8月22日の日記










相変わらず体調が悪い。
不整脈が治らない。
今回ばかりは休むか否か。














前回の釣行の後。
いや、その帰宅の道中からか。

安直な自身の読みを悔やみ続けたのであった。
潮がよく当てるエリアであれば、澄んだ潮が広がるのでは?と。
しかし、その考えは大きく外れたのである。

至極、当たり前の事だろう。
たった数年で、大いなる海を知ろうなど、浅はかにもほどがある。
その愚かさを噛みしめて腹が立った。



しかし、何も考えないよりはマシだろう。




はたして、釣行が出来なくなるその時までに。
ほんの少しでも知る事が出来れば幸いだ。






だから、多少の無理をしてでも海に行きたい。
きっと、明日は予想もしない海が広がっている。

















現場到着はいつもよりもずっと早かったろうか。
装備も整っていたし、何より気持ちが急がせたのである。


二日前にお会いした、NKW氏御一行は未だ南紀に残られていた。
本日が最終日、後悔の無い釣りを全力で挑まれるに違いないだろう。
おそらく、狙われるとしたらあの磯しかない。


それを思って、自身は違う磯を考えた。
もちろん、それだけが理由ではない。
分からないが、検証してみる事。
生まれた仮説に素直になったのである。








パーキングに到着すると、既に三台の車が停まっていた。
一台は見覚えがある。
NKW氏のお仲間のものであった。
はたして、あとの二台はどうか?
一台には既に人影は無かった。
もう一台は中で人が眠っている感じである。
おそらく、自身が目指す磯へ向かわれるおつもりなのだろう。





待った。

早いもの勝ちではあろうかと思うが。
ところによっては、独特のローカルルールもあるらしいから。
例えここには存在しなくても。
その様な場所へとあしげに通われてみえる方かも知れない。



気をつけて中の様子を窺った。

お疲れなのか、熟睡されているご様子でピクリともしない。
そして、しばし待機。
待てども待てども、全く動きは無い。

さりげなく、静かに 「活動」 してみた。
ヘッドランプを点け、磯に下りる用意を整えてみる。
しかし、それでも目を覚まされる事は無かった。
タイムリミットは迫っている。




その内に、NKW氏のお仲間の一人がいらっしゃった。
しばし、楽しいひと時を過ごさせて頂く。
そして、氏ともう一人の方もご到着。
ご相談の結果、時間も時間ですし行きましょうとの事。
少し後ろ髪をひかれる気がしたが、仕方がないと自身に言い聞かせた。
あとは釣りの事だけを考えるのみである。













夜明け前となり、おそらくは寝てみえたお二人が下りてみえた。
私に気付かれ、離れた場所に荷物をおろされるのだった。





前回の釣りで破綻した、金具との結束を改めて来たのである。
資料をあさり、なるべく簡単で強そうなノットを選んだ。
しかし、結んでみたそれは、どこか弱そうに見えたのである。

よって、他のノットの通例の手法をも取り入れてみた。
オリジナルというべきかは、組み合わせとなるだろう。


しかし、あまりにも時間が無く、僅かしか繰り返し結べていない。
よれず、真っ直ぐに結べるのは、3~4回に一回という感じであった。
やはり、磯へ下りての本チャンでも失敗は続く。
結局、三度もリーダーを切って、FGからやり直す事となってしまった。
夜明けは瞬く間であった。















やはり、最初の一投はポッパーである。


ベイトはカマスではないか?との評判の様だ。
おそらく、そうなんだろうなと思う。

きっと、キビナゴもいるだろうし、他の魚たちもそこにはいるだろう。



はたして、自身が求める魚は何を狙ってくるか。

また、仮に魚がカマスを意識していた場合、自身のポッパーに反応する事はあるのか!?


