4月25日、26日の日記







磯に行きたくてたまらない!
気持ちを抑えずに行動してみる事にしました。
自身には釣れている話も届きません。
おまけに天候も崩れるとの事。
気にせずに向かいました。









出発予定の24日には予定が入っていた。
職場の食事会であった。
早々に済ませ帰るつもりがダラダラと深夜まで。
そこから準備をしてやっと整ったのは、日付が変わってまだしばらく経った頃だった。
夜明けには間に合わないが、それでも朝から竿を出す事は出来る。
しかし、今回は出発を見送る事にした。
日々の不摂生のせいでとても眠かったのだ。
安全に南紀まで辿り着ける自信が無かった。
居眠り運転もまた恐ろしい。
結局、朝まで4時間ほど眠る事に。
清々しい朝の光を浴びながら荷物を積み込む。
こんな時間に南紀に向かうのは何時ぶりだろう。
ゆっくりと景色を楽しみながら南下して行った。







さすがに日中は車が多い。
追い越し禁止の車線が殆どである42号線では、時速30キロの軽トラックがいても先を急ぐ事は出来ないのだ。
今回も二度ほどそんな場面に出くわす。
それ以外はとてもスムースに流れ、意外にも3時間半ほどで串本町の標識を見る事が出来た。
やがて街中へと辿り着き、飲み物だけを購入してまずは潮岬へと行ってみる。
パーキングに車を停め海が見える丘へと歩いて行った。




昼過ぎだったが、めぼしいポイントには何組かの釣り人がいらっしゃった。
天気も良く、波も穏やかで、正に絶好の釣り日和という感じであった。
しかし、沖を流れるあの潮は見えない。
少し移動するとそこは風裏となっていた。
鏡の様な水面が遠くからでもよく見えた。
ここにも数人の餌師がいらっしゃったが、どなたも全く竿を上げる気配は無かった。
勿論、下り潮が無くとも、全くの凪であってもダメであるとは言い難いのである。
降りてみたい気持ちはあったのだが、その人の多さに移動を決めるのだった。




海を見ながら更に車を走らせて行く。
海とは不思議なもので、たとえ僅かに場所を変えるだけで、また違った顔がそこにある。
風向きこそ変わるが、特に目立って風が強くなった訳ではなかった。
しかし、今、眼下に広がる海には申し分の無い波が寄せているのだった。
よし、今日はここで頑張ろう。
そう思いすぐに磯へと向かった。








やがてポイントへと辿り着くとお一人のグレ師の方が見えた。
他には誰も居ない。
最近はあまり釣果に恵まれていないのだろうか。
タックルを準備しながらいつもの様に海を眺める。
潮位が低く、打ちつける波にも勢いは無かった。
久しぶりに潮を被る事無く釣りが出来そうである。
海は穏やかであったが、海面はよく動いて見えた。
少し沖に目に見えて分かる潮目も走っている。
それ以外の部分もしっかりとして流れている様であった。
どうやら、ここでは南西の方角からの風が吹くと、こうした感じになる事が多いのかも知れない。
過去の記憶を思い出して行くのだった。
グレ師の方にお声をかけると、とても快く隣にどうぞと言って下さった。
どうやら、潮に仕掛けを流して釣ってみえる様子であった。
邪魔にならぬ様、それとは別の方向に向けて竿を振って行った。









最近はご無沙汰であるので、魚の行動がどうなのか全く分からない。
それを少しでも知りたくて今日は来たのだ。
数投で反応を見れるかも知れないし、このままずっと何も無いかも知れない。
そんな懐かしい感覚に自然と顔が緩んで行く。
いつかやって来るかも知れない。
既に何投もしていたが心は焦らなかった。
やっとこうして磯に立てたのだ。
やらなければならない事は山ほどある。
お気に入りのルアーと試してみたいルアーの幾つかをポケットに詰め込んでいる。
その一つ一つをゆっくりと確かめる様に動かして行った。



自身の一軍のラインナップでは、いつも通りのセッティングにて投げてみる。
今日の潮はとても不思議だ。
右から左へと下っていたかと思えば、しばらくすると全く逆に上るのだった。
これには、グレの方も苦労されてみえる感じであった。
風向き、潮の向き、そして波の向きによって、まったく同じ入力でもルアーは別の動きをする。
正直、あれほど体に覚え込ませたこの感覚を、今は殆ど忘れてしまっているのだ。
まったく情けない話である。
しばらくはそれを再び覚え込むだけ作業となった。



続いては、今回、新しく用意してきたものを投げて行った。
新しくとはいえ、何も今日の為に買い揃えたものばかりではない。
新たに購入したものは二つであり、あとは以前に試して上手く使えなかったものばかりである。
結果、この取り組みは自身としてとても価値あるものであった。

