2014年09月

一週間

9月10日の日記









「一週間」



おそらく、これほど長く感じた事は無いだろう。







先日の釣行の最中からも。

そのカウントダウンは始まっていたと言っても良い。



まさに 「ピンスポット」 となった、その情報の正確さに驚きを隠せない自身であった。

そして。

どうしても、その場で。

感じておくべきだった獲物の話。


何故、あの時にそれに向かわなかったのかと。

幾重にも幾重にも、後悔が訪れたのである。












前々回の釣行で。

あろう事か 「三度」 もいっぺんに敗北を喫した。
何も出来なかった!といった類のブレイクではなかったのだが。
ベールを返し、ラインをやるという自身の判断ミス。
経験則から、安直にそれを選んだ自身が悔しくて仕方が無かった。

こんな私でも。
誰かと比べてではなく。
自身の釣りへのプライドはある。


フックアウト等で敗れた事は数知れないのだけど。
本気の攻めに、ラインを切った事は一度しか無かった。
鮫や爬虫類を除き、純粋なる魚相手の話しではあるのだが。
おそらく、強靭なタックル、太いラインでの過信が、その誤った判断を生んだのだろう。
メインラインがヤラれれば、ひとたまりもない。
至極単純な事なのだ。
自ら、そうならない様なファイトの 「真逆」 を選択したと言える。
もし、擦れても、ガリっても、喧嘩上等の判断であったならばどうだったろう?
いわんや、後の祭りであるのだが。









よって。

前回の釣行もまた、更に強気に出る事にしたのである。



タックルはそのままとして。
メインには6号。
リーダーには某V社の 「同じ号数表記でも著しく太いもの」 を選んでみた。

試行錯誤して通ってみえる皆様の中には。
きっと、多くの方が、
メーカーの違いによる、実際の 「太さ」 の相違に気付いてみえる事かと思う。


ちなみに。

私は鮫肌にてそれを痛烈に感じたものである。
知らないが、引っ張り強度などは問題ではなかった。
ヤスリの様な肌にいかに耐えられる事が出来るか?

はたして、それが1秒なのか。
5秒もつのか、10秒、20秒と耐えれるのか。


畑違いの事ではあるのだけれども。

海で。

そして、釣りで。


感じた何かは無関係だとはとても思えない。

全ての釣りは繋がっていると信じてやまないからである。


たとえ、それが岩などが相手であっても。

素材自体の丈夫さと。

いかに直径が太いかだと思うのである。


硬く、より太いものであるならば。

きっと、僅かばかり、破断するまでに時間が掛かるだろうと。













しかしながら、そんなにも簡単に行かないところがもどかしい。

例えば。

トップガイドの外へと出した、垂らしの部分に選んだならば。
300lb も問題無く、キャスト出来るだろうと思う。

しかし、それでは長さが足りなすぎる。





長さをどれだけとるか。

そして、それは大きな障害なく、ガイド間を無事に放出されるのか。

はたして、キャストが出来たからといって。

ルアーアクションはどうだろうかと。



獲る事ばかりを優先して考えて。
肝心要の 「掛ける」 という事を忘れてはいないか?


そして、ドラッグをどうするか。

出さないファイトには必ず限界がある。



それら全てを。

自身の中でうまくバランスさせる、
極めて、狭い一点こそに妙があるのだろう。

おそらく、そこに自身の 「釣り」 というものがあるのだと思う。

分からないながらも。
一つ一つ、探して行くという事。
一生を捧げる価値がある営みなのだろう。


















前置きがとても長くなったが。

これらは、前回の釣行のテーマでもあった。
悲しいかな、うまく、魚と対峙出来ないならば。
ただの、キャストテストと変わりはない。





「一週間」




もう、私にはチャンスは無いだろうと覚悟した。


一日、一日とカウントダウンにて灯は消える。


消える?

消えるのか!?


全てはベイトの動向と共に。


諦めかけた今、ラストチャンスの言葉が脳裏を駆け巡るのだった。

















こんな事、我が南紀人生で初めての事だった。



怪物だ。



驚くほどの巨体へと到達する青物において。
自身はモンスターだなどと表現はしないでいる。
今回ばかりは、そう言っても罰は当たらないだろうか。
知らない私だから問題はないだろう。









釣りである以上、結局は釣り手の技量なのだろう。

沖磯にて。
7メーターからのロングロッドではあるものの、いわゆるフカセに近いタックルにて。
メーターを超える、スジアラを激流下において足下まで浮かせた方を見た。
詳しい事は知らない。
でも、そういう事なんだと思う。




