遠征

初高知遠征

12月9日、10日、11日の日記






シフトの関係でまさかの三連休を頂ける事になった。
例年、この時期にまとまった休みがとれる事はまず有り得ない。
のんびりしたり、釣り以外の事に時間を使おうかとも思ったが。
それでも、やはり、海に行っておこうという気持ちになった。



自身はこれまで 「遠征」 というものに殆ど興味が無かった。
三重や南紀の海を少しでも知ろうとしていたし。
それだけで、一杯であったのかも知れない。

実を言うと、今回、決めた遠征釣行も。
おそらくは、友人のKN氏との出会いが無ければ。
行ってはいなかったろうか。
氏のエピソード、その、熱い想いを聞く内に。
遠い、高知の海を見たくなったのである。


たまには、旅をしてみよう。
そんな、気分だ。





































夜中に高速をひた走った。
教えて頂いたのは、岡山から、瀬戸大橋を渡って行くルート。
我が、南紀特急にナビは無い。
携帯電話のナビは時に反応が悪く、途中、何ヶ所かの分岐で道を誤った。
無事、四国入りした時の燃料ゲージは約半分を指している。
余裕を持って、次のサービスエリアで給油をしようと考えた。
しかし、その先、行けども行けどもスタンドは無い。
時間が時間だけに、下道で開けているスタンドも僅かだろう。
目的地は遠く、どんどんとメーターは下がって行く。
結局、磯まであと10数キロという、港町でこれ以上は無理となった。
夜明けの二時間前である。
誠に無念だが、車を停めて就寝する事に。
しばらくして、目を覚ますと。
目の前にあるスタンドが開店となった。
今まで入れた事が無いほど、燃料が入ったのは言うまでもない。
すっかり、陽が昇っているし。
海を眺めながら、ゆっくりと車を走らせて行く。


釣り師のものであろう、車があちらこちらに停まっている。
私には右も左も分からない。
ま、とりあえず、KN氏に聞いた磯を目指そうか。
きちんと整備が行き届いた、綺麗な遊歩道を下りて行った。





















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!!!!!

凄い!!























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地磯なのに潮がぶっ飛んでいる!!

先端にいらっしゃるのは、カゴ師の方々だろうか!?
少し見ているだけで、何回も竿を曲げていらっしゃった。
上物、絶好調!といった感じ。






















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邪魔にならなさそうな場所へと下りてみた。
隣の磯には、駐車スペースにてお会いしたルアーマンが先に下りてみえた。
どうやら、ペンチを車に忘れてこられたらしく。
ルアーの結束、交換が出来ないと嘆いておられた。
そこで、自身のを一緒に使う事になった。
さすがに私も二つは持って来ていない。
ご不便だが、交換の際は来て頂く事に。





















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天気は快晴、海も景色も壮大である。
とても、気持ち良い!

とっ、ここで、沖の流れでとんでもないものを見る!!

何かに追われて、ベイトが宙を飛んで潮を遡ったのだ。
見た感じは 「イワシ」 であろうか!?
しかし、そのサイズが普通ではない。
パッと見だが、およそ、25センチは軽く超えている風である。
それを見て、やっと、現実味を感じて来た。
ここは、土佐の海なのだ。





















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しばらく、粘ってはみたものの。
何も起こせないので、大きく迂回して別の磯へと立ってみる。
潮中の雰囲気は凄い。

カゴ師がキープしているのは、主にグレとイサキであった。
そして、釣果のほとんどは、良いサイズのメッキ達である。
ここでは、エバと言われるのだろうか。
うまく、聞き取れなかったが。
良いサイズであった。
試しに、小さ目のミノーでやってみたが。
まったく、チェイスは無かった。
サラシを通すが、ヒラも反応はしてくれない。





















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激流から離れると、海はこんな感じであった。
潮中よりは水深があり、ベイトにてゆっくりとジグを泳がせてみる。
途中、沖に細長い、尖った姿の魚が水面を割って捕食しだした。
なんだか、サワラに見えたが、バイトを得る事は無かった。





















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再び、潮中へ戻り。
足下を丹念に探ると、見慣れたヤガラがご挨拶してくれた。
遠征初の魚、撮影後はすぐに海へと帰した。

やがて、夕方が迫り、少し海が変わって来た。
激流をジグで流しながらやっていたが。
フォール中のジグに何かが喰いついた。
ラインがピタっと止まり、すぐに、潮に乗って凄い速度で走って行く。
早く止めたいのだが、あまりに速すぎて。
ベールを元へと返すのに躊躇した。
案の定、戻したベールからは、バキッ!!っと凄い音がして。
また、開きながら、ガタガタガタ!っと暴れて再び全開へと。
さすがに壊れる。
ドラッグを緩め、ベールを返すと今度は物凄いラン。
鷲掴みでそれを止めると、フッと外れてしまうのだった。
そんな事が三度ほど。
最後にジャンプしたのは大型のサメであった。
まあ、そんな感じに思ったから、慌てはしなかったけど。
凶悪なその走りは楽しかった。





