分からないから、試してみるしかない。

経験がある方は、その経験に基づいた選択をされれば良いと思う。

だけど、経験が無いにも関わらず、人がカマスにはコレ!というのをそのまま真似るのはどうか。

出来れば、私は自分でそれを確かめたい。

例え、誰かが作られたルアーを使っていても。












もう少しで竿出しかなという頃になって。

急に雲が走り出し、ザァーっと来たのだった。
そこで、やっと瀬際へと立つ。
そんな幕開けとなる。





雨雲はすぐに去り、それまで吹いていた風もがピタリと止んでしまった。
そして、目の前の潮が大きく歪みだす。
何度かここへ来ているが、こんなのは初めての事であった。
水面はざわめき立ち、やがて、はっきりとした流れとなって行く。
ヨレたり、渦になったり、湧き上がったり。
沖へと強く払い出す様なそれも生まれて行った。

あぁ、凄い潮だ。
海の仏よ。
有難う。
そう、心の中で呟いた。













ファーストキャストはペンシルポッパーであった。

5投、6投と重ねる内に、斜めに横切る潮目でバイトを得る。
それが、何の魚によるものかは分からなかったけども。
何故か、とても嫌になってしまった。
おそらくは、自身がそれをペンシルとして動かしていたと思ったからだろう。
知りたいのはそうじゃない。

純粋なポップだけでどうか!?
それなのだ。









無心になって続けていると、隣の磯にみえた二人から叫びが上がる。

次の瞬間見たものは、グニャリと曲がり込んだロッドであった。
そして、巻くに巻けない中で、せめて半回転だけでもと懸命に巻くお姿であった。

再び振り返ると、のけぞる様にして持ち上げている。
磯上でデカイ奴が暴れていた。
そしてすぐ、掴み上げる。
その体高はメジロのそれではない。
一目見ただけだが、それだけは分かった。
湧き上がる歓声。
きっと、思い入れの一本だったのだろう。







おそらく、良い魚を釣られたに間違いは無かった。

不思議だが、何故か焦りは無かったのである。
きっと、思い込みなのだが。
自身には届かない魚だと感じた。


何故か?


私の前には無かったのである。

流れが無かった。


先程、私には分かろうはずもない!と言ったばかりではあるが。

どうしても、そう思ったのだから仕方ない。

全く矛盾しているが、混乱でも良いのであえて書き残そうと思う。





まったくの直観だが。

きっと、彼らの前に広がる海には居ると感じた。

やはり、釣れたかというのが正直な気持ちだった。


だが、今は私の前には無い。

だから、焦らなかったのだと思う。





一旦、ペンシルに換えたりして広く探ってみた。

しかし、反応は無い。


彼らを振り返ると、釣りをしているお一人は立て続けに竿を曲げられてみえる。





やがて、その流れではないものの、魅力的な潮がこちらにも当てる様になった。

そこで、再び、ポッピングポッパーへと結び換えた。





彼らは、やはり連発されてみえる。

きっと。

もう、こちらにも魚は居るに間違いはないだろう。

ここが我慢のしどころだ・・・。


そう、魚を前にしてこそ、確かめる事が出来るのだから。






強い気持ちをもって、ひたすらに心を静めようと努めた。
焦ればきっと、自身のポッピングの旋律に不協和音が出るから。
釣れたのはいつもそのリズム。
ロックンロールのビートを刻むのみだ。




何とか、それを奏で続ける事は出来たろう。

そして。
獲物が出る事は無かった。
まさに、断腸の思いであった。
だがしかし、こうでもしないと確かめる事は出来ない。
分かった今、反撃を開始するしかない。









とはいえ、同じ事をやってもつまらないだろう。
(どれだけ、自身はひねくれているのか・・・。)

ペンシルへと換えたが、普段よりずっとサイズを落としてみたのである。

本当に 「サイズ」 かどうかを確かめてみたかった。





結果はすぐに出る。


一投目から 「モジリ」 が沸きあがった。
茶色い背中がグングンと向かって来るのが見えた。



何度か、流れの中で追うのが見られたのだが。
どうしても、バイトまでには至らない。

おそらく、不慣れなそのサイズに自身の誘いがぎこちないのであろう。
試したい事はあるが、
なかなか、腕がそれについて来ないのが情けない。
まぁ、下手でもやってみたいのだ。




しばらく重ねていると、少しずつだがマシに動かす事が出来る様になった。
そして、針掛かりこそしないが、飛沫を上げたり、ルアーを弾き飛ばしたりが増えて行ったのである。
おそらく、今の魚達の気持ちには 「サイズ」 ではないのだろう。
お二人は、18センチ程度のサイズでヒットが相次いでいるのだから。
おそらくは 「動き」 である。






いつもの払い出しの中を泳がせた。
そして、瀬の直前で一瞬だけ止める。

グン!


