2014年10月

大好きな海へ

10月8日の日記











「魚探し」

これが、実に悩ましくも楽しい。






私は毎日、海の事を考えている。
自分なりのデータを紐解き、魚が入ってやいないかと夢想するのだ。
きっと、その大半はとりとめもない妄想が殆どだろうが。

思考する事。

それは、まぎれもなく、自身の釣りの醍醐味である。
その意味では、家にいてもどこにいても、ずっと釣りをしている事になる。
まったく、呆れるほどに好きなのだろう。






いつもにも増して、今回の釣りはそうであった。
時には、半時間もあけずにデータを読もうとした。
きっと、タイミング的にはドンピシャではないだろう。
されど、遅すぎる事もない。
体調不良などを気にしている時間は無いのだ。
明日が休日である事に感謝し、南紀特急のイグニッションを回した。
















磯へと下りて、聞こえる波の音に迫力はない。
もう、充分に海は静けさを取り戻している。
はたして、潮はどうだろうか?
闇の中では、まだ、それをうかがい知る事は叶わない。
誰もいない磯でゆっくりと夜明けの時を待つ。
秋も深まって来て、じっとしていると身震いが出る。
気温は低い。
はたして、その震えが寒さによるものか。
これからの釣りを思ってなのか。
やがて、空が薄紫に目を覚ます頃、ロッドケースに手を伸ばす。
ルアーを結び、最後にドラッグを決める。
気持ちは既に最高潮だ。
あと、5分が待ち遠しい。
















まだ、暗い海に向かってキャストを放つ。

一投、一投と、ラインをほぐして行く様な気持ちでゆったりと。
同じ力加減だが、回を重ねるごとに飛距離は伸びて行く。
まずは、素直に巻いて、ルアーの潮咬みを確かめる。
ピッタリという実感は無いが、はたして、竿を使ってみてどうなのか。
多少の難しさは仕方がない。
ここは、自身が苦手意識を持つ磯。
全てが難しく思う。
より、楽に泳がせられるルアーもある。
しかし、それでは良い反応を見れそうには思えない。
難しいがこれでいい。
コイツで出してやる。






























バシュッ!











もしや、外したか!?

そう思い始める光量、陽の高さになってのヒットだった。

よし、ともかく、群れは入っている。



サイズは可愛い丈のハマチといったものであるが。
ともかく、喰い方が獰猛であった。
ルアーの下から、5~6匹が湧き上がって奪い合うのだ。
そして、激しく水面を割る。







二本ほど釣り上げたところで、苦手なシンペンへと結び換えてみる。
キャストして、まずは少し沈めて引くも反応は無い。

水面下、ギリギリをゆっくりと泳がせると、どこからともなく黒い影が飛んで来た。
一気に数は増え、群れになって追いかけて来る。
瀬際まで来てハッとした。
グッドサイズのシオの群れだったからである。
依然、ハマチは粗ぶっているのだが、彼らはこのルアーには反応しなかった。
シオだけが二回追って来たのみであった。
食べているものが違うとは考えにくいが、何か好みが違うのかも知れない。
釣る事は叶わなかったが、誠、興味深いではないか。












再び、ルアーをもとに戻す。

そして、そろそろかと温存しておいた瀬の上を通す。

ジュポッと喰い込むのが見えた。







出方こそ大人しいものであったが、コイツがかなりキツい!

ハンドルは巻けないし、リフトしてもなかなか浮こうとしないのだ。
グンッ、グンッ、っと穂先を絞め込んではそこに留まろうとする。
いかんなと思い、本気で力を入れた矢先にテンションを失った。
残念ながら掛りが浅かったのだろう。
痛恨のフックアウトであった。










その後もハマチの反応はすこぶる良い。

陽が高くなるにつれ、追ってくる数はどんどんと増して行った。
ただ、どうした事かヒット率はぐっと落ちてしまう。
揉みくちゃになって、ルアーへとアタックはするのであるが。
ガツンっとフックアップしないのだ。
自身が下手なのか、ルアーが合わなくなって来たのか。
ともあれ、なかなか喰い込まない。


これらの魚は、どうやら潮の変化に多く集う様であった。

広範囲へとキャストの手を伸ばしてみたが。
違和感の希少な海面においては単発、もしくは少数でのチェイスが見られた。
ひとたび、流れの際立った場所へと投げると凄い数が反応する。







ここで、ちょっと手を変えてみる事にした。

盛んに反応するハマチ達は魅力的だ。
しかし、どうしても、先程の感触が忘れられないでいた。
出来れば、より大きなヤツとつながりたい。


そこで、煙草に火を点けてしばし考えてみる。
一瞬の事ではあったが、良いサイズの何かの時は手先が違った。
瀬からなるべく遠ざけたくない故の事。
それを思い返し、仕切り直しとしてみる。































ゴン!!
















