10月21日、22日の日記












次週の休みも連休となる。


とりあえず、南紀に釣りをしに行く。


そう思える事が。

実は、どれほど幸せな事かと。
日々、常々に思うのである。





様々な理由にて。
行きたくても、行けない方が多い事だろう。
仲間たちもそう。


私は無いものだらけなので。
行こうと思えば行ける。
本当は、今、やるべき事があるだろう。
だけど、それでも釣りを選ぶ。
刹那的衝動は、何も、今に始まった訳じゃない。















その日を、指折り数えて日々を送った。

天気予報を主軸として釣りを予想する。
嗚呼、今回ばかりは魚に出会えないかも知れない・・・。
確たる理由も無く、そんな気持ちが膨らんで行った。


本当のところは。
行ってみなければ分からない。

自身に積もってしまった 「澱」 がそう思わせるのだ。
分かっていても。
それを、打破する事は難しい。




最近、仲良くして頂いている、愛知のKN氏も出撃されるとの事。
氏との会話でも、今回は難しいかもとこぼしていたと思う。

しかし、憂いでいた天候は急変した。
出発の前夜、ふと見た予報でそれを知る事となる。
次の日、朝から、ずっとそのデータに釘づけであった。
午後を過ぎ、いよいよの感じになって来た。
自身の脳は180度転換する。




間違いない。




ブラックカレントの 「LINE」 でのグループトークでも。
その魚の名前が飛び出す。
おそらく。
先輩方も、ヤツの気配を濃厚に感じ取ってみえたのだと思う。




出発を前に、Taka氏にメッセージを送った。


「明日はヒラマサ狙ってくるよ。」



おそらく、そこにヤツはいる。
ただ、振り向かせる事に全力を注ぐのだ。























目的地まで、もう少しという頃になって。
予想だにしない腹痛が始まった。
普段からお腹が弱い自身だが。
それなりに 「気配」 というものが有る。
この夜、そんな兆候は皆無であった。


何故に今!?
冷や汗をかきながら、いつもの公衆便所へと走るのだった。
用を足すも、派手な事は何も無い。


安心して、磯への出で立ちへと着替えるとまた痛みだす。
急いでゴアを脱ぎ、再び座るのだった。
もう、大丈夫だろうと。
車から歩き出すと、またやって来る。
これには、大幅に時間をロスしてしまった。
最早、目指す磯は空いていないだろう。

そう思い、遠くの磯を眺める。
付近には、ポツポツとヘッドライトが光っていた。
しかし、そこには誰の姿も無かった。
お尻に力を込め、転がる様にして駆けて行く。
数奇なる運命であった。

















途中、濡れた磯へ足を踏み出した瞬間。
スパイクにて、掴んだ筈の岩肌はまさに氷の様であった。
スパン!っと一瞬で転倒し、まるで、柔道の受け身の様にバンっと右手で磯を叩く。
ひっくり返った事にではなく。
すぐさま、受け身へと転じた自身に驚きを隠せないでいた。
手にしたロッド、荷物にも衝撃は無さそうであった。
チびらなかった事も幸いである。





磯へと辿り着き、重たいリュックを小高い岩の上へと降ろす。

KN氏にメールを送るとすぐに返信があった。
氏にもまた思いがあり、少し離れた磯へと立ちたいとの事だった。
彼のご健闘をお祈りし、夜明けへと備えるのだった。

私的な備忘録とさせて頂くのだが。
この日も、金具への結束がキマらない。
失敗を重ね、どんどんとリーダーを切った。
結局、新たにシステムを組み直す羽目となった。
一発でキメねば、無駄に時間と労力を費やす事となる。
















うっすらと海面が見える様になって。
ファーストキャストを撃った。


波はあるが、ありすぎて無茶苦茶になるという感じではない。
瀬から広がるサラシも、おとなしいものであった。
波によって生じる、目に見えて分かるカレントも見当たらないのである。



パイロットルアーとして、ここ最近、ヒットを得ているものを結んだ。
数投して、思いのタイミングとは別の間合いでヒットを得る。
そこだと思う、ライン上で出たのだが。
まさかのヒットに困惑してしまった。



この魚には申し訳なかったが、
わざと、無理な立ち位置から雑に抜き上げてみた。
リーダーが瀬のエッジに干渉し、オーバーハングの内側にいる魚が閊えた。
魚を磯へと当てながら、それでも、反発力で宙を舞うメジロ。
一旦、瀬の上に置き、そこから、再度の振りで足元へと横たえる。
どうしても、確かめておきたい故であった。






二度目のヒットも。

自身のイメージとは違うものであった。
おそらく、魚は沢山そこに居るのだろうけど。
どうも、何かが噛み合っていない感じがする。

ヒットを得たのは、あまり、このルアーにて演出させないアクションでのものであった。
一匹目をヒントにして、あえて、その動きを入力していたのである。
しかし、えもいわれぬ 「生命感」 を感じていても。
反応は遠かった。
やっとの事でヒットしたのが、この二匹目の魚であった。





