5月13、14、15日の日記









少し遅めの連休を頂きました。
今回は三日間もあります。
天気も安定している様で夢を求めて沖磯に乗る事にしました。










今回の目標はまず海の様子見であった。
そろそろか?
まだ早いか?
自身の感覚ではそんな感じ。
知りたい事は情報として頂く事は無い為、当然、自分で探しに行かないとならない。
良い潮も徐々に入って来ている様子なので期待は膨らんだ。



二つ目の目標はタックル、システム、そしてルアーの様子を見たいというもの。
少しずつではあるが、それらの仕様も変えて来ている。
また、ルアーについては色々なものを新しく購入もした。
無い頭で考え、イメージしたものを揃えているのだ。
無論、それらが本当にマッチしているかは分からない。
だからこそ、現場で使って確かめてみたいのである。









初日。

前日までの波がまだ僅かに残っていた。
よって、潮が引くまでは足場の高い磯に乗る。
珍しくも、朝一番よりしっかりと潮が効いていた。
何かが起こりそうな予感である。



この潮ならという事で、まずは信頼のポッパーを引く事にした。
数投するとルアーの背後に水面のざわめきが追って来た。
足下まで寄せて来て魚を見る。
50センチ前後のシオの群れであった。




何度かに一度、こうしたチェイスが繰り返される。
しかし、どうにも勢いが無い。
まるでジャレる様に面白がって着いて来るのみであった。
何とか喰わせようと頑張ってはみる。
これまた好奇心なのか、ルアーを口先でつつく様な事は何度かあった。
よく分からないが、とても喰い付いているという感じではない。
試しに、ミノーやシンペンに換えてもみた。
しかし、それらでは全くチェイスがない。
元に戻すとまた追ってくる。
そんな繰り返しであった。
熱くなったが、結局はシオに遊ばれただけであった。






潮が引き、波も落ちた頃、やっと希望の磯に乗る事が出来た。
ご一緒となったのは底物の方が一名である。
時折、談笑しながらゆっくりとキャストして行った。
幾つかのルアーを試しながら辺りを見回す。
その時、沖に真っ黒な何かが飛んだ。
遠目でもそれが巨大な事は分かった。
翼を丸めながらジャンプを繰り返す。
この目にしっかりとそのシルエットを焼き付けるのだった。
おそらくだが、南国のダイビングで有名なあの魚である。
















「マンタ」









いるという事は知っていたが、こうして姿を見るのは初めてだ。
結構な数がいるのか、何度もその華麗なジャンプを見る事が出来た。
どうやら、彼らもやみくもに泳いでいる訳では無さそうである。
違う大きな魚がよく跳ぶ所に集中していた。
おそらく、そこには何かがあるのだろう。


狙う獲物の気配を感じる事は無かった。
マンタを眺めて終了であった。











二日目。

昨晩、遅くまでアジングしていたので寝坊してしまう。
アジが難しくて手を焼いた。
どこに行こうか迷ったが、普段、あまり行く事のない磯に向かう事にした。
ともかく、いざという時の為にポイントを知っておきたいのだ。
無理をお願いして船頭に乗せて頂く。
陽はすっかり昇っているが特に問題はないだろう。





ともかく、ここでは新しいルアーを試すのに躍起となった。
今日はベタ凪であり、おまけに潮も緩い。
かなりの横風、波高の時にしっくりと馴染んだルアーを投げてみる。
やはりというか、全然クイックではない動きしかしない。
モコモコと重く漂うのみであった。


また、違うルアーを投げてみる。
しっかりとした重量のあるそれだったが、他に比べてまったく飛距離が出ない。
重心や形状のせいだろうか。
飛ばす為に投げ方も工夫してはみたのだが。
それでも飛ばなかった。


重量のあるシンキングペンシルも試してみた。
水平フォールだけではなく、リトリーブでも魅力的に泳ぐと謳っている商品である。
さすがに飛距離こそ素晴らしいが、全くもってちゃんと泳がなかった。
リーダーや結束金具を換えてみたが変わらない。
リトリーブスピードに問題があるか!?
6500番のハイギヤで全力で巻いてなおである。
どう使うか全く分からなかった。



持ち込んだ殆どがこの場所、この時の海にマッチしなかった。
しかしながら、僅かに手応えを感じたものもあった。
ルアーは高額で、なかなかおいそれと購入は出来ない。
しかし、今後もこうして自身に合ったものを探して行きたいとは思う。