ここだと思ったフィーディングスポット、アクションにて捉える事が出来た。

セクシーなボディカーブを描くメジロをあげる事が出来た。
ハマチのバイトは激減した故、それなりに効果はあったのかも知れない。
しかし、反応はそれっきり。
もしかすれば、メジロの群れはもう去ってしまったのかも知れなかった。
おそらく、ハマチ達に奮闘していた時にも。
メジロ達はそこにいたのだろう。
メジロに対しアピールが弱かったか。
ハマチを先に狂わせてしまったか。
ともかく、少し気付くのが遅かった様だ。











時は経ち、海は一気に静まって行く。

より、アピールのありそうなペンシルに換えると。
それでも、数キャストに一回はハマチが単発で反応をする。
しかし、ぐっと難しくなってバイトは遠い。

落ち着いて海を眺める。
家で予想した海とは違った。
波は落ちすぎているし、何より、潮色が違う。
エメラルドグリーンに乳白色を足した様な濁り。
そんな潮に満ちていた。
もし、求める潮が当てていれば。
しかし、それを離れた場所で知る術は無い。
いつの日か、合致するのを願うばかりである。








とはいえ、最後まで諦める事は無かった。
傾向性などと思い込んではいけない。
通う程に積もる澱を払いのけるのだ。


僅かしか通さなかった瀬に竿を向ける。
バシャ!っと上がる飛沫。
水面へと浮かび行くその姿に胸が高鳴った。













































20141008_071231 - コピー














やったね!!



ヒレナガシオが釣れました。
もう、嬉しくて嬉しくて。
飛び上がって喜んでしまいました。
やっぱり、彼が大好きです。





































20141008_073445 - コピー













釣れてくれて本当に有難う。
今日も様々な事を教えてくれました。
氷が心もとなくなったので納竿です。
海と魚に一礼して磯を後にしました。














家での釣り。
そして、答え合わせの釣り。

間違える事ばかりではあるが。
釣れた時の喜びは大きく深い。
叶える為に。
今日も海を想う。





それでは








My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA EXPEDITION 5500H
Line   SHIMANO OCEA EX8  #5
Leader   Prosele nanodaX  130lb











辛い釣行 後編

10月1日、2日の日記










前回の続きの日記です。




結局、数時間もごろごろと寝て過ごす事になったのであったが。

私の落ち込みっぷりを気遣って、幾人かの方からご連絡を頂いていた。
中でも、W氏はお電話まで下さった。
そして、良い釣りが出来る様にと、I氏との釣りをご提案下さったのである。
すぐに、I氏ご本人様からもお電話を頂戴して。
明日の釣りにご同行させて頂く事が叶った。
先輩方のお気遣いが嬉しかった。













あくる朝、教えて頂いた場所へと一人で向かう。

まだ、早い時間ではあったが、既に数台の車が停まっていた。
先に下りてみえる方もあれば、今、まさに向かおうとご準備されてみえる方もいらっしゃる。
朝のご挨拶を交わし、自身も道具を整えて行った。
すぐに、I氏とそのご友人もご到着された。




氏のご先導にて山へと入る。

自身、初めての場所ゆえに不安と期待が交錯する。
真っ暗な山道を、前の方の背中を見ながら歩んだ。
途中から、かなりの斜面を慎重に降りる事となる。
細かい砂泥が堆積しており、とても滑りやすい為に慎重になった。
おそらく、帰りはここで 「心臓破り」 となるだろう。



Heartbreak ridge




ふいにそんな言葉が浮かんだ。











高台から辺りを見渡す。

先行者の方々は、ほど近い場所へと既に釣り座を構えてみえる。
どこへ入るか?
今回は氏の直観に頼る事とさせて頂いた。
大きく迂回してポイントへと向かった。














釣り座にほど近い場所へ荷物をおろす。

まずは三人で腰掛け、山歩きで熱くなった身体をクールダウンさせて行った。
いつもなら、火照りが結構長く続くのであるが。
この日はすぐに冷め、むしろ、肌寒さを感じるのであった。
朝のその時が迫る頃には、間違いのない寒さへと変わる。
I氏のご友人は風邪で熱があるとの事。
悪くならないかと不安になった。
まったく、身震いする朝であった。



三人で談笑し、I氏がふいに呟く様におっしゃった。

「そろそろ、僕のミッドショア、ヤバいと思うんです」 と。

氏曰く、気になる傷もあるし、何か嫌な予感がしてみえるとの事であった。
ここ、数回の釣行にて、その思いが強くなってみえるらしかった。

自身の竿もキズだらけだが、そんな事を考えた事は無い。
I氏にはそれが分かるのだろうか!?
半信半疑のままで、お話を聞いていた。













タックルをセットし、ついに瀬際へと立つ時が来た。

経験の乏しい私に。
一番やりやすいであろう、周りよりも低く、足場の良い場所を与えて下さった。
お二人は足場が斜めだったり、海面からぐっと高かったりと難しい位置である。
申し訳なく思ったが、せっかくのご厚意に甘えさせて頂くのだった。






ファーストキャストを撃つ!