腕が無い自身は。

ひとまず、全てを道具に依存してみようと考えた。
この際、体力なども度外視である。


どうせなら。

もう、とんでもないものをと思ったのである。
細かい微調整はとても難しい。
思い切り、果てしない幅でぐっとゲインを上げる。
ROCKの音作りでも自身はそうしてきた。
それでこそ、分かりやすい事もあると思っている。






ともかく。

まず、調べに調べた。
他人様による、試行錯誤の歴史を即席で紐解いて行った。
意味があろうが無かろうが、正直、そんな事は気にしない。
今までだって。
どんな釣りを独りで始めるのだって。
名人の術を分かる範囲で模倣してきたろう?
それでいいのだ。
自身の成長元年である。
ブチ壊し、真っ白にしてみて。
それから、今までの事と照らし合わせてみたらいい。









正味、二日間にて。

多忙な時間の合間に奔走した。
まず、行きつけの店にて。
買えるだけの強力な素材を買いあさったのである。
実際、3店舗巡るだけに。
一日一時間、二日間の時を要した。

そして。

見よう見まね、想像やオリジナルも合わせてシステムを編んで行った。


勿論、不器用な私に組める訳が無い。

何度も何度も何度も。

結んでは切るという作業に明け暮れた。

まず、見た目がきちんとなっているか?


強度などを求めるのはその次だ。
結果、そろえたスットックはほぼ底をついてきた。
組めるのはきっと、あと、5回か6回だろうか。
実釣の前に最低でも投げておきたい。


全力をかけて、破断試験を行う。
次は実際のキャスティングだ。
恐ろしいシステムを組んではみたものの。
投げるルアーはその釣りとは似ても似つかないものだろう。
おそらく、その、半分の重量にも満たないものを結ぶ。
その、ミスマッチ、アンバランスさがまたたまらないのだ。
抜けるものも抜けない。
しかし、諦める訳にはいかない。







結果、真夜中の津の海へと向かった。
釣り人らしき方が来た時にはドキっとした。
勿論、恥ずかしくてである。
210lb、10ヒロからテストを開始。
6ヒロにて安全圏へと入り、4ヒロで実釣可と判断するに至った。
尚、当日のチェックにて判断しようと竿を置いた。












仕事等の心労。
こうした、夜を徹した家での釣りによって。
おそらく、私の身体は衰弱して行ったのだろう。
あろうことか。
仕事中、意識が遠くなる。
耳が遠くなり、顔の半分が熱くなった。
目が回り、平衡感覚が無くなって行く。
最後にはまともに立っている事すらままならない。
這う様にして、南紀特急のシートへと横たわるのだった。
あろうことか、待ちに待った夜を失った。

















火曜の夕方。

無事に南紀へと辿り着いた。
まだ、陽は沈みきってはいない。
おそらく、初めての試みだったろうか。
ポイントを調べに下りてみた。

思う、釣り座は全部で四か所。

我が目線にて、その二十分に全てを注いだと言ってよい。
明朝、どこに立つか?
全身全霊で考えた。
結果、あえて、ルアーアクションは二の次とした。
「角度」 と 「足場」。
そして、沖の瀬へと思いは巡る。
まったく、状況など分かってはいない。
はたして、フィーディングスポットがどこなのか?
分かろうはずもないのだ。
掛けれなければ、試合すらもが始まらないのである。
「獲る」 という事だけに執着するパラドックスに飲まれそうであった。
否、自問自答を繰り返しても。
ここであると心の声がした。
一瞬の煌めきにかける。









漁港へと移動して、最終のチェックに入った。

はたして、リーダーをどれだけとるか。
瀬ズレの恐怖が幾度も脳裏をかすめたが。
リアルタイムでのライントラブルほど痛いものもないだろうと。
最終的に3ヒロ強、約、5メーターを巻きこむ事にした。

ここで、システムのノットにとめどもない不安が沸いて来る。

唯一、納得がいかなくて妥協点とした部分があった。
破断テストにおいては、15キロ程かけたがブレイクは無かったのであるが。
瞬発的な引きに対してもつかは不明であった。
もう一度、詳しく、詳しく、文献を読み進めた。
その結果、自身が大きな勘違いをしている事に気付く。
私が思っていたそれは。
実は誤った結束法であった。
根本から違う。
同じネーミングでも、解釈は二通り以上が存在している風であった。
これにより、全ての素材は底を尽きる。
今巻いているものと。
かろうじて、換えスプールに巻いたものが最後であった。

















夜が明け。


両隣の方々にバイトが相次ぐ。
ブルーランナー達は一つではなかった。
混在、混泳して喰らうのである。

あまりの興奮に時系列が曖昧だ。


yaku氏は掛けた。
それは、まぎれもない青物であった。

もう片方のアングラー達もあった。



そして自身は。

ペンシルを魅力的に泳がせる事が出来ない!

