1月8日、9日の日記










新年2日から例年通りの仕事はじめでした。
いつも、初日の午前中はマッタリと始まるのです。

しかし、今年は違いました。
消費税増税の影響でしょうか?
開店と同時に激務となり、夕方まで食事はおろか休憩さえもままならず。
そんな毎日が続き、新年初の休日は疲れきって動けませんでした。
仕方なく、近くの温泉に直行です。
私も年齢相応となってまいりました。




一日ゆっくりと体を休め、また、一日を激務で過ごし釣りに行こうと思いました。
予報では、初日は一日中アメとの事。
年末に購入した、防水の防寒着が早速、役に立ちそうです。
はたして、鬼に金棒となるか!?
磯靴のソールも擦り減ってまいりましたから、ツルンツルンの磯歩きを覚悟して出発です。
釣果の方もまた、ツルンツルン上等であります!
さて、釣るん釣るん~♪♪ 

















今回の釣行プランの事は、年末にご一緒下さった、W氏にご連絡させて頂いていた。
十中八九、明日は雨であろうと氏。
雨ならば、仕事は休みとなるのでご一緒しましょうとお誘い下さった。



氏と竿を出したい。

いつもなら、憂鬱な雨の釣りも、今宵は 意気揚々とである。
今回、入る磯は、Rockさんが選んで下さいとの事。
色々とご相談させて頂きながら検討したが、コレという予想を立てる事が出来ない。
あまり無い機会である為、出来れば良い釣りをしたいと妄想だけが膨らんで行く。
 結局、道中も考え続けたが、南紀に到着して尚、行き先を決める事は出来なかった。
眠れない夜を過ごし、とうとう、氏との合流の時が来る。










結局、選んだのは、一番安定感を感じられる方面であった。
冒険、賭けは二か所候補としてあったが、餌師とのバッティングを避けたりといった事で選ぶには至らなかった。
安定感と言っても、そこはやはり賭けでしかない。


長期的な回遊がある訳でもなく、海況、ベイトの動向次第の磯であるのだから。
勿論、釣果を得たいのはやまやまではある。
出来れば、良い魚を見つけて対峙したい。
その可能性はおそらく、どの磯でもあるだろう。
そこはそう、ただの自身の拘りと狙いによるものでしかない。
私の自己流だと流して見て下されば幸いである。











結果として。

私の読みは大きく外れてしまうのだった。
海は静かに、まるで湖を見ているかの様相であった。
朝の光量というマジックフィルターで見てさえ、心躍る様な潮が当てる事は無かったのである。


「まったりとした海」


稀に見るもどかしさが眼前に広がっていた。










それでも、二人してベストを尽くしたのは述べるまでもない。
互いに築き上げてきたものを、少し違うかたちで出しきったと思う。
おそらく、めげてしまいそうになる気持ちを振り絞って挑んだろう。
何故なら、そんな我慢の先にこそ、起こりえる事があるのを知っているから。
しかし、この日、ドラマを作り上げる事は叶わなかった。
全ては自身の読み違いである。













後ほど用事があるにも関わらず。
かなり遅くまで氏はご一緒下さったのである。
釣りを始めるまでの未明の時、数々のエピソードを今日も私にお話し下さった。
釣れなかったのは残念だが、今の自身にはこうした時間がとても意味深い一瞬に思う。
いつか、氏にとってもそうであります様、自身の釣りをより深めたいと固く誓うのであった。
他人の経験や話ではなく、己が海で出会った事の数々。
それが何より大事だと思う。
















休憩をして体力を回復させて行った。
未だ代車での生活を余儀なくされており、狭いその車内では眠る事さえままならないのである。
眠たいが寝れない。
ならばと、磯に降りようと思う。
この頃から、雨、風ともその勢いを増して来た。
海辺に車を停めると、大粒の雨が真横から窓を叩く。
キャップ、グローブ、そしてライフジャケットは朝の釣りですでにベタベタに濡れている。
今更と気にしないで車から降りるのだった。





向かった先はシモリが沈むシャローポイントである。
根に波が当たり、不気味に膨れ上がったそれが磯を叩きつける。
辺り一面は真っ白にサラしていた。
立てるか?
岩を一つ越え、二つ越えても、その先の事は分からない。
もう少し、前に進まなければそれが見えないのであった。
滑りやすい斜面を慎重に下って行く。
もう少しだ。












希望の磯にやっと辿り着いて、まず、高い場所から海を眺めた。
やはり、何分かに一回、セットのドカ波がやって来る。
キャスト&ラン。
そんな釣りになるだろうか。
釣りだけに集中が出来ないので、自身、とても苦手とするシチュエーションである。
それでも、今日はどうしても竿を出したいと思った。
言葉では説明が難しい 「魚の気配」 がそこに感じられたからに他ならない。
おそらく、持っているルアーで使えるものは一つだろう。
キャスト出来る範囲をしらみつぶしに撃って行く。
例え反応が無くとも、奴らがいつやって来るかは分からない。
可能な限りやってみようと思った。
しかし、その思いは儚く砕け散るのである。