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磯からあがり、少し休んで。
なんちゃって道具にて、底物をやってみる。
写真では分からないが、この頃から、とてつもない風が吹き出した。
湿った風、おそらく、雨も降ってくるだろう。
磯からは不気味な音が聞こえる。
ともかく、比較的マシな堤防の片隅に腰を下ろすのだった。
一時間、二時間と過ぎるが、ウツボのアタリさえない。
底は何なのだろう?
打ち返す度、捨て錘が何かの中に落ちる。
あまりに何もないので、KN氏に電話をしていたその時であった。
二度、三度、叩く様に穂先を揺らせ。
くんっと、押さえる様にティップはおじぎをした。
持っていた携帯を放り投げて走ったのは言うまでもない。
ぐんっ!っと持って行ったすぐ後、ラインを持って精一杯にあわせる。
しかし、その瞬間、ゴンっとした感触が。
そう、根掛かりのあの感触。
気が付けば、潮位はぐっと下がってしまっていた。
干潮間際のふいの魚信。
なかなか、うまくは行かない。






















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今日こそは朝マズメを!
そう思って、早くに就寝したのであった。
夜明けの二時間前。
車の屋根を叩く、猛烈な雨音で目を覚ます。
あたりは真っ白に見えた。
あまりの雨で霞んで見えないのである。
おまけに、強風が轟々と車を揺らせていた。
とてもではないが、知らない海、磯へと下りるのは無謀すぎるだろう。
やがて、夜が明けると。
風も雨も幾分かはマシになった。
しかし、外磯はあまりに酷く、まともに立っていられない。
潮は、昨日とは逆へと飛んでいた。
背丈を超える波も沖には見える。
やれそうなのは、湾奥のこの一点だけだと思った。
周りには誰も居ない。
気持ちよりも、更に、二段上の高場に固まる様にして座った。
























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四方八方から潮が流れ、サラシとうねる様な潮の中へと仕掛けを送る。
時に、50号、60号と錘りを換えてみても。
一瞬にして流されてしまうのであった。
なんとか、仕掛けが止まるその一点を探す。
そこに落ち着くと、すぐに、魚信が伝わって来た。
この、大荒れの中でさえ、ウツボの活性はどんどんと上がる。
けっこうなサイズのエサのメジカは。
5分も立たない間に、画像の様な姿へと変わって行った。
ムロ、メジカと、合わせて7本担いで下りてきたが。
本命のアタリを得られるその前に終わってしまった。





















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ここでさえ、立っていられなくなって来たので退却する。
本当、とんでもない風が吹き付けている。

途中、道端で見覚えのある車が停まっていた。
きっと、そうだろう。
私も車を停め、磯への入り口に立って下を覗き込む。
本当、タイミングよく、磯からお一人が上がっていらっしゃった。
やはり、彼である。
SNSでお世話になっている、S氏であった。
少し、お話をさせて頂き、自身は町を目指した。
特に店などの拘りはないけれども。
やはり、ここまで来たら、是非とも食べておきたい。






















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そう、鰹である。
美味しかった。
何がって、鰹から香る、炙ったほのかな感じ。
もっと、下さいと言いたいくらいに美味しかった。






















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エサが無くなったので、スーパーにある鮮魚を買い占めてみた。
どうやら、シーズンが違うらしく。
数件の餌屋には、冷凍サバもメジカも殆ど残っていなかった。
もう、磯でなくとも良い。
漁港でもなんでも、ゆっくり、竿を出したい。
そんな気分であった。

S氏からお電話を頂き、明日の釣りをお誘い頂いた。
はたして、この天気で明日、やれるのだろうか。
正直、何か心が折れてきているのもあった。
何より、この遠い地から、無事に帰れるのかとも。
よって、ひとまず、ご返事は待って頂く事にした。





















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漁港を回る。
先端には石物師のお姿がお一人。
聞けば、予定していた、沖磯に乗れなかったからだそうだ。
それでも、立派なイシガキを一枚手にされてみえた。
湾内は濁りが出来て、あまりよくなさそうだ。
外洋側に向け、小さ目のジグにて何度か探ってみる。
何か青物が釣れないか。
祈る様な気持ちだった。
しかし、雨も風もどんどん酷くなるばかり。
パトカーが巡回してくる程であった。






