正直、初めての場所、そして、どんな魚が待ち受けているのか?
何を結んで良いのか、サッパリ分からなかった。


何となく。

前日のハマリそうでハマらないパターンを思い浮かべていた。
もじりは生まれたが、それ以上に発展しなかったものである。
ごろごろと寝転んでいる間、それについてぼんやりと考えていた。
あと一つ、二つ、何かのエッセンスが足りなかったのだろうと。

その、答え合わせを、どうしてもしておきたかったのである。











やりだしてすぐ、ハッとした。


右隣にみえる、I氏の引くそれが。
自身のものと 「方向性」 が似ていたのだから。
そしてすぐ、氏の足下にて大きな波紋が出るのだった。




何故にか。


自身はすぐにルアーを交換した。

あぁ、もしかしたら・・・。
自身が考えていた事は無駄ではなかったかも知れない。

ならば、数少ない、魚がそこに居る絶好の機会だ。
他の、気になる事を検証するチャンスであると。
いわんや、他に考えていたパターンが合うかを試したかったのだ。








ミノーを泳がせ。

ペンシルを潜らせ、暴れさせてみる。

出るか、当たるか!?と期待して引いて行った。
I氏は着々と良い魚を手にされてみえる様子だ。
しばらく粘ったが、私のテストは不合格だった。
全くもって、かすりもしなかったのである。
ならば、最初のかたちに戻すのみ。
無我夢中で釣りを楽しむのだ。













修正を加えた、私の今日のアクションであったが。
自己採点では60点といった感じであった。
まだまだ、足りないものが多い。


私が1つバイトを得るまでの間に。
I氏は5つも、6つもバイトを生んでみえる。
そして、声をあげて足りないもののヒントを与えて下さった。


だけど、パッと見では同じような事を真似てはいても。
根本的な部分が違うと悟るのだった。
この先、時が経つほどにそれを実感する。











氏が何本か釣り重ねていかれた頃。

突然、ランディングで氏の愛竿のミッドショアがブレイクした。
これからという時にと。
私の頭は真っ白になってしまった。

「車に予備のロッドがあります!」 と言う私。

焦って言った言葉だったが、もちろん、氏もそれはお持ちなのだ。

気恥ずかしくなっている間にも。
氏は一向に車へと戻られる気配はない。
しばらくすると、釣り座へと立たれた。
握ってみえるのは、半分の長さとなったバット側である。
ワンピース、ガイド数が僅かに一つのそれであった。
私は絶句である。




























炸裂であった!


飛距離なんて出るはずもないのに。
氏の振るそれは充分な距離を叩きだす。
そして、掛けまくるのである。


最早、こん棒となったそれで。
ダイレクトに受ける衝撃など、ものともしない!
バットはひん曲がり、瞬く間に魚が浮いて宙を舞う。

5本、10本、15本 ・ ・ ・ ・ ・ 。

めくるめくの水揚げである。



左手にみえる、ご友人もまた凄い。

しなやかな、ロングロッドであるにも関わらず。
強く、スピーディーに魚を獲る!
竿をしっかりと曲げ、パッと魚が浮くのだ。




私はゼェーゼェーはぁはぁ~(笑)
ぎこちなく巻いて、よいしょ!ってブリ上げてアタフタ。
フックを外すにも大乱闘。
まったくもって、手返しが悪い。











































20141002_065319














それでも、こんなにも釣らせて頂きました。

やったね!!








ここで、ちょっと小休止である。


今にも泣きだしそうな空で。
更に、気温もずっと低い。
この天候には、本当に助けてもらったと思う。




お二人は発砲に氷を入れて持ってみえていた。
自身はいつものリュックにブロックアイスを一個。
最早、リュックからは溢れてしまう本数である。
ビニール袋に海水を入れ、魚と共に氷を浮かせた。
即席ではあるが、これで、まだしばらくは傷まないだろう。







「こんな残酷な事をして、命を粗末にしたら罰が当たる!」



I氏がいつも通りの口調でおっしゃった。




そして、一匹ずつ丁寧に、最高に美味しく頂く為の処理をされて行かれる。
綺麗に魚を並べ、発砲の中へと冷やされて行かれた。
ご友人もまた、慣れた手つきでそうされてみえる。


嬉しかった。
目もくらむ様な釣果をあげられてみえても。
一つ一つの大切な命に感謝されている事に。
私もそうなりたいと胸に誓う。











時合はまだまだ終わらない。


魚を冷やし、一服が済んで再び釣りを再開した。
やはり、完全に陽が昇ると難しくなる。
同じ様にバイトを得ても。
ヒットした魚のフックセットは大きく違った。
そしてまた、針の掛かりも浅くなっている。
おそらく、バイトの寸前に躊躇している証なのであろう。
見切られる瀬戸際で何とかバイトを得ている。



ペースは落ちたが、私もポツリ、ポツリと釣果を伸ばした。

三度ほど、良い時間に起きたミスバイトを教訓に。
逆説的なパターンを思いついた。
アタリは激しく、速いものであるのだが。
全く、真逆の試みであった。


私の釣り座のフィーディングスポットにて。
まるで、棒浮きの様に浮かせてみたのである。
浮いているだけ。
何もしない。


これにて、三本を追加する事に成功する。
面白かった!
ブシューっと静かに 「棒浮き」 が消し込んで行くのだ。
そこで、竿を立てて御用である。





自身はそこで竿を置いた。
私には発砲が無いから。
そして、自身の体力では一度に持って運べないから。
最初の魚を持って車へと戻る。
M氏もおいでになったので、いささか心残りではあったが。
美味しいと言って頂きたい故であった。










