2014年01月

寒さに負けず

1月15日の日記










釣行日の前日も休暇を頂いてはおりました。
数時間だけ仕事をして、その後はいつもの温泉に行って癒されてまいりました。
湯に浸かって温まると楽ですね
心と身体をリセットして、ハードなプランにも挑戦出来るかなと!
残された時間は一日。
悩まずに、日帰り南紀釣行に出発です

 














今回、立つ磯には悩みは無かった。
海況なんて特に気にはしない。
前回、どうしても釣りが出来なかった場所。
そこで、もう一度、釣りがしたいだけの理由である。
何より、気持ちよく釣りが出来ればと。












いつもの場所に到着したのは、午前1時前だったろうか。
少し早い出発が出来た為、今回は余裕を持って仮眠が出来る。
今宵の相棒も南紀特急(仮)である。
軽自動車ベースの小型車両であり、荷物を積むと、もうそこに横になるスペースは無い。

眠たいし、頑張って寝ようとした。
あっちが痛くなり、寝返りをうつと、今度はそっちが痛くなった。
おまけに脳内は 「ドライバーズハイ」 の状態。
目を塞ぐ程にその眼は爛々としてくるのである。


これはかなり辛い!
ウトウトとはするが、そこから深い眠りには落ちる事が出来ない。
時計を見るとまだ、20分しか経過していないのだった。
諦めて、ライトゲームでもと思ったのだが。
きっと、寝れるだろうと止めておいた。
結果として一睡も出来なかった。
少しだけ不眠症の気持ちが分かったかも知れない。


















待ち切れず、もう磯に降りる事にした。
とはいえ、真っ暗闇はとても怖い。

ビクビク、ドキドキ
自然の猛威にではない。
ただ、ひたすらに心霊系にビビッているのだった。
いくら通ったって、この怖さだけは克服する事が出来ない。
漆黒の闇の中、悪意のある亡霊釣師と目を合わせてしまった過去が甦る。
まったく、シャレにならん!!



厳寒期で、ソッチ方面はオフシーズン!?
自身の釣り同様、Rockbeachにとってそれは無いのである。
















磯を歩み、あと一歩のところでヘッドランプの灯りが見えた時にホッとした。
普通ならば、先行者様の存在に落胆するだろう。
これから、約二時間、恐怖と闘わないで済む。
それが誠の気持ちであった。








おそらく、先行の方々は夜中からいらしてたのだろう。
持ってみえた荷物からそれを伺い知る。
自身よりもずっと若いアングラー達。
当り前の様に気合いが入っている。






私はまず、灯りを消してジッとする事にした。
タックルを紐解くにはまだ早すぎる。
かといって、ヘッドランプを灯し、活動するのもどうだろうか?
ここでは、どの様に気遣っていても、その明かりで海を照らしてしまう事になるだろう。
獲物はまだ、そこに到達していないかも知れない。
もしかしたら、夕マズメからの居残り組はここには居ないかもだ。





しかし、ベイトの方はどうだろうか!?
僅かに輝く星空の光によって、目が慣れてくると海面が見える。
瀬際の薄いサラシには、まるで 「ケミホタル」 の様に見える何かの輝きが舞っている。
他にも、何かは見えないが、水面には泳ぎ漂う生命感を感じるのであった。
ベイトとなるやも知れぬ何かの生命体がそこに居るのである。
ましてや、それらは至極表層だけの話なのだ。
もう少し深みまでその思いをやると、はたしてどんな生物がそこにいるかは分からない。
この時期のここで思うならば、アオリやアカイカもまた餌となりえる可能性がある。

正直、それらが光を嫌うかどうかは知らない。
漁港の常夜灯ならばまた話は別であろう。
それが 「常」 であり普通なのだから。


しかし、ここは真っ暗闇の磯なのだ。
おそらく、ヘッドランプの灯りは不自然極まりないものだろう。
私はそう思う。
だからこそ、無駄に点けないし、極力、海面を照らさない様にする。
心霊が怖くてもである。