これでは、とてもではないが、ヤツをおびき寄せる事など出来ない。
その瞬間の率直な気持ちである。
何かがズレている。
運良く、風や波に助けてもらって。
やっと、合格点に達しているだけだと思うのだった。








そこで、あるルアーに目がとまった。


実のところ。

この数か月、日の目を浴びる事が無かったそれである。


事あるごとに。

そして、釣れている最中にも投入した。


けれど、どうしても反応を見る事が出来なかった。
何故かは分からない。
最早、私の手癖が変わってしまったのかとも考えた。


しかし、今、足りないものがある。
一瞬の瞬発力が欲しいのだ。


その予感は的中する。








換えた途端、バイトの嵐が巻き起こった!

派手に飛沫を上げて迫る魚達。
乗るかどうかは問題ではないだろう。
明らかに魚の反応が変わった。
ツバスをリリースしながら思った。










そして、ルアーを届けないでいた一点へと撃つ。

軽い、アクションを注ぐと。

静かにルアーが消えた。
































ジィッ!!!














ほんの僅かにドラッグが鳴った。
刹那、つんざくがごとくの衝撃。
瞬発的な暴威に。
あわや、海に落とされそうになる!




大きくバランスを崩しながら。
それでも耐えた。





ともかく、竿を立て、しっかりと曲げる!!

愛竿、レイジングブルがきしみを上げながら弧を描いた。
その隙をみて、体勢を立て直す。
穂先は 「怖ろしい程に」 動いていた。
グイっと入ったり、ガタガタとブレたり、大きく小さく、ヤツを追う。
そこで、確信に至った。
失敗が許されないヤツと、遂につながったのだと。












ドラッグが再び出る事は無かった。

そこにて、止めておく事が叶う。
されど、ハンドルを巻く事は出来ない。


右にも、左にも、沖へも走れない奴は思う。
唯一、何も邪魔されない向きがある事を。


僅かばかりの経験だが、ヤツが至極、冷静である事は知っている。
どこか、抜け道を探そうとするのだ。


そして、それを見出した。
走る事が出来るのは、私に向かってしか無い事を。












ヤツに術があり、クレバーである以上。
我々アングラーが出来る事は冷静になる事だろうか。

さっと、ラインテンションを失った時に思う。
私は落ち着いている。
ヤツの方から、あえて岸へと寄る事は、巻き寄せる手間が省けるという事だ。
やがて、テンションの均衡に辿り着いた時。
死にもの狂いで、浅場の沈み瀬へと行きたがる事だろう。

私はそれをただ阻止するだけだ。
どこに向かおうとも、それを竿先で追う。











やはり、足元向かって走った奴は想像通りの動きを見せた。

ラインが追いつき、
動けなくなると、執拗に右手の瀬へと行きたがる。

申し訳ないが、どこへも行かせない!
そろそろ、ヤツの体力が尽きる頃だ。
潔さもまた見事であると思う。

一気に力を失った奴が浮かんだ。











それでも、暴れたり、泳ぐ力はまだ残っている。

やはりと言うべきか、オーバーハングの奥へと向かった。

そこで、今度は緩める。



すぐさま、自由を手にしたヤツは沖へと向かう。

最早、抵抗する力は残されていないだろう。

すぐに、水面へとその体躯を横たえたのである。









とにもかくにも、針の掛りに目は釘づけになった。

上顎を貫いてはいたが、どうにも浅い様に見えた。
もう一つのフックは、ヤツの頬にかろうじて掛かっている。

勿論、足元にはランディングの為の道具を置いてはある。
はたして。
それを伸ばし、魚へと掛けるのに何十秒の時間を要するのか!?
無事に獲れる気がしない。

ならば、そのまま上げるしかないだろう。
それが私の結論だ。
それで、バラそうが、折れようが。
嫌でも、納得するしかない。




ラインを巻き込み、竿を曲げて。
呼吸を整え、一気に振り上げた。
ドスっと、湿った音が響く。
窪みへと入ったヤツは身動きすらしなかった。
遂に、我が手中へ。


















































これ3




















































これ














南紀 ヒラマサ 96センチ!! 

(4時間後に計測)



遂に、狙ったタイミング、磯にて出会う事が出来ました。
確信にも似た気持ちがありましたが。
いざ、こうして目の当たりにするとやはり信じられません。
動悸に咽び、真っ直ぐ、立っていることすらままならない。
震える指でシャッターを押しました。

やったね!!

