この日、三人で合わせて、50本以上の釣果を得る事が出来た。
誠、信じられない様な事である。
氏らも地獄の二往復を終えられた。
そして、クーラーボックスへと移される最後にも。
細心の注意をはらわれてみえたのが印象的であった。




頂いた命。

必ず、一匹たりとも無駄にはしない。


こんなにも魚を釣らせて頂き、そして、大切な事を諭して下さる。

素晴らしい先輩、仲間たちに感謝は尽きない。




そして。

竿の寿命を身で感じてみえた事への驚き。

バット側だけでルアーに生命を吹き込まれた事。

ヒットからランディングにいたる一連の術。





私も、少しでも近づけたらと胸を熱くする帰路となった。

誠に有難うございました。





それでは






My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  SHIMANO 13 STELLA 10000PG
Line   YGKよつあみ PE #4
Leader   Prosele nanodaX  130lb









辛い釣行

10月1日、2日の日記











体調絶不調。

不整脈、頭痛、めまいを繰り返している。


それでも、海へ行きたい。
釣りも含め、大自然の中でゆっくりと過ごす事こそ、
心とからだの最高の治癒になると思うから。










とはいえ、道中の運転で危険があっては絶対にならない。

準備から移動まで、休み休み、無理のない様にゆっくりとしたペースで行う。
よって、予定した時刻からは大幅に遅れが出てしまった。
現場に着くと、何か所かのパーキングスペースはもう満車状態であった。




先に南紀へと着かれ、もう、既に磯へとおりてみえる、yaku氏へとご連絡させて頂く。
氏のおみえになる磯には他に誰も居ないとの事であった。
そして、まったく偶然にも、氏の車の隣に空き駐車スペースがある。
何かの導きかも知れない。
そうして、氏のみえる磯へと、有り難くおりさせて頂く事にした。














薄明るくなった頃、氏のみえる場所から少し離れた場所へと立つ。

幾度となく釣行を重ねていても、この瞬間の高揚感はたまらない。
はたして、今日はどんな海が広がるのだろうかと胸が張り裂けそうになる。
しかし、この日、感じる胸苦しさはそれだけではなかった。
期待と興奮によって、脈は乱れ、文字通りにリズムが狂うのだ。
動悸で息苦しくもある。
ともかく、落ち着く事。
普段であれば、喜ぶべきこの高揚さえもが邪魔をするのである。
「静まれ!」 と念じながらのファーストキャストとなった。










キャストを始めてしばらく経ったが、水面が弾けるまでには至らない。

どうやら、魚がいないという訳ではないらしかった。
「もじり」 まではいかない、小さな違和感をおぼえる程度にすぎないのだが。
水面が微かに揺らぐ感覚があった。


おそらく、魚はそこにいて、反応はしているのだろう。
だがしかし、彼らにとっては違和感のが大きいのかと思う。
一瞬だけ見に来て、興味が無くなって帰る。
そんな状態では!?と予想した。


スピードやアクション、そして、ルアー自体をも変えて妥協点を探そうとする。
やっと、一つのかたちにおいて 「もじり」 を見る事が出来た。
やはり、魚はいるのだ。
はたして、そこから、いかにバイトへと導くのか!?
ワンキャストごとに思考を研ぎ澄ませて行く。




バシャ!!


右方向に突然の炸裂が起きる!


横目でしか姿を追えなかったが、身半分を露わにして魚が出た瞬間であった。



ボイルか!!



っと、その後方を見ると、線上にはyaku氏が立っておられるではないか。
次の瞬間、氏の持つロッドの先端が絞り込まれた。
見る限り、強烈なバイトであり、その衝撃は氏へとダイレクトに刺さった様であった。
残念ながら、それ以上、針は深く捉える事は無かった。







正直、このバイトには相当に焦った。

その後も、氏の操るルアーには大小の目に見える変化があるのだ。
しかし、私のそれには飛沫が上がらない。
わなわなと水面が揺らぐばかりなのであった。



そこで、大きく方向転換を決める。

アクションを手で入れるのではなく、ルアー本来が持つ特性で出そうと。
具体的に言うならば、水面下、約5~10センチをリトリーブのみでスイミングさせる。
竿の縦の角度のみで、ルアーの潜航深度を調整し、巻く手によって速度を変えた。


実にこれはハマった。

今までが嘘の様に飛沫があがった。
そして、待望のヒットである。













ファイト早々の感覚は荒い。

すこぶる元気が良い様である。

ショートポンピングを繰り返し、ハンドルを無我夢中で巻くと海面へと魚が出た。
まだ、ずいぶんと沖ではあったが。
見たところ、70センチ手前のハマチの様に見えた。
よし、手堅く、まずは一本!
そう思った矢先、恐ろしい程の変貌に一気に汗が噴き出した。









つんざく様にして突っ込み始めたのである!

