6月10日の日記




ここ最近、色々とありました。
バースデーを前に気持ちが滅入る事が。
もう遠い昔、思えば成人をむかえる前より、
そんな時、いつも海を目指しました。
職場や家で独り悩むのか、それとも海を前に考えるのか。
現在の私も、迷うことなく海に向かったのでした。




とはいえ、いまの自分は手ぶらで海に向かう事はない。
勿論、竿を持ってである。
苦しい時も釣りをする。
私にとっては、余裕があるから、楽しいから釣りをするのではない。



悩みに翻弄されながらも、自分なりのデータを見て決めて行った。
おそらく、今回の釣行には、特別に期待出来るものはないだろう。

しかし、そんなものは思い込みだ。

実際、その場に立ち、竿を振り続けなければ分からない。
ともすれば、自身の凝り固まった感覚にのまれそうになる。
おそらく、自身が抱く悩みもそうだろう。
狭い自身の殻を破らない限り、光明は見えてこないのではないか。







南紀に着いたのは午前3時を少しまわった頃であった。
のんびりしている余裕はない。
急いで準備をして磯に向かった。



今日の海は静かだ。
意識して見てさえ、何も気になる事はない。
まずは状況を見て、今日、これからの攻めを考える。
この状況では、広範囲をサーチしていくのは難しいと判断。
いきなり、ピンポイントの狙い撃ちをするのだった。
直観でルアーを選び、信じるアクションで誘う。



しかし、何の反応も得られない。
まだ、ここに魚は着いてないのだろうか・・・。
すぐにルアーを交換して狙って行く。
しかし、何も起こせやしない。







様々な事を試しながら、やっとキャストするその手を止めた。
おかしい・・・。
今日の海には欠けているものがあった。








ダツがいない!!
(正確にはオキザヨリ)








鋭い歯で、ルアーを傷つけ、リーダーをボロボロにする厄介者ではある。
重量級ともなればゆうにメーターを超え、ランディングにも手間取る事もある。
しかし今回、その、ルアーマンの嫌われ者であるヤツらがいないのであった。








邪魔者がいないのは好都合ではないか!?


私にはそうは思えない。


そこにいて、当然の魚がいないのだ。
何かの理由で、ソコにいないのではないか。
その時の自身にはとてもネガティブな事と感じた。








明るくなってくると、やがて海の中も見える様になって来る。
別段、潮の色は悪くはない。
そして、しっかりと流れてはいる。
しかし、目に見えるベイトの動きがいつもとは全く違う。
ある、一点の流れだけに群れ、キラキラとその場を動こうとはしない。





人間の私にとっては、それは、都合の良いレストランにしか見えなかった。
しかし、それを追う魚はいないのである。
全く、これっぽっちも、群れに不穏な動きは見られない。
宿敵のダツ、オキザヨリはいないのだ。







捕食ポイント、レンジが違うかもと、早速、ジグに換えて探る。
しかし、何の反応も見る事は出来ない。
再び、プラグに戻し、思いつく限りやってはみた。
しかし駄目だった。






日が昇るにつれ、辺りは猛烈な湿気に包まれて行った。
少しオーバーだが、植物園の中でキャストしている様だった。
蒸せる様に大量の汗がにじみ出て来る。
これにはまいった!
炎天下、40度ちかい夏の磯で投げ続けた事もある。
時折、吹き抜ける風に清々しささえ感じていた。
しかし、この暑さは全く別物であった。
ロッド、リールの自重がのしかかり、僅かなルアーの引き抵抗さえが重い・・・。
やがて、その場で立っている事すら辛くなってくる。





何かを読み、巧く、ピンスポットを狙いヒットに持ち込む釣りも経験はした。
しかし、やはり投げ続ける釣りにこそ、無限の可能性があると信じる自身。
この、異常な疲れを理解する事が出来ない。
打ちたいが身体が動かないのだ。
我が人生同様、思い通りに行かない事に大きな溜息をついた。





休んでは投げ、また、休んでは投げる。
その間にも、刻々と海は変わって行く。
明らかに好転しているのを感じるが、どうにも身体がついてこない。


もう無理だ。


意を決して、納竿する。
しばらくすると、やっと海面に魚の勢いを見る事が出来た。
元気よくベイトを追いかけ回し、豪快にハンティングしている。
しかし、再びタックルを持とうとは思わなかった。
もうすでに、今日の勝負はついている。







ここ数年のバースデイ前後の楽しみを求めてみる事にした。
実は、釣行前より心揺れていたのだった。
この釣りもまた、自身の中では大切な釣りなのである。
春イカのエギングである。
少しだけ眠り、気分あらたに再び磯に立った。






















P1010008

何か月ぶりだろう。
やっと、アオリからのサインを感じる事が出来ました。
イカ釣りもまた、私にはとても難しい。
下手な私が意識したのは、とにかくフォールが全てでした。
本当、嬉しかったです。
やったね!!























P1010010

まったく、いつスイッチが入るか分からないのでノンビリ楽しみました。
小型のメスを追加して納竿となりました。
産卵モードに入ったオスは本当に難しいです。
そんな難解な釣りが面白いです。






この日記を書きながらも悩んでいます。
今までがそうであった様に、これからも乗り越えて行かないとなりません。
時は止まる事無く、我々の時間を変えてしまう。
それに戦い、時に耐え忍びながら。
けれど、釣りをして行こうと思います。
それは決意です。

それでは





タックル


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