その意味では、この朝、既に心が折れていたというべきだろう。
開始後、すぐさま表層狙いは諦めた。
海底から約15メートル。
その幅に照準を定めたのである。




しかし、どこへ投げても手ごたえを感じる事は無かった。
波も無く、流れも緩やかな朝の海である。
やはり、いつものピンスポットを見つける事が出来ない。
ならばと 「地形」 を探ってみる。
流れが味方に出来ないならば、変化に依存してみたくなるのだった。
しかし、ここからではそれを見つける事が出来ない。








 
ならば、流れが変わるまで粘ろうと思った。
途中、瀬際にて小型青物が水面を割る。
二度、三度と、それは何かの規則にのっとって出る様に見えた。
経験上、それはおそらくヤツの子供だろう。
水の中で見た訳ではないので確実性は無い。
思いこみで結構だ。







そこで、ふいに先行の方のお一人にそれをお伝えする事にした。
その理由もまた憶測に過ぎないのだが。
私の持っている道具ではムリだと思ったからに他ならない。
彼は私に比べ、かなりのライトタックルを握っていたからである。
それに見合うルアー、そこから繰り出す動きならば、
もしかすれば、奴らを魅了する事が出来るかも知れないと思ったのだ。
自身は潔く諦め、違うアプローチを送り続けた。
二時間ほどそのボイルは続いたが。
はたして結果はどうだったか。
厚い岩壁の向こうの事は伺い知れずである。






































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今日も襲わせてやる事は出来ませんでした。
奇跡的にその照準が合う事を祈るばかりです。
それには、いくらボウズが続こうと行かねばなりません。
 































ROCK SHORE OR DIE.


















私が憧れてやまない方のお言葉です。
楽しかった!だけではない釣りが必ずあるはず。
喜んで 「交通事故」 的なそのバイトを狙って行きます。






























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帰り道、あまりの美しさに車を停めました。
私のデジカメの再現力はこの程度のものですが
流れるカーラジオの選曲もまた心震わせるものでしたね。
演歌やクラシックさえも、Rock'n'Roll に思いました。











厳しい冬の海だからこそ。
好きに釣りしたいですよね。






それでは

 








 

2014スタート

1月8日、9日の日記










新年2日から例年通りの仕事はじめでした。
いつも、初日の午前中はマッタリと始まるのです。

しかし、今年は違いました。
消費税増税の影響でしょうか?
開店と同時に激務となり、夕方まで食事はおろか休憩さえもままならず。
そんな毎日が続き、新年初の休日は疲れきって動けませんでした。
仕方なく、近くの温泉に直行です。
私も年齢相応となってまいりました。




一日ゆっくりと体を休め、また、一日を激務で過ごし釣りに行こうと思いました。
予報では、初日は一日中アメとの事。
年末に購入した、防水の防寒着が早速、役に立ちそうです。
はたして、鬼に金棒となるか!?
磯靴のソールも擦り減ってまいりましたから、ツルンツルンの磯歩きを覚悟して出発です。
釣果の方もまた、ツルンツルン上等であります!
さて、釣るん釣るん~♪♪ 

















今回の釣行プランの事は、年末にご一緒下さった、W氏にご連絡させて頂いていた。
十中八九、明日は雨であろうと氏。
雨ならば、仕事は休みとなるのでご一緒しましょうとお誘い下さった。



氏と竿を出したい。

いつもなら、憂鬱な雨の釣りも、今宵は 意気揚々とである。
今回、入る磯は、Rockさんが選んで下さいとの事。
色々とご相談させて頂きながら検討したが、コレという予想を立てる事が出来ない。
あまり無い機会である為、出来れば良い釣りをしたいと妄想だけが膨らんで行く。
 結局、道中も考え続けたが、南紀に到着して尚、行き先を決める事は出来なかった。
眠れない夜を過ごし、とうとう、氏との合流の時が来る。










結局、選んだのは、一番安定感を感じられる方面であった。
冒険、賭けは二か所候補としてあったが、餌師とのバッティングを避けたりといった事で選ぶには至らなかった。
安定感と言っても、そこはやはり賭けでしかない。