まさか、魚が入れ替わったんじゃないか!?
本気でそう思った程の豹変ぶりであった。


咄嗟に足を使って何とか応戦して行く。
突っ込む力だけでなく、方向転換が急で勢いがありすぎるのだ。
ギュン、ギユュン、ギーィーンって感じ。
瀬に近づく程に勢いを増し、最後の突っ込みに思わず声が出てしまった。
そして、手元を見て更に驚く。
「XR-2」 が凄いスピードでバットまでひん曲がったのだから。








もう、頭の中はパニックであった。
見えたのはハマチ。
それが、今まで体験した事もない様な強烈さをみせているのだ。

力で耐えながら、足を一歩だけ瀬際へと進める。
どうしても、その姿を見たかったから。
そして、次の瞬間に戦慄が走る。










まだ、暗い海の底には。

二つの巨大な黒い影が這いずる様にうごめいていたのだ。

足下の瀬へ沿って、必死で潜ろうとするハマチ。

その下に渦を巻く黒い影。










見てはいけないものを見た気がした。
まるで、この世のものではない何かの様な。









再び、方向転換をしたハマチは瀬際を、反対の方角に向けて走った。

その先には嫌なエッジが張り出している。
ガガッっと擦ったが、そんなのに対応している余裕は無い。
引きがあまりに強く、足で追わなければどうしようもなかった。
引っ張り合いになった頃、大きく、ガクン!っという衝撃と共に魚信は途絶えてしまう。
海中からは虚しく、ルアーだけが浮かびあがるのだった。





yaku氏の方を向いて、精一杯に笑っておどける自身だったが。
両足はガクガクと震えていた。
しばし、呆然と立ちすくむのみ。
「今のは何だったのか?」 それが、全く飲み込めないでいた。












気持ちを整理出来ぬまま、それでもキャストを再開する。



時合は長くはないだろう。
このままでは終わってしまう。
そう思い、再び拳に力を込めた。




沖から追わせてきて、フィーディングポイントと思われるところで小さく飛沫が上がる!

しかし、それでも喰いきれていない。
パシャ、パシャっと出て、もう一度、喰わせに臨んだ。
そして、ガツンっとヒット!
最高の瞬間である。





「ヒット!」 と雄叫び、フッキングを入れて浮かせようとした刹那であった。



海面を突き破る巨大なその姿。





まさに、映画 「JAWS」 のワンシーンさながらであった。

あまりの迫力に私も氏も自然と叫んでいる。











下から突き上げてきて。

グルグルと回転しながら宙を舞い、ハマチを吹き飛ばしてしまった。

そして、それを丸飲みして喰らう。








やめてくれ・・・。

そう言って、ベールを返してラインを少し出す。

後は、暴威に身構えるのみなのだ。















また、今回もやってしまった。

凄まじい音をたてるソルティガ。

みるみる内に、スプールは痩せ細って行ってしまう。
すぐには切れない。
そんな、ラインシステムだからどうしようもないのだ。








今回もまた相手が悪すぎた。

おそらく、50や60といった目方ではないのだろう。
最後まで、完全には止める事が出来なかった。
止まっても、また、ジリジリと出され続けるのだった。
最後には、メインからのブレイクとなる。
瀬ズレではなさそうなので、どこかに傷でも入っていたかも知れない。








これにて、私のメンタルは一気に崩壊へと向かった。


スプールを交換して再び挑むも。
リトリーブスピードが大きく変わり、その速さを手だけで追うのが辛い。

アタリのルアーを失くしてしまい、思う様に動かす事も出来ないのであった。
それでも、キャストを続けたが魚からの反応は一切ない。
yaku氏もプツリと途絶えてしまった様であった。



とうとう、自身は耐えられなくなって納竿を決意する。
「もう少しかなぁ」 と言ってみえた氏。
話す二人の前に突如、ナブラが立った。
即座に氏が駆け寄る!







「ヒット!」







そういって、スルスルと魚を取り込まれて行った。

「ツバスでしたわぁ~」 と微笑む氏。


キッチリとナブラを攻略されるのが流石である。
そして、この一本がとても大切だと思った。
サイズではないのだ。













磯からあがり、氏とはそこでお別れとなった。

私は疲れてしまった。

からだも気持ちもヘトヘトな感じ。
木陰へと車を停めて眠る。
3時間、4時間と時間だけが無駄に流れて行った。
結局、この日、再び磯へとおりる事は無かったのだ。










後編へとつづく




それでは













 

スクランブル

9月25日の日記










前日も休みだったが、年に一度の健康診断の予定が入っていた。



今年はジャスト40なので、より、細かい検査が受けれるとの事。
夏の終わりから、ずっと体調が悪い事もあって。
今回は 「人間ドック」 を受けてみる事にした。




案の定、日々苦しんでいる不整脈は当日に姿を消した。



こういう事は車の修理なんかでもよく起きる。

異音がすると急いで修理屋に持って行くと。
急に音が出なくなったり・・・。


まぁ、そんなもんでしょうと半日の検査を終えた。








私はバリウムが苦手である。

一度、大丈夫だろうと下剤を飲まずに南紀へと旅立った。

朝マズメの釣りを楽しんでいた時、普通ではない腹痛にみまわれたのである。
ギリギリと絞める様に痛み、まるで、お腹に石を詰められたかの様に重い。
トイレへと駆け込んだが、いくら頑張っても出てはくれなかった。



急いで下剤を飲み、大量の水をこれでもか!と飲んで事なきを得た。
あの時は本当に辛かった。

以降、健康診断の後はおとなしくしている。
















人間ドックが済んでから、同市内のルアー専門店へと立ち寄った。



探していた、ルアーやラインなどが置いてあったので購入する。

幾つかの用事を済ませて帰宅すると、どうにも、ラインシステムを組みたくなって来た!