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磯はこの様な感じである。
土地勘がない為、入れる場所の見当がまったくつかない。
ただただ、車を走らせて行くだけとなってしまう。
気が付けば、宿毛の方まで来てしまった。
教えて頂いた、大きな釣具店に数件立ち寄った。
地元ではあまり見かけない品揃えに。
底物道具を中心にいくつかの品を求めた。
天気予報を紐解いたが、今夜からまた大きく荒れるとの事。
そして、決断する。
今夜中に三重へと帰ると。
誠に申し訳なかったのだが、お誘い下さった、S氏にはお断りをさせて頂いた。
いつか、良い日に再びと胸に思う。




それからしばらく、高速を走った。
本当に台風かと思うほどの夜であった。
雨で前は見えず、風で車は吹っ飛ばされそうだ。
わずか、50キロほど走行するのに、物凄く集中力がいる。
しかし、そんな中。
自身は最後の心残りへとハンドルを向けていた。
明日はもうないのだ。
出来るのは、この夜しかない。
車を止めては、携帯のナビとにらめっこをして。
必死の思いで辿り着いた。





















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真っ暗で見えないのだけども。
浦戸に来た。
大きな橋の照明がかすかに見える。
アカメじゃない。
私は 「チャイロマルハタ」 に会いたかった。
























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豪雨の中、2時間ほど竿を出した。
もちろん、まったく、何も無かった。
ただ、船だまりにて。
岸壁と船の間に浮かんでくる、ヤツの姿を見れた事は幸運だったと思う。
白っぽく光る、マルスズキの姿はかなりの数がいた。
豊かな海なのだろう。










やがて、その場を後にして。
再び、高速へと戻るのであった。
ラジオからは、鳴門大橋は強風の為、通行止めのニュースが。
こちらのルートは大丈夫かと不安がつのる。
瀬戸大橋の上での風速は13メートル。
大型トラックが風でこちらへと流され。
あんな怖い運転は知らない。
岡山のサービスエリアで食事をとって。
しばし、呆然としてしまった。
それから、京都の方まではノンストップの激走。
濃いブラックを胃に流し込み。
亀山の手前まで走り切った。
帰宅は朝の七時。
それから、尾鷲まで走ろうと思ったのだけど。
さすがに・・・止めておいた。







天候には勝てないのだけど。
また、いつか、行きたいと思う。



KN氏をはじめ、お世話になった方々へ。

誠に有難うございました。






この冬は殆ど海へ行かなかったので。

もう、数回で現在へと戻れそうです。








それでは












初遠征

10月20日の日記










次回はオフショアジギングで。
そんな感じで、KN氏と話していた。
「火曜釣師」である彼。
自身も火曜日の休みが多くなり。
よく、ご一緒させて頂いている。

しかし、最近、天候が安定しなく。
バッチリとした予定が立てられない。
天気予報を見ながら、一喜一憂。
そんな具合であった。
よって、船宿への予約も土壇場まで控えた。

ちなみに、私には何日も先の天気は分からない。
ちゃんとした、天気の読み方を知らないでいる。
結局、二日前位になり、海が時化る事を知った。


「KNさん、あかんわ。出れん。」


がっかりして、そう、お伝えする。
すると、意外な答えが返ってきた。

「ダメですね~ 日本海側に逃げましょうか。」













日本海!?











いままで、自身には無かった選択肢に驚く。



私の家からはとても遠いイメージがある。
しかし、氏のお住まいは名古屋。
うまく、道を選べば、そう、時間は掛からないと言う。


「時期ですし、もう一回位、烏賊釣っておきたいんですよね~」

そう言って、氏ご所有のボートでの、アオリ釣りの話をして下さった。
ボートエギング、所謂、ティップランであるとの事だ。


少し考えたが、何か、とても面白そうだ。
もちろん、経験はないのだが。
幸い、デカアジ狙いで買った、ティップラン用のロッドはある。
急いで道具屋に行き、細糸、そして、中古で専用エギを買いあさった。
ざっと、これだけでも、諭吉がとんだが。
新しい釣りを経験する、良い機会である。








前夜、ゆっくりと準備をして、いつもとは逆方向の高速に乗った。
まず、氏の待つ名古屋に向かう。
なんか、釣りに行く気がしない(笑)
途中、亀山あたりから渋滞が始まった。
釣りで大渋滞。
もちろん、これも、殆ど経験がない。
30分、一時間、いつまで経っても動かない。
短気な私は沸騰した。
名古屋まで、ざっと、二時間半を要した。
もう、グッタリであった。