長期的な回遊がある訳でもなく、海況、ベイトの動向次第の磯であるのだから。
勿論、釣果を得たいのはやまやまではある。
出来れば、良い魚を見つけて対峙したい。
その可能性はおそらく、どの磯でもあるだろう。
そこはそう、ただの自身の拘りと狙いによるものでしかない。
私の自己流だと流して見て下されば幸いである。











結果として。

私の読みは大きく外れてしまうのだった。
海は静かに、まるで湖を見ているかの様相であった。
朝の光量というマジックフィルターで見てさえ、心躍る様な潮が当てる事は無かったのである。


「まったりとした海」


稀に見るもどかしさが眼前に広がっていた。










それでも、二人してベストを尽くしたのは述べるまでもない。
互いに築き上げてきたものを、少し違うかたちで出しきったと思う。
おそらく、めげてしまいそうになる気持ちを振り絞って挑んだろう。
何故なら、そんな我慢の先にこそ、起こりえる事があるのを知っているから。
しかし、この日、ドラマを作り上げる事は叶わなかった。
全ては自身の読み違いである。













後ほど用事があるにも関わらず。
かなり遅くまで氏はご一緒下さったのである。
釣りを始めるまでの未明の時、数々のエピソードを今日も私にお話し下さった。
釣れなかったのは残念だが、今の自身にはこうした時間がとても意味深い一瞬に思う。
いつか、氏にとってもそうであります様、自身の釣りをより深めたいと固く誓うのであった。
他人の経験や話ではなく、己が海で出会った事の数々。
それが何より大事だと思う。
















休憩をして体力を回復させて行った。
未だ代車での生活を余儀なくされており、狭いその車内では眠る事さえままならないのである。
眠たいが寝れない。
ならばと、磯に降りようと思う。
この頃から、雨、風ともその勢いを増して来た。
海辺に車を停めると、大粒の雨が真横から窓を叩く。
キャップ、グローブ、そしてライフジャケットは朝の釣りですでにベタベタに濡れている。
今更と気にしないで車から降りるのだった。





向かった先はシモリが沈むシャローポイントである。
根に波が当たり、不気味に膨れ上がったそれが磯を叩きつける。
辺り一面は真っ白にサラしていた。
立てるか?
岩を一つ越え、二つ越えても、その先の事は分からない。
もう少し、前に進まなければそれが見えないのであった。
滑りやすい斜面を慎重に下って行く。
もう少しだ。












希望の磯にやっと辿り着いて、まず、高い場所から海を眺めた。
やはり、何分かに一回、セットのドカ波がやって来る。
キャスト&ラン。
そんな釣りになるだろうか。
釣りだけに集中が出来ないので、自身、とても苦手とするシチュエーションである。
それでも、今日はどうしても竿を出したいと思った。
言葉では説明が難しい 「魚の気配」 がそこに感じられたからに他ならない。
おそらく、持っているルアーで使えるものは一つだろう。
キャスト出来る範囲をしらみつぶしに撃って行く。
例え反応が無くとも、奴らがいつやって来るかは分からない。
可能な限りやってみようと思った。
しかし、その思いは儚く砕け散るのである。




沖から来る波がどんどんと大きく、高くなって行ったのだ。
もう、目に見えて分かる位にであった。
狙いを定めてキャストする。
強風に膨らんだラインスラッグを取っている間に大波が立つ。
ベールをオープンにして、一目散に高台へと逃げる。
何発かのそれが過ぎるのを待つと、もう、どこにルアーがあるか分からなくなっていた。
そして、とうとう、高台にいてさえ波を被る様になる。
いよいよ、これからって時であった。
さらわれれば、まず命を落とすだろう。
出来れば、釣りは長く続けたい。
当然の撤退であった。




































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久々にビジネスホテルの扉をくぐりました。
風呂だけ入って、帰宅するという選択肢もあったのですが。
どうしても、もっと釣りがしたかったのです。
大荒れで夜の釣りは諦めました。
ゆっくりと温泉に浸かり、ゴロゴロして早くに眠るのでした。
外からは凄い雨の音。
明日の朝、波が落ちるのを祈るばかりでした。