これ2













帰り際、先に頂きました二匹と並べて撮影。
〆た後にも釣りを続けたのですが。
魚信を再び得る事は出来ませんでした。









無我夢中で車へと戻る。
ブロックアイスを抱かせてはあるのだが。
それだけでは、心もとなかった。



道具をとりあえず詰め込み、急いで氷を求めて走る。
ふと、携帯電話を見ると着信履歴があった。
M氏からのお電話だった。
車を止めて掛け直すも、電波が悪く、途切れ途切れである。
すぐに、元いた駐車スペースに戻る事にした。
やがて、M氏のものと思われる車もそこに着く。




今日の氏の車はいつもと違った。
気付かなかったが、どうやら、ほど近い磯に入られていた様だ。
M氏は他の狙いものがあったそうで。
そちらの釣果を優先して磯を決められたとの事。
しっかりと幾つかの獲物を手にしてみえた。


私も状況をお伝えさせて頂く。
そうして、先程の魚を見て頂く事にした。
「良い魚釣ったね!」 と祝福して下さった。
名人にそう言って頂けるのが本当に嬉しかった。
そして、氏が何気なくおっしゃった言葉。

「こいつ、メーター近いんじゃないの!?」

それを聞いて、急に胸騒ぎを覚えるRockbeachであった。

「メーター」

その響きにまるで現実感が無い。
確かに、手持ちの発砲では収まりきってはいなかった。

氏は彼のお車の中を懸命に探して下さった。
探し物とはスケールの事。
こうなると、もう、どうしても図りたくなる。
しかし、見つけて頂く事は叶わなかった。





しばらくすると、KN氏の乗る車がおみえになった。
ご挨拶も手短に、トランクを開けてリュックを降ろされる氏。
とても重そうである。
なんと、釣ったばかりの魚がまだ入っている様である。
苦労して、リュックからそれを引き出そうとする氏。
氷満載のクーラーボックスへと、一本、また一本と丁寧に並べて行かれた。
良型も含め、合わせて7匹。
ご自身が信じたポイントでの素晴らしい釣果であった。
疲れてはみえたが、そのお顔は輝いていらっしゃった。
そのお姿に感動し胸が熱くなった。



M氏は私達二人に 「美味しく頂く冷やし方」 を授けて下さった。
楽しい時間は瞬く間に過ぎて行く。
それでも、まだ、釣りを諦めきれない時間だった。
私とKN氏は、より良く冷やす為に水辺へと。
M氏は魚を探しに向かわれた。





























20141021_144733













教えて頂きました手法で魚を冷やし終え。
ふと、予感がして海を覗き込むと魚影が見えました。
その群れは釣れなかったのですが。
すぐに穂先を曲げる魚がいました。
「アラハダ」 です。
しかし、二匹を上げたところでストップ。
今度は背の黒っぽいカマスが釣れ出しました。

写真はボトムを泳がせての 「オオモンハタ」 です。
KN氏には赤い、大きなのもチェイス。
色々な魚を楽しむ事が出来ました。





調子良く釣っていると。
突如として、大粒の雨が落ちてくる。
時計を見ると、10時を回っていた。
自身は近くのホームセンターへと向かった。
スケールを握りしめる。

店から出ると、そこにはM氏のお姿があった。
私の車を見て、寄って下さったとの事である。
雨が降る中、ヒラマサの測定にお付き合い下さった。
結果は堂々の96センチ。
改めて万感の思いがつのる。







その後、KN氏と食事をしてお別れした。
自身は再びカマス釣りへ。
沢山のおかずをゲットする事が出来た。
夜はアジを求めて徘徊したが。
出会う事は出来なかった。
あくる朝に備え、早めに就寝とする。










目覚めたのは午前3時。
着替え始めると、またしても大粒の雨である。
車を走らせる頃には豪雨となった。
パーキングへと到着するも、強い雨風に外に出る事が難しい。
こんな天候にも関わらず、周囲にはそれらしい車がいくつかあった。
明け方、嘘の様にピタリと雨が止んだ。
自身はyaku氏と一緒に磯へ下りた。
仲間も思い思いの場所へ。




























これ4













大荒れの中。
自身は熱くなって見失っていた。
それを、yaku氏は制止下さったのである。
すぐ後から、更にうねりは高く、激しくなった。
もし、氏の一言が無ければどうなっていたかである。





それでも、何とか竿を出したいと。

自身は湾内の奥まったところに釣り座を置いた。
ファーストヒットで走られ、ノサれぎみになってバラす。
茶色が何度も出たが、乗せきれない。
波高く、磯際に近づけない為のポロリが一度。
やっとの事で釣り上げたのがこちらの魚であった。














終わりに。

直近の海況をお伝え下さいました、ルアーマンK氏。
海でお会いした先輩方。
そして、KN氏とyaku氏。
ご祝福下さった全ての方へ。


誠に有難うございました。





それでは





My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 100XR-1
Reel  DAIWA SALTIGA EXPEDITION 5500H
Line   SHIMANO OCEA EX8  #5
Leader   Prosele nanodaX  130lb