6月17、18日の日記
迷いの中にいた。
通う程に分からなくなる。
楽しいというだけではない。
想いが深いからこそ辛い。
しかし、考える事を止められない。
嫌々ではないのだ。
それは、心が求めるから。
悔しいからこそ。
行き場の無い感情があるからこそ。
次の休みに向けて研ぎ澄ませて行く。
自らの釣行と。
そして、偉大な仲間たちのそれを差し引きして行く。
予感とか直観とか、そんな恰好の良いものではない。
ただただ、自身が竿を出してみたいという衝動に正直になってみただけの事。
思い返しても、それしか言えない自分がいる。
沖磯へ渡りたいと思った。
もしかしたら、私が好きな魚達の4~5種類のいくつかに出会えるかも知れないから。
あの磯ならば、あれとあれが有るかも知れない。
また、あそこならば、沖の潮が突けばあの魚が有るかもと。
夢想だけが輪をかけて膨らんで行く。
しかし、夢を求めているのは我々だけではないのだ。
ここに来る、全ての釣師の胸にそれがある。
餌とか、ルアーだとかは、全く関係が無い。
今日、釣りをしたいと思う方が何人いらっしゃるか?
残念ながら、自身にはそれを読む事は出来ない。
故に、更に掘り下げて立つ磯を考えた。
それは、今まで行きたいと思った磯ばかりではなかった。
人が良いと評判しないから、B級、C級か?と言えばそんな事はないだろう。
そもそも、この海域こそが超一級なのだから。
コツコツと機会がある度、自身が感じた事で絞って行った。
最終的には、お客さんの数と当日の海で決める。
それもまた運命である。
今回も、良き相棒で、良きライバルである、Taka氏がおつきあい下さった。
スッキリしない予定につき、確実にヤれるのは釣行初日だけとの事。
それがまた、行先選びの良いプレッシャーとなる。
渡船屋に着き、とりあえずは店内に入る事にした。
まず、真っ先に目に飛び込んで来たのは、
以前にお会いしたベテランのルアーマンの方々であった。
三名ほどいらっしゃるご様子である。
ご挨拶をして、立たれたい磯をご確認させて頂いた。
もし、我々を含めると既に5人となる。
もう、狙いはこの時点でアウトである。
他にお二人、それらしき人がいらっしゃった。
お声をかけると、この方々もルアーで夢を求めておみえになったらしい。
おそらくは、あの魚とあの魚、もう一つはあの魚狙いであられるのだろう。
ならば、きっと行きたい磯はそこに違いない。
ふいに醒めて行く自分。
予想よりは多いものの、当然に想定した状況であった。
だからこそ、プランBも、プランCも練って来たのである。
更に言うと、今、皆が目指している磯に渡れる保証は全くない感じであった。
時化てはいない。
嫌な風があるとかでもない。
おそらくは 「潮流」 なのだろう。
潮が強いからこそ、それが瀬に強く当てているのだろうか。
もし、そこがダメならば目も当てられない。
狙いを定めた、底物の方もいらっしゃる事だろう。
ならば、良くて、定員オーバーにてA磯。
あぶれれば、地磯で頑張って欲しいと言い渡されるのみだ。
それを鑑みてこそのチョイスであった。
「Takaさん、あの磯とその少し隣が見える?」
そんな切り出しにて、彼とのこれからを相談して行く。
二つに一つ。
自身の胸にはもうそれしかなかった。
あとは陽が昇り行くのを待つだけ。
微かに見える水面にて決める。
出船間際になって、最終的な決断を船頭にお伝えする。
「厳しいとは思うが、頑張るのはお前ら自身やでな。」
船頭はそうおっしゃった。
本当に有り難い!!
乗ったらええやん!と言ってもらえる事。
ただのサービス業なんかではないと自身は思う。
「金を払うのはこっちだ!」
そんな思考をする方々には分からない事。
きっと、通い続けないと分からないものがある。
ひとえに。
この潮の中で、Taka氏に竿を出して欲しかったのです。
過去のあの日。
先輩は私を連れて行って下さいました。
その衝撃は今も消える事はありません。
相棒と共にその中で釣りが出来る事。
これからの数時間、夢に向かって一直線でいられる事。
それだけでも意味があると思いました。
いつもよりもゆっくりと準備をして行った。
磯の上には我々しかいない。
急ぐ理由も無いだろう。
否、それよりは、広がる海に目と心を奪われていたというべきか。
凄いなと共々の口からそれが漏れる。
「Takaさん、まずは何結ぶの?」
そう聞くと、予想通りの答えが返ってきた。
それは、これから私が投げようとするものと同じであった。
一緒に通っているのだから、そんな感性が似るのも当然かも知れない。
うん、今はコレしかないよな!
