2月14日の日記





寒い毎日が続きますが、皆様お変わりはございませんか?
ワタシは相変わらずバタバタと過ごしております。
さて、今回はバレンタインに休日となりました。
確か去年はこの14日に大雪が降りました。
高速道路や数か所の峠は通行止めとなり、南紀まで約7時間かかって辿り着いた記憶があります。
そんな事を思い出していますと、もう無性に釣りに行きたくなってくるのでした。
微熱も気にせず行ってみる事にしました。







出発前の13日、今年は雪のかわりに雨降りとなった。
我が街では朝からしびしびと降り続けていた。
釣り場の天気予報を見ると、強い北西の風との事である。
それに伴い、波高は3メートルとなっている。
しかし、夜間には風向きが変わり、波も次第に2メートル程度に落ち着くとの事。
南の風が吹いた後、北東の微風に変わると告げているのだった。
ここ最近、いつも強い北西風に悩まされ続けていたのである。
私の未熟なスキルでは、どうにもこの強風の中で思い通りの釣りを展開する事が出来なかった。
雨は降り続く様子ではあったが風に比べれば全然良い。
寒いのさえ我慢すればそこはパラダイスかもしれない。
そんな淡い期待を胸に向かうのであった。






現場付近まで来て車を停める。
予報通りに風は殆ど無い。
そしてまた、風は北東の方角からであった。
しかしどうした事か、海から聞こえてくる波の音がいつもにも増して大きいのである。
数時間前に吹いていた南風のせいか、はたまた満ち潮の勢いであろうか。
その時の自身はその位に思っていた。
気温は約13度であった。
この時期の夜明け前のそれにしては随分と暖かいであろう。
雨と南風の恩恵なのだろうか。
おそらく、水温は17度台半ばまで上昇しているかもと夢想する。
波の音が気がかりではあるが、気持ちの高鳴りは最高潮となっていた。







駐車スペースに着くと一台の車があった。
トランクを開け、今まさに出発の準備をされてみえるところである。
ご挨拶をさせて頂くと同じく青物狙いとの事。
先に出発して頂き、その後に続く事にした。

ヘッドランプに照らされた磯はいつもと違って見えた。
濡れてテカテカと光るだけではなく、見えている景色がどうも違うのである。
もちろん磯が変形するわけはなく、潮位がとても低い為、普段は水の中の岩が露出しているせいである。
それだけ潮が引いているにも関わらず、かなり高い所まで白波が這い上がって来るのだ。
一度などは歩いている中、大きな波が頭から叩きつける位であった。
こんな事はこの磯では初めての事である。
心の中で自身のビビリミッターが入って行った。





やがて先端に着くと辺りが霞んでいる。
霧の様に見えるそれは波飛沫である。
見渡す限りの海がそれに覆われている。
ヘッドランプで照らさなくとも、波うち際を洗う白波がクッキリと見えるのだった。
高台に荷物を置き、そのままそこにしゃがみ込むのだった。
おそらく、今のまま波が落ちないならば無理だろう。
潮は今から満ちて来るのだ。
引き返し、もっと足場の高い場所に移動しても十分に夜明けには間に合う。
そう思った。
そこで先程お会いした先行者が話しかけて下さった。
お一人は私よりも十以上は年上の方であった。
もうお一人は逆に十以上若い方に見えた。
聞けば地元の和歌山の方々であり、なんと親子であるという。
とても気さくな方で楽しいお話を聞かせて下さった。
ではまたっと移動しようと思ったのだが・・・。
彼等はライフジャケットを着てみえないのだった。
荒れ狂う波を目の当たりにして、荒れは喰いが良くなると既にタックルをセットされてみえる。
感じの良い方であり、おまけに親子でショアジギングを楽しまれてみえる。
もし、万が一の事が起きた時、残されたお一人にもライフジャケットは無い。
そう思うと、そのままそこを離れる気にはなれなかった。
私の力など及ばぬ自然の猛威ではあるが、少なくとも私は浮かんでいられる事、そして防水の携帯を所持してもいる。
いないよりはいた方が良い。
そう思いそこに留まる事に決めた。






