10月1日、2日の日記










前回の続きの日記です。




結局、数時間もごろごろと寝て過ごす事になったのであったが。

私の落ち込みっぷりを気遣って、幾人かの方からご連絡を頂いていた。
中でも、W氏はお電話まで下さった。
そして、良い釣りが出来る様にと、I氏との釣りをご提案下さったのである。
すぐに、I氏ご本人様からもお電話を頂戴して。
明日の釣りにご同行させて頂く事が叶った。
先輩方のお気遣いが嬉しかった。













あくる朝、教えて頂いた場所へと一人で向かう。

まだ、早い時間ではあったが、既に数台の車が停まっていた。
先に下りてみえる方もあれば、今、まさに向かおうとご準備されてみえる方もいらっしゃる。
朝のご挨拶を交わし、自身も道具を整えて行った。
すぐに、I氏とそのご友人もご到着された。




氏のご先導にて山へと入る。

自身、初めての場所ゆえに不安と期待が交錯する。
真っ暗な山道を、前の方の背中を見ながら歩んだ。
途中から、かなりの斜面を慎重に降りる事となる。
細かい砂泥が堆積しており、とても滑りやすい為に慎重になった。
おそらく、帰りはここで 「心臓破り」 となるだろう。



Heartbreak ridge




ふいにそんな言葉が浮かんだ。











高台から辺りを見渡す。

先行者の方々は、ほど近い場所へと既に釣り座を構えてみえる。
どこへ入るか?
今回は氏の直観に頼る事とさせて頂いた。
大きく迂回してポイントへと向かった。














釣り座にほど近い場所へ荷物をおろす。

まずは三人で腰掛け、山歩きで熱くなった身体をクールダウンさせて行った。
いつもなら、火照りが結構長く続くのであるが。
この日はすぐに冷め、むしろ、肌寒さを感じるのであった。
朝のその時が迫る頃には、間違いのない寒さへと変わる。
I氏のご友人は風邪で熱があるとの事。
悪くならないかと不安になった。
まったく、身震いする朝であった。



三人で談笑し、I氏がふいに呟く様におっしゃった。

「そろそろ、僕のミッドショア、ヤバいと思うんです」 と。

氏曰く、気になる傷もあるし、何か嫌な予感がしてみえるとの事であった。
ここ、数回の釣行にて、その思いが強くなってみえるらしかった。

自身の竿もキズだらけだが、そんな事を考えた事は無い。
I氏にはそれが分かるのだろうか!?
半信半疑のままで、お話を聞いていた。













タックルをセットし、ついに瀬際へと立つ時が来た。

経験の乏しい私に。
一番やりやすいであろう、周りよりも低く、足場の良い場所を与えて下さった。
お二人は足場が斜めだったり、海面からぐっと高かったりと難しい位置である。
申し訳なく思ったが、せっかくのご厚意に甘えさせて頂くのだった。






ファーストキャストを撃つ!


正直、初めての場所、そして、どんな魚が待ち受けているのか?
何を結んで良いのか、サッパリ分からなかった。


何となく。

前日のハマリそうでハマらないパターンを思い浮かべていた。
もじりは生まれたが、それ以上に発展しなかったものである。
ごろごろと寝転んでいる間、それについてぼんやりと考えていた。
あと一つ、二つ、何かのエッセンスが足りなかったのだろうと。

その、答え合わせを、どうしてもしておきたかったのである。











やりだしてすぐ、ハッとした。


右隣にみえる、I氏の引くそれが。
自身のものと 「方向性」 が似ていたのだから。
そしてすぐ、氏の足下にて大きな波紋が出るのだった。




何故にか。


自身はすぐにルアーを交換した。

あぁ、もしかしたら・・・。
自身が考えていた事は無駄ではなかったかも知れない。

ならば、数少ない、魚がそこに居る絶好の機会だ。
他の、気になる事を検証するチャンスであると。
いわんや、他に考えていたパターンが合うかを試したかったのだ。








ミノーを泳がせ。

ペンシルを潜らせ、暴れさせてみる。

出るか、当たるか!?と期待して引いて行った。
I氏は着々と良い魚を手にされてみえる様子だ。
しばらく粘ったが、私のテストは不合格だった。
全くもって、かすりもしなかったのである。
ならば、最初のかたちに戻すのみ。
無我夢中で釣りを楽しむのだ。













修正を加えた、私の今日のアクションであったが。
自己採点では60点といった感じであった。
まだまだ、足りないものが多い。


私が1つバイトを得るまでの間に。
I氏は5つも、6つもバイトを生んでみえる。
そして、声をあげて足りないもののヒントを与えて下さった。


だけど、パッと見では同じような事を真似てはいても。
根本的な部分が違うと悟るのだった。
この先、時が経つほどにそれを実感する。











氏が何本か釣り重ねていかれた頃。

突然、ランディングで氏の愛竿のミッドショアがブレイクした。
これからという時にと。
私の頭は真っ白になってしまった。

「車に予備のロッドがあります!」 と言う私。

焦って言った言葉だったが、もちろん、氏もそれはお持ちなのだ。

気恥ずかしくなっている間にも。
氏は一向に車へと戻られる気配はない。
しばらくすると、釣り座へと立たれた。
握ってみえるのは、半分の長さとなったバット側である。
ワンピース、ガイド数が僅かに一つのそれであった。
私は絶句である。




























炸裂であった!