ごろごろしてはトイレに行き。

そしてまた、釣り具をさわる。


お腹はまだ痛いし、白いそれが普段通りの色へとは戻っていない。




しかし、一度、スイッチが入ってしまうとダメである。

もう、釣りに行きたくてたまらなかった。




出発を、深夜までギリギリ遅らせた。
丑三つ時、南紀特急に喝を入れる!!























現地入りしたのは、午前4時を大きく回った頃であった。

コンビニの駐車場で大粒の雨に打たれる。
おそらく、海は荒れているだろう。
この時間からでは、立てなくて、他へ回るという余裕はもう無い。
目標とする場所の一発勝負になるだろう。
そう覚悟した。


そして、急いで駐車スペースへと向かう。

ゴアテックスに身を包み、最小限の荷物だけを持って小走りで道を行く。
釣り座に向かう途中でも、細かな波飛沫が一面に舞っていた。
止んでいたかと思うと、堰を切った様に強く雨が降る。
沖からの強風で、波飛沫と雨が渦を巻くかの様であった。
最早、インナーまでずぶ濡れであった。







高場から予定している釣り座を眺める。

空は暗く、海は真っ黒であった。
それでも、ふいに白い波が現れては消える。
砕け散った波が高く舞いあがっている。



正直、不気味でしばらく動けなかった。




道具を置き、立ちすくんだままで時間だけが過ぎて行く。
引き返すか否か。

もう少し、あと、もう少しだけ待って考えたい。
気持ちはノーであった。
何の為にここまで来たのかと葛藤する。







雨足は更に輪をかけて強くなって来た。


離れた場所にも、ポツポツといくつかのヘッドランプが灯いている。
こんな日でも釣りに来る人がいる。
無論、私もそんな一人。
少し勇気が出て、気持ちがプラスへと傾いたのであった。


しかし、そんな気持ちとは裏腹に。
沖にハッキリとデカイと分かる、恐ろしいウネリが生まれた。
二呼吸ほどして、ドゴーンっという轟音と共に水の塊がすっ飛んで来た。
それを頭から浴びてしまう。



地鳴りがするほどの事であった。
これには、身も心も縮み上がった。
荷物を持ち、急いで元来た道を引き返そうとした。






そこで、もう一度だけ立ち止まる。
震える自分に言い聞かせる。








「何が一番怖いか? 恐れているのは闇と黒い海だろう!?」










うねりは大きく、波が自身を叩く事もあるだろう。

はたして、しがみついて耐えれば流されないか?

おそらく、何とか耐え忍ぶ事は出来る。

きっと、明るくなれば気持ちは変わる!




怯えながら過ごした、僅かの時間はとても長く感じた。





やがて、無我夢中でキャストをする自身。

息は乱れ、動悸が激しく胸を詰まらせて行く。









それでも、目を見開き、冷静に釣りを見ようと努めた。

この波、この濁り・・・。


きっと、今日はトップではない。

少なくとも、私にはトップではないのだ。








結んだのは、重量級のミノープラグであった。


数投目、ガツンっと硬質な衝撃があるが乗らない。
もしや、ベイトの身体へと刺さった故なのか?



続けると、波打ち際で青物が躍り出た。
そして、回収軌道へと入ったルアーめがけて襲い掛かる。
喰らいつく瞬間の 「鬼気」 とした表情がハッキリと見えた。

嬉しいヒットの瞬間だ!








すぐさま魚を上げ、エラへと刃をあてた。


波が洗う足場には置いておく所が無い。
足で押さえながらのキャスト再開となる。


魚が逝った頃、二度目のヒットがあった。

そこで、態勢を変えた瞬間に留めていた獲物が海へと落下する。
しかし、ラインの先には新たな魚がつながっているのだ。
しまった!と思ったが、大切に二本目を確保する事に全力を注いだ。
魚を手にし、波が来ない場所へと移動するのだった。







しばらくして、釣り座へと戻るも。

投げれど、投げれど、何も無い状態が続く。

短い時合いが終わってしまったのだろうか?





すると、どこからともなく、先程落としてしまった魚が漂って来た。

有り難い!