翌朝、午前3時半に起床する。
身体をシャンとさせる為にゆっくりと朝の時間を費やした。
幸いにも雨は止んでいる様だ。
問題は波が落ちているか。
それにつきる。





チェックアウトを済ませ、すぐにポイント付近へと車を走らせた。
雨こそ止んでいるが、相変わらずの強風に南紀特急(仮)のハンドルがとられる。
駐車スペースに停め、早速、身支度を整えて行った。

やはりというか、他にクルマは一台もない。
薄明るくなる、ギリギリのその時まで待機しようとも思った。
しかし、それでは、降りる事を躊躇してしまいそうな自分がいる。
海が見えないからこそ、行く気になれるかも知れないと。
そして、肌に感じる感覚と、音だけを頼りに歩きだす事にした。
足元の岩は恐ろしいほどに滑り、吹きつける風によろけてしまう。
しがみつき、這いつくばりながら進んで行った。











やっとの思いでそこに立った。
荷物を置き、ヘッドランプを消すとそこは漆黒の闇に包まれる。
星空も月明かりも何もない。
不気味なウネリが微かに見える程度だった。
少し明るくなるまでは身動きすら出来ない。
そんな気持ちとなった。
寒さと恐怖に震えながらただその時を待つ。










やっと、時が来た頃、更にもう一段上へと移動する事となる。
波がもうそこまで這いあがっているのだ。
安全マージンなど、ここでは無いに等しいのではないか。
一発がもし来たら、海の藻屑と消えてしまうだろう。


そして、釣りの準備を始める。
使えるのはミノーしかないだろう。
はたして、ジグはどうか!?
投げてみなければ分からない。
ともかく、まずはミノーで行く。












それが間違いであるというのは、第一投目で分かった。
ウネリと潮流を考慮し、あえてフローティングのそれで挑んだのである。
下手なシンキングよりもずっと飛ぶ。
お気に入りのルアーを選んだつもりであった。


飛距離にして約10メートル。
瀬際からは約5メーターの地点にそれは落ちた。
これでは、全くもって痒いところに手が届かない。

かろうじて、激流の中を何とか泳ぐ。
そんな感じなのである。
試しにシンキングタイプへと換えてみたが、更に飛距離は落ち、全く泳ぐ事は無かった。







ならばと、早々にジグへとスイッチしてみる事にした。
約40メーター程は飛んだが、ラインが膨らんで全く沈もうとはしてくれない。
何度か投げる内、ようやくラインをうまく捌いて、沈む態勢へと持って行く事は出来たのである。
しかし、どうした事か、それでもジグは沈もうとはしなかった。
風をかわし、ラインを捌き、穴の様なその一点を探して行く。
今までは激流の中でさえ、その一点を探し当てる事が出来たのではあったが。
この日はいくら投げてもそれを見つける事は出来なかった。



それでも、だましだまし沈めてシャクってみる。
振り上げたその手にはいつもの抵抗感は無かった。

水の中のラインスラッグをただシャクリ上げる様な感覚なのだ。
ジグがどこにあるかも分からないし、まったくちゃんと泳がせている気もしない。
唯一、着底とシャクリ重りを感じたのは、瀬際から約2メートルの地点での事。
この日、岩壁に着く、自身のルアーに反応する魚は居なかったのだろう。
情けない話だが、自身のスキルではルアーさえ泳がす事が出来なかったのである。








荒れ狂う海であったが、やはり、魚の息吹をそこに感じずにはいられなかった。
おそらく、今、ここにはバケモノのが居るのではと思った。


風裏でなく、風表だからこその世界がある。


しかし、全くもって、自身の釣りを成立させる事が出来ない。
どうしても、どうにも出来なかった。










悔しい。
本当に悔しかった。
一からやり直そう。
それしか無いのだ。








それでは








 

2013年 釣りおさめ

12月30日、31日の日記







新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。








去年の暮れに、釣りおさめの釣行を計画していました。
平日が休みの私には、単独での釣行が殆どです。
しかし、晦日ともなりますと、早い方はすでにお正月休みに入られています。
今回はタイミングも良く、お二組の方々からお誘いを頂く事となりました。
2013年の最後の締め。
とても楽しそうな釣りにワクワクしてその日を待つのでした。














