2015年10月

強烈ファイティング

7月28日、29日の日記











台風等による時化を繰り返す中で。
たまたま、休みと立てそうな日が重なった。
もう、行くしかないだろう。
季節は本格的な夏へと。
歳のせいもあり、暑さが気になる。











初日はKN氏と合流する予定だった。
いつもの様に自身は遅刻。
移動中に氏から到着とご連絡を頂く。
その後、約一時間の後、自身も駐車スペースに到着した。
氏の車があるが、他にも何台かの車がある。
どうやら、氏は先に磯へと下りられた様だ。
歩きながら氏に電話してみる。
お話では、付近に数人が入られているとの事。
来て下さいとは言って下さったが、他の方々に申し訳なく思った。
残念だが、一人、第二ポイントへと向かう。










ポイント付近まで来ると異様な光景に足が止まった。
暗くてハッキリとは見えないのだが。
この先の磯が白く光って見えるのである。
狭く滑りやすい道を行くとズルっと滑った。
片腕だけで、タイドプールへと落ちそうになるのを耐える。
無理な恰好に、早速、筋が悲鳴をあげる。
何とかしのいで先に行くと、その白いものが分かった。



岩の上、一面に苔が生えているのであった。
おそらく、時化続きのせいで。
ずっと波を被っていたのだろうか。
普段は乾いている岩の上でさえ苔に覆われている。
そして、ここ数日は波が落ち。
強烈な真夏の日差しに炙られたのではないか。
そして、変色して、白色化しているのかと思った。
尚、濡れたスパイクで踏むと猛烈に滑る。
ただでさえ、足場が悪い場所だけに困惑した。








やがて、夜が明けてきて、釣りを始める。
まだまだ、ヘッドライトなしではよく見えない。
よって、すぐさま先へとは立てない。
ここは以前、不注意がもとで、あわや滑落となった磯でもあった。
岩にある窪み、突起にスパイクを立てて踏ん張る。
ウネリがある様で、少し先にあるシモリからは豪快に水飛沫があがる。
そいつが、たまに顔めがけて飛んで来るのがおっくうだった。
あまり、飛距離も出せない位置なだけに。
まずはミノーから始めてみる。
その後、ポッパーなどのトップに移行するが出ない。


はっきりと足場が見える様になった頃、先端へと歩みを進める。
しかし、もう、どうにも岩を捉えている感触がない。
本当、まるで氷を踏んでいる様である。
たまに、大きい波が来て、ざぁーっと磯をかすめて行く。
ともかく、白いそれは滑った。
しかし、そのままでは、沖に見える良さそうな流れに届かない。
そこで、少し波を見て考えた。
あの岩に馬乗りに跨ってみようと。
立って竿を振れば、おそらくは落ちる。
苦渋の策であった。
もっと、早くに来れていればこんな事はしなくて良かったのだ。



ペンシルを投げ、ミノーで瀬際も狙った。
ジグで潮を撃ち、ブレイクラインを丹念に探ってもみた。
しかし、まったくである。
シイラぐらいはあるだろう。
正直な気持ちである。
しかし、なんと、ダツさえも無い。
目立ったベイトも見えず、皆無であった。
完全に陽が昇った頃、あっけなくも心が折れてしまった。
潮変わりとか、何かの変化を期待するとか。
そんな気持ちは全く起きなかった。
ともかく、がっかりで落ち込むだけ。
疲れた、早く上がって寝たい。
それで、早々に撤収する。











磯から上がり、しばらくしてKN氏とやっと合流となった。
氏の方は何かしら魚が出たそうである。
それが、とても、羨ましかった。
真夏の太陽がジリジリと照らす中、二本目の磯に下りる気持ちは起こらない。
行けば、何が起こるか分からないのだけども。
そんな、心の元気は無かった。
そこで、氏と話し合い、涼しそうな河川に行ってみましょうとなった。
メッキにはまだ早そうだし、お互い、やった事の無い釣りをしてみようと。
その釣りとは、ルアーでやるチヌ釣りである。
きっと、ポッパーとかで狙うのかな?って感じで。
現地で一個だけ調達してみる。
ポイントも何も分からないので。
南紀在住の名人にメールで尋ねてみる事にした。
ちょっと、楽しんでみるなら。
素直に教えてもらう方が良いだろう。










