2016年 5月18日、19日の日記





今回は、久々となる、KN氏との釣りである。
この時、氏は、膝の痛みを抱えてみえた。
彼は、私と同じ、49年生まれ。
現在に至るまで、けっこう、冒険の数々に体を酷使してきている。
40を越えれば、やっぱり、それなりにガタが来るものなのだろう。
気持ちだけで向かう事もしばしばある。
それが楽しいから、まあ、仕方ないのかな。






とはいえ、友人の不調はとても心配ではある。
幸いにも、私は肥満であるとか、運動不足であるとかだけであった。
とりあえず、様子見にと。
比較的、負担の少ない、渡船を利用してみる事にした。
















1463922847931












ルアーと底物をやってみたい事を船頭にお伝えした。
上げて頂いたのは、以前にも、KN氏と渡った場所である。
お客さんが少ないので、ルアーは広範囲に投げてみる事が出来た。
薄暗い時間帯は、いかにもな雰囲気が漂っていたが。
日が昇ると厳しい感じへと・・・。
自身は腰を据えて、底物をやってみる事にする。



















小笠原イレブンによるフルキャスト。
30センチほどのムロアジを餌に投入した。
やっぱり、全然、飛んでいない。




結局、ここでは、終わりの時間を待たずして納竿する事になる。
使用したエサは約10本ほど。
それも、その殆どを撒き餌として。
しかし、クーラーボックスの中には、まだ、50本ほどの残りがあった。
そこで、これからどうするかを、KN氏と相談する。
「やっぱり、夜釣りがいいんでしょ!?」 と氏。
確かに、二人なら、おばけは怖くない。
そこで、マズメに青物を狙い。
日の暮れからは底物をと。
贅沢プランで行く事になった。



しかし、問題は荷物の多さである。
否、重さというべきだろうか。
バッカンは道具や食料、飲料水で満タンだ。
そして、発砲には冷凍ムロアジがざっと50本。
しゃがんで背負子を背負ったが、予想以上に重く立ち上がる事が出来ない(笑)
歯をくいしばり、やっと立ってはみたものの。
前かがみになっていないと、後ろ向きに倒れてしまいそうである。
マジか!!っと思いながら山道を下りて行く。
急な段差を越えて行く度に。
ドスン、ドスンと暴れる始末。
だんだんとズレてきて、腰骨を強く圧迫して来る様になった。
あまりに痛いので、岩の上に置いて振り返ってみる。
なんと、背負子のパイプがグニャリとひん曲がっているではないか。
それからが、もう、歩きにくい事歩きにくい事。
ふらつくし、落ちそうになるし、あわや、オスアンカーで串刺しになるところであった。
本当、良い勉強になった。





歩くのに必死で気づかなかったが。
いつの間にか、とても強い風が出て来た様であった。
所謂、釣り師が言うところの爆風である。
そんな中、いつもの場所には大勢のアングラーが竿を振ってみえた。
どこにも、入らせて頂くスペースは無い。
荷物を置いて、しばらく、周囲を見て回った。
幸いにも、足場の高い、少し入ったところが空いている。
釣りをしていた年配の方がこちらに気づき。
空いている内にそこへ入れと、盛んに指さして勧めて下さった。
他にも人は来そうではあったが、こうして、無事に釣座に立つ事が出来た。







必死になって荷物を運び終え、早々にルアーの準備をして行く。
爆風がキャストする前方、真正面から吹き付けている。
ザブザブと波が立ち、砕けた散った潮が舞い上がっていた。
立ち位置から海面までは、かなりの高さがある。
今日もやっぱり、自身のスペシャルが出番の様である。
この状況でも飛ばす事が出来て、瀬際までしっかりと引く事が出来るもの。
迷いなく、ルアーケースから取り出して結ぶ。