自身が仕事を終えたのは、29日の夕方であった。
連日忙しく、おまけに風邪ぎみとあってろくに準備も出来ていない。

帰社後、すぐに向かったのは釣具店である。
大急ぎで、消耗品と少しのジグを購入した。
帰宅後、今度はジグのフロントフックの製作にかかる。
自分なりに、良いバランスのそれらのストックが心細くなってきたから。
市販品の用意もあるが、やはり、ここは自作の品を使用したい。


一時間、二時間と瞬く間に時は流れて行く。
しかし、心は上の空であった。
最後の、最後の品がまだ揃わないからである。








それは何か?




年末のある日。
必要に迫られて、急遽、ロッドの購入を思い立ったのだった。



いくつかの型の候補があったが、数件のショップをあたってみても答えは 「在庫なし」。
そのまま諦められるはずもなく、更に探して探してようやく出会ったのであった。
旧型ガイド仕様のデッドストック。
申し分のない運命の竿であろう。


一応、到着予定は29日とご指定させて頂いた。
遠方からの発送であり、積雪や年末の混雑の加減によっては間に合わないとの事であった。











用意を進める内にだんだんと諦めの気持ちが大きくなってくる。
初日の釣りは沖磯であり、出来ればサブロッドも持って行きたいところ。
無い訳ではなかったが、それは今の釣りには似つかわしくない。
そんな事を考え出した矢先、コンコンっとドアをノックする音が響いた。
誰とも分からないが、自然と拳を握りしめガッツポーズ。
財布をもってドアを開けた。
















































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商品説明の通り。
旧ガイド仕様の新品、デッドストックでした。
 硝子細工の様なその輝きに緊張感が高まります。
はたして、どんな性格の竿なのか?
自身に使いこなす事が出来るのか!?
喜びと不安が交錯して行きました。














準備が済んだのは深夜0時を大きく過ぎた頃であった。
今から出発すれば、数時間は仮眠する事が出来るだろう。
荷物を積み込む間、南紀特急を暖気させながら思う。



ゆっくりと発進し、まずは回転を上げずに坂を下って行った。
自宅から国道までは、少しの間、下り坂が続くのである。

それから国道へと出て、今度は確かめる様にしてギヤチェンジをして行った。
まだまだ、暖まりきっていない内の自身の儀式である。
2速、3速と入れ、次へとシフトアップした時にそれは起こった。
フワっとした嫌な感触と共にメーターの針がレブリミットへと跳ね上がったのだ。



抜けたか!?
否、違う。



パーシャルにするとかろうじて駆動しているのを感じる。
そこから踏み込むとすぐに吹け上がってしまうのだ。





南紀特急走行不能。

市内で起きてつくづく良かったと思う。
時速10キロ程度にて移動し、動かなくなってはまた騙し騙し走らせるを繰り返した。
数キロを完走し、代車への乗り換えが終わったのが、午前4時10分であった。
一番船にはどうしても間に合わなくてはならない!
ショックと緊張でその後の記憶は無い。






結果として、エサ屋でボイルを購入し、コンビニで用を足し、買い物をしても何とか間に合った。
ちなみに本日も下痢である。
今日の第二本命はハゲである為、どうしてもエサの確保だけはしておきたかった。










港に着くと、W氏の準備される姿がすぐ目に飛び込んできた。
残念ながら、ご一緒される予定であった、I氏は急なお仕事で不参加となってしまった。
出船時間が押している為、ご挨拶もそこそこに自身も用意をして行く。


さすがに年末だ。
上物師の数は20人ではきかないだろうか。
不安になったが、磯の数も多く、事前に打ち合わせているので大丈夫だろうと氏はおっしゃる。
今回、磯決めからご予約など、全て氏に甘えるかたちでお願いさせて頂いた。
誠に有り難くも、船は自身初の磯へと静かに進み出したのであった。









