12月8日の日記


今回はアオリイカを求めての釣りです。

エギング入門者の職場の後輩に、念願の初アオリを釣ってもらおう!ってプランです。 


釣行前の天気予報では、かなりの北風、波高3メートル。

入門者とはいえ、尾鷲出身で子供時代から地磯の釣りをしてきた彼に心配は無いのですが…。

それよりは、この荒れの中でアオリ釣りが成立するかどうか。

不安を感じつつも南紀に向かいました。

 

道中、熊野周辺ではまとまった雨。

この雨で風が収まらないかなぁ…。
そんな希望を胸にひた走る。

幸運にもその願いは現実となり、南紀到着時には雨も風もやんだ。

 

最近、父となった若い彼。
なかなか、釣りに注ぐ時間も、予算も限られている。

しかし、その釣りへの情熱はかなりのもの。

少し空いた時間をみつけては、近場に釣行を繰り返していた。
バス用のベイト竿にメバリング用のスピニング、ラインはナイロンと決して釣りやすい道具ではない・・・。
うまく行かなかったり、失敗したりもしたが、それでもコツコツと通い続けていたのである。
そんな彼に少し前の自分を見た様な気がした。
大きなお世話かもしれない。
だけど、手元には殆ど使用していないエギングタックルがいくつかある。
倉庫の隅でホコリまみれになるより、ガンガン使って欲しい。
道具もまた本望だろう。
今は使っていないロッド、ステラを少し前に彼にプレゼントしていたのだった。

ライフジャケット、磯靴、グローブ、ヘッドランプなどの最低限の装備は、当然に自分で揃えてもらう。
安全第一である。

 

まずは、ウォーミングアップと、軽く漁港で釣りをしてみる。

また、嫌な風が吹き出したので、風の中でうまくエギを沈めるコツを少し伝える。
潮止まりであったが、開始早々に彼にヒット!

残念ながらアオリではなく良型のコウイカちゃん。

とにかくやったね!! 


アオリかどうか、それは特に重要ではない。

何より、人生初のイカに二人で大喜びであった。

しかし、その後すぐに悲劇が彼を襲う。 

入門者の彼には激しいシャクリも、難解な連続ジャーク、ダートもまだ無縁である。

単シャクリではあるが、しっかり丁寧に繰り返す。

次の瞬間、パーン!!という音が暗闇に響いた…。

 

まさか、これほどまでに簡単に折れるとは…。
O社のそのロッド、継ぎ目の少し上で無残にも真っ二つになってしまった。
何が起こったか分からない後輩。
やっと状況を理解すると、僕なんか間違った使い方したのでしょうかと、申し訳なさそうに何度もつぶやいた。
自分が使っていた時は何も違和感は感じなかった。
決して彼が変なシャクリ方をした訳もないし、ロッドをぶつけたり、傷ついていた訳でもなかった。
いつか道具は壊れるとは思う自分であるが、さすがにこれには腹が立ってきた。
そういえば、先輩も購入して間もなく折れたとおっしゃってみえた・・・。
有名メーカーの、そこそこ値段もするロッドである!
O社が根本的な品質の改善や、丁寧なアフターケアをする様に改めないならば私は二度と購入はしません!!

そんな事で沈んでしまっていてはいけない。
まだ、南紀に到着したばかりである。
私のメインロッドを彼に使ってもらい、自分はサブで釣りをする事にした。
夜明けまでにはまだ数時間あるが、二人なら怖くないと月も見えない真っ暗な磯に向かうのだった。
やはり、いつもより波も高いし、少しウネリも入っている。
しかし、ココは波が直撃する心配はない。
竿を出し始めた頃から、どんどん潮も動いてきた。
潮が満ちてくるにしたがって、なかなかエギを底に送り込めない状況となって来る。
複雑に動く潮、そしてかなりの水深。
何度もキャストを繰り返し、ただ一点のスポットを探して行く。
潮の緩みであろうか? ピタっと合うと不思議にも何の操作をする事なく綺麗にボトムまでエギは沈んで行く。
よし、うまく入った!!

