3月18日、19日の日記











今週も磯へ向かいました。
実生活がメインなのか、磯がメインなのかよく分からない日々であります。



適当に仕事も忙しく。
必死に働いては夜な夜な深酒。
休みとあらば釣りです。
もう、まともに寝ていません。

いいのですよ。
独り身ですから。



何とか、まだ身体も動きます。
どうせ、何をしていても。
人は日々、生命を削っているのですから。


破滅的に見えるかもしれませんが。
熱く、燃えていられる事が生きている証かなと。



重ったるい書き出しとなりましたが。
ロックンロールフィッシングいきます!






















「もう、セピア色した想いでになったよ。」

そう、Taka氏は呟いた。

確か、それは釣行直後だったろうか。






勿論、氏の冗談である。

悔しさは、すぐに情熱へと転換するのだ。








今回、Taka氏とご一緒させて頂けるのは初日だけとなる。
忙しい中、氏も熱く燃えての出撃なのだ。

天気予報では 「南の風、10メートル前後」 との予測である。
表磯に立つ以上、おそらく、その風や波をかわせる磯は無いに等しいだろう。
それでも、幾分かは直撃を免れるであろうポイントを考えた。



そしてまた、魚に出会う可能性が高くなくてはならない。

自身の釣行、そして、素晴らしき仲間達のお話から居場所は分かっている。
ただし、喰わせるのがとても難しい状況である。
真相は分からないし、魚の気持ちも知らないのだけど。
自分なりの解釈として、ベイトの種類、サイズ、そして何よりもその数ではないかと考えていた。


問題はそれをどう攻略するか。
そしてまた、荒れた時に良いという噂を検証してみたくもあった。
はたして、うまく行くかは分からない。
それは何より、釣り下手の自身ゆえの事だから。












駐車スペースへと辿り着く。
車から降りて、すぐさま怒号の様な波の音が聞こえる。

いけるのか!?

ここまで来たら行くしかないだろう。
Taka氏の覚悟は完了している様だ。
波、上等である。(誤解の無い様に言いますが、2ステップ位の逃げは想定してあるのです)








ほどなくして、目標の地点に到着する。
ヘッドランプの灯りには、まるで霧雨が降る様に潮が舞い光る。
暗闇に黒くうねり狂う海。
釣りになるかどうかは明けてからしか分からない。
何故なら、シモリが点在し、波の方角によってはルアーを泳がす事が困難だから。
経過時間は約10分。
すでに、舞い散る潮によってどこも濡れていないところなどなかった。






そんな折、ふいに、Taka氏が呟く。

「俺、どうかしてるわ・・・。」



どうやら、荷物の全てを車に置いてきてしまったとの事。



自身は 「二人」 の安全を確保する事だけを考えていた。
氏の荷物まで、とても見る余裕は無かったのである。
仕方なく元来た道を歩みゆく氏。
真っ暗な中、氏のヘッドランプの灯りだけが小さく揺らめいては山を登って行った。


独りになり、途端に孤独を感じる。
見えないのだが、ふいの大波にそこで一番高い場所が濡れて行った。
氏を待つ間、波に三度ほど頭を叩かれる。
おそらく、夜が明けたら、一瞬だけ今よりも静かになるだろう。
それがもし、無いのなら潔く撤収する。
明け方のジレンマである。















やがて、氏も戻って準備を整えて行った。
まず、私が結んだのは、昔から好きなトッププラグである。
今季の状況を垣間見て、自身なりに手を加えたものであった。


コイツで勝負してみて、反応が得られないのならば。
極端な言い方かもしれないが、今の私の釣りは全てゼロの地点に戻ると思う。


それ位に自分の信じる釣りを研ぎ澄ませて考えていたのだ。
直ペンでもシンペンでもミノーでもない。
それに今の状況を集約していたと思う。
分からないが、それが魚から見て、一番らしい疑似餌だと確信していた。


間違いならばどうか!?


