12月3日の日記












寒いので、風邪をひいたり、治ったりの繰り返し。
胃腸の弱い私は、ずっとお腹が痛いです。
天気の方も優れず。
休みの度に風が出てしまいます。

風裏や湾内磯には立てるのでしょうが。
どうにも、気が乗りません。
行くか行かないか、考えている内に嫌になってきました。


あくる日は遅くに起きて近所の温泉へ。
ゆっくり湯に浸かり、身体を癒します。
どうも、ヒラがしたくなって、消耗品を買いに店へ。
良さげなルアーも買ってみました。



とはいえ、メインはやはり青物です!

立てるかどうか分かりませんが。
好きな海へと向かうのでした。















パーキングに到着すると車が停まっている。
中に人は居ない様子であった。
車から降りると、強い北風が吹きつける。
この風により、幾分か波を殺してくれていれば。
淡い期待が脳裏をよぎった。
立てなかった時の事を想定して、少し早めに向かう。


高台から見下ろして海を見てみる。
真っ暗で沖のウネリまでは見えなかった。
砕けた波だけがぼんやりと白く映る。
それさえも、木々や岩が邪魔をしてハッキリとは見えない。
波の音は遠かった。
聞こえない事は無いが、身震いする様な迫力は無い。
それが、とりあえず、下りてみるかという気にさせた。










磯を歩いて行くと、どんどんと波音が大きくなって行く。
おまけに。
北の風が、西からへと変わってしまった。
向きが違えただけでなく、より、強い風となってしまう。
やがて、海が見えるところまで来て足を止めた。

「無理をすれば行けなくはない?」


見たすぐはそう思ったのが正直なところである。
しかし、冷静になってそこに留まった。
ほんの僅かの時間にも、海はその姿を変貌させる事があるから。


やはりと言うべきか。
否、その身替わりの速さに驚くばかりであった。
今まで無かった場所に大きな波が盛り上がる。
それが、どんどんと速さと力を増して瀬に叩きつける。
5分、10分、きっとそんな時間の経過でしかなかったろう。
もう、みるみる内に変わってしまったのである。





そこで、何時かの日に波を避けて立った瀬へと移った。
そこでさえ、何とかギリギリといった感じだ。
以前とは少し波の向きが違い、結構な高さの場所までも波が来る。
釣りにくいが、もしがあっても大丈夫な高さに釣り座を置いた。
遅い夜明けを今か今かと待つのだった。














いつもより、かなり遅れて瀬際へと立つ。
明るくなってきても、どうにも、海が見難いが故であった。

足元から沖まで、嫌な感じのサラシが広がっている。
サラシと言うべきか、洗濯機でかき混ぜたかの様な感じ。
何か釣れるサラシではなさそうに思う。
しばらくキャストを続けてみたが、魚が出る事は無い。

そこで、少し立ち位置を変え、白い泡の無い方面へと投げてみる。
こちらはうまく波をかわすのか、強い流れだけが生まれていた。
沖からゆっくりと丁寧に泳がせ、瀬へと近づくにつれて止めを入れてみる。
正に瀬際という所まで来て、ジュボンっとルアーが消えた。
ふっと、竿を立てると、カツっとした手応え。
しかし、すぐに何も無くなってしまった。
水の中が見えるまでは、まだ、明るくはない時間の事。
何が出たかは分からなかった。









再び元の場所へと戻り、今度は沖にある瀬を狙ってみる事に。
タイミングによっては、ウネリが緩まって良さそうなサラシが広がる。
その、僅かな時に魚が出ないか。
そんな風に思い確かめてみる。


何度目かの時、ふいにトップルアーを追って黒い影が浮いて来た。
まぎれもなく、スズキのシルエットをしている。
おそらく、70あるなしの磯鱸であろうか。
残念ながら、鼻先まで寄ってスッと消えてしまった。


これが、最後の魚の反応であった。
青物の姿を見る事は無かった。
更にウネリが酷くなって来たので退散する。
この海で釣る方もみえるのだろうが、自身にはどうにも荒れすぎに思えた。
何か違う感じがするのであった。


















軽食をとり、漁港の片隅で眠る事にした。
気力、体力が少し回復した午後。
少しエリアを変えて、ヒラを狙いに下りてみる事にする。

とはいえ、ヒラの釣りは殆ど経験が無い。
青物を狙っていて、たまたま、サラシから飛び出して来たとか。
沈み瀬から出てきたとか、それがキッカケでミノーを投げる位。
ヒラだけを求めて釣りをしたのは数える程しかない。
よって、ポイントも殆ど知らない。
過去に出た場所は、はたして、今の季節にも当てはまるのか?
そういう事がまったく分からないのである。






ともかく、竿を出してみなけらば分からないと。
記憶をたどって磯を決めた。
以前、釣れたポイントは徹底的に探ってみた。

タイミングが悪いんじゃないか?
意外とルアーが見えなかったんじゃないか?

そんな事を考えながら、同じシモリに違う角度からアプローチ。
レンジをかえ、スピードをかえ、シルエットもかえた。
考えうる、全ての事を試したが出ない。

こんな事をいくつも磯をかえて続けて行ったのである。
波は怖いものではなく、良さそうに見えるサラシはあった。
ともすれば、青物がさして来そうな強い潮さえも当てている。
しかし、どちらも無い。







見えるベイトの姿は無かった。
瀬際に泳ぐ、何かの稚魚さえもが無い。
潮の色は悪い様には見えない。
沖にはうろついている鳥もいた。



かなり、頑張ったつもりだ。
知らないなりに、色々な事を考えて試したと思う。
そして、かなり粘った。

それであるからこそ、ふつふつと疑問が沸いて来る。

はたして、そこに魚は居たのかと。

居たのに釣れなかったのか。
居なかったから、釣れなかったのか。


笑ってしまいそうな事だが、何度も何度もそんな想いが込み上げて来た。







きっと、その当時、よく釣れている海があったと思う。
知人の幾人かも、連日の様に良い魚を手にされてみえた。
沢山釣れる理由はよく分からない。
腕前もだし、きっと、魚も多く入っているのかも知れない。
教えてもらって行けば。
もしかしたら、反応くらい見る事が叶うかも知れない。



でも、何か自分の足で探してみたい気がした。
喉から手が出るほど、知りたい事もあるのだけど。
訊いて、教えてもらうのはもう少し先かな。









それでは