10月29日(夜)~31日(深夜)の日記














もう、しばらく前の事にはなります。
突如、交際していた女性から三行半を突きつけられたのです。
まぁ、男と女なんてそんなものでしょう。
奈落の虚無世界へと転落して行きました。






さすがに何もする気が起きませんでした。
あまりに Chaotic な話の内容だったからです。
独りでいてはどうにかなりそうだ・・・。
そう思っていた頃、メールの着信音が鳴りました。
TNK氏からのものでした。






内容は釣りへのお誘いでした。
最近、アジを狙って釣行をされているとの事。
これには、本当に救われた気分でした。
辛い時こそ海へ。
結局、私にはそれしかありません。














仕事の都合上、自身は早くには向かえないのだった。
よって、TNK氏には先に釣りを始めて頂く事にする。
前回の釣行からかなり時間は経っているのだが、
未だ例のベイトが群れてはいないだろうか?
そんな淡い期待から、同じ場所へと入って頂く事をお勧めさせて頂いた。

行く道中に実況報告を頂戴するのだが、これがかなり厳しい状況との事。
果たして自身に釣れるか。
南紀特急のアクセルを踏む足に力が入る。













ポイント付近まで来るとすぐに氏の姿を確認できた。
ほぼ、ロックショアさながらの完全武装で竿を振っていらっしゃるのだ。
さすがだなと微笑ましく思った。
早速、お声をおかけして少し場所を移動する。
まずはと、いつもの様に海を覗き込むが静かなものであった。
ベイトの姿は見えなかった。
果たして、それが分かりやすく表層付近に群れていないだけかは分からない。
前回もどこからともなく押し寄せて来たのだから。
期待と不安を胸に竿を出すのだった。















自身のサーチパターンを10本ほど撃ったが何の反応もない。
アタリが無いとふいに彼女の事がアタマに浮かんでくる。
顔を横に振り、それをかき消して釣りを続けるのだった。
全て忘れ海に集中しろ!
いったい、何度それを唱えた事だろう。
心が掻きむしられるようだった。
とにかく魚を。
こんな苦しい釣りはない。












最初のアタリを捉えたのはやはりボトムであった。
底のピンスポット。
いつも、そこでは何かがある。
今日もジグヘッドの号数は重いものだ。
ブームとは真逆のそれで全層を通す事にしている。
おそらく、より軽いものでも結果は同じだろう。
そんな予感がしていた。
その一点においては止めて動かし、
そして、僅かにリフトをさせる感じで誘ってみたのである。
何かの蟲をイミテートしてみたのだった。
それでようやくアタッた。
20センチ足らずのマアジであったが、
この時、その魚にどれだけ救われたかはご理解頂けない事だろう。














自身の蟲パターンでポツリポツリと釣果を伸ばした。
しかし、それも長くは続かない。
再びパターンを変えて違う層を引く。
とても小さく、ツンっという感触を得た。
アワせると一気にドラグを唸らせる!
今日の海にもサバが居てくれた。
しかし、それも後が続かない。



似た様な感じで探り続けて行った。
ずいぶんと時間が過ぎた頃、やっと小さな感触を得る。
フッキングを入れると、またもセルテートが鳴いた!
サバと信じて疑わなかったが、途中からその動きが変わり行く。
手前に走って来たかと思うと、ギューンっと底へと突っ込んで行く。
何度かラインをやり、ようやく現したその姿は紛れもないアジであった。
それも、25センチはくだらないであろう 「トンパク」 だった。
本当に嬉しかった。




しかし、その後は全く沈黙してしまう。
私一人であればまだそれも良いだろう。
しかしながら、今夜は氏との釣りであるのだ。
そこで、移動をご提案させて頂くのだった。















結構な距離を走り、到着したのは自身が好きなポイントである。
ここでダメならばちょっと他が思いつかない。
なるべくなら、ランガンは避けたかった。



竿を出すとすぐにアタリがあった。
サイズはずっと落ちてしまったが、
そこそこの数の魚が回っている様だ。
入れ喰いとまではいかないが、二人して数を伸ばす事ができた。
その釣果に安心し、自身は少し深みへと移行する。





そこでは、豆アジのアタリは消えた。
たまにあるのは、特徴的なキンギョのバイトだけである。
それでも続けた。
何があるか分からないと。
そろそろ潮時か?
掻きむしられる様なあの感情に飲み込まれそうな時だった。
ツンっと小さく触れた。
即座にロッドを振り上げた。







































P1030062













けたたましく響くドラグの音。
突っ込み、走り、縦横無尽にと暴れた。

暗闇にブルーに光るその背中を見て確信する。


「トンパク」 だ!


先程よりも更にデカい。
いったい、何というパワーか!!






