おそらく。
それは、想定範囲の外ではなかった。


だからこそ。

どうしてもと、道中にルアーを仕入れてあった。


ゴン!っと喰らう。




ハマチ!?だとうそぶいた刹那。

苦慮の末に決めたドラッグが火を噴いた。






狂おしい程の音を立て。

逆回転して行くそれを半ば冷静に見る。

ランの最中、いかように瀬に触れているか。


二度、三度と違和感はあったが。
気になるものではなかった。


やがて、その走りを竿で静止させて反撃を開始。

一気に浮かせた。


しかし、残る力で右手のお二人の前へと流れた。



本当に申し訳なかった。

貴重な時合を奪ってしまった事に。



水面へと浮かせる頃に勝利を確信する。

















姿を見て。

全てを悟るのだった。



鮫であった。







抜けている。

夢中であった私には分からなかった。


ただ、ご迷惑をかけただけの事に。



そして。

鮫を傷めてしまった事に。




心の底から落ち込むばかりであった。












反省すべき事は全てだ。

1000歩譲って。


肯定的に思うならば。



チャレンジ出来た事だろうか。


皆はブルーランナーを手にされた。


破天荒な釣りをした自身だけが無かったのである。




同じ様なルアーを。

同じ様に動かしているつもりでさえ。

僅かの差に妙があるのだ。





今回、身につけた事。
そして、全力でトライした記憶。

あの日を思い出すには充分すぎたのである。






















































20140910_195202














初めて、磯に立ったあの日。

分からなかったけど、精一杯で挑んだでしょう?










忘れてはいけない本当の事。





それでは






















ブルーランナー

9月2日、3日の日記









クラブというものに所属させて頂いて。
この様な私にも 「生きた情報」 を与えて下さる先輩方。
個々人、職や生活のリズムが異なるので。
全てが会話という訳ではない。
誠、スマートフォン社会の恩恵を享受していると言えるだろうか。

私の様なビギナーがと、切に思う。
私の釣り、私の行動にて。
いつか、先輩達に恩返ししたいと常々想うのだ。
頂いた話に甘えてはならない。






今回の釣行もすこぶる体調が悪かった。

肝心要の心臓がいうことをきいてくれない。
脈は荒れて、静かなる時も止まり。
何もしていなくとも、動悸が胸を焦がして立ち眩む。
心とは裏腹に身体がついてこない。
だが、そんな事位で釣りを諦めてはならないのだ。
キチガイは今に始まった事ではない。
怖いが釣りの用意をする。
黒潮の香りに刹那を燃やすのみ。





















丑三つ時にそこへと至る。


「釣れなくなった」 との話がまわれば。


敏感なものだ。


誰の車も無かった。





少しだけ、休もうとシートを横に寝かせ。
伸びをしていると、一台の車が真横へとつけた。
雰囲気的に降りて顔を合わせたい感じ。
早速、南紀特急のドアを開ける。

バタムと黒い車から音がした。
暗闇から現れたお顔には見覚えがある。
ヒラマサの若い方であった。

私の事を覚えていてくれた感じである。
談笑し、二人でこの前の磯へと下りるのだった。

聞けば。

自身の、前回の釣行の二日ほど前には痺れる状況だったそう。
丸々とした鰤の写メを見せて下さった。
更に、追加されたヒラマサより。
正直、羨ましく思えた。
ブランド寒鰤よりも美味だったそうである。











誰も居ない磯に早くから入り。
ゆっくりとその時を待った。
ポツリ、ポツリと誰かが山を下ってくる。





明け方には、辺りはいっぱいとなってしまった。


情報のある時だけ来る幾人かが。


キャストを始めた私の真後ろへと立った。




最高潮の気持ちの最中に。

キャストが出来ないほど近づいて来るのだ!






「最近、どうなんだ?」


「先週の何日までは釣れていた。ネットで調べたから間違いない。」


唐突にそう言って、私の返答を求める。








結果的には何も無かった。

某SNSで私を知るというアングラーもいらっしゃった。

前途したヒラマサの若きアングラーと共にお話しさせて頂いた。

粘りに粘ったが、どうしようも無い感じで磯あがりとなる。














夕方には一人。

気になる磯へと下りてみようとした。

どうした事か?

