9月25日の日記










前日も休みだったが、年に一度の健康診断の予定が入っていた。



今年はジャスト40なので、より、細かい検査が受けれるとの事。
夏の終わりから、ずっと体調が悪い事もあって。
今回は 「人間ドック」 を受けてみる事にした。




案の定、日々苦しんでいる不整脈は当日に姿を消した。



こういう事は車の修理なんかでもよく起きる。

異音がすると急いで修理屋に持って行くと。
急に音が出なくなったり・・・。


まぁ、そんなもんでしょうと半日の検査を終えた。








私はバリウムが苦手である。

一度、大丈夫だろうと下剤を飲まずに南紀へと旅立った。

朝マズメの釣りを楽しんでいた時、普通ではない腹痛にみまわれたのである。
ギリギリと絞める様に痛み、まるで、お腹に石を詰められたかの様に重い。
トイレへと駆け込んだが、いくら頑張っても出てはくれなかった。



急いで下剤を飲み、大量の水をこれでもか!と飲んで事なきを得た。
あの時は本当に辛かった。

以降、健康診断の後はおとなしくしている。
















人間ドックが済んでから、同市内のルアー専門店へと立ち寄った。



探していた、ルアーやラインなどが置いてあったので購入する。

幾つかの用事を済ませて帰宅すると、どうにも、ラインシステムを組みたくなって来た!

ごろごろしてはトイレに行き。

そしてまた、釣り具をさわる。


お腹はまだ痛いし、白いそれが普段通りの色へとは戻っていない。




しかし、一度、スイッチが入ってしまうとダメである。

もう、釣りに行きたくてたまらなかった。




出発を、深夜までギリギリ遅らせた。
丑三つ時、南紀特急に喝を入れる!!























現地入りしたのは、午前4時を大きく回った頃であった。

コンビニの駐車場で大粒の雨に打たれる。
おそらく、海は荒れているだろう。
この時間からでは、立てなくて、他へ回るという余裕はもう無い。
目標とする場所の一発勝負になるだろう。
そう覚悟した。


そして、急いで駐車スペースへと向かう。

ゴアテックスに身を包み、最小限の荷物だけを持って小走りで道を行く。
釣り座に向かう途中でも、細かな波飛沫が一面に舞っていた。
止んでいたかと思うと、堰を切った様に強く雨が降る。
沖からの強風で、波飛沫と雨が渦を巻くかの様であった。
最早、インナーまでずぶ濡れであった。







高場から予定している釣り座を眺める。

空は暗く、海は真っ黒であった。
それでも、ふいに白い波が現れては消える。
砕け散った波が高く舞いあがっている。



正直、不気味でしばらく動けなかった。




道具を置き、立ちすくんだままで時間だけが過ぎて行く。
引き返すか否か。

もう少し、あと、もう少しだけ待って考えたい。
気持ちはノーであった。
何の為にここまで来たのかと葛藤する。







雨足は更に輪をかけて強くなって来た。


離れた場所にも、ポツポツといくつかのヘッドランプが灯いている。
こんな日でも釣りに来る人がいる。
無論、私もそんな一人。
少し勇気が出て、気持ちがプラスへと傾いたのであった。


しかし、そんな気持ちとは裏腹に。
沖にハッキリとデカイと分かる、恐ろしいウネリが生まれた。
二呼吸ほどして、ドゴーンっという轟音と共に水の塊がすっ飛んで来た。
それを頭から浴びてしまう。



地鳴りがするほどの事であった。
これには、身も心も縮み上がった。
荷物を持ち、急いで元来た道を引き返そうとした。






そこで、もう一度だけ立ち止まる。
震える自分に言い聞かせる。








「何が一番怖いか? 恐れているのは闇と黒い海だろう!?」










うねりは大きく、波が自身を叩く事もあるだろう。

はたして、しがみついて耐えれば流されないか?

おそらく、何とか耐え忍ぶ事は出来る。

きっと、明るくなれば気持ちは変わる!




怯えながら過ごした、僅かの時間はとても長く感じた。





やがて、無我夢中でキャストをする自身。

息は乱れ、動悸が激しく胸を詰まらせて行く。









それでも、目を見開き、冷静に釣りを見ようと努めた。

この波、この濁り・・・。


きっと、今日はトップではない。

少なくとも、私にはトップではないのだ。








結んだのは、重量級のミノープラグであった。


数投目、ガツンっと硬質な衝撃があるが乗らない。
もしや、ベイトの身体へと刺さった故なのか?