チャンスとばかりに、ルアーを投げてひっかけようとトライしてみる。

二投目くらいに、しっかりとフックを刺す事が出来た。
しかし、抜き上げた瞬間に落としてしまう。



再度、投げて引いてくると、よりいっそう良いところへと掛ける事が出来た。

よし!っとほくそ笑んだ瞬間である。





























がばぁー

















巨大な口を開け、薄茶色の馬鹿デカい奴が絡みついてきた。



バガ!バガッ!!っと水飛沫を上げて、くねる様にしてメジロを丸飲みする。



いかん!!っと少しだけスラッグを出して踏ん張った。



























ウイィィーン!

ウイィィィーン!!


キーン! ギャッギャッ!!


ギャッ!ウイィーン!!!











12キロ程に合わせたドラッグは面白い様に逆回転して行った。

しっかりと竿を曲げつつ、手でスプールにブレーキを当ててみる。

しかし、全くとどまる事を知らなかった。



最終的には更にノブを何回転かしめた。

何とか踏ん張っていられる限界点。

そこで、やっとランが止まる。




止めても、グン!グン!っと穂先を何度も大きく絞り込もうとする。

ラインの向こう側に、ヤツが頭を振っているのが見える様であった。


何度か大振りなポンピングにて距離を詰める事が出来た。

じわじわと寄せる内、獲れるんじゃないか!?との気持ちが生まれる。



否、獲るって!?

否、どうやって上げて、どうするの!?



頭が混乱したが、こうなってしまった以上、取り込むしか仕方がないのでは・・・と。







しかし、そんなのは束の間のぬか喜びであった。

全力で耐え、寄せる最中にバツン!っとテンションが無くなった。

後ろに向きに吹っ飛ばされたが、これは、想定範囲での事で大事には至らなかった。

更にドラッグをかけた際、背へと当てる障害物へと近寄っていたのだ。







ついに、ラインが切れてしまったかと巻き寄せる。

海面にはスペーサーが見え、そして、リーダーもが見えた。
手繰り寄せると、リーダーは元の長さのままであった。
心配していた、スイベルとの結束部分がやられた様である。
どうやら、緩んで抜けたらしかった。


リーダーの所々がヤスリにかけた様に真っ白になっている。


しかし、極端に強度を失っている様には見えなかった。
何か所かに設けた結束部分も特に問題は無さそうであった。


サ〇には誠に申し訳ない気持ちで一杯だったけど。
システムへの自信が一段と増した。
そして、見直すべき部分が明らかとなったのである。




辺りにはオイルの焦げる臭いが漂っていた。

凄まじいばかりの力であった。









































20140925_064350













貴重な一本を残す事が出来ました。

やったね!




とても興味深かったのは、魚のその色でした。


荒れで、水は白っぽく濁っていました。

ヒットして水面を割ったメジロも。
白い様な、薄い緑の様な色をしていたのです。

パット見た感じは、本当、白いメジロが釣れた!って印象。
二匹ともがまるで同じ色となっていました。

分かりませんが、水色に合わせて体色が変わるのかも知れませんね。

勝手に変わってしまうのか?

ベイトに気付かれぬ様に溶け込もうとするのか?


最近、魚の色って、とても不思議だなと思っています。












朝一だけの釣り。

たまには良いものですね。




それでは








My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 938XX  "Midnight Warrior"
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000 
Line   YGKよつあみ FULL DRAG  #8
Spacer  YGKよつあみ 磯ハンターライン 20号
Leader   Prosele nanodaX  210lb







自分ROCK

9月16日、17日の日記












今回の休みも南紀に出かけてみる事にしました。

釣れているピンスポットは依然として好調の様でしたが。

他の磯でも、怪しい気配がある風でした。



浪人の私にはトライあるのみです!

この、ワクワク、ドキドキ感も大切な原動力の一つです。


















目的の場所に近づいて、先行者の有無をうかがう。


駐車スペースに車は無い。

しかし、最近、それだけでは判断が難しいのである。
よって、他の、幾つかのチェックポイントからも確認するのだった。
おそらく、今宵はオールクリアーであろう。
そう思い、再びパーキングへと戻ると、入れ違いで一台がいらっしゃった様である。



お声をかけさせて頂くと、僕は一人です!との事。

目的の磯は私と同じ。

諦めて、移動しようとする私を引き留めて下さった。



「よろしければ、一緒に入りましょう!」


とても、清々しくお誘い下ったのである。


他の方が居れば、今日の狙いは成立しないのではないか?
そう、思っていた自身ではあったが。
何故にか、そんな意識は薄れるのだった。




釣果、そして大物最優先の思考。





釣行後、考えれば考えるほど、そんな考えへと陥ってしまう。

私の貪欲な部分が、きっと、見失わせてしまうのだろう。




少しだけ悩んだが、彼のお誘いに甘える事にした。

その、少しの時間に。

嫌な自身を猛省したのだ。


おそらく。

前に一度、お会いしている方だろう。

二人で一緒に釣って、共に笑いたいと思った。



綺麗ごとをいうつもりはない。

私は良い人間ではない。

ただ、もし、彼ならば是非ともご一緒させて頂きたいと思った。

誠、それだけの気持ちだった。


















どうやら、やはり 「彼」 なのだろうと思う。

スタートの二十分前。

互いにゆっくりと準備を整えて行った。




彼の組み立てる道具は前とは違う。

それは、南紀の険しい磯でのものへと昇華されている。

もしかしたら、違う人なのか!?