南紀特急までもが、不機嫌な様子である。
助手席側の窓を閉まらなくしてしまうのだった・・・。


百円均一にて工具を買い。
手探りにて修繕となった。
日没時、激を飛ばし、ドライバーで叩いてやっと応えてくれた。
磯に下りるには遅すぎた。
無念のリタイヤである。
















翌朝、狙いが定まらぬままに時を迎えた。


クラブからは、I氏、IGK氏らが出撃されるとの事であった。





最先端の話を頂いていたのだったが。

まさに、目をむくようなハナシもあったのだけど。

色々考えて、気になる磯へと向かう事にしたのである。





申し訳なかったのは、IGK氏の事だった。

氏の向かう先は決まっていたのだけど。

私の釣りへとご一緒下さったのであった。










開始早々にして、IGK氏の携帯が鳴った。

おそらく、夜明けからは、15分とかそんな時間の事だったろう。


電光石火の勢いにて。


I氏は9本とかのブルーランナーを手にしてみえたのである!!




ここには、おそらく、オキザヨリの緩いチェイスしかなかった。

きっと、もう、釣りは終わりだろうと思った。








一つ、二つ、三つ。


そう、大きくは離れていないだろう磯の話である。







いかに、仲間のエピソードがピンポイントなのかを知った。


その精度たるや、超大国の秘密のミサイル並みであろうか。





そして。

僅かに隔てた磯では。

まったく、ベイトパターンが違ったのである。









時は過ぎ、BCと幾人かでライトゲームを求めた。

I氏もIGK氏も共に入れ喰いであった。


私は過ぎ去った黄金の時を羨んでキャストを続けただけ。



居場所を失い、他へと移動するしかなかった。


迎えてくれたのは、エンピツの様な尖ったヤツばかりであった。






こんなにもシビアなものかと。
改めて、磯を思い返して帰路を行った。



たまらない想い。




それでは





道しるべ

8月27日の日記











前回の釣行時のエピソードを、Taka氏にもお伝えしたのだった。
氏の仕事は立て込んでおり、
ずっと釣りを我慢されてみえたのであるが。
邪魔をしない様に静かにしておいた方が良いのか。
はたまた、ありのままにお伝えするべきなのか。
悩ましいところではある。


自身であったなら、それでも、話は聞きたいだろうなと思った。
行くか、行かないかを決めるのは本人なのだ。
嫌がらせとも言えなくはないが、やはり、お伝えすべきであると考えたのである。
なかなか、出会うのが難しい、磯青物の釣り。
釣果を得なければ分からない事も多い。
釣れる時に釣っておく事。
とても大事な事に思う。













結果、少し無理をして調整をされる氏であった。
やはり、熱い釣り師である。

氏はまた。

私の体調や懐具合をもご心配下さった。
そして、たまには一台で行こうかと氏の愛車を出して下さるのであった。
有り難く、甘えさせて頂くのだった。














時を同じくして、BCからも、M氏とN氏がご出撃されるとの事だった。
また、yaku氏も釣行をお考えとの事であった。

いつも通り、自身とTaka氏がランデブー出来たのは夜も深まった頃。
おそらく、情報が出ているだろうから、
早くから、磯へ下りてみえるアングラーも少なくはないだろう。





N氏は 「もし、空いていなければご一緒しましょう」 と言って下さった。
誠に有り難いお話であったが、
喜ぶと同時に、ご迷惑とならないかとても不安になったのである。

それは、一度だけ下りた事がある磯であった。
そして、竿さえも出してはいない。
その時の記憶を呼び覚ましてみたのだが。
我々を加えての、四人ではどうにも狭い気がしたのである。




後から行って、入れて頂く。
そして、彼らの釣りを制限してしまう事。
それでは、あまりに申し訳ないと。


ダメなら、別のエリアへ向かおう。
そう、覚悟しつつの現地入りとなった。











コンビニで必要なものを揃え、大急ぎで支度を整えて行く。

それでも、当初の予定よりかは1時間以上も遅れていた。
半ば諦めながらパーキングへと向かった。




驚いた事に。

駐車スペースには先行の方のお車が一台のみであった。
早速、端へと車を寄せてお声を掛けさせて頂く。
お聞きすると、我々の第一希望の磯を考えられているとの事。
けれど、それで落胆する事はまったく無かった。
そもそも、もう、入れないと思っていたから。
ならば、空いているあの磯へ行こう。
暗雲がはれた今、意気揚々と磯へと下りる二人であった。













磯へと着き、かいた汗もすっかり引いて行った頃だった。
一つ、また一つと、ヘッドランプの灯りが山を下りて来る。
N氏も無事に目標の磯へ入る事が出来たそうであった。


ぼんやりとその光景を見ていた二人であったが。
その内、それを凝視してしまう事になった。
何故なら、あまりにその灯りの数が増えて行ったからであった。
立ち止まって考えられている方々。
なかには、途中まで来て、引き返される方までもがいらっしゃった。
とても気の毒に思ったが、どうした事か、こちらには誰もおみえにならない。
不思議であったが、寝ずに飛んで来た我々に深く考えるだけの思考は無かった。




