2014年03月

真剣な釣り 前篇

3月11日、12日の日記









前回の釣行後すぐの事です。

Taka氏より 「来週行くぞ!」 とのご命令が下りました。

仕事を一段落つかれた彼でしたが、どうやら、いけないスイッチが入ってしまったご様子。

元来、この私よりもずっと釣りへの情熱は深く、熱い氏でありますので。
それは、当然と言えば当然の事かも知れません。

断ると怖いので 「はい、是非、お供させて頂きます」 とご返事させて頂きました。


誠の様なネタ話です。
















初日の朝のポイントは、自身がどうにも気になっている場所とさせて頂いた。
前回、苦渋の想いを味わったポイントに、氏はリベンジを望みたい様子であった。
そこはそう、ちょっとした 「磯の先輩」 気取りでそれを一掃するのだ。



冒険こそなのだよ、Taka君!!



ふふふ~っと めいいっぱい背伸びをして諭すのであった。














未明より向かったのは、おそらく、数年ぶりとなる磯であった。
以前、あまりの腹立たしさに激震した磯である。
昔から読んでいて下さる方の中には、あぁ、あそこかと思って頂ける方もみえるだろう。



そこを選んだ基準とは何か?




潮と水温と、不可思議な予感である。







私なりの理論というか、感覚があるのは確かなのだが。


いざ、それを言葉にしようとしても難しいのだ。




気になる磯には行ってみるしかない。
例え、それがハズレであったとしても。

「何を」 読み間違えたかを考える事が出来るのだから。

いつもいつも、誰かが見つけて来た魚を狙っていては、いつしか、その情熱も冷めてしまうのではないだろうか。


素晴らしい釣りなのだから、身体がいう事を聞いてくれる内は長く、楽しく続けたいものである。
だからこそ、私は遠回りをする。
他人から馬鹿と言われようが関係ない。














現場に到着して、眠け眼で道具を準備して行った。

「Taka君、あの淀みを見てみて!」

左右から急流が当て、不思議と淀むその一点に目が釘付けになる。






そんな事を言っていると、途端に何かの魚が宙を舞った。
淀みには、えもいわれぬ生命感が躍動する。



「一番に投げるなら、きっとアソコかも知れないね!」



そんな事を言ってたろうか。
やがて、その時が来る。



いよいよの頃となって。
Taka氏は一点を見つめ動かない。
自身はキャスト態勢に入っていた。


どうしたのか?






Taka氏のリールに 「マイナートラブル」 が発生したのであった。
まさかではあるが、サブのそれにまで同じ症状が垣間見れるとの事。
以前、自身も同様のトラブルにて釣りを放棄せざるを得なかった。


とはいえ、必要以上に多くを伝える訳には行かないのだ。
一見、不親切に思えるが、きっと、それは違う。
苦渋を味わい、それを痛感し。
自分で、それが 「何故?」 と考えねば発展はないだろう。










複雑ではあるが、自身は独りその場に立った。
そして、気になる一点に狙いを絞ったのである。
未明のその瞬間、結んだミノーをひったくる奴があった。


この日、自身が持って来たロッドは私にとって初めてのそれであった。
バット部分は、レイジングブルよりはるかに太く、ガイドの数もよりいっそう多い。
12フィートのそれに、新たな希望とチャンスを見出して購入したものであった。



正直に告白する。
慣れないそれでのヒットは、すぐには、感覚として分からなかったのだ。
リールが巻けなくなって、穂先がバタバタと軋んでいる。
そうして、やっと、その違和感を感じるに至ったのである。

おそらく、まったく遅れてしまった。
ビックリ合わせを入れた時には魚は既に反転していたろう。
そして飛ぶ。
不慣れな感覚は道具だけではなかった。

なんと、ソイツはエラ洗いしたのである。



それは、ヒラスズキであった。
穏やかな一日の幕開けには、およそ、似つかわしくない魚であろうか。
波もサラシもシモリも無い、ただの流れの中での事だった。
それも、一匹、二匹の話ではないのだ。
ボイル、ジャンプの数から、それが群れだという事を知る。
初めての経験であった。









