7月28日、29日の日記











台風等による時化を繰り返す中で。
たまたま、休みと立てそうな日が重なった。
もう、行くしかないだろう。
季節は本格的な夏へと。
歳のせいもあり、暑さが気になる。











初日はKN氏と合流する予定だった。
いつもの様に自身は遅刻。
移動中に氏から到着とご連絡を頂く。
その後、約一時間の後、自身も駐車スペースに到着した。
氏の車があるが、他にも何台かの車がある。
どうやら、氏は先に磯へと下りられた様だ。
歩きながら氏に電話してみる。
お話では、付近に数人が入られているとの事。
来て下さいとは言って下さったが、他の方々に申し訳なく思った。
残念だが、一人、第二ポイントへと向かう。










ポイント付近まで来ると異様な光景に足が止まった。
暗くてハッキリとは見えないのだが。
この先の磯が白く光って見えるのである。
狭く滑りやすい道を行くとズルっと滑った。
片腕だけで、タイドプールへと落ちそうになるのを耐える。
無理な恰好に、早速、筋が悲鳴をあげる。
何とかしのいで先に行くと、その白いものが分かった。



岩の上、一面に苔が生えているのであった。
おそらく、時化続きのせいで。
ずっと波を被っていたのだろうか。
普段は乾いている岩の上でさえ苔に覆われている。
そして、ここ数日は波が落ち。
強烈な真夏の日差しに炙られたのではないか。
そして、変色して、白色化しているのかと思った。
尚、濡れたスパイクで踏むと猛烈に滑る。
ただでさえ、足場が悪い場所だけに困惑した。








やがて、夜が明けてきて、釣りを始める。
まだまだ、ヘッドライトなしではよく見えない。
よって、すぐさま先へとは立てない。
ここは以前、不注意がもとで、あわや滑落となった磯でもあった。
岩にある窪み、突起にスパイクを立てて踏ん張る。
ウネリがある様で、少し先にあるシモリからは豪快に水飛沫があがる。
そいつが、たまに顔めがけて飛んで来るのがおっくうだった。
あまり、飛距離も出せない位置なだけに。
まずはミノーから始めてみる。
その後、ポッパーなどのトップに移行するが出ない。


はっきりと足場が見える様になった頃、先端へと歩みを進める。
しかし、もう、どうにも岩を捉えている感触がない。
本当、まるで氷を踏んでいる様である。
たまに、大きい波が来て、ざぁーっと磯をかすめて行く。
ともかく、白いそれは滑った。
しかし、そのままでは、沖に見える良さそうな流れに届かない。
そこで、少し波を見て考えた。
あの岩に馬乗りに跨ってみようと。
立って竿を振れば、おそらくは落ちる。
苦渋の策であった。
もっと、早くに来れていればこんな事はしなくて良かったのだ。



ペンシルを投げ、ミノーで瀬際も狙った。
ジグで潮を撃ち、ブレイクラインを丹念に探ってもみた。
しかし、まったくである。
シイラぐらいはあるだろう。
正直な気持ちである。
しかし、なんと、ダツさえも無い。
目立ったベイトも見えず、皆無であった。
完全に陽が昇った頃、あっけなくも心が折れてしまった。
潮変わりとか、何かの変化を期待するとか。
そんな気持ちは全く起きなかった。
ともかく、がっかりで落ち込むだけ。
疲れた、早く上がって寝たい。
それで、早々に撤収する。











磯から上がり、しばらくしてKN氏とやっと合流となった。
氏の方は何かしら魚が出たそうである。
それが、とても、羨ましかった。
真夏の太陽がジリジリと照らす中、二本目の磯に下りる気持ちは起こらない。
行けば、何が起こるか分からないのだけども。
そんな、心の元気は無かった。
そこで、氏と話し合い、涼しそうな河川に行ってみましょうとなった。
メッキにはまだ早そうだし、お互い、やった事の無い釣りをしてみようと。
その釣りとは、ルアーでやるチヌ釣りである。
きっと、ポッパーとかで狙うのかな?って感じで。
現地で一個だけ調達してみる。
ポイントも何も分からないので。
南紀在住の名人にメールで尋ねてみる事にした。
ちょっと、楽しんでみるなら。
素直に教えてもらう方が良いだろう。










大きく、移動する元気も無かったので。
とりあえず、近くの河川に行ってみる。
やぼったい靴を脱ぎ去り、サンダルを履いて水に浸かった。
わずか、くるぶしより少し入っただけで。
何とも涼しく、気持ちが良い。
夏は川というのもよく分かった。
ともかく、分からないだらけなのだが。
KN氏と二人でポコポコ。
たまに、バシャっと何かが出るが乗らない。
マイクロメッキが追ってくるが、出たのは、どうも違う。
セイゴか、はたまた、ウグイか。
忘れた頃に、バシャ!があるのが何とも楽しい。



あぁ、涼しいなと無心になっていると。
何か、大きな魚が戻って行く事に気づく。
おぉ!! 気を抜いていて分からなかったが、あれは紛れもないチヌではないか!!
それも、すこぶるデカイ!

