3月23日の日記


この度の、東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。




私の日常でも色々とございまして、お恥ずかしながら、ただ今、財政危機のピークが続いております。
そんな理由から数週間、まったく釣りに行けない日々が続いていました。
行けない!っと割り切る為に、海況をチェックする事も止めましたし、すすんで仲間の釣行話を伺う事もしませんでした。
私の好きな三重、そして南紀の海がどうなっているか殆ど分からなくなりました。

連休がもらえる事になって釣行を計画し始めた頃。
先輩や仲間からも景気の良い青物の話が徐々に届く様になりました。
釣行前の三連休には、かなり良い思いをした方、悔しい結果にはなったが、興奮する釣りをされた方々も
各地でメジロが好調との事でした。

ただ、どうしても、私には釣れるイメージがわいて来ないのでした。
何故かは自分でも分かりません。
元気がないからなのか、海から遠ざかっているからか、はたまた海況データを見て感じたのか・・・。
この好調が自身の釣行日まで続くとは思えませんでした。
しかし、貴重な釣行ですから無駄には出来ません。
やるからには本気で。
久々の釣りの準備に、かなりの時間をロスしましたが南紀に出発です!
おへそがかなーりヒン曲がっているRockBeachですから
好調とのメジロ釣りには向かいません。
とりあえず、初日はシオ釣りをしてみる事にしました。



ポイント到着は午前6時頃。
ずいぶんと日が昇るのが早くなった。
この頃にはもう、十分に空は明るくなっている。
しかし何という風か!!
薄暗い内は微風でしかなかった風が、ポイント到着と共に体感で10メートル程に変わったのだ。
幸い、このポイントでこの風向きでは横から風を受けはしない。
真正面から受けるかたちになるので、とりあえず釣りにはなる。
しかし、30グラム程度のルアーでは20メートルほどしか飛距離が出ないのであった。
その潮目に、その流れに、またヨレや緩みにルアーが届かない。
仕方なく、潮が動いてはいない足元の沈み根周辺を丁寧に探って行く。
しかし、何の変化も無いままに朝の時間は過ぎて行った。

完全に空が明るくなるとしばらくして、流れの変化にベイトが集まってくる様になった。
ベイトを確かめようとミノーを意地悪に通してみる。
途端にピチピチとベイトが水面を舞うのだが、体長にして約3センチほどだろうか。
何の魚の稚魚かは分からないがかなりサイズが小さい。
トウゴロウやキビナゴ、イワシなどのベイトを探してはみるが、目で見える範囲には泳いでいない様子だ。
ともかく、シオ、そしてマシなベイトの回遊を待つ長期戦を覚悟した。

使えそうなルアーを数個、アクションやスピード、レンジを変えながらローテーションをして行く。
しかし、全くチェイスは無い。
ベイトがボトムに張り付いてやしないかとジグで底を探ってもみる。
しかし反応は無い。
久々のジグではあるが、正直、まったくきれいにジグを泳がせている感覚がなかった。
ジグは本当に難しい。
見えないから想像や感触に頼るしかないが・・・。
どうやら、ジグが釣れないのではなく、私にはジグで釣れる動きが出せていない様に思うのだった。
今、ここでジグの練習などしている場合ではないと思った。
ジグにてカバーするレンジの仕事を、プラグでやるしかないと判断。
小柄でしっかりウエイトがあるプラグでジグに近い動きを与えて行った。

何時間キャストを続けても全く何も起きない。
海はその間にも変化を続けるのだったが、これは!!っという流れになかなか変わらないのだった。
不眠不休で来ているので、場を休ませる為にもここで少し磯寝をする。
起きたのは11時頃だったろうか、小一時間ほど眠っていた様だ。
眠気まなこを擦り、ぼんやりと海を眺めていると、一瞬とんでもない光景が飛び込んで来た。
何かが跳んだが何だったのか・・・。

再び戦線復帰してしばらくすると、ようやく良い感じの流れとなってきた。
よし!っと気合を入れ直し、沖の流れを攻めていた時。
足元から一瞬、バシャ!っという音が聞こえてきた。
すぐに、隣にいたグレ師が、兄ちゃん!今ここで、その白い泡が浮いている辺りで出たぞ! はよう投げえーっ!!と言ってくれる。
シオなら反転してもう潜っているなとは思ったが、せっかくだし
ポイントまで空けて頂いたのでキャストさせて頂いた。
やはりというか何も起きなかった(笑)

更に時間だけが過ぎて行った。
一時間、二時間、まったく何も変わらない。
簡単に言うとハズしたのである。
予想では・・・おびただしい数のシオが狂喜乱舞する予定であった(笑)
情報からの予想(予定)ではなく、この潮ならば高確率で来る!
そう読んでいたのだった。
休憩中、その場のグレ師数人と談笑させて頂いた。
数日前からこの場所に通ってみえる方がお二人みえた。

話によると、昨日、そして一昨日は凄かったと言う。
海一面がシオだらけになり、逃げる小魚で海面は真っ白に見えたと興奮して話しておられた。
オキアミには食わんのじゃーっと苦笑いしてみえる
それがどうも、昨日の午後位から何か潮が変わった様だと。
何に対して、その潮が肝心なのかは分からない。
ベイトに対してなのか、シオに対してか。
また、その他のものに対してなのか。
いずれにせよ、今まで想像やイメージでしかなかった事が実際、身で感じれた事は大きな収穫であった。

そろそろ心身ともに限界が近づいてきたのでラスト30分にかけてみる。
もはや、自身の引き出しは全て使い果たした。
困った時、私は広範囲をゆっくりとミノーで探って行く。
何十回と投げては巻きを繰り返している内に、心が無心になってくる。
海面をぼんやりではあるが広範囲に見ながら巻いて来る。
すると、視界の片隅で何かが動いた気がした!
すぐにそちらを見るとグレー色の魚が水面直下を走ってきた!!

やっと、シオの登場である。
かなり遠くから一気に近づいて来る。
ルアーまで約5メートル程の所に来て、一瞬、速度を緩め身構えている様に見えた。
それは奴が攻撃態勢を整えている様に思った。
澄み潮で底まで見える程のシャローにいた為、姿がハッキリと見える。
体長約50センチ、グレーの魚体に目元の濃いライン。
しかし、私が知っているシオとはどうも体型が違う。
少しだけ頭が小さく、やけに目立つ背ビレが目にとまった。

休まずリトリーブを続けると、再び勢いよく追ってきた。
しかし、もうルアーを上手く泳がせるには、足元近くまで来過ぎている。
いつもこうだ(笑)
少し巻く速度を落し、トゥイッチ入れた瞬間だった。
奴はそれがベイトではない事を理解し、ヒュンっと身をひるがえし沖に消えて行ってしまった。

多くのシオが群れでいる事が多いのだが、今回はコイツ一匹だけの単独行動であった様だ。
その後も海を凝視しながらキャストを続けたが二度と目にする事は無かった。
食わせるのがとても難しいシオ。
それも一匹で、一瞬のチャンスでは手強すぎる
厳しすぎるこんな時、やはり僅かなチャンスをモノに出来るのと、そうでないのとでは雲泥の差があるのではないか。
とても悔しいが、ルアーでもタックルのせいでもなく、やはり自分の腕をみがくしかないのである。
ムキィィィィィー!!!

それでは