氏が戻り、先程までの状況をお伝えする。
そこから、Taka氏の釣りが始まるのであった。
ヒラの乱舞はもうすでに終わっている。
ならばと、青物一本勝負である。
互いに信じるルアーを放つのだった。

私が信じるそれは、この、激流の中ではおよそ魅力的に泳がせる事が出来ない。
氏の投げる、いくつかのルアー達。

私から見て、それらは、生きている魚にしか見えなかった。

天敵から逃げ惑い、必死になって水から遠ざかろうと宙を舞う小魚。
まさしく、それにしか見えなかったのである。







失敗談をあえて述べさせて頂いたのだが、それにはまた別の意味がある。
数多くの方と釣り座を共にしてきた自身だが。
Taka氏ほど、驚く様な動きを繰り出す方と出会った事は無いに等しい。
勿論、上には上がいる事は充分に承知している。





いつも、投げながら海の変化を探しているのであるが。
今まで、何度となく、彼のルアーが 「本物」 の魚だろうと誤認した。
私には到底及ばない、天性の領域であると思う。











そこなのだと思う。
要するに腕が違うのだ。

ヒットが無かったのは、岸から届く範囲に我々の魚が寄らなかっただけだろう。
流れに潜むヒラは想定外だったが、その後、沖にて海面の爆発が一度だけあった。
どえらい奴がそこに到達し、本気で餌を襲った瞬間を見たのである。



そこに生命感はあった。



フィッシュイーターがやって来る 「条件」 がちゃんと存在し得た。
釣れなかったが、自身の読みは、まったくの間違いではなかった。
私はそれだけで満足だ。
氏はそうではないかも知れない。
しかし、彼はちゃんと分かる人だ。
届かないその場所に見切りをつけ、次なる候補地へと向かう二人であった。











再度の出撃を前に、Taka氏は自身の道具をしっかりと見つめて行った。
私はそれを喜んで待つ事にした。
我々が勝手に定義した、マズメなどは無意味である事を知っている故である。
まず、しっかりと魚に向かえる様に整える事。
この時、それが一番の要だと思った。
何度もしつこいが、食物連鎖は釣り人の時間配分ではないのだ。
真昼間でもあるし、そこは大勢の方に騙されないでと言いたいところである。














車にて、何か所かを回って海を伺った。
もちろん、そこに自身のエゴは無い。
氏と考え、相談しながら狙いを絞る。
決めた場所は深場の磯の先端であった。





思う様にいかないのが、もしかすれば、この磯の釣りだろうか。
さんざん、天気予報や潮などを考慮して挑んだはずだったのである。
出発地点、そして、道中も何も変わりは無かった。
やがて、釣り座へと続くその道で強烈な違和感を感じるのであった。

今しがたより。
有り得ない程の急さで。
信じられない強風が吹きぬけて行く。



まさに、自然が猛威を振るった瞬間なのだろう。
道具を紐解いた時には、最早、手を使わずに立っている事が出来ないのであった。
そこからの釣りは、あまりの事に、二人して笑う他無かったのである。
とっくの前に限界は超えていた。
ならばもう、安全を確保しつつ、ただ笑うしかないのである。
これは 「いけない海」 なのだ。
その時、アカンやつだと何度となく言い合った。
釣り不能。


しかし、その海に、魚の静かな息吹を感じずにはいられなかった。
この、春の嵐がいつまで続くかは分からない。
しかし、今はその勝負の時ではない。
何かを信じて磯をあとにした。







その後、朝の磯に再び向かう事とした。
陽が沈む頃の、流れの中のヒラを見届けたかった。
午後の、青物の回遊が無いかの調査でもあった。



撃沈とあいなったが、それなりに我々の答え合わせと、データの蓄積は叶ったのである。




半遠征として来ている我々だが。
釣りはハレの日ではないのだ。
釣れたら嬉しいが、釣果が全ての喜びではないと思っている。



少しずつ、少しずつ、自分の尺度にて魚を探す事。
そして、釣りのフォーカスを絞り合わせて行く事。
その為ならば、何度、釣果なしの日々が続こうと、再び釣りに向かうだろう。