こうして、チヌを狙ってはみているものの。
本心では、チヌがポッパーを襲うなんて信じがたいのである。
確かに釣ってみえる方々の写真を目にするのだけど。
私にとっては 「都市伝説」 の様な事なのだ。
しかし、気付かぬ間にチヌが寄って来ていた。
無論、これにてスイッチが入ってしまったのは言うまでもない。
夢中になって二人でランガンする(笑)
その後、KN氏はルアーを交換してバイトの嵐。
本命ではないが、ウグイを連続キャッチして楽しんでみえた。
釣れれば、それが何でも楽しいのが性である。
KN氏の顔が夕日に輝いていた。
今日のウグイ番長の称号は間違いないものとなった。










気がつけば、陽が沈んでしまった。
楽しい時間はあっという間である。
KN氏とお別れし、明日の釣りへと気持ちを研ぎ澄ませて行った。
のほほんと夏の一時を楽しんでいたものの。
一応、ちゃんと見るところは見たつもりである。
海辺を走らせながら、ある一点に目は釘づけとなった。
あの潮がある。
言葉ではうまく説明しがたいのだけど。
あの潮を自身は見て来た。
きっと、あるんじゃないか。
もし、無くても、そこしか頭には浮かばない。
磯は二つ。
どちらか。















早めに就寝したおかげで、目標の時間にきちんと目覚める事が出来た。
朝の儀式を済ませ、用意をして駐車スペースへと直行する。
車を進めて行くと、一台の車が見えた。
見間違い様がない。
yaku氏のものである。
偶然に釣行日が重なったのだが、久しぶりでとても嬉しくなって来た。
早速、電話をすると、すでに磯に向かわれてみえるとの事。
この波なら、こっちかな?と私が思っていた磯。
そこに、おみえになるそうだ。
お会いしたいのも手伝って、ご一緒させて頂く事にした。







磯に到着して、朝までお話をさせて頂いた。
元気そうで何よりであった。
やっぱり、海で会えるのが嬉しい。
自身はいつものタックルと、マイブームのベイトの方との二刀流である。
全然、使いこなせていないから。
使える様になりたいと。
実地訓練である。
練習といえど、実戦、磯でやりたい。






まず、何を結びますか?
お会いする度、いつもそう聞く私。
「ポッパーでしょ!」
半ば、合言葉の様なやりとりが好きで聞いてしまうのである。
共に、ポッパーが好きなのである。
しかし、この日の自身は違うものから始める。
なんとなく、今日はコレかな!?という思いがあった。
紫色に変わった空の下。
思い思いの足場へと別れる。
今日の釣りが始まる。









キャストを開始して、自身は早め、早めのローテーションで探る。
もう、魚は入っているのか。
入っているなら、何に反応があるのか。
今日は何なのか。

色々とやって来て、そういう風なスタイルへと変わっている様だ。
確かに、トップ、ペンシルオンリーとか、ミノーオンリーとか。
そういう、頑ななスタイルは憧れるものがある。
ビシっと狙ったピンで出す事も知らない訳ではないし。
ずっと投げ続け、唐突に出て来る事も垣間見て来た。
でも、何か、今は違う。



手を変え、品を換え、ここぞという時を待って期待したのだけど。
予想した時間になっても、まったく、何も起きないでいた。
そして、最近の悪い癖が始まった。
少し何も無いと、今日も何も無いと心が折れて来るのである。
所謂、これは気持ちの澱だと分かっていても。
積もれば積もる程、それに打ち勝つのは難しい。
特に、自身はプラッギングのみの際に陥りやすい。


そして、今朝もそうなってしまった。
投げるのが嫌になって来て、タックルを置いた。
そうして、立て掛けてあったベイトの方に手を伸ばす。
気を抜いてしまって、うまく、やれるかな?とベイトで投げる。
糸噛みを頻発しながら、噛まないでやれる飛距離は僅か。
調整とサミングで少しずつ、それを伸ばして。
慣れない、左手でのロッド操作に集中して。
下手くそなルアーの動きを目で追って行く。
何度も何度もそんな繰り返しで。
再び、糸噛みを起こしたその時。
隣のyaku氏が叫んだ。












