11月26日、27日の日記










心のリハビリ。

そして、感覚の薄れた、
磯の釣りのリハビリの為に今週も南下する事にいたしました。
前回、気になった事を試したくもありました。






























20131125_220937










まず、出発前に新しい糸へと巻き換えてみます。
久々の使用となります。













出発前の天気予報では、
朝から、かなり強い風が吹くだろうとの事であった。

現地入りしたのは午前3時頃だったと思う。
海辺に来てみたが、まだ、大した風は吹いてはいなかった。
夜明けまではまだ時間があるので仮眠する。
しかし、アラームにて目覚めた頃にはビックリ!
予報通りの様相となっていた。


今回、スタートの釣りは、餌でのハゲ釣りを予定していた。
一応、ルアーロッドも持って行く。

実はこの一週間、ハゲ釣りをしたくてたまらなかったのだ。
爆釣を予想し、使い慣れないブロックを2つもバッカンに押し込んだ。
後は、ロープが付いた水汲み用のビニールバケツも買った。
きっと、コレは重宝するだろう。
重い荷物を背負い、長い道のりを進んで行った。













磯に降り、まずは風が避けられる様な場所に荷物をおろす。
僅かではあるが、ちょっとした岩壁がそれを防いでくれている。
うむ、水色も良い感じだ。
そんな事を思いながら、磯竿を伸ばして行った。
それに結ぶのは、市販のハゲ釣り用の仕掛けである。
胴付きのもので、三本針の標準的なタイプである。

自身はとても下手なので、
少しでも、アテ潮等の状況だとすぐに根がかりさせてしまう。
ハリスから切れてくれればラッキー。
下手をすると、一番下の重りのみ失ってしまう事も多い。
どうせ、2匹、3匹と一荷で釣れる事など殆ど無い。
だから、針は一本でも構わないのだが、
その度に結び直すのが面倒で複数針を選んでいる。
どちらが効率が良いかは微妙なところである。











釣りを始めてしばらくは餌取りに遊ばせてみた。
手返し良く打ち返す事で、コマセを打たなくとも魚が集う気がしたからである。
やはり、加速度的にその攻撃が増して行った。
狙いとするタナまで送り、僅か3秒でさえも餌が持つ事は無い。
まさに猛攻である。
あまりのスピードに刺餌が間に合わない。
気温が低い為か、冷凍ブロックの解凍がとても追いつかないのだ。
海水に浸けようが太陽にあてようが同じであった。
もっと早くに餌を買っておくべきなのだろう。













やがて、本命と思しきアタリが出る様になる。
しかし、この頃から風が更に強まって行った。
長い磯竿がしなり、穂先はぶんぶんと風に揺られてしまう。
これでは、繊細なアタリをとてもではないが拾えない。
仕掛けの投入位置を変えたり、糸の張り方を変えたり。
また、重りを置いたり、浮かせてみたりと色々とやってはみる。
しかし、アタリが伝わらないままに餌だけが無くなって行った。
かなり、イライラとする時間だけが過ぎて行く。
少し離れたところでは、前回と同じ様にナブラが出てはいた。
しかし、今はそれどころではない。
熱中すると見えなくなってしまう。
良くも悪くもといったところだろうか。












結局、やっと本命のハゲが釣れたのは風が緩んだタイミングであった。
どうしてみても、風には勝てなかったのだ。
酷い時には波飛沫が舞っていた。
小さな三角の波が無数に生まれ、まるで川の様に流れて行く。
ナブラ撃ちの船もいたが、エンジンを止めると凄い速度で流されていた。
この頃には竿は 「く」 の字となっていた。
隣に入ったフカセ師はそれでもコッパを数釣っている。
さすがだなと思った。
何とか、ナイスサイズのハゲを二枚追加する。
良いサイズのサンノジが一気に竿先を絞り込む。
3号竿はそれをものともせずに浮かせていく。
面白いな。
これはこれで最高だ。


納竿直前、小さなアタリを捉えた。
サンノジかと信じて疑わなかったのだが、
やがて浮いて来たのは、小さな黄色い魚であった。
手に取ってビックリ!
20センチに満たない 「タマミ」 の赤ちゃんであった。
いったい、何というパワーだろう!
撮影しようとシャッターを押すがどうもおかしい。
あろう事か、バッテリーを充電器から外すのを忘れてしまったのである。
電源の入らないそれを見て心が折れた。
この風ももう限界だ。




