大きく、移動する元気も無かったので。
とりあえず、近くの河川に行ってみる。
やぼったい靴を脱ぎ去り、サンダルを履いて水に浸かった。
わずか、くるぶしより少し入っただけで。
何とも涼しく、気持ちが良い。
夏は川というのもよく分かった。
ともかく、分からないだらけなのだが。
KN氏と二人でポコポコ。
たまに、バシャっと何かが出るが乗らない。
マイクロメッキが追ってくるが、出たのは、どうも違う。
セイゴか、はたまた、ウグイか。
忘れた頃に、バシャ!があるのが何とも楽しい。



あぁ、涼しいなと無心になっていると。
何か、大きな魚が戻って行く事に気づく。
おぉ!! 気を抜いていて分からなかったが、あれは紛れもないチヌではないか!!
それも、すこぶるデカイ!

こうして、チヌを狙ってはみているものの。
本心では、チヌがポッパーを襲うなんて信じがたいのである。
確かに釣ってみえる方々の写真を目にするのだけど。
私にとっては 「都市伝説」 の様な事なのだ。
しかし、気付かぬ間にチヌが寄って来ていた。
無論、これにてスイッチが入ってしまったのは言うまでもない。
夢中になって二人でランガンする(笑)
その後、KN氏はルアーを交換してバイトの嵐。
本命ではないが、ウグイを連続キャッチして楽しんでみえた。
釣れれば、それが何でも楽しいのが性である。
KN氏の顔が夕日に輝いていた。
今日のウグイ番長の称号は間違いないものとなった。










気がつけば、陽が沈んでしまった。
楽しい時間はあっという間である。
KN氏とお別れし、明日の釣りへと気持ちを研ぎ澄ませて行った。
のほほんと夏の一時を楽しんでいたものの。
一応、ちゃんと見るところは見たつもりである。
海辺を走らせながら、ある一点に目は釘づけとなった。
あの潮がある。
言葉ではうまく説明しがたいのだけど。
あの潮を自身は見て来た。
きっと、あるんじゃないか。
もし、無くても、そこしか頭には浮かばない。
磯は二つ。
どちらか。















早めに就寝したおかげで、目標の時間にきちんと目覚める事が出来た。
朝の儀式を済ませ、用意をして駐車スペースへと直行する。
車を進めて行くと、一台の車が見えた。
見間違い様がない。
yaku氏のものである。
偶然に釣行日が重なったのだが、久しぶりでとても嬉しくなって来た。
早速、電話をすると、すでに磯に向かわれてみえるとの事。
この波なら、こっちかな?と私が思っていた磯。
そこに、おみえになるそうだ。
お会いしたいのも手伝って、ご一緒させて頂く事にした。







磯に到着して、朝までお話をさせて頂いた。
元気そうで何よりであった。
やっぱり、海で会えるのが嬉しい。
自身はいつものタックルと、マイブームのベイトの方との二刀流である。
全然、使いこなせていないから。
使える様になりたいと。
実地訓練である。
練習といえど、実戦、磯でやりたい。






まず、何を結びますか?
お会いする度、いつもそう聞く私。
「ポッパーでしょ!」
半ば、合言葉の様なやりとりが好きで聞いてしまうのである。
共に、ポッパーが好きなのである。
しかし、この日の自身は違うものから始める。
なんとなく、今日はコレかな!?という思いがあった。
紫色に変わった空の下。
思い思いの足場へと別れる。
今日の釣りが始まる。









キャストを開始して、自身は早め、早めのローテーションで探る。
もう、魚は入っているのか。
入っているなら、何に反応があるのか。
今日は何なのか。

色々とやって来て、そういう風なスタイルへと変わっている様だ。
確かに、トップ、ペンシルオンリーとか、ミノーオンリーとか。
そういう、頑ななスタイルは憧れるものがある。
ビシっと狙ったピンで出す事も知らない訳ではないし。
ずっと投げ続け、唐突に出て来る事も垣間見て来た。
でも、何か、今は違う。



