘッドのみを新しくして始めた。































P1030048













手探り状態でしたが、
底付近にて何とかアタリを捉える事が出来ました。
お魚さんが居る事が分かってホッとしました。






























P1030049













続いてきたのは、ムッツリさんです!
何かしらのベイトがボトムに居るのかも知れませんね。
楽しいです。





























P1030051













カッという鋭いアタリの主はサバフグさんでした。
かなり、重たく引きますよ!

おそらく 「シロサバフグ」 だとは思います。
中毒もなく、とても美味しいと釣り人には評判ですね。


しかし、本当に安全かは私には分かりません。
黒潮の影響を受けるこの海域では、南方系の魚が居ても不思議ではないからです。


「ドクサバフグ」



海外にはよく似た姿で毒を持つサバフグが居るそうです。
よく知った方に見て頂くのが安心かと思います。



沢山釣れたのですが、海にお帰り頂く事にしました。
















ポツポツと釣果を得ていると急に風向きが変わった。
そして、叩きつける様な雨が打つ。
「いよいよ」 な様相へと海は変化して行く。





この頃から波が護岸を超える様になって行った。
うねりではなく、風で立った波があらうという感じである。
自身のものさしではまだやれると判断。
これ以上となれば即撤退と決めた。









とはいえ、その雨風は生半可なものではない。
ショートロッドではあるものの、真っ直ぐに持っている事さえままならないのである。
そして、時折、吹きつける突風の威力。
これには立っている事さえ難しかった。
そんな中では、ゴアテックスの合羽も無意味であった。
ずぶ濡れになりながらしゃがみ込み、ただただその時を待った。





それは、一瞬訪れる静けさである。
不思議とピタリと風が止む。
そんな時があるのだ。

その瞬間に釣りをする。
探れてだいたい、2~3キャストだろうか。
僅かの間でどこで喰うのか見つけなくてはならない。
真剣勝負、それがまた面白い。











更に時間が経つと海がまた変わった。
ざわざわとした気配が辺りを包む。
まさに文字通り。
どこからともなく、あのベイトの大群が辺りを埋め尽くして行った。
あちこちで立つ水飛沫!
食物連鎖の熱き戦いが幕をあけた。












とはいえ、投げれるタイミングが僅かなのには何一つ変わりはない。
限られたチャンスで検証した。




新兵器のルアーへと移行すると狂った様にバイトする時があった。
これに一つ満足する。





ジグヘッド号数も比べてみた。
やはり、ほぼ倍ほどにしたそれとは格段の差があった。
また一つ満足する。






アクションパターンも探った。
その違いもまた顕著であった。
泳層を変えると釣り分けができた。
同じパターンでレンジを変えるのみだった。


その全てがたまらなく面白い。

































P1030055













魚たちは沸き続けていました。
しかし、風が止む事が殆ど無くなって来たのでした。
ずぶ濡れで寒さも限界に達していました。

悔しいラインブレイクが何度か。
もっと大きな奴もいたのでしょう。
底で掛けたヤツには全く手も足も出ませんでした。







またいつの日かこの興奮を。
それでは






My Tackles

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増水

10月23日の日記










台風の影響からか、しばらく、雨が降り続く毎日でした。
気になるのは 「鱸」 の事。
私には、未だ分からないターゲットであります。




行こうかと思っていますと、Taka氏よりご連絡を頂きました。
今回ばかりはさすがに、
エキスパートである氏にアドバイスを頂く事にしました。
最近、あまりに的外れですから。
色々と教えて頂き出発しました。















今夜は雨が強い。
まとわりつく様な雨がフロントガラスを覆う。
こんな真夜中に独り河川へと入る。
正気の沙汰ではないだろう。
釣りをしている今でさえそう思う。











よく分からないが、タイドグラフを見ながら出発の時を選んだ。
このタイミングなのか!?
それを確かめる為に。











現地に着き、ウェーダーを履きゴアの合羽を纏う。
きつめに絞めたライフジャケットに腕を通す。
そのポッケットにはリーダーと金具、そして数個だけルアーを入れた。
土砂降りなので月は無い。
ゆっくりと暗闇の中へ行く。
















