4月15日、16日の日記








Rock'n'Roll な仲間の、TNK氏が先に釣りに行かれていました。
事前情報など全く無い中、氏の思い入れのある磯へと立たれたのです。
そこはそう、まさにパラダイスでありました。

狂喜乱舞する魚達。
逃げまどう難しいベイト達。
魚が捕食している以上、喰わせられないパターンなど無いのかも知れません。
試行錯誤の末、彼はついに素晴らしいメジロを仕留められました。
私も、Taka氏もまるで自分の事の様に喜びました。



TNK氏は私達だけでなく、私の尊敬してやまない大先輩達にもそれをお伝え下さいました。
先輩方もまた、気難しい魚達に奮闘されて貴重な釣果を得られたそうです。





知る限りですが、私はその難しいパターンを経験した事がありません。
釣果を得たいからではなく。
純粋にそれに挑みたいと思いました。
TNK氏の場所に急行するのでした。
















それはまさに 「急行」 であった。

仕事は遅くまでかかり、おまけに何の準備も整ってはいない。
他の青物釣りもまた想定し、やっと用意が整ったのは午前2時前であった。
マズメに間に合わないかも知れない。
まだ、不慣れな新しい道路を南下して行く。









現場の駐車場に着いたのは午前4時過ぎであった。
曇り空が、僅かに日の出を遅らせてくれていた。
急いで磯へと立ったが、そこはまだ暗闇が支配していた。

そんな闇の中、一度しか来た事のないそこをめざす。
約一年前の記憶を呼び覚ましていた。
あるはずの岩がそこに無い。
あるべきものは白い波の中に沈んでいた。







天気予報では確か、波高1.5メートルの穏やかな海であった。
いったい、何がどうしてそうなのだろう?
東の方角からは、絶え間のないウネリが不気味にかたちを変え打ち寄せて来る。
大潮で潮位も低くはない。
立てるか、立てないかではなかった。
しつこい様だが、立つべき岩は水の中なのだ。



あと、約25メートルが足りない!
夜明けと共にそれは始まった。
振りぬいた、ロングキャストはまるで心の叫びであった。
PEの鳴き声が響く。
どうしても、あと少しが届かない。


少しでも寄る様にと祈るが、その思いも届かなかった。
キャストで届く場所にも魚達の荒ぶりは無くはなかった。
しかし、それはおそらく違う魚だったろう。

茶色に見える謎の魚達が激しく水面を割っていた。
この時、それが何なのかはさして重要ではなかった。
立つべき場所の沖、約20メートルで起こっている事。
届かない夢にただ下唇を噛みしめるしかなかったのである。










陽が昇って急に我にかえる自分が居た。
強烈なボイルはとどまる事を知らず。
そのベイト達が沖へと行くにしたがってそれも遠ざかって行く。
自然の摂理を覆す事は不可能なのだ。

釣りに 「たら、れば」 は無い。
知らなすぎる磯へ来るには遅すぎた。
それだけである。
天気予報は絶対ではない。
あくまで現場の空気なのだ。













座り込み、自身の甘さに打ち震えたのはいうまでもない。
そのまま、車の中で眠って全てを忘れてしまいたかった。
でも、目が覚めればまた。
それを思い出して悔やむ事だろう。
一週間、考えて考えて、想いを巡らせて来た事を何も出来てはいない。
次へと向かわなければならない。
海へと来たのだから挑戦するしかないのだ。














ヒラマサを求めて。
想い出深き磯へと向かった。
車を停めてすぐ、朝に釣りをしてみえたであろう方とご挨拶をする。
聞くと、やはり大波に苦戦された様だが、メジロを数匹仕留められたとの事。
陽は昇りきってはいるが、見える海に終わった感じは無い。
湾の奥まで白波が打ち寄せている。
水色もすこぶる良かった。
転がる様にして先端に立った。

































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熱く燃える心にあっては金銭感覚など消失してしまうのです。
探し求め、貴重な竿を手に入れる事が出来ました。

旧ガイド仕様のデッドストック。
ライントラブルは自身の腕とシステムの調合でしょう。
好きで選んでいるのだから気になりません。
買いたくても買えない。
私にはいつもそんなものばかり。
運命と出会いではないでしょうか。

