手を変え、品を換え、ここぞという時を待って期待したのだけど。
予想した時間になっても、まったく、何も起きないでいた。
そして、最近の悪い癖が始まった。
少し何も無いと、今日も何も無いと心が折れて来るのである。
所謂、これは気持ちの澱だと分かっていても。
積もれば積もる程、それに打ち勝つのは難しい。
特に、自身はプラッギングのみの際に陥りやすい。


そして、今朝もそうなってしまった。
投げるのが嫌になって来て、タックルを置いた。
そうして、立て掛けてあったベイトの方に手を伸ばす。
気を抜いてしまって、うまく、やれるかな?とベイトで投げる。
糸噛みを頻発しながら、噛まないでやれる飛距離は僅か。
調整とサミングで少しずつ、それを伸ばして。
慣れない、左手でのロッド操作に集中して。
下手くそなルアーの動きを目で追って行く。
何度も何度もそんな繰り返しで。
再び、糸噛みを起こしたその時。
隣のyaku氏が叫んだ。












驚いて、振り返る。
氏の全身の緊張に、それが、ただ事ではない事が分かった。
考えられない様なロッドのその姿、鳴り響くリールの悲鳴。
ともかく、糸を噛んで、キャストしたまま沖にあるルアーを回収しなければならない!
このままでは、魚が絡んでしまうかもしれない。
糸噛み、バックラッシュを解こうと必死になる私。
すぐさま、磯を飛び下り、よりよくファイト出来る位置へと出るyaku氏!!
走らせながらも、冷静に竿で聞き、今、魚がどこを走っているかを知る。
氏にはラインを通し、それが見えている。
岩の間を走って、潜って行ってる!!
そう、私に叫んだ。
そうして、叫びながら、片手はドラッグのノブに。
更に魚の行く先を聞きながら、一瞬で闘うその値を決めた。
そして、氏の反撃である。







私は必死でラインを解いていた。
これが、焦って、なかなか直らない。
何とか、ハンドルを巻きだした頃には。
氏の強烈な浮かせが連続する。
ガリガリと擦る!!と、その、嫌な感触を伝えられる氏。
そう、叫びながらも、鬼気としたファイトは全く衰える事が無い。
時間にして、僅かに、5秒か10秒ぐらいだろうか。
たまらなくなった魚が、ついに、もうそこまで浮いて来る。
そして、一気に足下まで寄せた。
違う! ヒラマサや!!
叫ぶyaku氏。
私はまだルアーを回収している途中。
動けない。
ランディングに行かないと・・・。
そう、思った矢先、氏はぐっとラインを更に巻いた。
っと、その勢いで、ロッドを振り上げる。
一瞬の間の後、ドスッ!っと湿った音が磯を響かせた。
暴れる魚体を冷静に押さえ込む氏。
震えていたのは私の方であった。
焦って何も出来なかった。
































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南紀ヒラマサ 

96センチ 7.7キロ !!!




























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素晴らしい釣りでした!!

貴重な魚、本当におめでとうございます。































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ずっと、ずっと前から使われてみえる、
氏の愛竿 WB100HS  にて。










もう、嬉し過ぎて、取り乱してしまいそうであった。
そして、氏の強いファイティングを見て、ただただ、驚くばかりであった。
記念撮影をさせて頂き、胸が熱くなってお声を掛けさせて頂いた。
後に、手際よく、昇天の儀式へと入られる氏。
私は再びタックルを握りしめる。
冷静さを欠いた自身、殺気の塊にとなっていた事だろう。
数投の後、氏の瀬へと投げさせて頂いた。
沖から、速い速度でペンシルを引いて。
瀬の際でゆっくり泳がせる。
更に、磯際へとルアーが寄って来たところで。
ぶわっと水面が盛り上がってバイトした。
一瞬だけフックが捉えたが、すぐに何も無くなる。
おそらく、青物に間違いはない。


次いで、ミノーを引いていると。
キャストしてすぐで、ゴン!っとヒット。
水面下にギラリと横っ腹を見せるや否や、フックオフしてしまう。
だめだ、もう、時間が無い!!