河原に着くと思ったよりも水嵩は無い。
膝より下まで浸かるだけで進みゆく事が出来る。
ここかという場所に来て足を止めた。










闇のせいで狙い目が分からない。
かといって、照明を当てるわけにはいかない。
キャストしてその感覚だけで読んで行くのみだろう。






1投、2投として巻き寄せて来る。
ゴン、カツンと、ルアーが川底を打っている感覚が響く。
思ったよりもずっと浅い。









流れを感じ、より深みへと送り届けて行った。
ふいに、ゴンっとした感触が出る。
川底の石ではない。
ハッとしてフッキングを入れた。



























P1030030













だあぁぁぁー

ウグイさんのアタックでした。
活性が高いのでしょうか、ガンガンとアタックしてきます。
何か怖くなって下流へと移動しました。















更に下へと向かい、股あたりまで入水する。
まずは岸際を引いてみる。
ストラクチャーや流れの変わり目についていないかと。
しかし、何の反応も見られない。









今度は流れに乗せてみる事にした。
イメージでは、上から流されて来る、弱った魚を模倣するというもの。
張らず緩めずのラインテンションにて送って行く。
すると、暗闇でも分かる水飛沫が上がった。
せせらぎに音はかき消されている。













トルクフルな引きに期待は高まった。
しかし・・・。
足下へと泳いできたのはまたもウグイであった。
丸々として、先程よりもひと回り以上ある魚だった。
緊張の糸が切れて撤収する。
















もう一か所くらいは攻めてみたい。
車を走らせ、次なる場所へと向かう。
まずは竿を持たずに見に行ってみる事にした。
ここかなと思う点を覗き込む。











そこに見えたのは青白く光る大きな背中だった。
更に目を凝らすと、他にもいくつかの黒い影も見える。
目測で80以上。
勿論、ボラやコイではない。
再度、準備を整えて立つ。















しかし、何度投げても全く反応しないのだ。
水の中が見えたなら、おそらく、嫌がってルアーから遠ざかっている事だろう。
どうすれば彼らに捕食のスイッチが入るのか?
そこから、何かを掴む事は叶わなかった。


















ずぶ濡れになり寒さで震えた。
今夜、更なる探究は出来そうもない。
心が折れてしまった。
せめて、漁港で癒されはしないか。
すがる様にして車を飛ばす。
















通い慣れた場所に着いた。
やはり、雨が強く叩いている。
嫌な風も出て、横から南紀特急を揺らしている。
降りて、いつもの様に海を見に行った。












一瞬、錯覚かと目をこするのだった。



海が赤い










否、赤と金で覆い尽くされている。
そんな風に見えたのだ。














それはベイトの目玉であった。
その数、おそらくは何千、何万という大群であろう。
波に揺られながらひしめき合っている。
すると、暗闇からボイル音が聞こえた。
気が付けば、あちこちでライズもある。
様々なフィッシュイーターが狙っているのだった。













釣りを始めるが一向にバイトは無い。
こんなにも荒ぶっているのに。
焦り、躍起となって行く。
色々とやっている内に、やっと小さなバイトを得るのだった。



ドラグは鳴きっぱなし。
寄せては走られる。





























P1030031













丁寧にやりとりし、やっとあげる事が出来ました。
あぁービックリした(笑)

食べごろのサバさんでした。

やったね!
























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綺麗なアジです!



























P1030034













やり始めたのが遅かった為、
パターンをつかむ事は出来ませんでした。

























P1030035













ともかく、バイトを得ようと必死になっていました。
それがまた面白かったです。






残念ながら、時間切れで納竿としました。
お魚を見つける事が出来ましたので、
再挑戦です!







それでは





My Tackles

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Reel  DAIWA 12  LUVIAS 2004H 
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台風ィング

10月9日の日記












今思えば、本当に水曜の度に台風が来ていた気がします。
週末組は磯へ、また漁港へと。
良い釣りをされた知人も多いのでした。
いよいよと思うと荒れでございます。
どちらにしろ、釣りに行かねばなりません。
こんな時でないと確かめれませんから。
















前回のハンドルノブの交換の話。
それはまさに、釣行直前の事であった。
不慣れな為に苦労し、作業が終わったのは22時前の事。
そこから釣りの用意をして、出発したのが23時をまわった頃である。


今回、確かめたいのはやはり 「トンパク」 の事である。
魚の事で頭がいっぱいだった為、実は台風の進路など特に確認はしていない。
おそらく、直撃はないだろうなという程度の予測である。
行ってみなければ分からない。
結局、いつもそんな感じだ。










高速に乗り、松阪を過ぎた頃にハッとする。


「しまった! 合羽を持ってくるのを忘れた!!」


戻れない距離ではない。
しかし、土砂降りの中を戻るならば、
おそらく、家に着けばもう出たくなくなるだろう。


そう思い、そのまま走る事にした。
どこか、コンビニにて合羽を買えば良い。
売っていないのもまた運命。
ポイントまでには、三つか、四つしか店は無いのだ。
結果として、僅かに一つだけそれはあった。
四百数十円のそれを抱きしめ、レジに向かったのは言うまでもない。