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これらの組み合わせに感動が込み上げて来ます。
私の新しい歴史の第一歩でしょう。
残念ながら、魚を引き出す事は叶いませんでしたが。
これだからこそ、生きる局面がきっと来るでしょう。
通って通って、その場に立つしかないのです。







闘いきった後は狂った様に食を貪った。
そして、死んだ様に眠った。

明日、駄目だったと簡単に言う訳には行かないのだから。
精一杯やっても、駄目なら仕方ないだろう。



すぐに反応が無いから心折れる?
折れても折れても、少し休憩して、思い直して。
そして投げ続けたい。


独りだからこそ、出来る事なんだろう。
それが出来ないなら。
僕は楽しく、仲間と釣りをする価値は無いと思っている。
病気も死も突然にやって来る。
元気な今、しっかり釣りをしておきたいのです。

















夜中から先端をめざした。
他の釣りの、熱い想いの方がやはり同じ様に向かう。
エサもルアーも関係ない。

夢を思い描く気持ちには変わりはないのだ。
磯に立って、お互いの気持ちや歴史を語り合った。
夜明けまでの 「時間潰し」 ではお互いなかったと信じたい。
三重のベテラン底物師。
石物を狙い、さすらうその気持ち。
違いはないだろう。
少なくとも自身はそう信じた。








トップを引き、水中にもプラグを魅せて行った。
違う気がして、何度もそれを交換しては投げて行った。
ベイトは見えない。
鳥もいない。


少し前には良かった海。
そんなものは幻の様だった。
いつまでも同じで、それが続く事など有り得ないのだから。


何の約束も無いのだ。
深い海の中の事。
気配など微塵も感じる事は出来ない。
信じるしかない。
自信も無いし、間違いの釣りをただただ続けているだけかも知れない。
それでも、信じるしか他に道は無い。








何度、心折れたろうか。
もう帰ろう。
何度、そう思ったか覚えてもいない。



あと一回、もう一回。
その 「一回」 のキャストが全てを変えるのを知っている。



本当に燃え尽きるその時まで。
やりきって、駄目ならば・・・。
その時じゃない!?
きっと、燃え尽きた先には、違う喜びが待っている。


それは、ドラマでも何でもない事。
一瞬の回遊、一瞬の魚の本気を。
ただ、自身の分身がちゃんと海の中を泳いでいるかどうかじゃないだろうか。




























ズバッ!!














フルキャスト。
ミドルより少し下の出来事だった。

潮と魚の重みに耐えられない。
浮かせて寄せる!
頭が少し別を向いたまま変えられない。
それに気を取られてラインが磯に噛んだ。





外れなかった。
どうしても外れなかった。

切れない様に糸をやった。
そして巻いた。
ひとところで擦るのだけはどうしても避けたかった。

魚は小さくはない。
やっとの思いで掛けた奴。
絶対に諦めたくはなかった。










結果的に。
潮位に助けられたのだろう。

情けないが、禁断のあと一歩を踏み出したのであった。

そこには乗らない!

自身の決まりを破った瞬間であった。
どうしても獲りたかった。
どうしても。














































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気が付けば、石物師までもがそこを超えて駆けつけてくれていた。
私からは届かないギャフを握りしめて。


本当に涙が出るほどに嬉しかった。
抜く力も、気持ちも、もう、私には残されてはいない。
心が高ぶってその後の記憶が無い。





































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ただただ、死闘を演じた相手を楽にさせてやりたかったのです。




リリースなど有り得ない闘い。






ヒレを見て頂きたい。
丸くなって無くなっている。
身体もズタズタになっている。


この様な血みどろの写真となってしまいましたが。
それは彼に感謝の気持ちを込めてのもの。
祈りながら命を絶ちました。










自身の釣りが下手で、体力が無くて。
魚を苦しめたのだけど。
あなたが居なかったら、僕には前進は無いのだろうと。



魚が大好きだから釣りをしたいと思った。
ギャップ、そして、どうしようもない矛盾。

せめて、美味しく食べて 「有難う」 と祈る事ではと思っています。










本当に嬉しかった。
この歓喜は誰しもに伝わるものではないだろう。
ヘビージギングを愛する者に。
届いて欲しいと願う。





それでは






My Tackles

Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6500EXP with Z5000GT Spool
Line  YGKよつあみ PE #4
Leader SUNLINE NYLONE 80LB