我々が目的とする磯が近づき、すぐさま渡礁へと荷物をまとめ船首へと立つ。

いつもと違う感覚。

えっ!? っと思ったのは、船首が磯を捉えない事であった。


知っている船は皆、渡る際にエンジンを大きく吹かし、船首を磯に強く押し当てていたのである。
今回、それが無かった為、最後の最後でタイミングを躊躇してしまった。
磯から約50センチほどの間隔が空いており、飛び乗るというかたちでの渡礁であった。
ところ変わればである。
朝一からとても有意義な経験が出来た。







船着きからまず、荷物を置いておく場所を探すのだが、これが不思議とシックリくる場所が無い。
W氏と共にしばし行ったり来たりしてしまった程である。
おそらく、氏との沖磯初体験にアガってしまっていたせいもあるだろう。
クルクルしていたとはいえ、だてに歩き回っていた訳ではないのだ。

その間に海をよくよく見て、
「どこ」 ならば魚を無事に確保出来るか、キャストやロッドワークがしやすいかを見定めていたのである。


私はクルクルしていたが、氏は間違いなくそうであった。








だいたいが決まり、別々の立ち位置へと別れて行く。

同行の方がいる際、よく、自身は今日は良い感じの海だと呟く事が多い。
雰囲気に富み、今にも魚が飛び出して来そうな感じがするからである。
無論、それは誠の感覚なのだ。
同行の方への気遣いではもちろんない。


この日も自身にはそう信じて疑わない海が広がっていた。
左手に広がる、大きな潮のヨレにいたっては、先ほどから大きなサイズの何かの魚が水面に上ずっている。
もし、それがベイトとなりえるならば、凄い光景が眼下に広がるやも知れない。


更に海中はどうか。
この日、自身の狙いは海中深くであった。
特定のベイトに焦点を当て、ルアーを選んで来たつもりである。
しかし、その時々、何が獲物となるかは分からない。
故に数多くの可能性を想定しキャストするのだ。
この日、自身は好きなポッパーから開始した。









しばらく夢中になってやっていると、どこからともなく初老の方がいらっしゃった。
にこやかに笑い、入れて下さいとお願いされるのである。
断れるわけがない。

良いですよとお伝えすると、何故か不思議とその方は居なくなってしまった。
しばらくすると、W氏がこちらへと移動されてみえたのであった。
やはり、同じ様だったのだろう。
遠目であったが、氏は流れが複雑で、いかにも小魚が集まりそうに見える場所を探ってみえた。
海底にも何やら変化がありそうである。
さすがだなと感心するばかりであった。








自身はまだまだとプラッキングを続けていたが、氏は結構早くにジグへと切り換えられて行った。
氏のシャクル姿は初めて見るのだが、その姿を見てとても嬉しくなってニヤケてしまう。
何がかはここでは述べないでおこうと思う。

私が見て来た、どのジグマンとも違うスタイルだったとだけお伝えさせて頂く。
エギング時代より少しずつ、自身が思って来た事と相通ずるように思えて仕方なかった。
勿論、自身のジグにもそれをフィードバックはさせているつもり。
しかし、今日の自分はあえて違うスタイルで行く。
未知のアクションにて答え合わせもしてみたい。
そんな思いで、自身もジグの釣りへと移行して行った。
















気がつけば潮は弱くなり、どこに投げたら良いか分からない海へと変わって行った。
上ずっていたベイトも居なくなってしまった。
強い風が真横から吹いてくる。
うまくラインをさばかないとジグは沈んで行かない。
投げれど、投げれど、バイトを得る事は出来なかった。



遠く、数百メーター離れた沖では、5~6羽の海鳥達が低空をホバリング飛行にて海を意識している。
見ていると、一発、大きなボイルが起こった。
しかし、ドバッ、ドバッっと立て続けには起こらない。


鰯などがベイトであるならば、もう少し派手に起きても良さそうなものである。
しばらく見ていると、また、単発の大きなボイルが出る。
キャストしては到底届かない場所での事。
されど、そこで何が起きているかとても気になる。
この時、そういう風に目の前の海をも見ていたのであった。