P1030065













美しい色です。
自身のルアーにアタックしてくれて本当にありがとう。


























P1030066













嬉しいのでもう一枚。
この目です!
これに会いたい。
この瞬間だけはおそらく、悲しみを忘れていたかも知れません。



































P1030068













その後、氏と並んでやっていますと。
ルアーとあまり変わらない大きさの魚が釣れました。
ちゃんとクチに刺さっていましたよ!
撮影後、すぐにお帰り頂きました。








結局、ポツリポツリと釣れ続き、午前4時半まで竿を出していた。
そろそろ、磯へと歩き始めても良い頃ではある。
しかし、どうにも眠たかった。
頭と心を再起動したかったのもある。
小さなパーキングスペースに二台を停めて就寝するのだった。






















目覚めたのは、8時を大きく回った頃であった。
氏はすでに起きてみえた様だが、
身動きしない私をそっとしておいて下さったのだろう。
青物師の名に恥ずかしい重役出勤ではあるが、
これから、初めての磯へと向かうのであった。





やがて、山への入り口と思しき場所へと辿り着く。
「今から入ります」 と、磯の釣りの大先輩へとご報告するのだった。
彼は仕事中にも関わらず、すぐにそのご返事を送って下さった。
そればかりではなく、ご丁寧にもお電話まで頂戴する。

「山は迷いやすく、道を間違うと、何時間もさ迷う事になる」 とのご警告であった。



とても詳しく、チェックポイントをお教え下さったのである。
本当に心強く思った。
地磯は少しばかり経験があるとはいえ、
これほどに深い森をガイド無しで行った事は無いからである。







歩き出してすぐに筋力のデッドポイントをむかえる。
身体がなまっている。
胸が苦しく、思う様に足が上がらない。
途中、幾人かのトレッキングを楽しむ方とすれ違う。
いかにも、ここは山なのだ。
彼らが一様に汗だくで、疲労困憊している顔を見て少し不安になった。
帰りは地獄かもしれない。
アオダイショウに驚いたり、冗談を言いながら進んで行った。
もういいだろう!
歩く事に嫌気がさしてきた頃、やっと視界が開けた。


































P1030069













疲れましたが、それでも海を見ると元気になりますね!
目指すポイントはまだずっと先ですが(笑)
いつもの様に岩山を転がりながら駆けて行きました。















水辺に降りると思いの外、波のパワーはあった。
遠目には分からないのが恐ろしい。
波が当てるところは高くまで水飛沫があがっている。
眼下にはいくつかの良さそうなサラシが生まれていた。





早速、荷物を紐解き準備にかかる。
自身はまず、ヒラスズキを狙ってみる事にした。
タックル、ラインシステムは大型青物を想定したもの。
ミノーは思う様には飛んではくれない。
たまらず根掛かりしてしまう。
ヒラは全く出る様子はない。









次に青物へとスイッチする。
トップではもう出ないか?
何度か引いてみたがやはり反応はない。
ミノーもどうにもな感じがしたので、ジグをスイミングさせる様に引いてみる。
すると、回収間際に手前の底から魚が躍り出てきた。
50センチ程のシオに見えた。
しかし、青物のチェイス&バイトはそれっきりであった。



シンキングペンシルに換えると、今度はサラシの中からバイト。
どうやら、ヒラフッコの様だったが乗せる事は出来なかった。
魚からの反応はそれらのみ。
飲み水も無くなったので戻る事にする。





やはり、帰り道は地獄であった。
何度となくしゃがみ込み休憩をした。
我々が名づけた 「通称〇〇さん」 ポイント。
それはナイショであるが、休憩はやはり大事である!
休めば軽い足取りで再び行けるのだから。

















街へと戻り、朝昼夜の食事をまとめて貪った。
そして、再び寝る!
身体と心の再起動である。
TNK氏は温泉へと向かわれた。
さすがに体力がある。
夕方になり、しぶしぶ目覚めると氏は待っていて下さった。
本日のラストスパート。
再びアジ釣りに向かう。












かなりの距離を走り、向かったのは新しいポイントであった。
なるべく、氏に色々な場所を知って頂きたいのもある。
それとは別に妙に気になってもいた。



到着し、水辺に近寄ると餌の方が数人。
アジが釣れないと嘆いていらっしゃった。
幸運にも魚の息吹はすぐに感じる事が出来た。
沖では、おそらく、大型のカマスが小魚を襲っている。
何となくだが、その音で分かる様になって来た。
しかし、この、岸寄りで荒ぶるヤツは違う様に思う。
その感じ、たぶんアジだろう。
それも、普通のサイズではない。







自身が知る、ボイルパターンの引出しを全部だしてはみた。
しかし、喰わない。
これは悔しかった。
ベイトのサイズも大きいのである。
それに見合うルアーが無い訳ではなかったが。
どうしてもバイトを得る事は出来なかった。
そこで、昨夜の豆アジ場所に戻る事にする。














到着し、ほどなくして、自身の心はとうとうパンクしてしまった。
たまらずに、TNK氏にこぼしてしまう。
それを優しくもただ聞いて下さった。
アジをポコポコ釣りながらも、氏はそっと頷いていて下さった。
自身は既にロッドを置いていた。


明日は仕事。
二度目の日付が変わっていた。
辛くも、楽しい一日は瞬く間に過ぎて行った。







TNK氏
ありがとうございました。
また行きましょう。








それでは






My Tackles

Rod  THIRTY FOUR Advancement HSR-610
Reel  DAIWA 13 CERTATE 2004CH  
Line  THIRTY FOUR Pinky 620g
Leader SUNLINE BLACK STREAM  #1.25