驚いて、振り返る。
氏の全身の緊張に、それが、ただ事ではない事が分かった。
考えられない様なロッドのその姿、鳴り響くリールの悲鳴。
ともかく、糸を噛んで、キャストしたまま沖にあるルアーを回収しなければならない!
このままでは、魚が絡んでしまうかもしれない。
糸噛み、バックラッシュを解こうと必死になる私。
すぐさま、磯を飛び下り、よりよくファイト出来る位置へと出るyaku氏!!
走らせながらも、冷静に竿で聞き、今、魚がどこを走っているかを知る。
氏にはラインを通し、それが見えている。
岩の間を走って、潜って行ってる!!
そう、私に叫んだ。
そうして、叫びながら、片手はドラッグのノブに。
更に魚の行く先を聞きながら、一瞬で闘うその値を決めた。
そして、氏の反撃である。







私は必死でラインを解いていた。
これが、焦って、なかなか直らない。
何とか、ハンドルを巻きだした頃には。
氏の強烈な浮かせが連続する。
ガリガリと擦る!!と、その、嫌な感触を伝えられる氏。
そう、叫びながらも、鬼気としたファイトは全く衰える事が無い。
時間にして、僅かに、5秒か10秒ぐらいだろうか。
たまらなくなった魚が、ついに、もうそこまで浮いて来る。
そして、一気に足下まで寄せた。
違う! ヒラマサや!!
叫ぶyaku氏。
私はまだルアーを回収している途中。
動けない。
ランディングに行かないと・・・。
そう、思った矢先、氏はぐっとラインを更に巻いた。
っと、その勢いで、ロッドを振り上げる。
一瞬の間の後、ドスッ!っと湿った音が磯を響かせた。
暴れる魚体を冷静に押さえ込む氏。
震えていたのは私の方であった。
焦って何も出来なかった。
































20150729_052250





























南紀ヒラマサ 

96センチ 7.7キロ !!!




























20150729_052440















素晴らしい釣りでした!!

貴重な魚、本当におめでとうございます。































20150729_052457
















ずっと、ずっと前から使われてみえる、
氏の愛竿 WB100HS  にて。










もう、嬉し過ぎて、取り乱してしまいそうであった。
そして、氏の強いファイティングを見て、ただただ、驚くばかりであった。
記念撮影をさせて頂き、胸が熱くなってお声を掛けさせて頂いた。
後に、手際よく、昇天の儀式へと入られる氏。
私は再びタックルを握りしめる。
冷静さを欠いた自身、殺気の塊にとなっていた事だろう。
数投の後、氏の瀬へと投げさせて頂いた。
沖から、速い速度でペンシルを引いて。
瀬の際でゆっくり泳がせる。
更に、磯際へとルアーが寄って来たところで。
ぶわっと水面が盛り上がってバイトした。
一瞬だけフックが捉えたが、すぐに何も無くなる。
おそらく、青物に間違いはない。


次いで、ミノーを引いていると。
キャストしてすぐで、ゴン!っとヒット。
水面下にギラリと横っ腹を見せるや否や、フックオフしてしまう。
だめだ、もう、時間が無い!!



再度、ペンシルへと換え、遠投にて激しく動かせた。
バシャン!っと水飛沫が炸裂し、今度はガッチリとフッキングも決まる。
来た!!っとファイトに入ると、グググっと走って、ふいに飛んだ。
まさかのシイラである。
外れそうもないので、全力で巻いた。
ともかく、時間が惜しいので。
手前まで一気に来て躊躇する。
ペンペンやのに強いなと思ったけど。
抜いたら、楽にメーターはある雌であった。
なるべく傷つかない様にして帰ってもらった。
yaku氏は持ってみえたタオルを海水に浸して。
ヒラマサの上に被せてみえる。
しかし、さすがにこれ以上は魚が傷んでしまうだろう。
そうして、納竿する事にした。












駐車スペースで氏と別れた後、再び、磯に立つか悩んだけど。
この朝、ベイトロッドを持った時点で、私は負けなのだと思った。
本当にあの潮は魚を連れてきてくれたのだけど。
私の釣りではダメだったのだ。
それが、分かった事も。
また、有り難いではないか。

そうして、帰りながら、いくつかの河口を回って行った。
なるほど、大型のチヌは沢山いるのだけど。
まったく、ポッパーには反応しない。
色々と反応する為の条件に満たないのだろう。













それでは