20131126_135035










港近くのスーパーにて精根尽きる(笑)
とても天気は良いのですが、繊細な釣りはどうにも出来そうにありません。

食事をして、しばし休憩をとる事にしました。
ともかく、休みながらも、磯の見えるところに行こう!
そうでないと、夕方まで寝てしまいそうな自分が居ました。














ウトウトしながら約2時間を過ごす。
きもち、風も緩んで来た様子であった。
プチ時化といった感じで波はある。
しかし、風向きは北の方角からのもの。
この感じなら安心して立てそうである。
夕暮れまでの数時間にかけてみる事にした。


駐車スペースまで来ると、お一人の方がいらっしゃった。
お声をかけさせて頂くと、朝もその磯に立ってみえたとの事であった。
快く、自身が向かう事を了承して下さった。
後で向かいますとその姿を見送るのであった。










ポイントへ辿り着いた頃には、
先行の方は既にキャストをされてみえた。
邪魔にならない様、なるべく隅に入らせて頂く。
再びご挨拶させて頂くと、
驚いた事に 「こちらでやって下さい!」 と場所を空けて下さった。




「私は今日はここからしか投げません、ですから、どうぞそこで。」



そうお告げになり、サッと釣り座を空けて下さったのである。
風向きを見れば妥当な事なのかも知れない。
しかし、ここでその場所を譲って下さったのには驚くばかりであった。




よくよく見れば、ウエアから装備、タックルまでも洗練されてみえる。
ロッドもリールも、この私のよりずっと大きかった。
そして、その立ち振る舞い。
おそらく、誠、紳士な磯のスペシャリストの方だろう。
自身もいつかこんな風になれたら。
そんな事を思いながら、有り難くも立たせて頂くのだった。










海の雰囲気は十分であった。
いつ、何が飛び出してきても不思議ではない。
平和とは真逆の違和感に胸が締め付けられそうになる。

まず、自身は瀬際、そして広がるサラシにミノーを泳がせて行った。

どこからか突っ込んでは来ないか?
下から喰い上げては来ないか?

高鳴る鼓動とは裏腹に何も無くルアーは帰る。






隣へと目をやると、その方はトップを撃ち続けてみえた。
この風によるラインのたわみを思うと、自身がそれをうまく泳がせるのは難しいだろう。
潔くもそれを諦め、ジグの釣りへと移行する事にした。
しかし、それでも素直にジグは沈んではくれない。
ラインを出しては巻き取り、そして止めてまた出して行く。
そうして、深みへとそれを送り込んで行く。
そんな事をしながら、なるべく軽いもので探ってみたい。
何故なら、風は強いが、肝心の潮は強くは流れてはいないからだ。
より重いものでは、とても泳がせきれないだろうと。








夕暮れ迫り、茜色に染まる空の下で無心になって行った。
この感覚だ。
これが最高に気持ちが良い。

依然としてバイトは無い。
しかし、それはさして重要ではないのだ。
この陶酔感と高揚。
それこそが自身の磯の釣り。
真っ暗になるまで夢中に竿を振り続けた。
心と身体が大自然にシンクロして行くかの様だった。



















磯から上がり、再び食事をとる。
アジでもいないかと水際に立ってみる事にした。
1投目から幸先よくヒットしたが後が続かない。
場所を変えてもそれは同じであった。
ヤエン師の方々も多く、迷惑となってはと思い諦める事にした。
そうだ、明日の朝は三重の磯に行こう。
久々のその磯へと心弾む。
すぐさま北上し、パーキングエリアにて眠るのであった。































あくる朝、まだ暗い内から山へと入る。
既に何台かの車が停まってはいたが、
年配の餌師の方々がゆっくりとその準備をされてみえた。
真っ暗な山道は怖い。
とても苦手な自身なのだが、この日はそれより少しワクワク感のが勝っていた様だ。
ところどころ、小走りにて山道を駆けて行った。
あと、もう少し!
やがて視界が開ける。
なだらかな崖を下り、目指す位置まで岩を飛び越えて行く。
そこまで来て、遠くの空が紫色にと変わり行くのだった。
今日の釣りが始まる。





























20131127_072209













未明の内はミノーで通しました。
瀬際に特徴的な流れが生まれており、水面にベイト達のざわめきがあったからです。
おそらく、魚がやって来ればそこに向かうのではないか。
徹底的に瀬際を狙ってルアーを引きました。

薄明るくなった頃、しびれを切らしてポッパーへと移行しました。
その数投後、意識していた流れの中で何かが捕食したのです。
大きなボイルと共に一瞬だけ見えた黒い姿。
僅かに一部分だけでしたが、それが大きい事は分かりました。
ボイル後も数秒はそこにいた様子で、ゆらりと海面が動いていました。
慌ててポッパーを送りますが反応はありません。
もう少し粘るべきだったのでしょうか。

































20131127_072103










朝日がとても気持ち良くて。
タックルを置いて深呼吸します。
やっぱり、磯は心地良いですね。
もうひと踏ん張り、ガンバリます!