どこからともなく、青い影が奪い去ろうとする。

待望のヒットだった。








ロッドを立てると、魚は行き場を失くして水面を割った。

バシャバシャと暴れるだけであった。

一気に寄せようとハンドルを巻くが、ギィーギィーいうだけでまるで巻けやしない!

おかしい。

ドラッグは何度も確かめたはずであった。

おそらく、手入れが悪く、壊れてしまったのだろう。

手でスプールを押さえながらノブを何回転もさせて動かなくした。
大失敗である。











抜き上げた魚は暴れる事を止めない。

まるで、シイラの様な姿に困惑する。

仕方なく、軽く足で押さえつけた。
フロントフックは口の中奥深くに入り、リヤフックまでもが顎に掛かっている。
まず、顎にあるそれを外さないと届きそうにはなかった。
指でそっと外すとあっさりと抜けてくれた。

そこで、口へと手を伸ばした瞬間である。
大きく暴れ、乗せていた足を振り払われてしまった。
危ない!と手を引き戻したその時、より大きく跳ねたのである。


































シャッ!



















叩かれる様な、熱い様な、そんな感覚を我が腕におぼえた。

次の瞬間、まるで、ポンプでも見るかの様に血が噴き出したのである。

ピューッ、ピューッっと連続して飛び散った。

しまった、とうとう血管を裂いてしまったか・・・。



磯は鮮血で瞬く間に染まって行く。

ともかく、止めねばと傷口を強く親指で押さえつけた。
しかし、押し出す様にして、流れ落ちるのを止めない。

昔に聞いた 「心臓より高いところへと上げる」 というのを思い出した。
驚く事に、これは相当に効果があった。
どうやら、助かりそうだ・・・。
青ざめて、冷たくなった頬に温かいものを感じた。


























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着ていたシャツの袖を切って、強く縛るのでした。
おそらく、脳内麻薬のおかげで。
傷の痛みも、縛った痛みも感じませんでした。
まず、急いで魚を〆めました。

しかし、そこで止めるわけには行きません。
目の前の海には魚が居るのです。


止血にかなりの時間を要しましたが、キャストを再開させて行きました。
血は滲みましたが、幸いにして流れ落ちる事はありませんでした。








































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釣りを終え、海水で洗い流してから乾かせました。
結構、深く裂けてしまった様子です。
中を覗くと、背筋が寒くなりました。


































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頑張りましたが、最初の獲物が貴重な一本となってしまいました。

連発の時合は短かった様子で。
その後はチェイスの姿も見られなかったのです。


誠に情けない失敗をおかしてしまいましたが。
釣った!といえるこの一匹に感謝。
海の仏様、今日も有難うございます。


やったね!












その後、休憩がてら、隣の磯にいるお二人に話しかけに行った。

最初の一匹はヒラマサだった。
あまりに体高があり、銀色にと輝く姿を見てカンパチだと思っていたのだが。
素晴らしいコンディションのヒラマサだった様である。
やはり、どなたが釣られても嬉しくなる魚だ。
おめでとうございます。














磯から上がり、病院で縫ってもらうか悩んだ。

友人たちに相談し、絆創膏で済ます事に。

最近のものはハイテクですね~



安心して、温泉に浸かってから帰宅の途についた。


怪我には気をつけます。





それでは








My Tackles

Rod  MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000 with SOM NO LIMITS Spool
Line  YGKよつあみ PE #5
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