青物はいったん休憩とし、第二本命のハゲ釣りを始めてみる。
ところが!である。
いつの間にか 「爆風」 となり全くアタリが取れない。
腹パンをお正月の魚に考えていたので、これにはかなりショックであった。



それから、自身は得意の 「スペシャルドリンク」 を胃に流し込むのだった。
磯上がりまでのんびりやるとしようと。

しかし、いつまで経ってもこの爆風は収まらなかったのである。
勿論、青物狙いは続けて行った。
休憩の合い間、合い間での氏との海のお話。
知らない事も沢山教えて下さり、素晴らしい時間を過ごさせて頂く事が出来た。
何よりもの事であった。









NEWロッドの使用感については、正直、殆ど分からなかったというのが本音である。
なんと、またもや 「Z」 でない5000番が故障してしまったからだ。


何となくではあるが、ジャーキングさせた際のジグの動きが全然違うと思った。
おそらく、とてもよく動き、
それに対してリーリングがズレるので、ガツン、カンっ!と手元に衝撃が出ると思ったのである。

しかし、これは、リールが故障し、僅かに逆転するガタが生じた為と分かった。



とはいえ、それでなくとも、ジャーキングさせた時の重みが半端無く思う。
おそらく、ジグの負荷をロッドが良い具合に吸収をしていないのだろうか。
ずっと手元に負荷が残るイメージであった。



レイジングブルと比べるとなんと手強い感じであろうか!
特性を知り、うまく操れれば、今までに無い事が出来るのは間違いないだろう。
少しずつ仲良くなりたいものである。















磯から上がり、帰港すると、I氏が出迎えに来て下さっていた。
仕事を済まされ、駆けつけて下さった様である。
頂いた缶コーヒに冷えた心身が暖まって行った。
疲れもどこへやら。
これからの夕マズメに向け、三人で次なるポイントへと向かうのだった。






とりあえず、候補地の一つに着いての作戦会議。
私にはサッパリなので、お二人にご検討を委ねる。

傍で聞いていると、その読みの数々がまた凄い。
自身からすれば、およそ、どこも有りそうな気がするのである。


しかし、この日、ここ数日の寒波によって急激に水温は低下していた。
そして、それによりベイトも変わり移動している。



魚は居ても喰わない。
それさえもが当り前の海であった。
熟慮に熟慮を重ね、最終的に選んだのは磯であった。
釣りおさめの今日、やるならば磯しかないだろうと。
待つのではなく、こちらから行かせてもらう。















すぐにポイント付近へと着く。
自身は初めての磯であった。
分からないので、ライフジャケットのポケットに道具を押し込んだ。
バッカンなど持てる余裕は無いかも知れない。



その予想は見事に的中する。
身軽であるはずなのに、どうにもお二人には着いて行けない。
氏らは耐油、私はピンスパイクである。
何故、彼らは滑らないのか!?
身体が違う。
そうとしか思えないのだった。


こと、降りるという場面では、体力や年齢差などあまり関係ないだろう。
見るに見かねて、I氏が自身のロッドを持って下さった。
私は両手が空いている。
彼らは片手。
おそらく、独りならば安全に辿りつけるとは思えない。












着いたそこはまさにパラダイスであった。
釣りやすい事この上ないし、雰囲気はもう満点である。
そして、我々以外には誰も居ない。


ここでは、自身はプラッキングでのみやってみた。
W氏はジグも使用されてみえる。
陽が傾き沈む頃までチャレンジし続けた。
しかし、残念ながらバイトを得る事は叶わなかった。



帰りの道が怖かった。
高所恐怖症なのを忘れようとしたが、ふいに、思い出すかの様に恐怖がやってくる。
足はすくみ、動けなくなりそうだったが、それでは彼らが帰れない。
死に物狂いであった。
これにて、両氏とはお別れとなる。
少し休み、明日の釣りの友人へとご連絡させて頂くのだった。











31日。
最後の釣りは、Atsu氏とKDM氏との釣行である。
両氏には数年前より、SNSなどでよくお世話になっていた。
ネットやメールでは長いお付き合いなのだが、休みが合わない為にお会いするのは初めてなのだ。