そんな事は知らない。
どうせ私の釣りだ。
私の釣りが間違っていれば、困るのは自分だけなのだ。
そろそろ、自分も信ずるルアーに生命を吹き込まなくてはならない。














数センチ単位にて、僅かに波をかわす地点を見つけて立った。

より、足場の高い。
「釣れる」 可能性が高い場所。
そこへ、Taka氏に立って頂く事にした。


類まれなる才能を持ってみえる氏とはいえ。
荒磯の洗礼をより多く受けているのは、氏よりは、自分に間違いないのである。
未来ある氏に何かあっては、彼の家族に何も言えないではないか。
だからこそ、氏にはより安全な一点に立ってもらう様にした。


そこはそう、私だって、危険なだけで釣れない場所を選びはしない。
無駄とも思える釣行回数にて少しばかりは見れていると思う。















問題となるのは 「風」 である。


先程から、予報など、可愛いほどの強風が真正面からブチ当てている。
誠に残念であるが、私の信ずるそれはこの風を切り裂いては行かない。
ふいに投げて、10メートルにも満たない海に不時着するルアーであった。

そこは、瀬際のサラシのちょうど切れ目。
そんなところに魚は居ない。
分かりきっている。








今は飛ぶルアーを結ぶ時ではない。

だからこそ、それが停滞するその一瞬を待つのだった。

荒れているから、見渡す限りに魚はウロウロしているか!?

どこに投げても喰うだろうか!?



少なくとも、今の海にそんな事は無いだろう。

昔とった何とか・・・か。








喰う一点がある。




業界用語を借りるならば、フィーディングスポットとなるだろうか?



おそらく、必ずそこで喰う!










そこを狙って、物陰に隠れてじっとしているかどうかは知らない。


遠くから、そこで、我を失う餌を伺っているのかも知れない。


たまたま、通りかかって、泳げなくなった餌を襲うのかも知れない。





そんな事はどうでもいい。

喰うか喰わないか。


そこだろう。




















風を待ち、波が立たないその一瞬を待った。


結果、辿り着き、ワンアクションで大型のメジロが躍る様に出た。






しかし、ここからが、実に私らしい部分なのだ。




身体を丸出しにして、横向きになってルアーにかぶりつくメジロ。


水面にて、何故かモゴモゴとして一向に沈もうとはしない。



昔見たあの瞬間である。













かぶりついたは良いが、フックがイガイガして痛くて、気持ちよく飲み込む事が出来ないのだろう。

離そうとしても、口にそれが突き刺さる。

四苦八苦して、餌かと信じたイガグリに悶えているのであった。






そこで何も出来ないのが、Rockbeachらしい!!


これまた、いつもの様にフリーズとあいなった。


フッキングを入れようとして、じぃぃぃーっと固まったまま傍観してしまうのである。





やがて、イガイガから解放されたメジロは消えて行った。


波も風もどんどんと勢いを増す。
もう、どこも、波を被っていない場所などない。



Taka氏は、ふいの大波を全身全霊で受けていた。
あやうく、氏のギャフが海の藻屑と消えそうであった。


そんな頃、一人のアングラーがより高場へと立つ。












全くもって、私のルアーは飛ばなくなった。
仕方なしにプランBへと移行する。



それは、荒れているならば、活性の高い個体がウロウロしているのかを探るもの。
まず、他のピンスポットを、可能性の高い順から撃ちまくってみたのである。




ルアーの動きはかなり落ちる。
しかし、勝負出来ない程ではないだろう。
魚が居たら、迷わず喰うだろうという動きは出したつもりだ。



結果、全くもって無かった。
Taka氏も、後で入られた方も、充分に魅力的なアプローチをしてみえたと私には見えた。
しかし、まったく無かった。




おそらく、きっと、そこに居る魚が少なかったのだろう。
そしてまた、荒れているからこそ、定める捕食ポイントがとても狭い。
荒れ過ぎているから、そこにいるベイトは僅少であった。
そんな感じだと思う。



身の危険を感じる程の状況が好機とはならなかったと言える。
少なくとも、私の歴史ではそうだ。
あなたの釣りの歴史とはまた違うかも知れない。
だからこそ、断定するものではないのであしからず。
