再度、ペンシルへと換え、遠投にて激しく動かせた。
バシャン!っと水飛沫が炸裂し、今度はガッチリとフッキングも決まる。
来た!!っとファイトに入ると、グググっと走って、ふいに飛んだ。
まさかのシイラである。
外れそうもないので、全力で巻いた。
ともかく、時間が惜しいので。
手前まで一気に来て躊躇する。
ペンペンやのに強いなと思ったけど。
抜いたら、楽にメーターはある雌であった。
なるべく傷つかない様にして帰ってもらった。
yaku氏は持ってみえたタオルを海水に浸して。
ヒラマサの上に被せてみえる。
しかし、さすがにこれ以上は魚が傷んでしまうだろう。
そうして、納竿する事にした。












駐車スペースで氏と別れた後、再び、磯に立つか悩んだけど。
この朝、ベイトロッドを持った時点で、私は負けなのだと思った。
本当にあの潮は魚を連れてきてくれたのだけど。
私の釣りではダメだったのだ。
それが、分かった事も。
また、有り難いではないか。

そうして、帰りながら、いくつかの河口を回って行った。
なるほど、大型のチヌは沢山いるのだけど。
まったく、ポッパーには反応しない。
色々と反応する為の条件に満たないのだろう。













それでは











挑戦 第二弾

7月22日、23日の日記











憧れの海域でのジギングをしてからというもの。
釣りに行けない日は、ずっと、妄想をする毎日であった。
手持ちの道具、少しだけ買い揃えたジグで挑んだものの。
いざ、釣りをしてみると、全くもって思う様に行かなかった。
そこで、何とか、記憶に残っているイメージに近づけたいと。
釣具に思いを巡らせてみる。



もちろん、私だって、ネットを調べるし本も読む。
その、類まれなる海での、近年の道具の傾向性についても学んだ。
そしてまた、昨今のブームの釣法についても紐解いてみた。
おそらくは、某社のハイピッチやスロージャーカーを真っ先に手に入れれば。
最短距離で理想に近づけるかも知れない。




しかし、それでは、何か満足できない自分がいる。
私には、ジギングは船だけのものではないのだ。
ショアのジギングを、より深めたいからこそのオフショアでもある。
ゆえに、考え、模索し。
トライ&エラーを繰り返し感じて行きたい。
だから、回り道を選んだ。





























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我ながら、予算も無い中で、短期間によく集めたものだと思う。
一度、熱くなってしまうと、どうにも止められない性分なのだ。
とはいえ、かなり、自重はしたつもり。

新品購入の方がお買い得なものはそうした。
うまく、デッドストックをオークションを利用して手に入れた。
無論、中古販売にて多くを取り揃えた。

ロッドに関しては、全くの想像、イメージで選んだ。
うまく言えないが、ハイスピードとスローピッチが共存出来ないかと。
見当違いであれば、まったくのムダ金と消える。
そんなリスクを背負っても、自身で確かめたかった。


















オフショアでの実釣は初日の一日だけである。
ギリギリの予算の中での釣りだ。
単独での釣行であり、この連休の間、他のお客さんがいなければ船は出ない。
選ぶ術は無かった。
たまたま、初日に乗合いが叶うとの事。
それに、便乗させて頂く事とした。

気がかりなのは天候である。
台風か何かは忘れてしまったが、天気予報は荒れ模様。
事前の波予測では、2.5~3メーターにウネリありとの事だった。
言っても、自身は船にはめっぽう弱い。
ここ最近、酔わなかったのはたまたま波が無かったからである。
時間にも余裕は無く、徹夜の状態で挑まなければならない。











