9月8日の日記









ジギングに行きたい。



新しい挑戦である、オフショアジギング。
私には、何もかもが新鮮で面白かった。
いざ、釣りが終わって、船を下りたすぐから。
早く、もう一度したい!
そう、思える位であった。

しかし、身体はしゃんとしないし。
休みに思う様な天候にも恵まれない。
もちろん、船代がぽんぽんと出る訳もない。


それで、釣果や海況をみては溜息をつく毎日であった。
それは、私が求めてやまないターゲットが活性化していた事も大きい。
船ではもちろん、磯からもそのトロフィーを手にされてみえる方がいらっしゃった。




仲間のKN氏はといえば。
久々にまとまった休みがもらえたとの事で。
夏の間、氏の好きな高知へと遠征をされてみえた。
釣行の中で氏は、オフショアにもチャレンジされたそうで。
メッカである 「六の瀬」 を体験。
大きなマダイなどを釣り上げてみえる。





ようやく、行ける感じになり。
また、KN氏とも休みが合いそうになった。
半ば、氏をそそのかす感じで船を予約した。
いやいや、貴重なお話を聞きたいし。
傍らでその釣りを見てみたいじゃないか。














いざ、釣行前夜となり。
いつもより、二時間ほど早くに家を出る。
なにより、寝不足による船酔いが怖かった。
前回は本当にえらい目に合った。


予定通りにパーキングへと到着して氏と合流。
ご挨拶もほどほどに、早速、シートを倒して寝る。
眠る前に酔い止めを一錠。
乗船の前に更に一錠。
だいたい、四時間が空くので問題は無いそう。
これが、結構効くらしい。










気がつけば、船宿に行く時間となった。
コンビニに立ち寄って、飲み水と少しの食糧を購入。
急ぎ足で向かった。

今日は自身とKN氏、そして、船頭の三人の様だ。
前回の釣りで、向かいあわせの位置で、ご一緒させて頂いた船頭である。
お客は我々のみなので、今日も操船をして頂きながら釣りをされるとの事。
私的にはこれがとても有り難い!
どうも、船頭が操船だけに集中されている状況で。
自分たちだけが、釣りをするのが気が気でないから。
もちろん、操船に集中なさってはみえるが。
同じく、竿を出しながら、お話をさえてもらえる様な感じの方が安堵する。




出船前のひと時、最近の海況を伺った。
今日も大物狙いでね!
そう、船頭。
「ツルグエ」 ありますかね!?
たまらなくなって、言ってしまった。

「あるけど、なかなかルアーには喰わんよ~」
「滅多には釣れないよ!」

そう、笑顔で語る船頭。
天気も良く、風も波もなさそう。
期待満点で船は沖へと向かった。















はい、90メーター位からやってみましょう。
緊張と共に、今日の第一投が始まる。
KN氏は男らしく、1タックルだけを船へと積まれた。
自身は念の為、3タックルを準備。
ビンタがありそうで、本当はキャスティングもと考えたが。
集中する為に車に戻した。
KN氏も自身も、持って来たのは全て強いロッドである。
スロー系も持ってはいるのだが。
そうでないものを選んだ。
どうやら、氏は六の瀬で感じた様である。
彼の釣りでは、とてもではないが、ジグが動いている気がしなかったとの事。
実際はもちろん、深い海の中なので知る術はないが。
感覚というものは時に大事な意味を持つのだろう。
思い込みでも、信じたいものがある。


自身の一番強いものでは、マックスが20オンスの竿である。
ずいぶんと昔の、南国で使う様なものだろう。
それと、フィッシャーマンが一本。
もう一つは、W氏より譲って頂いたMHであった。
それに合わせるリール、ライン号数、ジグの重量など。
全ては自分なりに考えたものである。
そもそもが、ギャップのある選択をしている。
結ぶのは、スロー系のルアーであるし。
ジャークもでたらめだ。
他にお客さんがいたら、きっと、笑われるだろう。











釣り始めてしばらく、まったく何もない。
もちろん、魚探には怪しい影が映ってはいるのだけど。
我々にはどうしても反応がない。
まあ、そうなんだろう。
魚は居ても喰わない。
それは、陸から、今まで嫌という程に味わってきた事。
見えないし、感じられもしないから。
魚は居なかったと言うけども。
実際はちゃんとそこに居る。
もしかしたら、口を使う事こそが稀なのかもしれない。
少なくとも、自身はだんだんとそう思う様になって来た。



