7月1日の日記


連日うだるような暑い毎日が続きます。
先日のニュースでは私が住む地域が全国で一番暑かったとの事。
早くも夏バテぎみのRockBeachです。
そんな暑さにも負けない位に釣りに熱くなっているのではありますが・・・。
どうもここ最近の釣りで、出口の見えないトンネルに入ってしまった様です。この一週間も家でも考え悩む毎日でした。


私がこの釣りを始めた時、周りには誰も経験者はいなかった。
良い先生も教科書も私には無かったのである。
良さそうなルアーを手に入れはしたが、どう使って良いのかも分からずに今まで来たと思う。
たまにポツリ、ポツリと釣れはしたが、やはり今も圧倒的に分からない事ばかり。
青物だけに答え合わせの機会もまた少なかった。
そんな自分だからこそ、常識やセオリーにあまり縛られず自由な発想で色々と試してこれたのかもしれない。
最近はあるペンシルルアーの釣りにこだわっていた。
魚の気持ちは分からないが、とにかく自分にはとても魅力的なベイトに見えたのである。
回数はしれてはいるが、青物にも外道にも好評だった日もあった。
とにかく、プラッキングの釣りで初めての自分の勝負球ではないかと思ったのである。

しかしながら、色々と考えた結果、あえてこのペンシルの釣りを一度休止しようと決断した。
自分では今もこの釣りに可能性を強く感じてはいる。
しかし、もっともっと様々な状況に対応し、また狙う魚ごとにグッとくるルアーやアクションを学ぶべきではないか。
もちろん、たとえ一匹でも釣れたならば気持ちは楽にはなるだろう。
本当は夜明けの最高の時間帯には一番可能性がある事をしてみたい。
しかし、今の時期においては、短かすぎるその瞬間に確かめてみない限り、なかなかその答え合わせも出来ないのではないか・・・。
そんな思いを胸に今回も南紀を目指したのである。


自分の中で固定観念に縛られたくはなかったので、今回入るポイントはあえて初めての場所にした。
ベテランの方に笑われるかもしれないが、近くに感じて正直かなり厳しいルートであった。
初めての場所だけにたっぷりと余裕を見て出発する。
結局、薄明るくなるまでに一時間少々待つことになった。

まず、結果から言うと今回も釣れなかった。
五時間以上頑張ったのではあるが変なショートバイト二発で終わった。
まあ下手な私はこんなものである。
釣りの事は上手な方におまかせする事にして(笑)
今回はちょっと違った日記にいたします。


薄暗い内からセッセと投げては巻きの繰り返しであった。
気持ちばかりが焦るのだが、もうどうにも当たらないのであった。
そろそろ何か別の事をしようとトップを引いていた時、わずかにクンっと違和感が手元にきた。
おそらく浮き藻でもひっかけたかと巻いてくると海藻では無かった。

いったい誰や!? こんな大量の太いPEを海に捨てるアホは!!
巻き上げてきたトッププラグを見ると、ぐしゃぐしゃと青いPEが巻きついていたのである。
そろそろジアイ終了か!?っという時間帯であったので焦ってそのPEをほどこうかとした時、ふいに違和感を感じて手を止めたのであった。

何やねん! ビニールまで付いてるやんか・・・。
まるで魚の浮き袋か、うすうすのコンドーさんの様な透明の風船まで付いているのだった。
手を伸ばしかけたその瞬間! ふいに昔の記憶がよみがえってきた。
私は小学生の時にダイバーのライセンスを取得している。
毎日、厳しい練習に耐えて名古屋まで通っていたものだ。
一瞬にして20年以上前に頭はタイムトリップしていた・・・。

ヤバイ!! はっとして手を止めた。
もう分かってらっしゃる方もみえるでしょう。
それは青い6号のPEでもコンドームとも違うものだった。

「カツオノエボシ」

南洋の沖合に生息!?するクラゲである。
名前とスケッチ画だけは頭の片隅にあった・・・。
まさか南紀のショアで出会うとはネ。
詳しくはネットで検索してみて下さい。

マズメ時だったし、ニッパーにて外した瞬間にペッタンコになった為、今回は写真は無い。
ただ・・・青いPEの様な触手だけは磯の上にしばらく張り付いていた。
家に帰ってネットで検索してみると・・・。
あまりの激痛にショック死した方もみえる。
触れただけで皮膚は赤いミミズ腫れになるとの事だった。
自然界では青色のものは警戒色といい、また毒性をもったものが多いと聞いたことがある。
もう不気味な程に青いPEそっくりであった。

しかし、どうやら巻き上げた時にそのクラゲから滴る海水を浴びたかもしれなかった。
沢山の浮き藻もまたひっかけたのだが、もしかするとソレが体に触れたかもしれない。
前日から不眠で来ている為、潮がまったく動かない時間に少し横になっていたのだった。
しばし磯でウトウトとしてしまっていたのだ。

数年前の話ではあるが、志摩の有名ビーチにて当時の彼女と軽くシュノーケリングしていたことがあった。
少し潜って魚を観察していた時、ふいに磯に生えている海藻に腕が触れた瞬間! まるで電撃ショックをくらった様な激痛が走り急いで浜に上がった事があった。あまりの痛みに溺れそうになったほどだ。
一日たって腕は奇妙な色に変色し、痛さと猛烈な痒さで寝ることすら出来なかった。狂った様に掻きむしり数週間も治らなかったのである。

どうやら何か知らないが、目を覚ますと右腕に鋭い痛みが時折走るのだった。日焼けのせいだろうと無視する事にしたのだが・・・。
何故かは分からないが、波飛沫が触れたり雨が腕に当たるとピリっと激痛が走るのであった。
結局、こうして一日たった今、右腕だけに先端に白い水疱をともなった小さな腫れがポツポツと出ているのであった。
はたして、クラゲによるものなのか、はたまた海藻なのか、寝ている際に触れた何者かは特定は出来てはいない・・・。
何にせよ今回の釣りでは何かの毒に触れてしまったのだった。


実はこの日、普段仲良くして頂いている数人のアングラー達が同じく南紀に来ていたのだ。
皆さんそれぞれに釣る魚、狙う場所など全て違う。
滅多とない機会であるので、腕の痛みも忘れてご挨拶にお会いする事にした。
Y氏はとある場所にてストイックに釣りをされ立派なヒラスズキを釣られていた。
また、約一年ぶりの再会となるH氏は厳しい状況のもとアオリを釣ってみえた。
会えなかった方々もみえるが、今日この日に不思議と南紀入りされていたのが何だか嬉しかった。

どうにも上手く行かない日々を過ごしているのだが、これもまた修行の道であると思う。
こんな私に沢山の事を学ばせてくれる方々に本当に感謝しています。
それでは。