アレ!? 反応が無い・・・。
いつもなら、もう間違いなく抱いている。
しかし、まったく何も無い。
おそらく、二度、三度とこんな事を繰り返して悟ったのであった。

「今日は私の腕では厳しすぎる・・・。」

自身のキメのパターンで全く反応が無いと、どうしようもなくなってくる。
いわゆる、交通事故的に乗ってこないかという釣りとなってしまう。
持てる引き出しの全てを試してみたのだが、どうにも突破口を見つける事は出来なかった。

やがて夜が明け、少し離れたポイントに青物タックルを持って一人立ってみる。
波、そしてウネリもきっと今日のマックスであるのだろう。
頭から波飛沫を被り、大波に膝くらいまで洗われた。
下半身にGORE-TEXをまとわなかったのが失敗である。
結果、パンツの奥まで海水でベタベタに濡れてしまった。
寒いこの時期、濡れて体温が奪われるならばもう、THE ENDである。
とてもじゃないが、釣りに集中などしていられない。
腕時計が示す気温はマイナス一度であった。
とにかく、熱い風呂に入りたくて街に戻る。
しかし・・・不運にも風呂屋はどこも休館状態。
便利な温泉さえも、シロアリの被害とかで臨時休業との事だった。
凍えながら車の中で仮眠する。
しばらくして起きたが、どこも利用できる風呂屋は無い。
寒い公衆トイレで仕方なく着替えるRockBeachであった。


しばらく時間をおき、ここぞというポイントに入る事にした。
しっかりしたワンドである。
しかし、全くエギに反応は無い。
ここで最近ハマっている餌を投入する。
第三プランであるオカズ釣りに転じてみる、
しかし・・・釣れてくるのはキタマクラばかり。
かなり良いサイズのキタマクラが一家で釣れてくる始末。
後輩も爆釣している(笑)

まったり過ごしながら夕暮れを待った。
いよいよ、いよいよのタイミングである。
正直、予定ではもう帰路についている時間だ。
それほどまでに厳しい。
ここで後輩のキツイ一言。
Rockさんがアオリを釣っている姿を見たかったんです・・・。
もう、これは考えている余裕などない。
無言で真剣モードで釣りをして行くのだった。

急に潮が緩んだ。
今まで抵抗を感じていたシャクリも、途端にスカスカと頼りないものになる。
おいおい、これじゃまるで湾内の堤防より酷いじゃないか!?
そんな事を感じながら宙層で止めていると・・・・。
パチンっと小さく何かが弾いた。

んんっ!!
条件反射的にパニックモードを演じてみる。
しかし何も無い。
諦めて次の動作に移ろうとした時、フワっと何か軽くなった。
そこで更に2発のダートを入れてみる。
クッ・・・。
短く、軽く、違和感が伝わってきた!
すぐさましっかりとフッキングを入れる!!
ドン!! おそらく、自分はこの瞬間がたまらないからエギングをやっているのだろう。
朝から晩までかかり、やっとイカの反応を見る事ができました。


P1000780
おそらく、700あるかないかのアオリです。
渋い中、本当に嬉しい一杯。

チャンスタイム突入か!?とキャストを繰り返したがその後は続かず。
そろそろ帰るかなって事で磯上がりとなった。
車まで戻ると後輩がつぶやく。
「アオリ釣りたかったっす」

まーだ帰るワケにはいきません!
ともかく、ともかく一杯だけでもとの思いで、Rock秘蔵の場所に行ってみる事にした。
ココで駄目なら諦めようと伝える。
おそらく、数投で分かるはず。
私は竿を持たず傍らで応援するのみ。

きゅんきゅんきゅんっと穂先が動いた。
ああ! かかりました!
そう、ココは子イカの楽園である。
サイズよりもまずは思い出の一杯。
私のエギングもそうして始まった。
コツをつかんだのでしょう。
後輩はメキメキと良いアクション、そして抱かせの間を生み出して行く。
やっぱ、子供時代から沢山釣りをしている海の男は凄い。
いつの間にやら、ワンキャスト、ワンヒット。
大粒の雨が落ちてくるまで、数分でパタパタと釣った。
「もう、イカ釣り、むっちゃ楽しいっす!」
子供の様にはしゃぐ彼を見て思った。
やっぱり釣りは、どんな釣りでも楽しいものって。
釣りに来て良かったと笑う彼の笑顔は輝いていた。


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本来はリリースすべき子供たちです。
記念すべき初アオリなので・・・おおめに見てやって下さい。
H君、おめでとう!!

それでは