こんなアクションが好きだ、また、こういうアクションに魚がヒットした。
そんな自分なりの定番が強くなり過ぎてしまい、最近、どうにもワンパターンとなっているのが悩みであった。
確かに良い時、否、ある条件下においては、それらはうまく合致してヒットという結果を生む。
逆をかえせば、条件が違うならば結果が出ないという事。
ある日には全くだった事が、違う日には最良であるといった事もあるだろう。
釣りに通う方なら誰でも知っている様な事でも、時として自身は見失う事が多い様に思う。
それ故に、自身としておかしいと思う様な動きでも試し続ける事にしたのだ。
釣った事のあるルアーに頼るのも良い。
しかしまた、釣れなかったルアーを、釣れるルアーへと転換させる事も大事にしたいと思う。
それはルアーだけにあらず、こんな、〇〇〇でも釣れるのだという経験をもっと増やして行きたいものである。


今回、新たに購入した二つのルアーについては、正に目からウロコものの発見があった。
おそらく、5年、いや、10年よりもっと前に生まれたものかも知れない。
それに、今の金具とフックを自分なりのバランスで組みつけてみた。
すこぶる面白い動きをするのだ。
いつか、苦手なポイントにて釣ってみたい。
また一つ夢が増えたのだった。







夢中になってロッドを振り続けているといよいよの時間となる。
おそらく、予報通りに明日は雨となるだろう。
日没にはまだ早いが、鉛色の雲が空を覆いあたりは暗くなって行った。
潮もどんどんと満ち始め、時折、打ち寄せる波に足場があらわれる。
ラストチャンスと一投一投、気持ちを込めて撃つのだった。
しかし、何度キャストを繰り返しても反応は無い。
殺気が出てやしないかと、その間も凝視はせずに極力色々なところに目を向けて行く。
目を塞いで待ってみたりもした。
しかし出ない。
陽が落ちて、隣のグレの方はとうとう上がられてしまった。
それでもまだ粘る。
完全に暗くなる少し前に竿を置いた。
結果は撃沈の二文字ではある。
しかし、心は暗くは無かった。
やり切ったのだから。
そして、今ここには自身に釣れる魚は居ないのだと知った。
ここまでやって釣れなかったならば満足である。
なかなかそう思えないのだが、この日は心からそう感じる事が出来た。









磯から上がり食事を済ませる。
すぐに向かったのは漁港であった。
以前、水面にてバラしたあの魚が忘れられないのだった。
しかし、根魚からの反応は皆無であった。
水面にはおびただしい程の夜光虫が漂っていた。
今までの釣りでは、この夜光虫の中で良い経験をしたためしがない。
嫌になってきて、いざワームを回収しようとしてふいにコツンっと当たるのだった。
乗らなかったが一体何の魚だろう?
同じ風に再現するとまたすぐに当たって来た。
その後も何度か出るのだ。
決ってボトムからのハイスピードでの巻き上げに反応する。
所謂、ショートバイトというのか、コンっとしか触れないのであった。
意地になってやっていると、いつものブルブルしたあの感触が伝わって来た。
残念ながら宙で外れてしまったが、それは紛れもないアジであった。
フォールでも水平リトリーブでも全く反応はしない。
巻き上げる際、水深が約2メーター以浅となるとバイトしてくる様子である。
係留ロープに囲まれた、約1メートル四方の狭い場所であったが、何度も何度も当たるのであった。
面白がって続けると何匹かは釣れた。
しかし、どうにも面白みに欠けた。
おそらく、三重でやるいつもの釣りと大きく違ったからであろう。
気になってこの場所、この日のみのパターンかと愚痴をこぼすと先輩がメッセージを下さった。
すると三重も同じ様であったという。
魚とは誠に不思議なものだとつくづく思うのだった。


更に場所を変えてやっていると大粒の雨が当たって来た。
みるみる内に強い風が吹きつける。
粘る気になれずに眠る事にした。
おそらく、明日は磯に立つのは難しいだろう。
風が収まるのを祈りつつ深い眠りへと落ちて行った。







目が覚めると外は小嵐の様であった。
海に向かうとやはり大時化である。
いくつかまわってみたが、どこも安心して立てる場所は無い。
否、ポイントまでのルートでさえ危ういのだった。
先日の時化の際に立った磯まで戻る。
そこにはあのハッチバックが停まっていた。
遠くからそこを見て気持ちは決まった。
私には無理だろうと。
今から帰れば、何とか午前中の間に帰宅する事は出来る。
しかし、せめてもう少しだけ竿を出したい。
たとえ漁港であっても、あと少しだけやりたかった。
そこで、昔に投げ釣りをして良い思いをした場所に向かった。
吹きつける風に雨と潮が容赦なく私に降り注ぐ。
ゴアの合羽を着ていてさえ、10分も経たない内にズブ濡れとなってしまった。
まったく、何て日になってしまったのだ。
釣り辛いがどうしても試してみたい。
アイツをどうしても狙ってみたかった。
辛抱強く繰り返していると、小さくコッとした感触が伝わる。
間髪入れずにアワせるとギュンギュンと走り潜るのだった。
気持良い。
満足の釣りが出来た。























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とてもカワイイですがチャリコが釣れてくれました。
さすがお鯛さん!
良い引きしてくれます。























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やったね!
チョット可哀想ですがナイスな塩焼きサイズ。
大事に大事に持って帰るのでした。







やっぱり南紀は良いですね。
月に二度くらい来れる様に仕事も頑張りませんと。


それでは