だいたい、KN氏と同時に釣りをスタートした。
何度かキャストして確かめながら。
自身は一点を集中して狙う様になる。
おそらく、魚だったら、ここで喰うのではないか?
分からないが、信じて粘ってみる。
ふいに、ガツンっと当たった。
強烈なバイトだったが、弾いてしまった様だ。
次の瞬間、下の方から群れをなして喰いあげて来た。
もう、凄い形相をしたメジロたちが、入れ替わり立ち代わりで襲ってくる。
よく見ると、奴らは軽く、口先でついばむ様にしてアタックしているのだ。
フックが邪魔をすると、頭を振って強引に振り払って消えて行く。
もう、こうなると、カァーっと頭は真っ白になって行く。
何をすれば、ガッツリと丸飲みするのだ!といわんばかりに。
左右の手を動かし続けた。
やっと、会心のヒットを得てランディング。
やっぱり、強引に抜き上げるしか能のない自身である。
足下はもうメジロだらけ。
冷静になれる訳がない。





















13263938_702201286586421_2239994018222379833_n
















バン!!っと乾いた音と共に。
顔の真横で何かが爆発した感じがした。
目から頬にかけ、痺れる様な感覚があり、次第に痛みへと変わって行く。
一瞬、何が起きたか分からなかったが。
前を向いて明らかとなった。
抜き上げの際、我を忘れてロッドを立てすぎていたのだろう。
KN氏の方を向くと、自身の片目の白い部が真っ赤に染まっているという。
あわやのところで免れた様だった。
手に入れてからずっと、一度も折った事がなかったこの竿。
不注意で本当に申し訳がない。







KN氏もメジロの群れに襲われていた。
より良くと、ローテーションした結果。
自身と同じルアーにたどり着いた模様である。
一段と太い魚を掛けた氏。
ギャフを持って、アシストに回ったのだけど。
ギリギリ魚まで届かないし、シャフトが大きく曲がって貫く事が出来ない。
氏は、ズリ上げようと試みたが、ふいに暴れてブレイクしてしまった。
誠に残念である。




















1463922899033





































何度かこの状態でも掛ける事は出来たのだけど。
ランディングしようとすると全てバレてしまった。
やがて、私たちの前から魚は姿を消し。
何もなかった海が帰ってくる。















1463922874142


































1463922876793
















二人で二本づつ、嬉しい釣果を得る事が叶った。
バイト、ヒットは数知れず。
至極、ショートバイト、甘噛みの連発であった。
魚は何か不自然に思っているのだろうか?
どうすれば、もっと、本気にさせれるのだろうかと。
しばらく、考える事になる。



















1463922893054
















魚を何度もきれいに洗う氏の姿。
頂いた命に感謝し、凍ったムロアジを抱かせて丁寧にクーラーへと寝かせた。








日が沈み、いよいよ、夜の釣りへと移行する。
KN氏はしばしの休憩の様だ。
慣れない闇の磯で、自身は必死になって釣りをした。
ただ、投げて、アタリを待つという事が。
とても、難しいのである。
道具はとても大きく、そして、重い。
糸も太い。
深い水深、速く強い潮。
投点が僅かにズレるだけで。
まったく落ち着かず、根掛かりしてしまう。
そして、餌盗りの猛攻。


氏が、いったん、車へと戻り。
スーパーにて、食料と少しのアルコールを買って来てくれた。
今夜はここで磯泊まり。
ささやかな食事と美しい夜空。
何とも言えない夜が更けて行った。




いつの間にか、疲れて寝ていた自身だったが。
KN氏の声で目を覚ました。
そういえば、食事後、氏も石鯛道具で彼の魚を狙っていたっけ。
眠気眼をこすって目を開けると・・・。
そこにあったのは。
エ、エイリアン


























1463922901152





































びっくりするっちゅうねん!!

寝ぼけて、私が何とかこうとか言っている間に。
ポチャンっと海へと帰してあげていた。



再び、釣りを再開する私。
氏は就寝タイム。
結局、朝までに、ほぼ50本全部の餌を使い果たす。
らしいアタリは皆無。
とりあえず、やりきった。





やがて、夜が明けて、自身はルアーへと。
KN氏はフカセで青物狙い。
二度、三度、バイトはあったが。
掛けるまでにはいたらなかった。
殆ど眠らず、過酷な過酷な耐久フィッシングであった。
楽しかった~






それでは