それが我々のロックンロールなのだ。




二日目に挑む。
後編へ続く。

















ワイワイ釣行

3月4日、5日の日記













磯に通う日が続いています。

仕事の 「需要期」 の恩恵ですね

四月になり、消費税が上がれば氷河期がきっと訪れるでしょう。



ビンボーな Rockbeach には、行ける時に行っておくしかありません!



釣りに行ける幸せを噛みしめております。

睡眠不足、体調不良、慢性的疲れなんてドンマイです!


南紀特急をガォンガォンいわせて駆け抜けますよ













今回の釣行は、Taka氏との二日間となる。

普段、氏の仕事はとても忙しい。


海況をお伝えしたり、人並みに、タックルやルアーなどの事をお話しはしているのだが。
何か申し訳なくて、メールなどするのを躊躇してしまう時がある。
何故なら、行きたいのを我慢しているのが痛い程分かるから。
釣りだけでなく、人間的にもとても熱い漢であられる氏。


今回、仕事が一段落つかれたとの事で、やっとランデヴーが叶ったのである。
磯での再会がとても嬉しかった。













ひとりの釣りの時とは違うものとしたい。



独りならば、好き勝手に魚を探して磯に降り立とう。

もし、そこに魚が居なくても。

魚が居ても、とても難しい状況だったとしても。

それも、全て自身の釣りなのだ。



しかし、友人を、自身の我が儘に付き合わせたくはない。

言わずとも、彼も独りの時にはそうするのだから。

彼もまた、そんな人間だからこそ、こうして仲良く釣りに行けるのであろう。





よって、今回は狙いものを変えて臨むことにした。
自身もまた冒険出来る様に。
それほどは立った事の無い磯で、また、氏が好きな場所に照準を合わせる事にしたのである。
有り難い事に、この釣りの先輩方から魚の話を頂いてもいた。
初日の朝、珍しくもあまり悩まずに降りる磯が決定した。
















二人とも、いつもより竿が一本多かった。
ニヤニヤしながら二人して竿を束ねて行く。

けっして、コンパクトな物ではないが、
私は 「磯鱸用」 のそれを忍ばせて行くという感じであった。

勿論、Taka氏も同じ心づもりの様子である。
そして、更にエギング竿をも持とうとする氏。
きっと、普段、釣りに行けないから、色々とやってみたいのだろう。
未明からとても楽しいスタートとなった。












まず、自身はヒラスズキを狙ってみる事にする。
たまに、無性にやりたくなってサラシを撃ってはみるのだが・・・。
正直、ほとんどその姿を見た事が無い。

何を投げても出る様な状況でしか釣れた事がないのである。
重くて、大きくて、カッコイイその姿。
おまけに食べてとても美味しい。
出来る事なら釣りたいのだけど、とても難しいのでなかなか出来ないでいるのだった。





本命の青物の釣り座の方ではウネリは無い。
向きを変えると、得意のシモリには良いウネリが当てていた。

まだ暗い中、出るぞ! 出るぞ!! っとミノーを引き波に乗せて行く。


線が悪いのかな?

深さが間違っているのかな?



4投、5投と繰り返すのだが、まったくどうして音沙汰は無い。
もしかして、ヒラは着いてないのだろうか。
一時休戦として、青物釣りの方へと向かった。











Taka氏が真剣な表情でキャストを始めていた。
おそらく、もう、何か月もこの釣りから遠ざかっている氏。
一投、一投と、まるでその感覚を思い出すかの様に撃ってみえる事だと思う。


凪いでいる、右手方向からは太く、強い潮が流れている。
それが今いる磯をかすめ、沖に向かってしっかりと伸びている様である。
そしてまた、左手の方角からも潮が当てていた。