そう言って、ほぼ同時にファーストキャストを撃った。
一投目にヒットを得たのは自身である。
少しだけダイブさせ、その身をくねらせた瞬間のバイトであった。
派手な水飛沫が上がる。
グンっと腕ごとひったくるその感じ。
リーリングを止めればヤツも止まる。
懐かしいこの感じはシイラに間違いはないだろう。
続いて、Taka氏にもヒットする。
「Takaさん、シイラ来たかい!」
何の疑いもなく、ダブルヒットを喜んでそう声掛けをしたつもりであった。
いつもなら、即答する氏の声が聞こえない。
二呼吸ほど後、堰を切った様に氏が叫んだ。
「何かコイツ潜るで! 青もんや青物!!」
正直、マジかと思った。
私は掛けたシイラを寄せている最中だ。
気になるので、無我夢中でリールのハンドルを巻く。
横目で彼の方を窺った。
やはり、ラインの角度は鋭角的であり、氏の持つロッキーショアがしっかりと曲がっている。
どちらにせよ、早く自身の魚を取り込まなくてはならない。
ギャフなど用意している間が惜しい。
抜くのが怖いサイズではあったが、そこは勢いに任せ躊躇なく抜いたのだった。
一瞬だけ磯上に置き、すぐさまロッドにて宙吊りにする。
何よりも魚を傷めたくない故の事。
そして、ルアーを強打させる事を防ぐ為である。
かなり、ロッドに無理をさせているのだが、そこは出来る限り譲りたくない部分なのだ。
しかし、激しく暴れる魚に手元が狂ってしまう。
結果、魚を捉えていない針が私の太ももへと突き刺さった。
そのままで暴れるシイラ。
早朝から一人、オッサンが黙って白目をむく。
運良くも、もう片方のフックがライフジャケットのポケットに刺さってくれた。
かろうじて、負荷と痛みが軽減する。
その間、Taka氏もしっかりとファイトをされてみえた。
まったく、チラ見しか出来ないのではあるが。
やみくもに竿を曲げる事なく、時に強引に、時に緩やかにと攻めてみえた。
やがて、海面へと伸びるラインが間近へと迫る。
氏はちゃんと勝負どころを知ってみえる様だった。
瀬の内側へと潜ろうとするヤツに全く妥協を許さない。
ふいに、まるで諦めた様に抵抗をやめる魚。
ポッカリとその姿を海面へと見せたのだった。
Taka氏の場所からは未だ見えないはずだ。
まず、私がそれを見た。
グレー色の魚体にやけにクッキリと見える黄色のライン。
もう、見間違う訳がないじゃないか!
私は叫んだ。
そして、それに驚いて氏も叫んだ。
青物だと、冷静沈着に対峙していた姿はもうどこにもない。
当たり前だろう。
我々には幻の魚なのだから。
すぐに駆けつけてやりたかった。
ギャフを持って走りたかった。
しかし、自身は今尚、腿にシイラをぶら下げたままなのだ。
メーターは下らず、ポケットで分散されているといっても。
6キロ強のめかたを身で吊るしているのである。
そして、激しく暴れる。
全く動けなかった。
氏の魚ももう限界だろうか。
否、氏の精神力がそうであったかも知れない。
やむなく、私は氏に向けて言い放った。
「抜いてくれ。もう、抜くしかない!」
静かにそれを行ったのが余計に現実的に思えた。
胸の鼓動は限界へと達していたろう。
いったんは磯上へと登る。
しかし、暴れるそれは再び海へと落下した。
そして、細い岩のくぼみへと挟まってしまう。
今の彼にはもう無理だろう。
そう思い、まず、我が身を引きちぎった。
ライフジャケットは、貫通したその二点をハサミにて切断した。
痛みと興奮で朦朧としながら、ギャフを片手に氏の場所に歩み寄る。
魚は既に海からは上がっていた。
しかし、そのくぼみには魚が大きすぎるのだ。
ギャフを掛けようにも捉える事が出来ない。
魚は動き、ズリ、ズリっと下へと滑り落ちて行く。
万事休すであった。
やがて、しっかりと貫いていたはずのフックが抜けた。
それでも、まだ、そのくぼみには魚が残っていた。
身を投げるかの様に磯を駆け下りようとする氏。
その瞬間、魚は海へと帰ってしまった。
二人して、まったくの放心状態に落ちる。
しかし、次の瞬間には互いに我にかえっていたろう。
まだ、1投、2投しかしていないのだ。
あまりの事に真っ白にはなったが、間違いなく、釣りは始まったばかりなのである。
そして、釣りを再開した。
2投目、3投目にも私にはシイラの激しいバイト。
しかし、氏は違った。
強烈なランをするりと交わし、まるで、遊ぶ様にして寄せて浮かせる。
腕っぷしが強すぎて、はたからはそう見えてしまうのだろう。
今度こそ逃さない!
持っていたタックルを放り投げてギャフを掴んだ。
二人で、息を合わせて激流の中にタイミングを見る。
そうして、一撃で貫く事が出来た。
南紀 ヒラマサ 82センチ!!!
Takaくん。
まさかだったよな・・・。
手も、足も、全身が震えていたよな。
本当におめでとう。
交わした握手、今も忘れへんよ。
手首掴みやがってー(笑)
私も負けてはいられない。
自身の信ずる動きで誘う。
チュボっと小さく、波飛沫がごとくのバイトが立った!