いよいよ、出船の時となった。
酔い止めを飲んだり、船酔い対策だけはしかっりとしたつもり。
自身より早く、二人組のアングラーが船尾に道具を運びこまれた。
私はほぼ中央の部分に荷物を降ろす。
舵を握って下さるのは前回と同じ船頭であった。
今日はもう一人、アングラーとして別の船頭が乗られるとの事。
おそらくは、船頭が前におっしゃってみえた、お兄様なのでは?と思った。
出船前の準備の最中、その彼の道具に目をやる。
現物を見るのは初めての凄いものばかりだった。
やがて、船は静かに港のある湾を出て行く。
沖に向かうにしたがい、だんだんと壁に見える波の中へと入って行くのだった。














今回は浅場はスルーであった。
いきなり、潮中へと突き進む。
ウネリは更に激しくなり、とても、何かを掴んでいないと真っ直ぐに立っていられない。
丁寧に潮を見られ、船を操られ微調整をされる船頭。
やがて、合図と共に今日の釣りが始まった。

少し沖には、やはり、前回に大物を仕留められた餌の船もいる。
おそらくは、まだ、薄暗い内が勝負なのだろう。
年配の方三人が、太仕掛けを巧みに操られていた。


自身はその様子を見たり、遠い沖を行き来する大型の船舶を見送りながら釣りをした。
いわんや、手元や海面を見て、酔ってしまうのを避けたいからであった。
ずっと、降り続く雨が勢いを増してくる。
合羽はバチバチと音を鳴らし、顔を打つ雨が痛い。
ともかく、大きなウネリと、複雑で強い潮流が船を激しくアップダウンさせていた。
船べりに、下半身を押し当てる様に預けてそれをやり過ごす。
ともかく、まずはフォールスピードの速いジグでのファストアクション。
まず、それで反応を見る。











二度ほど流し、再度の流しに入った頃、それはふいにやってきた。
頭痛と共に目眩の様な感覚を一瞬おぼえると。
一気に、グワッと内臓をかき回されたかの様な悪寒が走る。
すると、次の瞬間、強烈な気持ち悪さが襲ってきた。
まったく身動き出来ず、その場に立ち尽くす。
今度は寒気がして、異様に冷たく感じる汗が流れ始めた。
ギュンともう一発、今度は腸の部分がよじれる。
吐き気と下痢の感覚のダブルパンチであった。


「吐いては、ましてや大をしては・・・皆に迷惑がかかる・・・。」


頭の中は、その、両方の衝動を抑える事しかなかった。
たまらずに竿を置き、荷物の傍らに崩れる様にして腰を下ろす。
ただ、じっと座っているだけなのに。
嫌な汗が噴き出して来る・・・。
ともかく、ともかく、我慢するしかない。









感覚にして、約20分ほどが経過しただろうか。
この、船酔いなのか、急な体調不良によって。
貴重な潮中での釣りを棒に振ってしまった。
他の三人の方達は釣りをされたが、誰にも良いアタリは無かった様だ。
その後、70~90メーターラインを探った後、船は少し深い場所へと大きく移動する。
そちらは、だいたい、130~160メーター程の水深があるらしい。
ほどなくして、トモにみえたお一人の方のロッドが絞り込まれた。
底を切ろうと、渾身の力で浮かせにかかられる。
竿は強烈に叩かれ、バットまで見事に曲がっていた。
やがて、浮いて来たのは、見た事もない様な立派なマダイであった。
比較的小さい、特徴的なジグでのヒットのご様子で。
貴重なものを見せて頂けたと思った。






少しだけ、うねりが小さくなってくると。
何とか、自身も釣りを続けたいという気持ちになってきた。
なんというか、ずっと気持ち悪いので、吐き気に慣れて来たのかも知れなかった。
どうしようもない便意だけは収まってくれた。
しかし、ここの深さは自身には破天荒であった。
いくら、丁寧にジグを送っても。
着底までに相当な時間が掛かる。
おまけに、二、三度と底をとると、もう、まともにシャクル事が出来なくなった。

皆さんは普通に釣りをしてみえる。
自身は大きくシャクっても竿に吸い込まれて行くだけ。
そして、曲がった竿は跳ね返っても来ない。
私にはどうしてもアタリは出なかった。
そんな中、他の方々には根魚、大型のムツなどがヒットして行った。
どうしても気になって、竿を振る船頭に今のグラム数を聞いてみる。
返ってきたお答えは 「450グラム」 との事。
さっきまでは、500ちょっとまで使ってみえたそうである。
もう、何から何まで、私とは全然違う。