コインパーキングに南紀特急を停め。
氏のスーパーワゴンにお邪魔させて頂く。
ラゲッジスペースはボート、その他の荷物で一杯になった。
途中、マクドで夜食を買って。
一路、越前を目指して。
まるで、遠足気分であった。










車中で話をしていると、あっけない程、早くに高速を降りる。
なるほど、名古屋からだと。
そう、大して、遠くは感じない。
夜中の街並みはとても暗かった。
コンビニ等、深夜に開いているお店も殆ど無い。
いつもの、三重南部~南紀がとてもひらけて感じた。
そんな事を考えていると、もう、ポイント付近だ。
パーキングスペースに車を停め。
朝までの数時間、仮眠をした。


興奮して、なかなか寝付けず。
ウトウトの状態で夜が明けてくる。
ゆっくりと準備を始めるKN氏。
段取りがよく分からない自身はウロチョロ。
磯場まで、ボートを運び、何往復かで道具を移動させた。
これは、一人だと、かなりしんどい。
KN氏、凄いなと感心するRockbeachであった。




余談だが、日本海凄い!!と。
早々に、そのポテンシャルを実感する出来事があった。
いよいよ、磯にボートを乗せると。
なんと、足元にサザエが転がっているではないか。
もちろん、石物師が入る様な場所ではない。
余程、豊かな海なのだろうか。



けっこうな、ウネリに苦労して。
無事、岸を離れる事が出来た。
まだ、やっと、陽が顔を出したばかり。
さぁ、いっぱい、釣るぞ!










ファーストヒットは自身であった。
今日の為、パソコンの動画を見て、少し勉強していた。
少し投げて、チョンチョンして。
それで、流してアタリを待つ。
実際、何をやっているか、サッパリ分からなかった。
思いの外、風が強く。
潮もガンガンに走っている。
何となく釣れた一杯であり。
嬉しいが、何か気持ち悪い。


KN船頭、思う様な流しが出来ないのか。
頻繁にオールを握る。
その間、自身は釣りをしたり、海を眺めたり。
なかなか、アタリは無かった。
海が少し凪いでくると。
氏の釣りが光る!
船を流し直す度、アタリを拾っていかれた。
全てが乗った訳では無かったが。
私には全く何も感じられない中である。
どうして、感覚が分かるのか不思議であった。
ポツリ、ポツリ、と数を伸ばす氏。
これでも、昔に比べると相当、数は減ったのだと言う。
聞けば、このエリアにおける、開拓者であった様だ。
まだ、誰もやっていない頃にチャレンジされたそうである。



独特の釣法でアタリを待つ氏。

「ハイ、どっすーん、どっすーん~」

そう言いながら、アタリを待ち。
見てる前で、本当にドン!っと掛けて行くのだ。
それは、動画で見た、ティップランでは全くなかった。
もう、ムチャクチャである。
しかし、釣れる・・・。
呆気にとられるしかなかった。

「釣りはね、よほど、間違っていなければ良いんですよ~」

「ハマさん、釣りはね、自分とのたたかいなんですよ~」

ニヤニヤしながらそう言う彼。


いつもなら、何を!!っと言い返しているのだが・・・。
今日の彼は眩しすぎた。
私には全く何も無い。

「どっすーん、どっすーん~」

また、烏賊が上がって来る。
あかん、今日はガチや。
烏賊の神が降りてるわ。
しばらくの間。
氏の 「どっすーん~」 が耳から離れなかったのは言うまでもない。



昼前から風が一層強くなってきた。
残念だが、安全の為に早々に撤収となる。
自身は2杯、KN氏は7杯。
大差での敗北となった。
超悔しい。







帰り道、これまた、初めてとなる琵琶湖へ立ち寄る。
ボートを真水に入れ、ここで、道具をきれいに片づけた。
平日だったが、驚くほどの釣り人がいた。
小さな堤防にずらっと人が並んでいる。
湖なのに、まるで、海の小さな漁港を見ている様であった。

無事、名古屋に着いたのは夕方であった。
まだ、時間があるので。
氏と共に、幾つかの道具屋を巡った。
普段、行かないショップの数々。
見ながら、色々な釣りの話がとても楽しかった。
お腹もすいて、氏のオススメのお店に向かう。
名古屋名物のきしめんを頂いた。
とても美味しく、ボリュームも半端ない。
楽しい釣り、トーク。
そして、美味しい食事。
本当に楽しかった。





心地良い疲労感のまま。
その日の内に帰宅。
残念ながら、移動中、自身はティップを折ってしまった様であった。
ボートエギング、また、やりたいな。
竿、また、買わないと。
そんな事を考えながら、ベットに入るのであった。






KNさん

誠に有難うございました。
また、ぜひ、行きましょう。





それでは











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