詳しい理由など分かりはしない。、
足下付近にてそれらが干渉し合って、一本の明確なる流れを生み出しているのである。








僅かしか経験は無いが、この磯でその流れに良い思いをした事があった。
全くエリアを違えた磯でも、同様の流れに何度か水面の爆発を見た事がある。
自身とはきっと相性の良い流れなのだろう。

沖の潮目を何度か撃った後、意識的なショートキャストにてその流れを捉えて行った。
結んだのは、約15センチのペンシルポッパーである。


前の夜、深夜までかかって小細工を施したものであった。
ありきたりの加工でしかないが、とても小さいベイトでも有効かと思える仕様としてみたそれであった。







バシャバシャバシャ、ジュポン!!


出ろ、出ろ!!っと強く念じながらの行為だった為、気持ちの遅れはこれっぽっちも無い。



自身の最良のタイミングでフッキングを三発!


その間に態勢を整え、うっすらと霞み浮かぶシモリから一気に遠ざけるのであった。


私の鬼神の様な形相、歓喜の雄叫びをあげる姿に爆笑している氏である。



かなり恥ずかしい。



































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久しぶりの青物はいつだって良く引くのです。

例え、それが、爽やかサイズであったとしても。
私のタックルではきっちりと五体に響きますよ!

ツバスさん、本当に有難う。
嬉しい一匹に感謝が込み上げてきます。

ツレの前じゃ 「何や、ツバスちゃんやーん!」 って言うててもです。

この一匹がとても大切で大事に思うのです。




やったね!
















事実、この魚は本当に貴重な一匹となったのである。

そのヒットを皮切りにして、我々のいる磯は青物達の歓喜の渦に包まれて行くのだった。


か細いベイトが溜り、その身を潜め集っている場所にはゲリラ攻撃が炸裂する!
派手なボイル音にて、その爆撃は繰り返された。



沖の潮目でも何度となく弾ける。
はたして、それが同種によるものなのか?
はたまた、違う種によるものか特定は出来ない。



言える事はただ一つ。

そこにルアーを送り届けても、どうにも反応させる事が出来ないという事だ。







持てる知識や経験から、考えられる、殆どのアプローチを試みたのである。
氏もまた、今までの、全ての釣り人生をかけてそれに向かったに違いない。

しかし、どうしても喰わせるまでには至らなかった。


それでも、氏は、もう一歩駒を進めた様子である。
だがしかし、バイトを得る事は叶わなかった。


明らかに良いボイルもあった。
誠、貴重な一匹となったのである。


















その後、食事をして眠る事にする。

仮眠などではない。


前日、前々日と、二人は2~3時間の睡眠しかとっていないのだ。

消費した、大量のカロリーをご馳走にて補給した。

そして、ポカポカ陽気の中で真剣に眠る。
この上ない幸せの時間である。









再び目を覚ましたのは、午後2時を回った頃であった。
次なる磯を二人で相談したが、ここは、Taka氏の直観に委ねる事とした。
自身には無い感覚がとても面白い。
向かったのは違う磯であった。









夕方から明日にかけて、まとまった雨が降り、強い風が吹くという予報であった。

山を下ると、予報よりも早く、その兆候が辺りを包むのだった。
時に風は悲鳴をあげ、被っているキャップを奪い去ろうと企む。

ザバザバと波が 「三角」 のかたちを形成し、あらぬ方向に舞った海鳥が天高くその翼を広げていた。








その姿に導かれるかのごとく、私は遠い昔に歩いた磯を速足で駆けていた。

Taka氏にとっては、そこは未開の地。
自身もおぼろげないつかの記憶に陶酔感が込み上げてくる。





気が付けばここから遠ざかっていた。







南紀の磯に降り立った 「初めて」 のあの日。



ここにて、ヒラマサが二匹、高く宙を飛んで獲物を追っていた。



原点のこの磯。








いつしか忘れていたあの感覚。



開拓しか無かったあの頃にタイムスリップする。




Taka氏、本当に有難う。












































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鳥は狂い、潮はその勢いを止まる事を知らず。
大量のベイトがむせ返る様にひしめき合う。