早速、Atsu氏にご連絡すると、他の方達とくつろいでみえるそう。
明日、どこへ向かうかお話している内に、ふいに合流しませんかとお誘い下さった。
S氏のお宅、通称 「アジト」 と呼ばれる場所でお話しましょうとの事である。


差し入れをお持ちしましょうかとお伝えすると、街で一緒に食事でもと。
回転寿司屋で待ち合わせをし、はれてご対面となった。
Atsu氏、S氏、そしてK氏の乗った車が隣へと停まった。







食事後、彼らは温泉へと行かれた。
自身は風邪ぎみの為、お誘いをご辞退する。
29日の朝起きてから全くの不眠である為、僅かの時間でもじっとしていれば頭が眠ってしまう。
再び彼らと合流した際、目は開いていても、眠っていたに違いない。
その後、車でひた走り、S氏のお宅に到着するのだった。
正直、狭い代車では熟睡出来そうになく、とても有り難いと思った。








寝れるなんていうのは、淡い恋心の様な妄想に過ぎない。
KDM氏を含め、総勢5名もの磯釣り好きが一つ屋根の下集っているのである。

お酒も入り、釣り談義に熱がこもって行った。
最早、時計など見る余裕もなかったが、
確か、明日は、午前2時か3時に起きましょうと言われた記憶がある。


どうやら、平日でない日は相当早い時間から向かわないと立てないとの事であった。
あと、1時間か2時間しか眠れないのか!と驚いた記憶が残っている。
当然、この私が起きれるハズが無いのである。










時間が来て、寝ている私を起こしては下さった。
もう、眠すぎて、どうしても起きる事が出来なかった。
後で向かいますと残し、再び死んだ様に眠る。


言い訳がましいが、それでも、午前5時すぎには目を覚ますのだった。
どなたかの、ipadが軽快な音楽をずっと奏でていたのもある。



外に出て、煙草に火をつけると猛烈な便意に襲われる。
トイレに籠城する事、約20分。
胃と腸がフォアグラになったかの様な感覚であった。
その後も何度かトイレに通う事となる。
おまけに、疲れると出てくる、不整脈が不規則なリズムを刻んでいる。












S氏、K氏も起きてみえて、そこからまた楽しい釣り談義となった。
そしてまた、二度ほどトイレに急行する。


お二人と別れた後、いったんはAtsu氏らが向かっている磯付近まで来た。
道具を出しているとまたもや腹痛が襲う。
トイレに急行したが、その後も力が全く出ないのだった。
これでは、磯へ向かう事は無理だろう。


夜は楽しかったとはいえ、せっかく釣りが出来るチャンスを自身のせいで無くしてしまった事に後悔が残る。
そしてまた、お誘い頂き、ご親切にして下さった両氏に誠申し訳ない気持ちでいっぱいだ。










その後、少し休憩をとり、独り竿を出してみる事にした。
時間帯を考え、ふいの野○ソでも誰にも見られないポイントを選ぶ。

その結果、磯場でのミノーイングでのヒラメ釣りに挑戦してみる事に。
岩と砂混じりのシャローをくまなく探り歩いてみる事にした。
しかし、結果は惨敗である。


「浜」 へと向かう方が、何かと期待出来る状況ではあった。
けれど、最後くらいは実験的な試みの釣りをしてみたかったのだ。
うまく行かなかったが、時間帯や撃ち方、ルアーの選択次第では可能性はある。
そう思った釣りであった。





























20131231_171002









 












夕暮れ時には再び青物を求めました。
W氏が駆けつけて下さり、お正月の素晴らしいお土産をお渡し下さいました。
心から嬉しかったです。
Wさん、本当に有難うございました。






これにて、2013年の釣りは終了です。







えーと。
今年の抱負といたしましては・・・。
不摂生をやめて、お酒も控えようと思います(笑)
痩せて少し鍛えませんとネ。


釣りの方では、
新しい取り組みへチャレンジしたいと思っております!






今年一年、皆さまどうぞ宜しくお願い致します。


それでは




 
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