ほどなくしてポイントに到着する。
幸い雨は小降りになった。
まずはと思い海を見に走った。
そこで絶句する。


そっと覗きこむと、銀箔の反射で目がかすむかの様であった。



外灯に照らされ、ギラギラと黒い海が輝いているのだ。
何というアジの数だ!
これから起きる事に妄想は加速する。
息も絶え絶えに準備に走る。
















キャストを始めるとその煌めきは薄れて行った。
気配を隠そうとしても叶わない。
不自然な何かが魚には分かるのだろう。
途端に群れは散り始めた。



とはいえ、釣れる。
20センチに満たない魚が一匹、また一匹と釣りあがって行った。
何の策も必要無かった。
投げて糸フケをとれば喰っている。
それを巻き上げるだけの単調な作業が続いた。
しかし、それも長くは続かない。









そこはそう。
離れていても、この列島では台風が通り抜けている最中なのだ。
山が唸り空気が震える。
叩きつける雨。
辺りではけたたましい音を放って何かが転げて行く。

当然に海も豹変する。
立っていられない。
気持ちはあるのだが、どうしても釣りを続ける事が出来ない。
不甲斐ないが、南紀特急の中に逃げるしかなかった。












それは何度となくやって来た。
風と雨が止む、僅かなタイミングでのみ竿を出すのだった。
今夜来たのは、足下に沸く魚を釣りに来たのではない。
あくまで狙いはトンパクである!
立ち位置を変え、しゃがみ込んでその時を待った。
空よ沈まれと。





























P1020959













祈りは通じた。
嵐の中で、2分、3分とそれが収まる時が訪れます。
その一瞬に思いを込めました。

























P1020957





































P1020962













本当に嬉しいです。
とても小さな魚ですが出会えた事に。
足下に突っ込むその姿に溜息がこぼれます。










風は弱いが雨は強く打つ。
そんな時には喰わない。

小雨だが轟々と風が吹き付ける時。
そんな時も喰わなかった。

喰うのは、そのどちらもが僅かに止む時だけ。
いつしか、その瞬間だけを待つ。







しかし・・・。
そのタイミングでも、とうとうアタリが無くなってしまった。
ならばといつもの厄除けをする。































P1020971













2~3杯釣れると、何故か急に彼らのスイッチが入ってしまうのでした。
いたる所でアオリのライズが起きます。
不思議ですが、その時に抱く事は無かった。
台風マジックでしょうか。












それもやがて静まるのだが、トンパクからも何も聞こえなくなってしまう。
ならばと、更に深みへと降りる事にした。
先日の再現があるのなら、その下には違うアジが集っているはずだ。





コッっとした感触に我に返る。
アワセると振り上げた手が止まってしまった。
そのまま、グイっと締め込んで行く。
巻き上げるも、そのトルクでのたのたと立ち往生となる。
刹那、テンションが抜けた。
無念のフックオフであった。
それが二度続く。






























P1020970













三度目にしてようやく見る事が出来ました。
良型です!

やったね!!














静かになるその時を待っていると瞬く間に時間は過ぎて行く。
投げれないか、投げれても釣れないか。
幾度となくそれを繰り返した。

そして朝となり、
僅か5分ほどの 「違うヤツ」 のジアイに突入する。



それは 「アラハダ」 であった。





苦労して、やっと一匹を掛ける事に成功するのだが。
ランディング時に歯で切られてしまった。
目測でゆうに40センチを上回るその姿。
とても残念であった。






























P1020978














結局、明るくなるその時まで竿を振りました。
もう少しだけ穏やかであったならと。
さすがにそう旨くは行きませんね。












その後、帰路につき、パーキングにて眠るのだった。
数時間は横になっていたろう。
それでも、雨はまだ降り続けている。
台風は遠く離れたはずなのに。





目が覚めて煙草に火をつける。
少しずつ覚醒していく中で、色々な思いが浮かんでは消えて行った。
勿論、釣りの事である。
やりきった直後の事であり、その疑問の数々は生々しかった。
釣りは腕が一番である事は間違いない。
だからこそ、及ばない事、足りない部分を道具でカバーしたくもなるもの。
様々な事が錯綜する。








単純に釣り足りない気分だった。
夜まではまだ何時間もある。
他の釣りの調査も出来ないわけではないが、
どちらにせよ、この雨をどうにか防がない事には始まらないのだ。