そんな事を考えながらも、休まずに色々とやっていると。
KN氏が振る激しいジャークが止まった。
ドン!っとした感じで何かが乗った。
わくわくしながら、何が上がって来るかを覗き込む。
やがて、水の中には赤い姿が映し出された。
良型のアカハタだ!
しかし、氏の顔はうかない。
やったね! 凄いね!と声をかけさせてもらうが・・・。
小さいっすよと、はにかむばかりである。
アカハタとしては立派なサイズなんだけどなぁ。




しばらくすると、自身にもトン!っと来た。
ずいぶんと大人しい感じだが。
何かが喰った事が嬉しくてたまらない。
そして、何が上がって来るのかと。
はやる気持ちで巻く手に力が入る。
浮いて来たのは、超嬉しいマハタさん。
それこそ、サイズはお子様だけど。
大好きな根魚だけに嬉しさも倍増である。





それからすぐ、また、元の釣りへと戻った。
海が良くなってきたのかな?
どんなジャークだったかな?
色々な事を思いながら続けた。
しかし、しばらくしても、まったくである。



さっきのマハタさん、思えば凄い上で喰ったなぁ・・・。
思い返せばである。
ざっと、底から、35~40回は上げていたっけ。
かなり、上を泳いでいたのか。
下から着いてきたのか。
もしかすると、そびえ立つ、根のどこかから飛び出して来たのか。
もちろん、答えは分からないのだが。
あまりに、底付近で何もないので、ダメ元で上まで引いてきたのであった。
それも、回遊系の魚を意識した、強く、速いアクションであった。


移動中、休憩をしてみえるKN氏にも聞いてみる。
彼のジャークを見ていたのだが、やっぱり、かなり強くて速かった気がした。
氏いわく、思えば、かなり上で喰いましたとの事。
マハタさんではなく、それも、アカハタさんがだ。
うーむ、サッパリ分からない。


とはいえ、やはり、確証が持てなく。
少しの間、前途の様な事を気にしてみたのだけど。
やはり、底付近を意識して。
弱く、遅いアクションでも丁寧に探ってみた。
しかし、まったく、何もない。
案の定というべきか、所謂、修行タイムへと陥る。














残り時間も少なくなって来た頃。
船頭は大きく移動をして下さった。
今まで、実績のあるポイントをくまなく回って下さっていた。
魚探を見ながら、もの凄く丁寧に船を動かして下さった。
僅か少しでも、瀬から離れそうなら。
多少、時間がかかっても、何度も船を切りかえしてラインへと乗せて下さった。
しかし、素晴らしいポイントを攻めても。
反応が無い。
故の大きな決断である。
移動には時間を要するが。
その、お気持ちがとても嬉しかった。








20分ほどかけて、新しい場所へと着いた。
幾分か潮の色も違って見えるし、今までの流れとも感じが違う。
竿を出すと、手先にも何となくの違いがあった。
まず、着底の、岩にジグが落ちた感じが変わった。
上げた感じもどこか違う。
再び、集中してロッドを振って行く。




船頭もずっと釣りをしてみえる。
彼の釣りは、その動きからして、我々とは違う。
もちろん、道具も専門的である。
それでも、今日は渋いのだ。
数多くの大物を仕留められてみえる彼でさえ。
はたして、経験の浅い我々が・・・と。
心が折れそうになって来た。







実は。

腰を痛めてベットで横になっていた二日間に。
普段、滅多に見ないテレビをつけていたのである。
見ていたのは、釣りビジョンであった。
色々な釣りをやっていて、目新しくて夢中になってしまった。
その中、数々の番組で言われていた事が。
急に頭に甦る。

「釣りは最後の最後まで分かりません」

「竿を置くその時まで、諦めてはなりません」


確かそんな様な台詞だったと思う。




もしかしたら、その時の自身が勝手に作った言葉だったかも知れない。
でも、何となく、そう思ってみたら。
また、闘志が沸いて来た。
KN氏にも 「釣りビジョンで言うとった!!」 とのたまったのである。
よほど、私が馬鹿らしかったのか。
疲れた氏も笑顔を取り戻して、重いジグをまたシャクッて行かれた。