飛距離なんて出るはずもないのに。
氏の振るそれは充分な距離を叩きだす。
そして、掛けまくるのである。


最早、こん棒となったそれで。
ダイレクトに受ける衝撃など、ものともしない!
バットはひん曲がり、瞬く間に魚が浮いて宙を舞う。

5本、10本、15本 ・ ・ ・ ・ ・ 。

めくるめくの水揚げである。



左手にみえる、ご友人もまた凄い。

しなやかな、ロングロッドであるにも関わらず。
強く、スピーディーに魚を獲る!
竿をしっかりと曲げ、パッと魚が浮くのだ。




私はゼェーゼェーはぁはぁ~(笑)
ぎこちなく巻いて、よいしょ!ってブリ上げてアタフタ。
フックを外すにも大乱闘。
まったくもって、手返しが悪い。











































20141002_065319














それでも、こんなにも釣らせて頂きました。

やったね!!








ここで、ちょっと小休止である。


今にも泣きだしそうな空で。
更に、気温もずっと低い。
この天候には、本当に助けてもらったと思う。




お二人は発砲に氷を入れて持ってみえていた。
自身はいつものリュックにブロックアイスを一個。
最早、リュックからは溢れてしまう本数である。
ビニール袋に海水を入れ、魚と共に氷を浮かせた。
即席ではあるが、これで、まだしばらくは傷まないだろう。







「こんな残酷な事をして、命を粗末にしたら罰が当たる!」



I氏がいつも通りの口調でおっしゃった。




そして、一匹ずつ丁寧に、最高に美味しく頂く為の処理をされて行かれる。
綺麗に魚を並べ、発砲の中へと冷やされて行かれた。
ご友人もまた、慣れた手つきでそうされてみえる。


嬉しかった。
目もくらむ様な釣果をあげられてみえても。
一つ一つの大切な命に感謝されている事に。
私もそうなりたいと胸に誓う。











時合はまだまだ終わらない。


魚を冷やし、一服が済んで再び釣りを再開した。
やはり、完全に陽が昇ると難しくなる。
同じ様にバイトを得ても。
ヒットした魚のフックセットは大きく違った。
そしてまた、針の掛かりも浅くなっている。
おそらく、バイトの寸前に躊躇している証なのであろう。
見切られる瀬戸際で何とかバイトを得ている。



ペースは落ちたが、私もポツリ、ポツリと釣果を伸ばした。

三度ほど、良い時間に起きたミスバイトを教訓に。
逆説的なパターンを思いついた。
アタリは激しく、速いものであるのだが。
全く、真逆の試みであった。


私の釣り座のフィーディングスポットにて。
まるで、棒浮きの様に浮かせてみたのである。
浮いているだけ。
何もしない。


これにて、三本を追加する事に成功する。
面白かった!
ブシューっと静かに 「棒浮き」 が消し込んで行くのだ。
そこで、竿を立てて御用である。





自身はそこで竿を置いた。
私には発砲が無いから。
そして、自身の体力では一度に持って運べないから。
最初の魚を持って車へと戻る。
M氏もおいでになったので、いささか心残りではあったが。
美味しいと言って頂きたい故であった。










この日、三人で合わせて、50本以上の釣果を得る事が出来た。
誠、信じられない様な事である。
氏らも地獄の二往復を終えられた。
そして、クーラーボックスへと移される最後にも。
細心の注意をはらわれてみえたのが印象的であった。




頂いた命。

必ず、一匹たりとも無駄にはしない。


こんなにも魚を釣らせて頂き、そして、大切な事を諭して下さる。

素晴らしい先輩、仲間たちに感謝は尽きない。




そして。

竿の寿命を身で感じてみえた事への驚き。

バット側だけでルアーに生命を吹き込まれた事。

ヒットからランディングにいたる一連の術。





私も、少しでも近づけたらと胸を熱くする帰路となった。

誠に有難うございました。





それでは






My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  SHIMANO 13 STELLA 10000PG
Line   YGKよつあみ PE #4
Leader   Prosele nanodaX  130lb