この海を感じられる事こそ」 ではないでしょうか。




何も起こせませんでしたが、日没のその時まで一切テンションが途切れる事はありませんでした。










予想にもしていなかった回帰。

本当に幸運でした。




























磯からあがった頃には大粒の雨となった。

歩きすぎる程歩いたので、消費カロリープラス、蓄えも必要だとレストランに直行する。


Taka氏が一言。




オイRock君、ステーキ食おうゼ! と言う。




おうよ!と我が胃は大賛成の様だ。



肉食系中年の我々は今、血に飢えている。
狩猟本能全開!?


いやいや、最近、二人とも淡泊な毎日だっただけかな(笑)

レアにてガッツリと頂くのであった。







気になるのは今後の雨模様。

だって、二人とも、アジングしたくてチュンチュンしているのである。


大降りの中、それでも、目標の場所には行ってみた。



こんな荒れの夜。
ヤエン師やサビキ釣り師の姿は全くない。


滅多とない 「貸切」 だったが、厳しすぎるその環境にクルマへと直行するのだった。


情けないが、明日の磯に支障をきたしてはイケナイという理由としておこう。



コンビニで眠る前のお楽しみを買う。




















雨となったので、先輩と釣りが出来るかもとソワソワしていた。


彼は、雨ならば仕事が休みとなる。


早速、メールが鳴る。


「今から出ます。」 とW氏。



ポイントにほど近い、パーキングにて彼の到着を待つのだった。
















明日の予報は、波高4メーターのウネリ有との事。

いくつかの候補を、私も先輩もそれぞれ考えていたのである。



「ある、ない。」


ほぼ、それさえもが合致していたかも知れなかった。


立てる磯は一つではないが、あるかと言えば悩ましい限りなのである。







結局、先輩と私の直観は一つの磯に帰結する。



行ってみたいし、ここしかないかもと。






自身には数年ぶりのその地であった。










































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私のささやかな釣果です。

新しいリールと少しだけ友達になれた時間でした。

有り難いです本当に。














舞台は大荒れであった。


危険なので、ギリギリまで待って山を降りたのだった。


二人には初めての磯であり、私は薄い記憶が僅かに残っているだけ。


それでも、行こうと思えたのは、エキスパートである先輩と一緒だったからに他ならない。













ツバス、ハマチの群れの中、先輩はたった一投にて素晴らしい一本を仕留められた。

ランディングシーンはまるで、離島でのそれを見るかの様であった。

いつか見た、DVDのシーンと脳裏で重なって行く。






Taka氏が駆けつけ、何度も何度も、不慣れなギャフでそれを追いやっと捉えたのである。





それら全ての光景が、今も鮮明に胸に甦るのだ。









表層から気配が消えた頃、自身の隣に先輩は来て下さった。

そこで、しばし二人でジグを操った。




私には何も無かった。

氏は2ヒット、ワンキャッチ。



釣り上げた、その小型青物を、優しく丁重にリリースしていた姿が今も眼から離れないでいる。








爆発的パワーを持った大波。


間断なき強い雨。





寒くて、どうしようもないのに。
ジャケットを脱いだ私からは湯気が立ちのぼっていた。






Taka氏も釣れて、みんなが釣れた。



最高の朝。








それでは










My Tackles


Rod   MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel  SHIMANO 13 STELLA 10000PG
Line   YGKよつあみ PE #4
Leader   VARIVAS NYLONE 80LB











モウソウとコダワリの世界

2月26日の日記









「Great Links」 に新しくご追加させて頂きました。


友人であり、釣りの先輩でもいらっしゃる、TNK氏の日記です



当Rockブログ共々、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします




















魚が躊躇なくルアーを襲う時とはどんなだろうか?








おそらく、これを見て下さる皆様方の方がずっとお詳しいかと思う。












私が思うのはどんなか?











