3月10日、11日の日記











とある 「データ」 を見て夢想が始まって行った。
それは、水揚げの情報に他ならないのだが。
気になる漁獲があった。
まだ、少し早いかもとは思っていたが。
沖にはもう充分な回遊がある様だ。
果たして、自身の読みでそれを捉える事が出来るか。
確かめたくて仕方がない。


とはいえ、今回も天気予報では荒れそうである。
行って、下りられずに途方に暮れるか。
意外にも全然なのか。
そこはやはり、私には行ってみなければ分からない。
ともかく、休みなのだし。
準備をして向かってみる。










出発が遅れ、車を停めた頃には空の色が変わって来た。
大急ぎで荷物をまとめ、小走りで磯への道を行く。
先端を目指す内にヘッドランプの灯りが見えた。
どうやら、お一人の方がいらっしゃる様だ。
ご挨拶をして、お近くで立たせて頂く。
とはいえ、波が高く、なかなか立てる場所が見つからない。
何とか立つ事が出来き、尚且つ、彼の釣りの邪魔をしない釣り座を探した。
それでも、磯際に立つ事は叶わなかった。
思う位置より、三歩ほど退いた場所からのキャストとなった。










投げれど、投げれど、魚からの反応は無かった。
数々のルアーを短いスパンで換えて行く。
おそらく、自身が得意とするパターンでは喰ってはこないだろう。
そう、予想していたのである。
故にあえて、苦手なパターンを実践して行った。
勿論、自身の攻めも織り交ぜてである。
しかし、そのどちらも魚信を捉える事は無い。


明るくなるほどに、海からはえもいわれぬ気配を感じる。

おそらく、そこに魚は居るのであろう。
居ても喰わない。
自身はそう感じていた。
いったい、どうすれば口を使わせれるのか!?

そんな事を考えながら続ける。
どこからか、鳥が飛来してきて。
物凄い群れを形成して行った。
そして、海面が激しく弾けて行く。

そう、ナブラである。































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こちらは、指を咥えながら撮影した一コマである。
携帯のカメラゆえ、魚の姿までは写せてはいないが。
物凄い飛沫であった。
読みは半分は当たった。
外れたのは、魚との距離である。
遠すぎてどうしようもない(笑)








おそらく、届く範囲にもウロウロしているに違いないが。
これが、どうしても出てはくれない。
近寄れとしばらく待ってみたのだが。
思う様にはならなかった。
波、風が一段と酷くなって来たので退却。
違う釣りをしながら、夕方のその時まで休む。










日が傾きだし、波風が少しばかり静かな方面へと向かった。
驚いた事に、日中に見たナブラは未だ広範囲で起きていた。

ここでは、キャストで届く範囲にも。
単発の大きなボイルが起きた。
しかし、眼下に映るベイトの姿は求めるものではなかった。
約2センチ、魚種は不明のマイクロ達である。
夕刻の陽を浴びて、それらがライズする。
悪いヤツらが、それをめがけて襲い掛かる。



何度かは投げ入れる事が出来たのだが。
反応させる事は叶わない。
私からすれば、ドンピシャの着水点、これ以上ないアクションを刻めたはず。
しかし、出ない!!








陽に沈むギリギリまでやって竿をたたんだ。
時折、強風に吹かれ。
雪が舞う。
岬の吹雪が我が心をも吹き抜けて行った。





その後、車まで戻り。
タックルを持ち換えて、再び先程の場所へと戻る。
どうしても、やっておきたい釣りがあった。
雪交じりの強風の中。
三時間、歯を食いしばって集中した。
風とウネリで何をやっているか分からない事が殆ど。
それでも、耐えに耐えて竿を出し続けた。
体温が下がりきり、もう我慢できないとダウン。
震えながら床に就いた。











翌朝、昨日の朝と同じ磯へと下りてみた。

しばらく粘ったが、どうしても反応を見る事は無かった。
知らないが、情報でも出ているのだろう。
沢山の人がやって来た。

この日、沖にはナブラは無い。

沖にある磯の際にて。
目立たぬボイルが先程からいくつかある。
おそらく、沖に見たナブラの被害者ではない。
どちらかといえば、夕方にライズしていた種類かと思う。

目に見える範囲には浮いてはいないけれど。
良い潮がある、お気に入りの場所には集っているのだろう。
私が分かる位だから、魚達はそんなものお見通しなのだ。
再び、群れが固まったのを待ち。
時を見て襲う。
もちろん、ピンポイントで撃ったけど。
反応は無かった。
自身には難しすぎる。



























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磯から上がり、傷心の私を癒してくれた子です。
不思議とよくアタリました。





























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数杯の嬉しい釣果に満足。
苦しかった二日間でしたが、気持ちの良い釣りで納める事が出来ました。


微細な気配を感じ、アタリへと振り向かせる。
触れば、それを抱かせ。
しっかりと掛けて行く。



ここ、最近、それが気持ちよくて仕方がない。



はたして、癒しの釣りなのか。

これが、本命なのか。




今は素直にその気持ちに。
身を任せたいと思う。






それでは