少し、粘りすぎる位にやった。
安全を確保できなくなる少し先までやった。
しかし、もう限界だろう。



やはりというか、後からみえたその方もリュックを背負われた。
言わなくても、Taka氏も時を分かっている様だ。
すぐに避難場所へと逃げる。


道具を片付けながら、ふと、帰られるその方を見た。

大先輩である、M氏であった。

状況が状況なのと、遠目だったのでよく分からなかったのである。
たまに横目でチラ見していたが、彼のその動きには全く無駄が無かった。
間違いなく 「釣る人」 だとは認識していたが、氏と分かって納得であった。


しばし、お話をさせて頂き、車へと戻るのだった。
道具を積み終えて再び氏に話しかける。
まだ時間もあるし、少し魚を探してみると氏はいう。
勿論、我々もそのつもりだ。
探すエリアを大きく隔てお別れをした。


















数時間後、再び氏と出会う。
勿論、その間、連絡をとっていた訳ではない。
巡り巡って、ある地点で出会ったのである。



その後も別々に巡ったが、局所、局所で再会した。



私は、私のルートを、Taka氏と巡っているだけであった。

M氏はエキスパート。


誰に教わるでもなく、自らがチェックしてきた場所にてお会いする。


それが、本当に嬉しかった。
ありきたりなものかも知れない。
でも、尊敬する氏と同じ風に動けているのだ。
自分を信じて、間違って、間違って。
迷いながら来た事が少し明るくなった気がした。
本当、私なんて、こんな素晴らしい釣師とお話しが出来る事すら今でも信じられないのである。


































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この時点で、僕は 「青物」 を諦めていました。

持って降りたのは、磯鱸に向けての道具でした。

Taka氏は青物を。

立ち位置を違えて挑みます。


























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私の磯鱸用の竿です。

基本、古いものが大好きです。

























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自分なりにやり込みましたが・・・。

何も起こせませんでした。

良い時期となって来た様ですがとても難しいです。

ミノーさえもちゃんと泳がせる事が出来ません。




















これにて、一日目の、Taka氏との釣りは終わる。

何も無かったので、とても申し訳なく思った。
自然相手だから仕方ないのだろうけど。
友人との釣りでは、やはり、何かあって欲しいと願う。
Taka氏、誠に申し訳ない・・・。
















二日目。



前日の状況からもう決めていたのだ。


波、風とも、幾分かは落ちると予想する。
独りであるから、余計にそれをシビアに見た。
波にさらわれれば、ほぼ確実に助かる見込みは無い。
そんな海域で竿を出そうというのである。














陽が昇り、そろそろ魚が来るかなという頃。
やはり、昔の記憶で、そのフィーディングスポットを盲信し確定する。
どこでもない、そこしか考えられない場所。



結果。

やはり、ワンアクションにてルアーが消えた!




渾身のフッキングを入れ、一気に巻き殴って行く。
いきなり、下へ下へとつんざく魚。

いくら、瀬だらけとはいえ、この動きは普通ではない。





我を忘れて闘った。

ドラッグは出ていないだろう。

もしかして、それさえも感じる事が出来なかったかも知れない。


風と波の轟音で、そんな小さな音など聞こえはしないのだ。

ポンピングなど入れている余裕はない。




「綱引き」 を織り交ぜながら、巻きに巻いた。
最期の最期まで執拗に潜る相手。
瀬際で、やっと、リフティングをするにいたったのである。





浮いたのは、鰤の様なシルエットをした 「80」 あるなしの魚だった。
沖に向けて、立ち位置よりも手前に瀬が張り出している。
だから、一刻の猶予も無い気がした。

そして、そのまま浮かせにかかった。



























ぽろり!
である。















二日続けてそのチャンスを無にしてしまう。






諦めずに投げたルアーは私が信ずるもの。

瀬のサラシの切れ目を引いて来る。


 
途端に 「黄色」 に見える青物が発砲の中から舞い踊った。



しかし、ミス!!






私のルアーがちゃんと泳がなかったから、うまく、餌と誤解したそれを頬張る事が出来なかったのだ。

本気で喰いに来ている魚を逃すのは自身の過ちでしかない。





その後、黒い魚がふいに躍り出て、執拗にルアーを追尾して喰い込んだ。



一見、何もなさそうな水面にヒラスズキが現れたのだ。




目を見張る程にデカかった。


それが最後であった。













それでは