しばらくすると、yaku氏も到着された様である。

上記の状況を鑑みて、よければこちらへといらっしゃいませんかとお伝えした。
やがて、無事に我々のもとへとお着きになった氏。
どうやら、駐車スペースはあと一台を残して満車となっていたそうである。
誠に幸運であった。

眠って休む事なく、三人で夜明けまで楽しい釣り談義となった。
両氏は、バス釣り、そして鱸釣りの深い歴史がお有りの様で。
特にその話にはなが咲いていた。
経験の浅い私には、それらのエピソードがとても新鮮であった。
気が付けば、遠くの空は茜色へと。
瞬く間に時間は過ぎて行った。








タックルを準備して、何を最初に投げるか?と妙に盛り上がってしまう。
全員一致で 「ポッパーでしょ!」 と言ったのには爆笑してしまった。


いえいえ、それはいつもの私だが、今日は違う。



自身はペンシル。
Taka氏はミノーをチョイスするのであった。
yaku氏は少し離れた場所へと立たれる。
見渡せば、辺りは人でいっぱいだった。
およそ、立てる場所には人がいる。
そして、まだまだ、下りてみえる方がいる。
凄い朝の始まりであった。

















開始早々、自身のキャストしたルアーが海中へと消えた。
遠くのルアーがよく見えない。
そんな時間帯であった。
今日は釣りまくるぞ!
自身の気持ちはそんな感じ。
全力でハンドルを巻き殴って行く。




魚を抜き上げたところで躊躇してしまった。

前回、針を外した時の記憶がフラッシュバックされて行く・・・。

暴れる魚を前に動く事が怖かった。

そして、跳ねた拍子にフックがズボンへと突き刺さるのだった。





























「Takaさん!! 助けて~!!」


 (情けないが実話である。)








バタバタと暴れるハマチを、Taka氏は冷静にペンチを使って外してくれた。
時間が掛かりすぎた為、傷つけてしまった魚を〆る。



次のキャストでもヒットを得た。

そして、またもやズボンへぐさり。


























「Takaさーん!! HELP ME!!!!」










なんと!迷惑なヤツだろうか。

それにも関わらず、にこやかにフックを外してくれる氏。

この瞬間、氏が仏に見えたのは言うまでもない。








二本目も〆てキープする。

落ち着いてよく見ると、暴れさせたせいで既にリーダーが傷んでしまっている。
珍しくも、今日は2つのタックルを持ち込んでいた自身。
急いで、キツイ方のそれを取りに走った。
ついでに飲み水を補給する。
二人もバンバン竿を曲げてみえる。
何だか、それで怖いのが吹っ切れた。
やれるだけやってみる!











しばし、ワンキャスト、ワンヒットの状態となった。

4~5本、立て続けに上げたところで。
酸欠で頭がチカチカして目がかすみ始めた。
手足にも力が入らない。





それでも釣れた。

一本あげては、ゼーゼーハーハーと膝に手を当ててかがむ。
やがて、少し楽になってきて。
純粋に釣りを楽しめる様になって行った。

素早く針を外し、ダメージの少ない個体をリリースして行く。
まさか、こんなにも釣れるとは思ってもみなかった。
本当は全部キープしたいところだが、発砲など魚を冷やしておく箱が無い。
かろうじて、麻の袋と氷を二つもってきたのみであった。


































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本当、嬉しいですね。


やったね!














陽が昇るにしたがって、魚達からの反応が明らかに変わって行った。

先程までは、多少、ラフにルアーを操作してもお構いなしに出たのである。
同じ感覚で動かし続けていると、反応はみるみると遠くなってしまった。
時合が終わってしまったのか!?

否、そうではなかった。








よりずっと、丁寧に、丁寧に。

なめる様にして、ルアーを引いて来るとモジリが生まれた。
魚は居るがバイトに至らないという状況なのだ。
自身、この瞬間が今回の釣りで一番の時間だった様に思う。


そこで、いかにして喰わせるのか?



それがたまらなく面白かった。

流れであったり、瀬を利用したり。

波を使う事でも光明を見た。

ヒット数は格段に減少したが、釣れ続いたのだった。





























P1030396













暑くなってきましたから。
キープした5本に氷を抱かせました。
その上から、濡れた麻袋を被せて行きました。
氷が無くなるまでが勝負です。

まだまだ、頑張ります!