自身、あまりに沢山の要因が絡むのではないかと思うので、
とても、うまくは述べる事が出来ないでいる。
それをご了承頂き、なお述べるならば。









餌、光量、真水、水色、波、風、流、潮



 であろうか。









あなたの思うそれに足りないか、また多いかは分からない。















一つの例を述べる。





「今日は雨ジャンジャンでさ。おまけに風が強うて、あの磯に立てるかマジ土壇場まで分からんだんやって。」



「行ったらな、めっちゃ波被るねん。何か水の色変やし、風でルアーまともに動けへんかった。」



「でもな、無茶苦茶やねんけど、ちょっと明るなったらいきなり出てさ!! まともに出来ひんのに青モン、猛チェイスやん!!」



「アカンわ思てミノーに換えてさ、サラシん中引いてきたらガツン当たったわ!!」












ある様なない様な、おそらく聞いたかも知れないフレーズであろう。











荒れたら魚の活性が上がるのか?

それとも、ルアーが餌に見えるのかは私には分からない。










ここで、それを追及するつもりはない。

どこか、何か当てはまる時に良い思いをされた方もいらっしゃるだろう。

なかには、それでなくては始まらないといった感覚をお持ちの方もいらっしゃると思う。






それでなくては、ヤツらが喰う事は無いと信じている方も。





人それぞれに釣りがあるはずだ。

















ここ、何回かの釣行で自身は悩んでいた。



しかしながら、所謂、好条件を待つつもりはこれっぽっちも無い。




自身の休暇とその日が合うのを待ってはいられないのだ。








そんなものを味方につけなくとも、別の何かでヤツらを惑わせてみたい!!





無理だからこその自分の釣り。

難しいからこそ、燃える釣りがあると信じている。

そう思えば、釣り場までの数時間や不眠など心地よいものだろう。



























予報では、稀にみる平和な海となる感じであった。
勿論、それに合わせた道具、ルアーなどを仕込んで行く。
その感覚ですら、ただの妄想と自身の拘りだけで具現化したものであろう。
故に今回の題名としてみた。


百聞は一見にしかず。



その海をご覧ください。

































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池がごとくの海です。
流れもまた微流ですね。

「光量」 だけは、それでも味方となりえますので、未明からキャストを繰り返したのでした。


海には何が居るかは分かりません!
夢中でやりましたが、変化を見る事は叶いませんでした。




























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しばらくしてから、何気に自身の竿を撮ってみたくなりました。
スナップ写真の様な 「ただ」 の気持ちです。




魚は居るのか!?





いますよちゃんと。








天候によるのでしょうか!?