はたして・・・。










幾分、違った気持ちで、朝の最高潮が幕を明けた。



自身は最近のマイブームである、極めて強いシステムを選択する。

慣れない為もあり、限定的というか、弊害ばかりと思われるそれでのチャレンジだ。

それを、どうしてもココで試してみたかった。


ファイトだけに特化したスタイル。

勿論、掛けれなければ全く意味をなさない。







彼の引くトップには変化があった。

確実に何かしらの魚が反応をしているのである。

面白いかな、私には全く何も無い。

ルアーのサイズ、動きもまた違う。

それが、道具やシステムの違いも合わされば。

きっと、魚から見れば、天と地ほどの差に見えるだろうと思った。





同じ様にしている様に見えても、釣り手のほんの少しの違いで明確に結果が別れる。

それを知るアングラーの方々であればよくお分かり頂けるだろうか。







ともかく、私には何も無く。
彼にはチャンスが沢山あった。



結果を言うと、メーターオーバーのシイラを彼は仕留められた。

青物らしきチェイスも何度か。

何度か、彼のルアーに出た飛沫を垣間見た。






彼は謙遜するばかりであったが。

間違いなく、この日、この時の海に合っていたのだろう。

素晴らしい釣りを展開されてみえたのである。













休憩の時間。

あらためて、彼とじっくりとお話しさせて頂いた。
やっと、そのお顔も見る事が出来た。


やはり、彼であった。


思えば。

相棒の、Taka氏との釣りで夕マズメを終えた磯で出会った方である。

とても、感じは悪かったかも知れないが・・・。

自身とTaka氏の経験からお伝えさせて頂いた。





まったく、自分本位の解釈なのだろうけど・・・。

彼は私達のエピソードを、ご自身の釣りに取り入れて下さっていた。




言い方はブッキラボウでキツい。

釣りも半人前。

そんな、僕たちを少しでも信じて下さった事が嬉しかった。







彼の事を少しだけ述べさせて頂くと。



愛知から。


たった一日を通ってみえる。


お独りで。











昼前まで頑張って、ゆっくりと磯上がりとなった。

その後、彼の車で磯の下見へ。

思いがけず、昼食をもご馳走下さったのである。





申し訳なかったが、そのご厚意を喜んでお受けさせて頂いた。

少ないながら、私自身が、自ら経験した事はおおかたお伝えしたつもりである。

今後の彼のご活躍に期待してやまない。



KNさん、誠に有難うございました。

















その夜、W氏より、烏賊が好調とのお話を頂いていたのでチョットやってみる。

ステージは漁港。

タイミングと攻めが如実に出る場所ゆえに本気モードだ。
































20140916_204918














潮位は申し分ない。

風、波もあって、いやおうなしに期待が高まる堤防であったが。
まったくもって、墨あとなどは無かった。

思い出すのは大昔。

誰も知らずに、独りで徘徊していたあの頃である。
今日はノスタルジックに行こうか。

原点回帰。


忘れてはいけないあの頃。

きっと、あなたの胸にもあるだろう。








































20140916_222946














私のアクションは間違っていた。



烏賊もまた、魚と捉えて下されば幸いである。

遅いのだ。

緩いのだ。


それは、もう少し先の事なのかも知れない。





気付けて良かった。

無い中での急な方向転換。

臨機応変に行かなければと肝に銘じる。



でも、エギを換える事はしなかった。

重さや形状の違いによる、攻めの幅は封印するのであった。


手先で出来る事だけで抱かせたかった。

少し場所を変え、掌サイズを5杯追加。

僕には大漁であった。




















翌日、やはりというか、目覚ましの時間に目を覚ます事は無かったのである。

マズメを少し過ぎた頃に起きるのだった。




急いで磯へ向かったが、あまりの波に急ブレーキがかかる。

自身にはよく分からないウネリが押し寄せていたのだった。




昨日も。


幸い、朝の磯には立てた。




そこから、ショアラインを見渡すと、名だたる名礁は全て波の中であった。



僕の知識では、天気予報から何故そうなのかを読む事は出来なかった。









崖を滑り落ち、磯へと、無我夢中で飛び乗った。



予想外の濁り。



そして、ベイトの寄りの悪さ。



どうやら、潮を読み間違えた様である。






そんなのは、気にする事ではないだろう!



待てば、状況は一変する事もあるのだから。



しかし、この日はウネリが強すぎた。


無事に帰れる内に納竿。




ならば、昔に帰るのみである。






































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心地良き、昼下がり。

難しい烏賊よ、どうもありがとう。
































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熱帯魚好きの私は。

打ち寄せられた、流れ藻をランガンしてみるのだった。


採集できたのは、この、モンガラ?の幼魚だけであったが・・・。


他にも、魅力的な魚が可愛く泳いでいた。














海が本当に好きだ。


黒潮あたる、そこに僕は夢中になってしまう。



生後、40年の時を経ても。




五歳、十歳の子供と何ら変わりはないだろう。













それでは













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