ラインをチェックしたり、フックを交換したりして少し休憩する。

周りのアングラー達は一人、また一人と磯を後にして行かれる。
可能性がある限りは釣りを続ける。
自身はそう思っていた。










潮は脈々と姿を変えながら絶え間なく流れている。
やがて、いかにもという雰囲気へとなった。
そこで、また爆発がやって来たのである。
やはり、かなり、ラフに操作しても飛びかかって来るのだった。
いったい、どれだけの数の群れが居るのだろうか。
恐ろしくなった。
何度も述べるが、こんな事は初めてなのだ。





時には、何が喰ったんだ!?と思う様な魚が掛かった。

激しく竿を叩き、ガンガンと下へ下へ潜る。
そうかと思えば、急に進行方向を変えて突進する。
時に、ベールを返したり。
竿をつかって、一所で静止させたり。
かなり、苦労して寄せて来て驚くのだった。
釣れている、70センチ前後のハマチ、メジロだったからである。
いわゆる 「喧嘩太郎」 とでも呼びたくなる魚がいた。



お恥ずかしながら。

傷んだリーダーに気付かずのブレイクが一回。

瀬に、メインを噛んでしまってのそれが二回。



三度も!申し訳ないブレイクをおかしてしまったのである。

すまない・・・。



潮位も大きく下がり、フッキングの瞬間からすぐにラインを擦った奴もいる。

そして、最後の一匹は。

強くて、ハンドルを巻く事が出来なかった。





今まで、ベールを返し、ラインをやる事でしのいで来た自身だったが。

ただ、運が良かっただけだろう。

そしてまた、沈む瀬の岩質が違ったのだろう。




この日使ったのは、自身として最強の組み合わせの道具であった。

メインにPE6、リーダーには130lbを合わせていた。





タックルではない。

自分自身の五体、思考、判断能力こそなのだろう。



































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まるで、磯への道しるべができていた様に思いました。
大いなる自然よ、大海よ、有難う。

三人で最高の釣りができました。

yakuさん、Takaさんもどうも有難うございました。






最後の三発が悔しすぎて。

混沌のダークサイドへと落ち行くのです。



次回も悔しい釣行に。



それでは





































































Injury

8月22日の日記










相変わらず体調が悪い。
不整脈が治らない。
今回ばかりは休むか否か。














前回の釣行の後。
いや、その帰宅の道中からか。

安直な自身の読みを悔やみ続けたのであった。
潮がよく当てるエリアであれば、澄んだ潮が広がるのでは?と。
しかし、その考えは大きく外れたのである。

至極、当たり前の事だろう。
たった数年で、大いなる海を知ろうなど、浅はかにもほどがある。
その愚かさを噛みしめて腹が立った。



しかし、何も考えないよりはマシだろう。




はたして、釣行が出来なくなるその時までに。
ほんの少しでも知る事が出来れば幸いだ。






だから、多少の無理をしてでも海に行きたい。
きっと、明日は予想もしない海が広がっている。

















現場到着はいつもよりもずっと早かったろうか。
装備も整っていたし、何より気持ちが急がせたのである。


二日前にお会いした、NKW氏御一行は未だ南紀に残られていた。
本日が最終日、後悔の無い釣りを全力で挑まれるに違いないだろう。
おそらく、狙われるとしたらあの磯しかない。


それを思って、自身は違う磯を考えた。
もちろん、それだけが理由ではない。
分からないが、検証してみる事。
生まれた仮説に素直になったのである。








パーキングに到着すると、既に三台の車が停まっていた。
一台は見覚えがある。
NKW氏のお仲間のものであった。
はたして、あとの二台はどうか?
一台には既に人影は無かった。
もう一台は中で人が眠っている感じである。
おそらく、自身が目指す磯へ向かわれるおつもりなのだろう。





待った。

早いもの勝ちではあろうかと思うが。
ところによっては、独特のローカルルールもあるらしいから。
例えここには存在しなくても。
その様な場所へとあしげに通われてみえる方かも知れない。



気をつけて中の様子を窺った。

お疲れなのか、熟睡されているご様子でピクリともしない。
そして、しばし待機。
待てども待てども、全く動きは無い。

さりげなく、静かに 「活動」 してみた。
ヘッドランプを点け、磯に下りる用意を整えてみる。
しかし、それでも目を覚まされる事は無かった。
タイムリミットは迫っている。




その内に、NKW氏のお仲間の一人がいらっしゃった。
しばし、楽しいひと時を過ごさせて頂く。
そして、氏ともう一人の方もご到着。
ご相談の結果、時間も時間ですし行きましょうとの事。
少し後ろ髪をひかれる気がしたが、仕方がないと自身に言い聞かせた。
あとは釣りの事だけを考えるのみである。