とてもではありませんが 「二日前」 の感覚には程遠いのでした。



要するに、魚は居るのですが、ヤツらにその興奮が見られないのです。






悠々と泳ぎ、気持ちよさそうにあくびをするヤツの顔をも見る事が出来ました。

勿論、その時が来れば、獰猛な海のギャングである彼ら。

とはいえ、四六時中、常に張り詰めている訳にはいかないものでしょう。

自分たちよりずっと弱く、小さな他魚と混泳する事も当たり前なのです。

所謂、キレた時。

その本性を垣間見せる事でしょうか。





その辺り、我々の生活にも通ずる事かなと私は思っています。




















自身が思うルアーにて、考えられる様々なアプローチを投げ続けていた。


しかし、それでも全く反応が無い。



一瞬たりとて、我がルアーを凝視した事すら無かったろう。











いくら、海が静かであるといっても。


ヤツらは喰わないわけにはいかないのだ。




水温が低かろうと、潮が悪かろうと、
食物を食べない訳にはいかないのである。




それが生きる証なのだ。

















するとやはり沸いた。



その姿は一昨日のそれではなかった。



しかし、それでも、ちゃんとした捕食をしたのであった。










勢いも、その時間も、それにはまるで迫力は無い。

だが、喰った。

一瞬だったが、しっかりと餌を追いつめた。






しかし、自身のキャストには全く興味を持たない。














ベイトはその数を変えていた。

尚且つ、違うベイトが数多く混在もしていた。







それもここらしい事。


まるで、分刻みにて、その様相を目まぐるしく移り変える海なのである。
問題は、それに自身がどう、順応出来るかどうかに他ならない。













途方に暮れ、しゃがみ込んでずっと水の中を見続けた。




私にはもう分からなかったから。





自然の一部になろうなんて、そんな大それた事を思ったのではない。


ただ、どうしても分からなかったから、しっかりと魚達を見るしかなかったのである。
















ずっと見続けて、やっと、一つの考えが思い浮かぶのだった。



わからないが、それしか思えない。






その時の率直な気持ちである。















待った。



ただ、それが来る一瞬を待ち続けた。



そうして、時は静かにやって来る。















信じるルアーを思う場所に投げた。




まず、ヤツらの一匹がルアーについた!




二投、三投と確かめる様に撃って行く。









違う仲間が順にそれを追った。









おそらく、今はこれに間違いはない。














結果、翻筋斗を打つかの様な攻撃を受けるに至った。

しかし、その、最後の一歩が出ない!

そしてまた、自身の最期の一手も出す事は出来なかった。












故にバイトは無かった。
しかし、その、寸前には辿り着けたのである。








それが、もし、たまたまであったとしても構わない。


私はそうじゃないと信じているから。


少なくとも、誰に教わるでもなく、新しい感覚を手に入れたのだから。





再現性があるか!?