雨のせいで、午前6時を大きく過ぎても全く空は明るくならなかった。
暗闇の中で轟く波の音を聞いていると、夜はこのまま永遠に続くのではと錯覚する。
お二人に相談して立ち位置を決めて行くのだった。
息子さんには一番穏やかな場所に入って頂く事にした。
ゴアを纏っている私は先端に立つ事にした。
やっと明るくなって来た頃にキャストを開始した。



まずは好きなポッパーから始めてみたが、丁寧に引いてもミスアクションが続く。
波の高低差がとても大きく、すぐに水の中から飛び出してしまうのだった。
その間も絶え間なく波は打ち寄せて来る。
何度かに一度は、より大きな波がやって来て磯を這い上がる。
後ろに抜ける様な場所ではあるが、ともすれば太ももあたりまでの波を受けるのであった。
バランスを崩せば倒されてしまう勢いである。
ルアーの動きに集中していると、波への反応がおろそかになってしまう。
波に気をとられていると、今度はルアーのミスアクションが連発するといった具合である。
そしてまた、時折、彼等のいる方向を振り返りその様子を伺う。
全くもって釣りに集中出来ない悪循環であった。





しばらくすると、急に風向きが変わり沖からの風となって行った。
当然のごとく波の勢いが増して来る。
キャストする手を止め、すぐに一段高い場所へと登るのだった。
彼等の方を見ると、やはり先程よりも強い波が打ち寄せており、膝あたりまで波が洗う様になっていた。
さすがに危険と思われたのか、やはり、竿を置いて高台に移動されて行かれた。
波が落ち着くタイミングを見計らってキャストをするが何の反応も無い。
全くトップの釣りが成立しない程ではないのが悩めるところであった。
落ち着いた瞬間には、軽めのダイビング系でさえ引く事は出来るのである。
しかし、忘れた頃に大波が来てその直撃を受ける。
それが尚更恐ろしかった。

潮時であると判断されたのか、その親子は帰り支度を始められた。
去り際にご挨拶下さり、振り返ってそれに応えたところに大波が来た。
カウンターパンチを食らって前のめりに倒されてしまったが、何とか空いている手で耐える事が出来た。
大事なタックルを当てはしなかったが、膨らんだ波の中に水没させてしまった。

彼等が居なくなった、ここよりも静かな場所に移動する。
波も、強い潮流もそこは幾分かマシであり、少しだけルアーのアクションが楽になった。
おそらく、先ほどの水没にて塩が入ってしまったのだろう。
テンションを大きく受ける時、リールからはゴっと異音が出る様になって来た。
潮位も増して来て、波も更に大きくなって行く。
これ以上は無理と判断しその場を後にした。
開始から約一時間であった。
私としては早すぎるストップではあったが、最早、心は砕け散っていた。






その後、何か所かの海を見ながら車を走らせて行った。
良さそうな場所まで来て車を停めて眠る。
多少の仮眠でさえ、体力と思考力は回復すると思っているので。
やがて目覚めて窓の外の海を見る。
しかし、そのドアを開けて外に出る気が起きない。
心は沈んだままであった。
あくる日も休みではあったが、もうこれ以上の滞在は無駄であると自覚する。
火の消えてしまった自身には無理だろう。
潔く南紀を後にした。









家族の為にと、途中、お気に入りのお店にて幾つかの品を購入して行った。
寒くなった為か、選べるみかんの種類は少なくなっていた。
ポンカンと、「はるみ」、と書かれたそれを幾つか買ってみた。
お土産は確保出来たのだが、どこか心にぽっかりと穴が開いている。
熊野の美しい浜を横目で見ながら感じていた。
雨はまだ降り続けている。
ゴアの合羽は、雨と塩水で裏地までズクズクに濡れている。
それを着て向かうほどの気力は無かった。