夜明け前となり、おそらくは寝てみえたお二人が下りてみえた。
私に気付かれ、離れた場所に荷物をおろされるのだった。





前回の釣りで破綻した、金具との結束を改めて来たのである。
資料をあさり、なるべく簡単で強そうなノットを選んだ。
しかし、結んでみたそれは、どこか弱そうに見えたのである。

よって、他のノットの通例の手法をも取り入れてみた。
オリジナルというべきかは、組み合わせとなるだろう。


しかし、あまりにも時間が無く、僅かしか繰り返し結べていない。
よれず、真っ直ぐに結べるのは、3~4回に一回という感じであった。
やはり、磯へ下りての本チャンでも失敗は続く。
結局、三度もリーダーを切って、FGからやり直す事となってしまった。
夜明けは瞬く間であった。















やはり、最初の一投はポッパーである。


ベイトはカマスではないか?との評判の様だ。
おそらく、そうなんだろうなと思う。

きっと、キビナゴもいるだろうし、他の魚たちもそこにはいるだろう。



はたして、自身が求める魚は何を狙ってくるか。

また、仮に魚がカマスを意識していた場合、自身のポッパーに反応する事はあるのか!?


分からないから、試してみるしかない。

経験がある方は、その経験に基づいた選択をされれば良いと思う。

だけど、経験が無いにも関わらず、人がカマスにはコレ!というのをそのまま真似るのはどうか。

出来れば、私は自分でそれを確かめたい。

例え、誰かが作られたルアーを使っていても。












もう少しで竿出しかなという頃になって。

急に雲が走り出し、ザァーっと来たのだった。
そこで、やっと瀬際へと立つ。
そんな幕開けとなる。





雨雲はすぐに去り、それまで吹いていた風もがピタリと止んでしまった。
そして、目の前の潮が大きく歪みだす。
何度かここへ来ているが、こんなのは初めての事であった。
水面はざわめき立ち、やがて、はっきりとした流れとなって行く。
ヨレたり、渦になったり、湧き上がったり。
沖へと強く払い出す様なそれも生まれて行った。

あぁ、凄い潮だ。
海の仏よ。
有難う。
そう、心の中で呟いた。













ファーストキャストはペンシルポッパーであった。

5投、6投と重ねる内に、斜めに横切る潮目でバイトを得る。
それが、何の魚によるものかは分からなかったけども。
何故か、とても嫌になってしまった。
おそらくは、自身がそれをペンシルとして動かしていたと思ったからだろう。
知りたいのはそうじゃない。

純粋なポップだけでどうか!?
それなのだ。









無心になって続けていると、隣の磯にみえた二人から叫びが上がる。

次の瞬間見たものは、グニャリと曲がり込んだロッドであった。
そして、巻くに巻けない中で、せめて半回転だけでもと懸命に巻くお姿であった。

再び振り返ると、のけぞる様にして持ち上げている。
磯上でデカイ奴が暴れていた。
そしてすぐ、掴み上げる。
その体高はメジロのそれではない。
一目見ただけだが、それだけは分かった。
湧き上がる歓声。
きっと、思い入れの一本だったのだろう。







おそらく、良い魚を釣られたに間違いは無かった。

不思議だが、何故か焦りは無かったのである。
きっと、思い込みなのだが。
自身には届かない魚だと感じた。


何故か?


私の前には無かったのである。

流れが無かった。


先程、私には分かろうはずもない!と言ったばかりではあるが。

どうしても、そう思ったのだから仕方ない。

全く矛盾しているが、混乱でも良いのであえて書き残そうと思う。





まったくの直観だが。

きっと、彼らの前に広がる海には居ると感じた。

やはり、釣れたかというのが正直な気持ちだった。


だが、今は私の前には無い。

だから、焦らなかったのだと思う。





一旦、ペンシルに換えたりして広く探ってみた。

しかし、反応は無い。


彼らを振り返ると、釣りをしているお一人は立て続けに竿を曲げられてみえる。





やがて、その流れではないものの、魅力的な潮がこちらにも当てる様になった。

そこで、再び、ポッピングポッパーへと結び換えた。





彼らは、やはり連発されてみえる。

きっと。

もう、こちらにも魚は居るに間違いはないだろう。

ここが我慢のしどころだ・・・。


そう、魚を前にしてこそ、確かめる事が出来るのだから。






強い気持ちをもって、ひたすらに心を静めようと努めた。
焦ればきっと、自身のポッピングの旋律に不協和音が出るから。
釣れたのはいつもそのリズム。
ロックンロールのビートを刻むのみだ。




何とか、それを奏で続ける事は出来たろう。

そして。
獲物が出る事は無かった。
まさに、断腸の思いであった。
だがしかし、こうでもしないと確かめる事は出来ない。
分かった今、反撃を開始するしかない。









とはいえ、同じ事をやってもつまらないだろう。
(どれだけ、自身はひねくれているのか・・・。)