続けると、波打ち際で青物が躍り出た。
そして、回収軌道へと入ったルアーめがけて襲い掛かる。
喰らいつく瞬間の 「鬼気」 とした表情がハッキリと見えた。

嬉しいヒットの瞬間だ!








すぐさま魚を上げ、エラへと刃をあてた。


波が洗う足場には置いておく所が無い。
足で押さえながらのキャスト再開となる。


魚が逝った頃、二度目のヒットがあった。

そこで、態勢を変えた瞬間に留めていた獲物が海へと落下する。
しかし、ラインの先には新たな魚がつながっているのだ。
しまった!と思ったが、大切に二本目を確保する事に全力を注いだ。
魚を手にし、波が来ない場所へと移動するのだった。







しばらくして、釣り座へと戻るも。

投げれど、投げれど、何も無い状態が続く。

短い時合いが終わってしまったのだろうか?





すると、どこからともなく、先程落としてしまった魚が漂って来た。

有り難い!

チャンスとばかりに、ルアーを投げてひっかけようとトライしてみる。

二投目くらいに、しっかりとフックを刺す事が出来た。
しかし、抜き上げた瞬間に落としてしまう。



再度、投げて引いてくると、よりいっそう良いところへと掛ける事が出来た。

よし!っとほくそ笑んだ瞬間である。





























がばぁー

















巨大な口を開け、薄茶色の馬鹿デカい奴が絡みついてきた。



バガ!バガッ!!っと水飛沫を上げて、くねる様にしてメジロを丸飲みする。



いかん!!っと少しだけスラッグを出して踏ん張った。



























ウイィィーン!

ウイィィィーン!!


キーン! ギャッギャッ!!


ギャッ!ウイィーン!!!











12キロ程に合わせたドラッグは面白い様に逆回転して行った。

しっかりと竿を曲げつつ、手でスプールにブレーキを当ててみる。

しかし、全くとどまる事を知らなかった。



最終的には更にノブを何回転かしめた。

何とか踏ん張っていられる限界点。

そこで、やっとランが止まる。




止めても、グン!グン!っと穂先を何度も大きく絞り込もうとする。

ラインの向こう側に、ヤツが頭を振っているのが見える様であった。


何度か大振りなポンピングにて距離を詰める事が出来た。

じわじわと寄せる内、獲れるんじゃないか!?との気持ちが生まれる。



否、獲るって!?

否、どうやって上げて、どうするの!?



頭が混乱したが、こうなってしまった以上、取り込むしか仕方がないのでは・・・と。







しかし、そんなのは束の間のぬか喜びであった。

全力で耐え、寄せる最中にバツン!っとテンションが無くなった。

後ろに向きに吹っ飛ばされたが、これは、想定範囲での事で大事には至らなかった。

更にドラッグをかけた際、背へと当てる障害物へと近寄っていたのだ。







ついに、ラインが切れてしまったかと巻き寄せる。

海面にはスペーサーが見え、そして、リーダーもが見えた。
手繰り寄せると、リーダーは元の長さのままであった。
心配していた、スイベルとの結束部分がやられた様である。
どうやら、緩んで抜けたらしかった。


リーダーの所々がヤスリにかけた様に真っ白になっている。


しかし、極端に強度を失っている様には見えなかった。
何か所かに設けた結束部分も特に問題は無さそうであった。


サ〇には誠に申し訳ない気持ちで一杯だったけど。
システムへの自信が一段と増した。
そして、見直すべき部分が明らかとなったのである。




辺りにはオイルの焦げる臭いが漂っていた。

凄まじいばかりの力であった。









































20140925_064350













貴重な一本を残す事が出来ました。

やったね!




とても興味深かったのは、魚のその色でした。


荒れで、水は白っぽく濁っていました。

ヒットして水面を割ったメジロも。
白い様な、薄い緑の様な色をしていたのです。

パット見た感じは、本当、白いメジロが釣れた!って印象。
二匹ともがまるで同じ色となっていました。

分かりませんが、水色に合わせて体色が変わるのかも知れませんね。

勝手に変わってしまうのか?

ベイトに気付かれぬ様に溶け込もうとするのか?


最近、魚の色って、とても不思議だなと思っています。












朝一だけの釣り。

たまには良いものですね。




それでは








My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 938XX  "Midnight Warrior"
Reel  DAIWA SALTIGA Z6000 
Line   YGKよつあみ FULL DRAG  #8
Spacer  YGKよつあみ 磯ハンターライン 20号
Leader   Prosele nanodaX  210lb