何流し目かで、自身に小さいアタリがあった。
上がって来たのは、とても小さいエソの子供である。
あぁ、それでも嬉しい。
正直なキモチである。
もう一流し。
続いては船頭にアタった。
これも、エソ!
エソの巣に入ったのであろうか。
でも、何となく、嬉しくなってきた。
それが、何であろうと。
今まで無かった事なのだから。
海が何となく変わってきたのかも知れない。







頭の中で 「釣りビジョン」 の言葉!?を何度も浮かべながら。
やりきるんだ!って意気揚々とシャクる。
もう、半日近くも。
ずっと、300グラム以上を跳ねさせている。
慣れない私の身体はガタガタだ。
それでも、力を抜いたりはしない。
ジャーク、ジャーク、ジャーク!!
力の限りにやる。




























ぶわぁん !!!!!












まるで、真横をダンプカーが勢いよく通りすぎた様に。

深い海の中で何かがかすめた。






そして。

本当ならジグの抵抗で止まるはずの腕が。
万歳をする途中の位置まで振り上がる。




一瞬、脳内から小さく弾けた気がした。

この感じは知らないものではない。


魚だと。








すぐに、跳ねあがった両手を下げた。

そして、ジャークを入れた瞬間。


























ズドン !!!!!












反射的に強いフッキングを叩きこむ!

二度、三度、数えてはいないがそんな風だったろう。
そして、一瞬の静寂の後。
ズルッ、ズルッっとジガーが滑り出す。
ドラッグの音は出ない。
しかし、止まらない。
親指のサミングだけではそれを止める事は出来なかった。
急いで、ドラッグを掛けると。
切れるぞ!!っと船頭から檄が飛んだ。

しかし、ハンドルを回そうにも。
空回りするだけで、巻き上がってこない!
急いで、舵を切る船頭。
瀬から少しでも離そうとして下さる。
その間に自身はドラッグを更に回した。
もう、回らない所まで来たが。
それでも、ラインは止まらなかった。


このままではヤラれる。

覚悟を決めた私はハンドルを回した。
やはり、空回りは続いたが、先程よりはマシになった。
10回、20回と巻く内に。
少し、楽にハンドルが巻ける様にはなる。
そうかと思えば、猛然と底に向かって走り。
走っては、大きく首を振った。
お二人は、カンパチを信じて疑わなかった。


とうとう、とうとう、喰ったか!

身体じゅうが熱くなる。


スプールに目をやると、あと、もう少しなのが分かった。
何も言わなくても、船頭はネットを持ちに走って下さっている。
あと、もう少し。
けれど、ヤツも気持ちは同じだ。
未だ、隙さえあれば、つんざく様に走る。
そして、大きく首を振った。
海面に目を凝らす。
色は?
色は何色なんだ?





それは、茶色ではなかった。

濃い、とても濃い、赤橙色。





そこにいる、全員が叫んだ。































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ツルグエ
(スジアラ)

























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ニヤケてきて・・・




























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壊れました。




やったね!!!












全身が震えていたが。
更に釣りを続行する。
もう、本来の時間ではない。
だけど、まだ、誰も帰りたくなかったのだろう。
幾何か分からないが。
三人で夢中になって釣りをした。
本当に最後に。
KN氏が掛けた。
私より一番手強いそのロッドが。
大きく曲がった。
次の手に出ようとしたその瞬間。
バン!っとロッドが弾き戻る。
ブレイクか!?




氏が巻き上げてくると。
ジグが戻って来た。
フックアウトではなかった。
2本のアシストラインは。
無残にもスパッと切断されていた。
何が喰ったかは分からないけども。
とても歯が鋭く、強い魚である事は間違いないだろう。
最後まで氏が全力であった故に。
私も、まるで、自身の事の様に悔しかった。


























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帰港後、船頭が撮影して下さいました。
























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ずいぶんと前の釣行ですが、今でも思い出すと嬉しいので。
今回は沢山の写真をのせました。







W氏

夢の魚で入魂を果たせました。
素晴らしい竿を誠に有難うございました。












ツルグエにこうして出会う事が出来て。
これで、自身の何かが変わり始めたのだと思います。
今、振り返ると。
そう、思うのです。










早く、過去の釣行記を更新して。
現在に戻りたいです。





それでは