沖から来る波がどんどんと大きく、高くなって行ったのだ。
もう、目に見えて分かる位にであった。
狙いを定めてキャストする。
強風に膨らんだラインスラッグを取っている間に大波が立つ。
ベールをオープンにして、一目散に高台へと逃げる。
何発かのそれが過ぎるのを待つと、もう、どこにルアーがあるか分からなくなっていた。
そして、とうとう、高台にいてさえ波を被る様になる。
いよいよ、これからって時であった。
さらわれれば、まず命を落とすだろう。
出来れば、釣りは長く続けたい。
当然の撤退であった。




































20140108_161830























久々にビジネスホテルの扉をくぐりました。
風呂だけ入って、帰宅するという選択肢もあったのですが。
どうしても、もっと釣りがしたかったのです。
大荒れで夜の釣りは諦めました。
ゆっくりと温泉に浸かり、ゴロゴロして早くに眠るのでした。
外からは凄い雨の音。
明日の朝、波が落ちるのを祈るばかりでした。















翌朝、午前3時半に起床する。
身体をシャンとさせる為にゆっくりと朝の時間を費やした。
幸いにも雨は止んでいる様だ。
問題は波が落ちているか。
それにつきる。





チェックアウトを済ませ、すぐにポイント付近へと車を走らせた。
雨こそ止んでいるが、相変わらずの強風に南紀特急(仮)のハンドルがとられる。
駐車スペースに停め、早速、身支度を整えて行った。

やはりというか、他にクルマは一台もない。
薄明るくなる、ギリギリのその時まで待機しようとも思った。
しかし、それでは、降りる事を躊躇してしまいそうな自分がいる。
海が見えないからこそ、行く気になれるかも知れないと。
そして、肌に感じる感覚と、音だけを頼りに歩きだす事にした。
足元の岩は恐ろしいほどに滑り、吹きつける風によろけてしまう。
しがみつき、這いつくばりながら進んで行った。











やっとの思いでそこに立った。
荷物を置き、ヘッドランプを消すとそこは漆黒の闇に包まれる。
星空も月明かりも何もない。
不気味なウネリが微かに見える程度だった。
少し明るくなるまでは身動きすら出来ない。
そんな気持ちとなった。
寒さと恐怖に震えながらただその時を待つ。










やっと、時が来た頃、更にもう一段上へと移動する事となる。
波がもうそこまで這いあがっているのだ。
安全マージンなど、ここでは無いに等しいのではないか。
一発がもし来たら、海の藻屑と消えてしまうだろう。


そして、釣りの準備を始める。
使えるのはミノーしかないだろう。
はたして、ジグはどうか!?
投げてみなければ分からない。
ともかく、まずはミノーで行く。












それが間違いであるというのは、第一投目で分かった。
ウネリと潮流を考慮し、あえてフローティングのそれで挑んだのである。
下手なシンキングよりもずっと飛ぶ。
お気に入りのルアーを選んだつもりであった。


飛距離にして約10メートル。
瀬際からは約5メーターの地点にそれは落ちた。
これでは、全くもって痒いところに手が届かない。

かろうじて、激流の中を何とか泳ぐ。
そんな感じなのである。
試しにシンキングタイプへと換えてみたが、更に飛距離は落ち、全く泳ぐ事は無かった。







ならばと、早々にジグへとスイッチしてみる事にした。
約40メーター程は飛んだが、ラインが膨らんで全く沈もうとはしてくれない。
何度か投げる内、ようやくラインをうまく捌いて、沈む態勢へと持って行く事は出来たのである。
しかし、どうした事か、それでもジグは沈もうとはしなかった。
風をかわし、ラインを捌き、穴の様なその一点を探して行く。
今までは激流の中でさえ、その一点を探し当てる事が出来たのではあったが。
この日はいくら投げてもそれを見つける事は出来なかった。



それでも、だましだまし沈めてシャクってみる。
振り上げたその手にはいつもの抵抗感は無かった。

水の中のラインスラッグをただシャクリ上げる様な感覚なのだ。
ジグがどこにあるかも分からないし、まったくちゃんと泳がせている気もしない。
唯一、着底とシャクリ重りを感じたのは、瀬際から約2メートルの地点での事。
この日、岩壁に着く、自身のルアーに反応する魚は居なかったのだろう。
情けない話だが、自身のスキルではルアーさえ泳がす事が出来なかったのである。








荒れ狂う海であったが、やはり、魚の息吹をそこに感じずにはいられなかった。
おそらく、今、ここにはバケモノのが居るのではと思った。


風裏でなく、風表だからこその世界がある。


しかし、全くもって、自身の釣りを成立させる事が出来ない。
どうしても、どうにも出来なかった。










悔しい。
本当に悔しかった。
一からやり直そう。
それしか無いのだ。








それでは