もうそろそろ上がろうかなという頃。
潮に乗って、大量のキビナゴが回遊し始めたのだった。
まあ、その内、何かしらのフィッシュイーターも回って来るかなと思った。
そこで、最近特に思っている事を試してやろうと閃く。
どうやら、自身は 「釣りたい」 という気持ちがとても強いと思うのだ。
釣り人の殺気など、世間的にもよく言われるそれの話しである。
ある種、これは 「念」 ではないかと思う様になった。
前々からもそうだが、特にここ最近はそう感じる事が多いのである。
文字通り、気を抜いた瞬間に出た事が何度となくあった。






そこで、今回は一番よく経験したケースを再現してやろうと考えた。
帰り支度をした途端に沸いたとか。
帰った後、残った友人が爆釣したとか。
冗談みたいな話だが、意外にもある話だと私は思っている。
そこで、持って来たタックルのリーダーをカットしてやった。
潔くスパっとやってやった。
これが、驚く事に本当に沸いたのである!





切ったラインと幾つかのゴミを袋に詰めていた時に起きた。
ドボ! ゴボ!!
急いで目をやると、60~70センチの群れがシャローにキビを追い込んでいるではないか。
僅かの瞬間だったが、それも私が愛してやまない、まっ茶色の軍団である!
磯上で一人爆笑してしまった。
まさかとは思ったが、タイミング良すぎだ。
否、あるのかも知れない。
今後も機会があれば試したいと思う。

二日目終了。









最終日。

日焼けで半分やけどの様になり。
重い道具を投げ続け力も入らない。
気力も殆ど無い。
疲れ果て、磯からあがると倒れる様にして眠り込んだ。
南紀特急の中で目覚めたのは午前2時であった。


もう帰ろうか?
もしくは、好きな地磯に行けばハマチが釣れるかも知れない。
何をするでもなく、真っ暗な海を見ながら考えていた。
しかし、なかなか答えは出ない。
結局、おもむろにリーダーを組み直している自身に我に返る。
昨日とはまた海は違う。
確かめなければならない事もある。
やはり沖へと。








渡船屋に行くと懐かしい顔に出会った。
しばらくして、もう一人。
そうか、今日は水曜日だったか。
これから、また楽しくなるなと準備を整えて行った。





いささか、定員オーバーぎみではあるが、無事に希望の磯へ乗る事が出来た。
体のあちこちが痛むので、なるべく負担の少ない釣り方でスタートして行く。
やはり、今日もまたアレを試してやろうと思っていた。
ちょっと、ヨソ事を考えていたり、ヨソ見をした時にドーンと出る。
ふと、「念」 が緩むからなのか!?
もしくは、無意識に絶妙なるアクションを刻んでいるのか!?
何にせよ、あるのだから気になるではないか。
ならばと、試しにキャストしてみた。
ある程度、水に馴染んでから試してみる。
全くヨソ見をして、違う事を考えながら動かしてみた。
誠に驚くべきである。
また、現実となった。





ゴポ!っという音の後、衝撃と共にティップが入る。
無論、ヨソ事を考えているので対応出来なかった。
連続して同じ動作を繰り返していた時の事であるのだ。
喰ってきているのに、ジャークを続けていたのだ。
案の定、すぐにバレる。
結局、釣れないところが実に私らしいではないか。
ともあれ、この 「念」 の話。
やっぱり、何かアリそうで面白い。
出来れば、念をギリギリまでこらえてうまく対応したい(笑)








時間がたつとアチコチでボイルが立った。
狙いのルアーでは微妙に届かない距離である。
小型の青物か、サバかなと先輩と話していた。
ルアーをシンペンに換え、苦手なナブラ撃ちをやってみようと思った。
疲れていた為、沸くまで休めるというのも魅力的だったから。
結局、二度ナブラに入れる事は出来た。
勿論、フンフンして例の念は全開だったろう。
全くカスリもしなかった。






体力、気力の限界を感じ、自身は早上がりで幕を閉じた。
探していた海の変化も一応見る事は出来た。
二日間、その姿を見せたマンタを最後の日に見る事は無かった。
僅か数時間の間にも海は変わり行くのである。
今回の釣行では悩む事も多かった。
釣行後、後悔した事もある。
今も考える毎日である。






それでは