やがて、再度、潮中に戻り。
数流しを繰り返したが、誰にもアタリは無かった。
少し移動した岸寄りの110メーターラインに。
ハチビキと思われる反応が出ているとの事。
分からないながら、少しシルエットを小さくし、スイミングをイメージするとゴゴン!っと来た。
嬉しい初物、ハチビキを釣る事が出来た。
潮に押されながら、今度は違うアタリが出る。
釣れたのは少し小さくなったムツ。
かなり、数がまとまっているらしく。
他の方にもポツポツとアタリが出る。


私もすぐに釣りを再開したが、これが、なかなか当たらない。
きっと、アクションの再現性があるのだと。
ファーストヒットを思い出して探るが。
どうしても、シャクリでは喰わなかった。
そこで、もしやと思って、リトリーブだけを入れてみる。
すると、止めた瞬間にコツン!
何か分かりかけた一尾であった。
しかし、すぐに、再現するも、またアタらなくなってしまう。
無いアタマを振り絞って考えて。
もしかしたら、酷いウネリが邪魔をしているのかと思った。
もう、慣れてしまってはいるが・・・。
実は、とんでもなく、船が上下している事を思い出す。
そこで、ココかと思う層でまったく竿もリールも止めてみた。
幸いにもこれが功を奏し、立て続けに二匹が釣れた。


もちろん、今までのショアの釣りで。
足場が大きく上下する様な事は無かった。
本命のアタリを得る事は叶わなかったが。
繊細さを垣間見れた事は貴重な経験となった。
























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船としては貧果なのでしょうが。
私には嬉しい嬉しい釣果となりました。
ムツの連続が有り難かったです。
しっかり、寝かせて食べて下さいと船頭。
熟成を楽しみに潮氷にして、船宿を後にしました。


















二日目の朝、気になっていた磯へと向かった。
他には誰も居りはしない。
波が残っており、立てる場所は限られたが。
海をみる限り、雰囲気はかなり良く見える。

















20150723_070049
















しかーし。
暗い内からずっと投げましたが。
チェイスするその姿を見る事は出来ませんでした。
様々なプラグで探りましたが何もありません。。。













磯は諦めて、よく行く港へと立ち寄ってみた。
何か、ジグで釣れる魚はないかな?
そう思って、ライトタックルで投げてみる。
しかし、やはり、ここでも反応は無い。
出そうな海底の変化、潮の流れを意識してみるも。
丁寧に探るも。
まったくである。



そこで、普段、あまり投げないインチクでやってみる。
いきなり、ガツン!!
ぎぃゆぅぅぅー
びっくりした!

























20150723_084427















やったね!!

険しい根周りだったので冷や汗をかきました。
今回は冷たい汗ばかり。
ふぅー
























20150723_085530















すぐに同じ根でヒット!
三度目もカツンっと金属的な感じが出ましたが。
乗せられませんでした。






















20150723_095318



























その後はこの子に弄ばれて納竿です。
キタさん、かなり獰猛ですね。

























20150723_162819















自宅に帰り、クーラーの海水を流していますと異変が。
オオモンさんの口に白い何かが見えます。
まっ、まさか、ついに自身も 「ウオノエ」 と遭遇かと焦りました。

























20150723_162826







































20150723_164214















どうやら、コウイカの赤ちゃんの様です。

赤ちゃんイカとキャスティング・インチク・・・。
うーむ、何だか、そうかも知れませんね。

ジグでイカを演出出来ていなかったのですね(笑)
やはり、海は深いです。






















20150724_201449















丸二日寝かせた、葉血引とムツのお造りです。
甘し!!





















20150724_201349















葉血引のアラを塩焼にしてみました。
まいうー












大きな散財とはなりましたが。
今回も面白かったです。
道具は半ば失敗。
海で答えを見つけて行ければと思います。







それでは















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