ペンシルへと換えたが、普段よりずっとサイズを落としてみたのである。

本当に 「サイズ」 かどうかを確かめてみたかった。





結果はすぐに出る。


一投目から 「モジリ」 が沸きあがった。
茶色い背中がグングンと向かって来るのが見えた。



何度か、流れの中で追うのが見られたのだが。
どうしても、バイトまでには至らない。

おそらく、不慣れなそのサイズに自身の誘いがぎこちないのであろう。
試したい事はあるが、
なかなか、腕がそれについて来ないのが情けない。
まぁ、下手でもやってみたいのだ。




しばらく重ねていると、少しずつだがマシに動かす事が出来る様になった。
そして、針掛かりこそしないが、飛沫を上げたり、ルアーを弾き飛ばしたりが増えて行ったのである。
おそらく、今の魚達の気持ちには 「サイズ」 ではないのだろう。
お二人は、18センチ程度のサイズでヒットが相次いでいるのだから。
おそらくは 「動き」 である。






いつもの払い出しの中を泳がせた。
そして、瀬の直前で一瞬だけ止める。

グン!


どこからともなく、青い影が奪い去ろうとする。

待望のヒットだった。








ロッドを立てると、魚は行き場を失くして水面を割った。

バシャバシャと暴れるだけであった。

一気に寄せようとハンドルを巻くが、ギィーギィーいうだけでまるで巻けやしない!

おかしい。

ドラッグは何度も確かめたはずであった。

おそらく、手入れが悪く、壊れてしまったのだろう。

手でスプールを押さえながらノブを何回転もさせて動かなくした。
大失敗である。











抜き上げた魚は暴れる事を止めない。

まるで、シイラの様な姿に困惑する。

仕方なく、軽く足で押さえつけた。
フロントフックは口の中奥深くに入り、リヤフックまでもが顎に掛かっている。
まず、顎にあるそれを外さないと届きそうにはなかった。
指でそっと外すとあっさりと抜けてくれた。

そこで、口へと手を伸ばした瞬間である。
大きく暴れ、乗せていた足を振り払われてしまった。
危ない!と手を引き戻したその時、より大きく跳ねたのである。


































シャッ!



















叩かれる様な、熱い様な、そんな感覚を我が腕におぼえた。

次の瞬間、まるで、ポンプでも見るかの様に血が噴き出したのである。

ピューッ、ピューッっと連続して飛び散った。

しまった、とうとう血管を裂いてしまったか・・・。



磯は鮮血で瞬く間に染まって行く。

ともかく、止めねばと傷口を強く親指で押さえつけた。
しかし、押し出す様にして、流れ落ちるのを止めない。

昔に聞いた 「心臓より高いところへと上げる」 というのを思い出した。
驚く事に、これは相当に効果があった。
どうやら、助かりそうだ・・・。
青ざめて、冷たくなった頬に温かいものを感じた。


























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着ていたシャツの袖を切って、強く縛るのでした。
おそらく、脳内麻薬のおかげで。
傷の痛みも、縛った痛みも感じませんでした。
まず、急いで魚を〆めました。

しかし、そこで止めるわけには行きません。
目の前の海には魚が居るのです。


止血にかなりの時間を要しましたが、キャストを再開させて行きました。
血は滲みましたが、幸いにして流れ落ちる事はありませんでした。








































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釣りを終え、海水で洗い流してから乾かせました。
結構、深く裂けてしまった様子です。
中を覗くと、背筋が寒くなりました。


































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頑張りましたが、最初の獲物が貴重な一本となってしまいました。

連発の時合は短かった様子で。
その後はチェイスの姿も見られなかったのです。


誠に情けない失敗をおかしてしまいましたが。
釣った!といえるこの一匹に感謝。
海の仏様、今日も有難うございます。


やったね!












その後、休憩がてら、隣の磯にいるお二人に話しかけに行った。

最初の一匹はヒラマサだった。
あまりに体高があり、銀色にと輝く姿を見てカンパチだと思っていたのだが。
素晴らしいコンディションのヒラマサだった様である。
やはり、どなたが釣られても嬉しくなる魚だ。
おめでとうございます。














磯から上がり、病院で縫ってもらうか悩んだ。

友人たちに相談し、絆創膏で済ます事に。

最近のものはハイテクですね~



安心して、温泉に浸かってから帰宅の途についた。


怪我には気をつけます。





それでは








My Tackles

Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000 with SOM NO LIMITS Spool
Line  YGKよつあみ PE #5
Leader SUNLINE NYLONE 100LB












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