5月12日、13日の日記











台風第6号




五月上旬としては、早い訪れか?と思った記憶がある。
直撃といった事は無いのだけど。
余波を受けるのは間違いないだろう。
天気予報を見て、初日の朝なら大丈夫かと思う。
緊迫した気分もまた良いものだ。
ここ最近、緩い釣りが多かったので、尚更にそう感じた。
久々に名古屋の友であるKN氏とも日が重なる。
いつもながら、出発は遅くなったが。
恋しいホームへと南下する。














いつもの場所へと着くと、もう、既に氏の車は停まっていた。
彼もまた、激務の間をぬっての釣行である。
お疲れのご様子ですっかり熟睡されてみえる。
とはいえ、朝はもうすぐそこである。
しばしの休憩を終え、申し訳ないが氏にお声をかけさせて頂いた。
眠け眼をこすり、カーゴスペースへと腰掛ける氏。
行きましょうか!との問いかけにも虚ろなご様子である。
やっとご理解されると 「もう少し寝ます・・・」 とのご返事。
今日はヒラをやってみたいんですと、その後、付け加えられた。
東の空がかすかに色を変えてくる。
自身は青物を狙いに来た。
残念だが、この朝は別とさせて頂く。



















向かったのは、以前、一度だけ烏賊釣りに立った磯。
おそらく、よく行く場所にはウネリが到達しているのではないか。
十二分のマージンを想定しつつ、本命を狙う。
時間的な余裕も無かったし、この時、思いついたのはこの磯のみであった。
山に分け入ると、しょっぱなから、尺取虫が何本も出迎えてくれた。
ミミズにしろ、こうした幼虫にしろ、自身は長くてウニョウニョしたものが大嫌いだ。
恐怖の大魔王であるヒルよりはましではあるが。
まさに身の毛もよだつのである。
竿袋でそれらを振り払い、一目散に駆け降りた。
大量の毛虫が詰まった、蜘蛛の巣の様なものの下を通る時には卒倒しそうであった。
半ば悲鳴をあげながら走ったのは言うまでもない。





磯に立つと今度は波である。
慎重に慎重に海を眺めて気持ちがかたまった。
どうやら、先端にと立てる。
そこへと進むのに両足は水没したが。
思う磯へと乗る事が出来た。





今回、来る前に、思い出して追加したルアーがあった。
勿論、自身の思い入れが強いものを主軸には考えているのだが。
それらは、あまりの風、波では自由がきかない。
私の技量では、思う様に飛ばす事も、泳がす事も出来ないのである。
いったい、何度そんなジレンマに唇を噛んだ事か。
良い時に一番の泳ぎをみせるものよりは。
厳しい天候にて、それなりに出来るものではないかと。
私の中ではそれに辿り着きつつある。
沢山の商品が購入できる市場であっても。
なかなか、思いを叶える品を見つける事は難しい。
新しいものを人並みには買い、試してきた自身ではあるが。
何年もかかって、見つけれたのは片手で足りる程だろうか。
自分らしい一軍を、10も揃える事は本当に大変であると思う。














やはり、普段のそれではまともに出来やしなかった。
波、そして潮流。
斜め左の沖より吹き付ける強風。
そのどれもが、私の釣りにチグハグなのである。
飛ばないし、泳がない。
リップ付きでさえ、真っ直ぐに足下まで来る事はなかった。

結論からすると、今日のスペシャルは成立したのである。
向かい風をものともせず、波の向こうまで届いた。
相反する潮流の中を。
乱されながらも、泳ぐという使命をまっとうしたと思う。

水面を見る限り。
何かが起きてもおかしくはない海であった。
そこには、化物がいてもおかしくはない。
そんな気配に満ち溢れている。
しかし、自身は何も起こす事は出来なかった。
悔しいがそれが現実。
しかし、何とか釣りにはなった。
釣れなかったが、また、少しだけ駒を進める事が出来たかも知れない。
安全に不安を感じる頃に磯を後にした。
無論、また、悲鳴をあげながら山を登ったのは。
言うまでもないだろう。

















再び、いつもの場所へと来て横になった。
私だって眠らずにぶっ通しなのだ。
もう、限界。
途中、KN氏が起こしてくれたそうだが。
反応は無かったという。
よって、残念ながら氏との釣りは叶わなかった。







昼過ぎに起床して思う。
波も風も一段と増すばかりだ。
おそらく、周辺で立てるところはない。
一目散に帰宅する事も考えたのだが。
あまりに、もったいないだろう。
良い機会だし、普段、足を運ばない海まで南紀特急を走らせてみる事にした。
しかし、行けども行けども。
真っ白の海岸線が続くだけであった。
雰囲気の良い漁港でもと思ったが。
どうにも、そんな気分にもならず。
とうとう、白浜まで来てしまった。



このまま、山を抜けて帰ろうか。


そう、心は決まったのだが。
なんだか、河川を見ている内に腹が立ってきた。


もう少し、冷静になってみようと。

この雰囲気、もしかしたら!?である。



ヤツが 「温帯低気圧」 へと変化する望みにかけてみる事とした。
































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思い立ったら、即、Uターンである!



































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いつもの就寝場所は危険な感じでした。
背に腹はかえられず、久々のホテルへと避難します。






そうして、しばらくして。

ヤツが 「温帯低気圧」 へと変わった旨を聞きました。

後は少しでも、おさまるのを祈り眠るだけです。


















翌朝、向かったのは好きな磯であった。
きっと、誰も来ないはずと思っていると。
一台のワンボックスが。
ご挨拶させて頂くと、どうやら、その彼は私を見た事があるそう。
少しお話させて頂き、思い思いの磯へと向かった。








自身の場所では。
てっぺんにいてさえ、時折、足元を大きな波が舐めて行く。
怖くて、目を離す事が出来ない。
海に集中しすぎて、釣りの方がおろそかに。
ウネリが遠くなると、ルアーへと気を向けたが。
プラグ、そしてジグと、何をしても全く馴染めないでいた。
せめて、魚の息吹だけでも垣間見れないかと。
見える表層に意識を向けたが。
その姿は無かった。
一回の回収に、三度、四度とルアーを当てて来るので。
すぐに、原型が崩れて行く。
やりたいけど、もう、無理。
何も無く、そこに立てただけでも幸運だったかもしれない。








ともかく、自身のベストを尽くしたつもり。
まあ、台風と分かっていて行くのだから。
やりきって、無事で良かったと。
気持ちを納得させるしかなかった。




それでは