静寂を破ったのはそれからすぐであった。
沖から小魚がまるで打ち寄せる波のごとく飛び跳ねて来る。
まるでベイトの絨毯だ。
異常を察知して、静かな小魚たちがざわめきたった。
しかし、逃げ惑うそれを追う影が見当たらない。
上空の鳥に驚いて逃げたのか!?
空を見上げたがその姿は無かった。



跳ねては静かになるベイトをずっと眺めていた。
やがて、やっと水飛沫が舞う。
やはり、何かのフィッシュイーターがその後を追っているのである。
しかし、なかなかその顔を見せる事はない。




しばらくして、
それは隣の磯で投げてみえた方の射程圏内へと入った。

もちろん、すぐさまキャストされるその彼である。
しかし、数投してもヒットは無い様子であった。
逃げ惑うベイトはとても小さい。
はたして、ルアーのサイズとかけ離れているのだろうか。
遠いこちらからでは、その全貌をうかがい知る事は出来ない。








そこで、一念奮起して移動する事にした。
様子を見ていると、
どうも、その彼のまだ更に向こう側の磯に気配がある。

直線距離で約250メーター程の距離だろうか。
しかし、磯上をそのまま行く訳にはいかない。
再び山道に入り、元来た道をずっと戻らなくては行けないのだった。


息も絶え絶えに走った。
背丈の高い藪に入り、イバラのトゲに刺されもした。
あまりの暑さに、ヒートテックを着てきた事を後悔する。
10分、15分か?
やっとの思いで磯へと出た。







まさにお決まりのパターンとなる。
来てみたら、喧噪の終わった海が広がっているだけであった。

しかし、このままでは終わらない。
待つ、ともかく待つ。
気配を殺し、じっと待ち続けた。


すると、かなり沖にて、一匹のベイトが飛び跳ねた。
それは、先程までのマイクロベイトではない。
遠い為、正確には分からないが、15センチ~20センチはあったと思う。
それが、とても特徴的な姿で逃げ惑っているのだ。





それを皮切りにして、再び海が騒がしくなって来る。
とうとう、ハッキリ見える範囲でもマイクロベイト達が逃げ惑う様になった。

もう少し、もう少しと寄るのをひたすら待つ。

ボゴッ! ガボッ!!

あと少しで正体が分かるはずだ。
そして、瀬際にほど近いところにてやっと頭を出した。
その立派な頭。




否、おでこ・・・。
































シイラ の皆さんであった。
                      それも 「ペンペン」 である!











この時のガックリ感は表現し難い(笑)
いや、冬にこうして出会えているのは嬉しい事なのだが。
ブルーランナーかと信じて疑わなかった自身には相当にこたえた。
いやいや、海は面白いではないか。












磯から上がり、ゆっくりと休憩をとった。
最後に向かったのは 「湾奥」 であった。
良いナブラを期待してのものである。


自身はナブラ撃ちがとても苦手である。
釣れた事なんてほんの僅かしかない。
磯に拘る様になってから、更にそのチャンスも減ったと思う。
磯でそれに出くわす事は殆ど無かった。



今年は苦手なそれを少しでも克服したいと思った。
前回の日記にも述べた 「柔軟性」 はその一環であろう。
故に人工建造物から狙う事も良しと考えた。











一回目の 「爆発的」 なナブラには手も足も出なかった。

餌の方に呼ばれて、
焦ってタックルを手にした瞬間、シンペンのフックが腕にグサリで終了である。
嗚呼、何と情けない。





夕方になり、かなり沖でナブラが出始めた。
先程とは違い、今度のそれは海鳥とコラボレーションしているタイプ。

遠目には鳥が突っ込んでいる飛沫なのか、魚が突き上げているそれなのかが釈然としない。
目を凝らしていると、ボコンっとたまに頭が出る。
そんな感じであった。


それは少しずつ移動しながら、約5分ほど沸き続けたのである。
ただ、指を咥えて見ているしかなかった。
群れの本体から少し離れた場所で、明らかに迫力の違うボイルが出る!
あれは何だったのだろう。






チャンスがやって来たのは日没より少し前である。
一気に押し寄せて来て、小魚がザーっという音と共に逃げ惑って来た。

鳥も無く、ドカンっと爆発という感じでもない。
派手なボイルの連発というイメージだった。


結果として、2度だけそこに投げ入れる事が出来た。
焦っていて、群れの良いところに入れるのが精一杯。
とてもじゃないが、落ち着いてアクションなどは出来なかった。


群れが去った後、苦し紛れにルアーを引いていると、
回収寸前にドボっと出た。
後にも先にもそれっきり。
やっぱり、とても難しいと実感したのであった。
頑張ろうっと。








それでは