やがて尾鷲に入った頃からは霧雨と変わって行った。
そして、海山まで来る頃にはワイパーは必要無くなった。
ならばいつもの防寒着で出来る。
早速、国道から少し脇道を入り漁港へと向かった。
幸いにして潮位も高く、程良いさざ波も立っている。
まずはオープンエリアにキャストしてみる。
一投目からココンっと当たった。
すぐに回収するとワームは3分の1ほどの短さになっていた。
底が砂地の場所である為、おそらく結構な数のクサフグが溜まっているのかも知れない。
すぐにキャスト先をシモリへと移してみた。
そのファーストフォールにまたもやココン。
しっかりアワセを入れると掛かった様だ。
こ気味良い引きは可愛いアイツだろう。


























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この一匹には本当に癒されました。
雨も風も止み、やっと思い通りの釣りが出来た瞬間でした。
天候に合わせて休みを取る事は難しい。
しかし、はたしてその自然に逆らって釣りをする事が大事なのか?
そんな疑問が、この釣行で自身の気持ちの中に生まれました。
当然に危険であるし、釣り自体の楽しさも半減してしまう。
アングラーの経験値やそのスキルにて、その尺度もまた異なる事とは思います。
荒れている方が釣れるというのもあるのでしょう。
ならば、凪の海にて違う釣法にて貴重な一匹に出会う。
そんな釣りもまた一つかもしれません。
私にとっては、厳しい表情を見せる海は向いていないのかも。









初めてのポイントであったが、幸運にも早々に着き場を探す事が出来た。
もう何匹かはルアーに反応する魚がいるかも知れないな。
そう思いキャストを続けて行く。
同じ様に探るも反応が無く不安になる。
ならばと、よりスローに見せて行った。
クっとただ少しだけ違和感を感じる様な変化が出る。
最近の自身の釣りではこのアタリが多い。
すぐに大振りなアワセを入れると乗った。
この感覚が気持ち良くてクセになる。

























P1010330

先程より少しサイズダウンですが同じ群れなのでしょうかね。
似た感じの魚が釣れてくれました。
やったね!


























P1010332

続いてもう一匹ゲットです。
あぁ楽しい








このシモリには反応が無くなったので新たな狙い目を探して行く。
やはり、何も無いところにはフグが群れている様で、すぐにワームが無くなって行くのだった。
他に目立った狙い目を見つけられない為、足下、堤防際から約10センチ辺りを岸に沿って引いてみる。
中層までは何の反応も無かったが、それより深い層にて反応が出だした。
やはりその場で止まる様なアタリであった。
























P1010334

やった!
違う群れを見つけました
色が何か違いますね。
金ピカメバルです。

























P1010338

同じパターンにて追加出来ました。
あぁぁぁ楽しい



























P1010342

最後はミニマム君ゲットです
金色は初めてで嬉しかったな~
凄くタイトに障害物についていた気がします。
習性も違うのでしょうかね?
このサイズでも一気に根に向かうのです。








雨も完全に上がり少し気持ちも楽になった。
まだまだ時間は早いので、かなり離れたエリアまで行ってみる事にした。
いつかの釣行でその姿を確認するも、どうしても反応させる事が出来なかった場所である。
季節は過ぎ、魚の中でも、もしかすれば変化が生まれてはしないかと。
幸運にもこの日、その変化を見る事が出来たのだった。

























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Oh  YES !!

良い型の子が出ました
気持ち良すぎっ!


























P1010344

もぅ
たまりません!
絶対チョコより良いっ
もちろん負け惜しみです。
























P1010350

久々のガッシーちゃんも顔を見せてくれました。
あざっすっ






























P1010351

アジです!
ちびメバと合わせてポツ  ・・・ ・・・ ・・・  ポツっと釣れてくれました。
このアジは大トロ認定ですね。
もう脂がヤバかったです。
冬アジに火がついてしまいました








帰りに楽しい釣りが出来て救われました。
これからは、もう少しだけかしこく、安全に釣りを選んでまいりたいと思います。

それでは





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