10月27日、28日の日記








今回も、初日はKN氏との釣りである。
最近、氏はいくつかの釣りを模索中だ。
それは、ルアーだけに止まるものではない。
彼の探究心、行動力には目を見張るものがある。
まったく、天晴れな一匹狼であると言えよう。

この日のプランは夜釣り。
後、ルアーをやったりであった。
夢を抱いて向かった先はホーム。
中でも、自身には手強い磯に下りる事にした。
KN氏にとっては初の場所。
無事、安全に立てるか。
最善の配慮で先を歩いた。








この一年ほど、精力的に各地の磯を開拓している。
そんな、彼にとって。
過剰な心配は無用であったかも知れない。
しっかりとした、足取りで後を来られた。
暗闇の磯は不気味である。
何故か、一人でも近くに居ると安堵する。
はたしてそれは、現実のヒトであるかは分からないけども。






氏はこの日、強い磯竿にて準備を開始された。
確か、4号竿にステラの組み合わせ。
糸はナイロン12号だったか!?
かなり、イカツくて恰好イイ。
そんな、タックルの根底に流れるテーマは。
「するするスルルー」 との事。
様々なものに触れ、新しい世界を開く彼ならではと思った。


自身は道具屋にて、大型の飛ばし電気浮きを買って来た。
いつもなら、胴つきのブッ込みとなるところであるが。
夜の水面に漂う、何とも言えない光の風情を味わいたかったのである。
これに、適当な錘を垂らし。
針にはジギング針を結ぶ。
エサはもちろん、生エサを刺した。
狙いはデカイ方が良い。









少し遅れて、自身も釣りを始める。
海は凪いでいるが、さすが、潮はよく効いている。
投げる場所を間違うと。
一瞬にして、右から左へと、仕掛けは流れて行く。
何となく、流しながらも。
止まる所へと仕掛けを送った。


早々にKN氏にはヒット。
メンドリや赤い魚がポツポツとキャッチされて行く。
自身にはアタリは無い。
頻繁に仕掛けを回収し、少しでも傷んだらエサをかえた。
付いていたエサは足下へとチャポン。
撒餌となれば幸いである。



おそらく、フエダイ科の見た事の無い魚を氏が釣った。
とても美味しそうであり、逃がそうとする氏を止める。
丸々と肥えており、肉厚が凄い。
おそらく、結構な引きを味わったのでは。
やはり、私には何も起きない。
どうやら、完全に釣りを間違えている様である。
ズボをしたかったが、生憎、そんな錘は持って来ていない。
そろそろ、ルアーの準備をしようと思い始めた矢先であった。
少し移動した、KN氏の浮きがスパっと消えた。
アワせると、綺麗にロッドが弧を描く。
パワーギヤにものをいわせ、強引にシモリから引きはがす氏。
足場は高いが、一瞬だけタメ、一気にブチ抜いたのである。
下に居た、私には見えた。
その魚が、宙を舞う頃に吐き出したものを。
それは、自身が足下に撒き続けた、エサであった。
後で拾ってみたが、ジギング針が貫通した跡が確かにあった。
氏が手にしたのは、立派なハタ族であった。
この種が夜間にも活動すると。
垣間見れたのは、誠に幸運であった。
本命が無くて、がっかりする氏ではあったが。
数々の釣果は素晴らしいと思った。






朝のルアーは全くであった。
この時期ゆえの、夢の出会いを期待したのだが。
陽が昇り、まったくの凪になった海には何も無い。
ダツ、オキザヨリすら反応なく。
残念な結果に終わった。
その後、磯をあがり。
ゆっくりと朝食を頂く。
疲れがたまっているのか。
仮眠は本気の眠りとなってしまった。
再び、竿を持つことなく、この日を終える。












翌日、自身は好きな磯へ立った。
何もアタらなかったが。
遠い沖には、大型のベイトが高速で逃げ惑う。
あのシルエット、そして、あのスピード。
おそらく、アレに間違いはない。
時折、ドカンっと大きな爆発も見える。
後で伺ったが、どうやら、サンマの第一便であった様だ。
近くに漁船、キャスティング船は居なかった。
刺激的なものを見て、溜息をついて磯をあがる。
まぁ、自身の釣りの殆どはこんな感じ。








その後、三重まで大きく戻った。
気になる場所があり、どうしても、そこで狙ってみたかった。
良かれと思い、揃えて来たルアーを持って立つ。
それは、自身の思いで選んだもの達。
実績のある、ルアーやリグではない。


先行者のとても親切なダンゴ釣りの方がいらっしゃった。
いくつか、お話をさせてもらいながら。
黙々と釣りをした。
ガツン、ギューンと走るのは大型のエソ。
残念ながら、エソしか反応してくれない。
ダンゴの方、朝は良いハタマス釣れたぞ!と。
少し、ヤル気が続く事を教えて下さるのだけど。
やはり、釣れてくるのはエソばかりである。
その内、ダンゴの方の竿がブン曲がった。
マジか!?と思う様な壮絶なファイト!
やっとの事で浮かせたのは、まぎれも無いアイツであった。
居るだろうと、自身が信じて来た魚。
そう、九絵である。



取り込んでからも、傍らで見させて頂いたのだが。
この方、特に驚く様子もなく。
静かに絞め、血抜きと、儀式を進められてみえた。
おそらく、初めてではないのだろう。
慣れた手つきである。
ヒットこそ無かったが、居る事が分かった事は幸運であった。
はたして、反応させる事が出来るかは別の話だが。







夕方となり、お誘い頂いていた、ボートアジングへと向かう。
今日も、O船頭、W氏にご一緒させて頂く。
本命ばかりではなく、良いサイズの太刀魚も回っているとの事。
少しだけ、それ用のルアーもバッカンに入れた。
結果的には、太刀魚の巣窟であった。
自身のフロロリーダーは立て続けに切られる。
見かねて、W氏がお手製のワイヤーリーダーを貸して下さった。
有り難く、それで、やっと手に出来た。
良いサイズのそれは、自身のハードなアジ竿をこれでもかと曲げた。
本命アジは釣れなかったが、クーラーはしっかり満たされた。
お誘い下さり、本当に有り難いと思う。
また、大の釣り好きのお二人との。
真剣に釣りをしながらの、様々なお話が面白くて仕方がない。
素晴らしい時間をいつも有難うございます。











いつも、面白い事を考えている。
そんな、先輩、仲間たちに囲まれて。
自身はとても幸せです。
私も負けない様な、面白い事を開いていかないと。




今回も誠に有難うございました。







それでは