コンビニで購入した合羽は、ボタンが壊れ、強風にて一部が傷んでしまった。
幸い予定も無いし、たまにはゆっくりドライブも良いだろう。
そう思い、求めるものを探しにショップへと走るのであった。













かなりの時間が経過したろう。
やっと目的の場所に着く。
今日はゆっくりと回ろう。
そんな気分であった。



色々と見ていると、見覚えのある姿が視界に入る。
一端、通り過ぎ、再び戻るとやはりであった。
まったく偶然にして、W氏とパッタリと出会ったのである。

お声をかけさせて頂き、今日の釣りをお伝えするのであった。
氏はなんと、ロックショアへと行かれていたとの事である。
その後、ご友人ととても楽しい釣りをされたと。
皆様には日常のこんな風景も、
殆ど独りで行動する私には、珍しく、楽しい貴重な時間なのだ。







しばらく買い物を続けていると、W氏がご友人と共にいらっしゃった。
是非ともお会いしたかった、I氏が来て下さったのである。
こんな事、いちいちブログに書かなくて良いだろう!?
そうお考えになる方もいらっしゃるとは思う。


何故か?


それは、とても嬉しかったからに他ならない!


尊敬しているアングラー、気になっている人とこうしてお話しできる。
オーバーかもしれないが、Rockbeachには本当に嬉しい事なのだ。
そして、楽しくてしかたない。








瞬く間に時間は流れて行った。
ご迷惑にならない様、気持ちをこらえてお別れする事に。
そして、自身の疑問を、
道具を買うという事で具体化して行ったのである。
合羽は高額で買うことは叶わなかった。



















そこから再び戻る。
雨は小降りになったが、その分、蒸し暑さが増した様であった。
珍しく、ドライブインにて食事をする。
満足に寝れていない為、満腹になると目が閉じて来た。
そこで、磯の近くへと移動。
眠るなら潮騒を子守唄にしたい。














目をさまし行動する。
まず、初めての場所へと向かう。
迷いながらも、夢見て赴くこの感じが大好きだ。
ファーストキャストを撃って、ほどなくしてそれを捉えた。
コッとした明確なアタリであった。
アワセると明確なる重量感である。
しかし、もどかしいファイトを続ける内にフックオフとなった。
これこそ!っと自身が選らんだ道具が敗北した。
何かが違う。
何かが合っていない。












その場で得たバイトは僅かに二度。
伝わるそれはデカかった。
三度目は訪れない。
緊迫した場ほどそんなものであると思う。











夢中になっていた為、携帯電話を見る事はしなかった。
次なる場所へと向かっていたのもある。
到着し、緑色に光るスマートフォンを開けるのだった。
W氏からのメールであった。
今まさに、着いたそこに氏はいらっしゃるのである。
またも偶然の出会いであった。
ここしかない。














氏との釣りは初めてであった。
とにかく、投げれば釣られている。
私のアジ釣りなど全く霞んでしまう。

喰いが悪くなると、やはり、いつもの 「厄除け」 をする私であった。
時が良かったのか、一投一杯の楽しい釣りを味わった。
その間も明確に獲物を釣る氏。
面白くて、頭から湯気が噴出していたかもしれない。














その後、二人でトンパクを狙った。
絶妙にも難しい時間に釣りをする事となる。
それは、氏と私だけが分かる事だろう。
その場に居なければ感じない事ではないか。
私にはとても言葉で表現が出来ない。












真夜中の海に 「小声」 だが興奮した大人の男の声がこだましたろう。
とても、とても、難しい釣り。
W氏は喰わないトンパクだけでなく、
私には絶対に取れないマアジのバイトを捉えて行ったのである。
その間、自身は金魚を釣りきった。
同じ様にしてもそれは変わらなかったのだ。
フォールの釣りを愛する、氏の妙義が冴えわたる。











それでも、自身の釣りを忘れてはならない。
それが、ここ数年にわたる釣行で得た一つの答えなのだ。
自らを信じ、愛すべきトンパクを掛けて行った。
こんな楽しいランデヴーは滅多とない。
瞬く間に時は流れて行くのだった。
















その夜の撮影は無い。
我が心にしっかりと刻むのみ。
私は幸福である。






それでは








My Tackles

Rod  THIRTY FOUR Advancement HSR-610
Reel  DAIWA 13 CERTATE 2004CH  
Line  THIRTY FOUR Pinky 620g
Leader SUNLINE BLACK STREAM  #1.25









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