磯に立つ、我々であるならば。

今度、いつ、同じ状況を試せるかなんて保証は出来ない事をご存じだろう。



そう、ここは特別なる海。


どの釣りとも違う、きっと、ただ唯一の感じ。



人がどう言おうが、自身はそう思う。








だから、止められない。


釣れなくとも、垣間見れただけで満足であった。









それでは






Mortifying

2月24日の日記













前回の釣行からけっこう間があいてしまいました。

急な仕事が入ったり、体調が芳しくなかったり。

無理をすれば行ける日もありましたが、珍しく、大人な判断で諦めました。




その間、ずっと考えていたのです。

騙す事が出来なかったヤツらの事を。

出口の見えない迷宮に足を踏み入れてしまった様です。






「喰わない!」 と割り切れる様な性格なら気楽かもしれません。


全く、誰も釣る事が出来ない魚なら諦めもつくでしょう。



しかし、そんな事はありません。


目の前で、他の方が釣ったのをこの目で見たのです。

それが、仮にマグレであったにしても、その一瞬、何かがピタリと噛み合ったのでしょう。

私はズレていたから反応させる事が出来なかった。

それが現実だと思います。







自分の中の小さな引出しから探してみる事にしました。

勿論、答えを見つける事は出来ません。

また、ネットで調べても、誰かに教えてもらっても、自身がそれを再現する事は難しいでしょう。

上手い方とはそもそも、その腕が違うのです。




それでも、何日も考えて、いくつかの仮説をたててみました。

僅かなりに道具も変えました。

いくら考えてみても、それを海で試さないならば永遠に分からないでしょう。

そして、下手は下手なりに、自らの手法でそれに近づくしかないのです。




悔しい。

どうしても喰わせたい。

そして、釣り上げたい。


ただ、それだけなのです。



















家を出発し、現地までの道中で今日のポイントを考えた。

いっても、魚が居たのはもう二週間以上も前なのである。

そしてまた、弱い心が生まれもした。


去年の暮れからずっと、一匹の魚も触ってはいないのだから。

頭の中でいくつもの磯が浮かんでは消えて行く。

より、可能性がある獲物を求めようかと。

そんな気持ちが邪魔をする。




多分、それでも、釣れれば嬉しいに違いない。


そしてきっと、次の瞬間に後悔が訪れる事だろう。




何故?逃げたのかと。

貴重なその時間、どうしてあの海に向かわなかったのかと。



釣果が欲しい訳じゃない。

あの魚が欲しいのだ。


















向かった先は沖磯だった。


安直に 「沖磯の方が可能性が高い」 と思っての事ではない。


この20日間ほど、毎日、その海を分かろうと自身のデータを開いていたのだった。




読めるはずのない海である事は十二分に承知している。

しかし、そこから、もう一歩先にある何かを見出せないかと血眼になって探した。

到達する事は不可能だが、今よりあと少しだけ前進したい。

それもまた挑戦なのだ。











渡礁してすぐに一つ答え合わせが出来た。

求めていた潮がそこにあった。

強く、太い流れが磯をかすめて行く。

高鳴る鼓動を抑えきれずファースキャストを撃つのだった。














この日、まず最初に結んだのは、ペンシルの性格が色濃いポッパーであった。

以下はあくまで自身の仮説である。




ポッピング、そしてそのスプラッシュが派手すぎるものはこの海には相応しくないのではないか?



違う海域にて、半ば定説とされているそれを幾度となく使用してきた自身。



結果として、一度たりともバイトを得た事は無い。



しかし、今、まさに投げているそれにはあった。







誠に狭い視野で見ているかも知れない。

他人からそう見えるだろう。

しかし、今はこれで良いのだ。

何故なら 「私の釣り」 において、

 「魚からの反応」 はあったのだから。

なにより、私にとってはそれが間違いではない事の実証と言えよう。











この日は他に二人のルアーマンがいらっしゃった。

その雰囲気から、彼らがベテランである事をすぐに悟る。

おそらく、ただ長くやってみえるだけではないだろう。

かなりの数の魚を獲られてみえたのではと思った。

キャストの合間にそれを垣間見る。











しばらくして、ジグへと換えた頃にそれは突然起きた。

一発の魚雷が瀬へと着弾し、にわかに爆発する。

それを皮切りにして、二発、三発と立て続けにその爆発は起きた。


ヤツが背中を丸出しにして小魚に襲い掛かる。

喜んでいる暇などない。



全速力でフルキャストしていたジグを回収した。

そして、そのままで挑む。

しかし、表層にてジグに反応するヤツの姿は無い。

すぐに送り込み、ベイトの更に下に張り付いているであろう別のヤツらに届ける事にした。

バンバンバンッ!っとジグを跳ねさせるも伝わる衝撃はやってはこない。

ファーストコンタクトは今日も失敗に終わってしまった。













その後も、ヤツらの傍若無人ぶりは幾度となく繰り返された。

陽が昇るにつれ、どんどんと膨れ上がるベイトボールの数々。

幾千、幾万もの小魚達に辺りは埋め尽くされて行った。

しかし、その場の誰も喰わせる事が出来ない。

ベテランと思しきお一人の方はチェイスさせる事に成功したそうである。

しかし、そこから先が無い。




気配が濃厚な時、自身は食欲に訴える様なアプローチで攻めた。

気配が感じられない時、その好奇心やリアクション的な反応を期待して攻めてみた。

一時間、二時間とずっとそれを繰り返して行く。

しかし、全く何の反応も無い。







それでも、食事などの休憩以外、ずっと投げ続けている。

しかし、未だヤツの一匹さえも魅了する事は出来ないでいる。


釣り人のイメージでは、釣るのが難しいと思える海となってしまった。

流れはほぼ止まり、ベタ凪の海が広がっている。

プラグを動かしても、ただただ、不自然に漂い動くのみである。

ジグを放っても、スカッスカッっと空を切る様なジャークでしかない。

まったくちゃんと泳がせている気がしなかった。









それでも、ヤツらの捕食行動が完全に終わってしまう事は無かった。

結果的には、磯上がりのその時まで、長いスパンを要するもののボイルは完全には無くならなかった。

おそらく、その間隔でさえ、単純に奴らの満腹感、空腹感によるものではないかと思う。

腹が減ってきたら襲う。

その繰り返し。

何かの規則性があるには違いないのだろうが、それを理解することは到底かなわなかった。










食べているのに喰わせる事が出来ない。

食べている以上、釣れない事は無いのだろう。

それに、全く合わせる事が出来ないだけで。









悔しすぎる。

もう、ヤツらの事しか考えられない。








それでは


















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