遅らせ気味にフッキングを入れる。
ギャッ、ギャギャッ。
ドラッグが強すぎるのか、気持ちよくそれが出てくれない。
滑りやすく、また、平坦なところが無い今の場所ではそれは命取り。
のされて、もし、バランスを崩せば海へと落ちる。
ふいに怖くなって、ドラッグノブを逆転させて行った。
それに手こずり、気持ちよりも多く糸を出しすぎてしまう。
私には、Taka氏の様に怒らせないファイトも。
彼の様な強靭な肉体も無い。
必死で寄せるも、足下にうっすらと見える沈み瀬へと行かれてしまった。
デスダイヴ か!?
そう思う程に魚は動かなくなってしまう。
そして、いつもの様に覚悟する。
今まで。
根に巻かれたり、瀬に入られて来た事は幾度かあった。
それが、ツバスだった事さえある。
サイズに関係なく、いつも、壮絶な気分でただ全力で挑んで来た。
獲れた魚はおそらく。
我が 「気持ち」 だけで獲ったのだと思う。
もちろん、最初は経験など無かったのだ。
分からないから無理をした。
強引に勝負を掛け、身切れさせてしまった事もある。
かろうじて、ラインブレイクだけは免れていた。
動かなくなった魚とつながりながら、そんな、あの時の記憶が甦る。
駆け引きなのだ。
文字通り、それしかない。
止めたり。
弱く出たり。
時に強く行ったり。
リーダーだけではないだろう。
この深さならば、ほぼ、間違いなくメインも擦れているはず。
今までやって来た事を。
実釣も、自宅での釣りも、その全てを信じるしかない。
私だけのその組み合わせに。
獲った!!
魚が死んでいて。
リアルタイム感に乏しいのは、携帯カメラが不調だったからです。
本当は満面の笑みで最初の一本を抱いていました。
クーラーへとおさめてから、しばらく経って撮れていない事に気付いたのです。
残念ながら、その身体は曲がってしまいました。
けっして、奇形ではありませんのであしからず。
ヒラマサ 77センチ 80センチ !!!
二本ともが同じ様に沈み瀬へと行ったのです。
その存在は初めから分かっていました。
それが、Taka氏と来た、僕なりの釣り座の選択でした。
厳しい勝負に打ち勝った末の釣果。
感無量でした。
やったね!!
いつもの様な順序とは行かないのだが・・・。
一本目を獲った時点で、ステラに巻いているラインもリーダーもささくれ立ってしまう。
換えスプールは未だ持ってはいない。
新たに、結び直している、時間的な余裕も無いと思った次第である。
故に、愛する、ドッグファイトにて更なる勝負を挑んだ。
次も同じルアーでは面白くない!
これは 「二本目」 を目指すのには、まさに断腸の思いであった。
何かは分からないが、今日の状況に合っているからこそのヒットであろう。
間髪入れず、急にパターンが変わるという事は稀ではないか。
しかし、こんなチャンスは滅多とないのだ。
少なくとも、私にはまったくヒラマサに縁が無かった。
だからこそ、確かめておかなければならないのだ。
結果、15センチ~18センチまで、選んだルアーの全てにヒットがあった。
僅かに、レンジも変えてみた。
アクションに関してはかなり違えたつもりである。
厄介なのは、シイラとヒラマサが混泳しているという事。
おまけに、チェイス、バイト時のヒラマサは、
その色といい、バイトの出方といい、シイラのそれにソックリだ。
掛けるまでは分からない。
激流の中、シイラを掛ければ取り込みには時間を要する。
運良く、海の中でリリースが出来ればまだ救いだ。
抜けないサイズならば、ギャフを用意してのランディングとなる。
シイラにも申し訳ないし、その時間が惜しい。
そこで、W氏のエピソードがふいに脳裏をよぎる。
彼は実際に、ハマチの群れの中でブリばかりを目の前で釣り分けて行かれたのだ。
はたして、磯の王者を相手に、私がそれを出来るものだろうか?
結果、驚くべき事に、掛けたのは全てヒラマサであった。
しかし、分からないからこそ、1テンポ、2テンポ遅れた対応になる。
フッキングを入れてしまっては、それをランディングするしかないだろうと。
だから、潜るその時までは入れないでいたのだ。
まさか、思いつきでやった事がそんなにもハマると誰が予想できよう。
2テンポほど遅れ、つんざく様にして底へと走り行く魚。
ランが収束した途端にフッとテンションが消えた。
獲れなかったヤツを二度掛けた。
そのパワーは、運良く手中に収まったヤツらの数段上であった。
シイラとの混泳、奪い合い。
後ろ髪引かれる気分だが、それなくしては出会えなかった魚達であろう。
誠、貴重な体験をさせて頂いた。
ヒラマサが消え、ジグにてアプローチをする二人でした。
表層にはシイラが殺気立っています。
もし、あるならば、彼らのその更に下の層でしょうか。
Taka氏はここでも冴えわたります!
ジグでの初の釣果となるメジロ。
潮に合った、スローなロングジャーク!!
この人は本当に凄いですね。
おめでとうございます。
ヒラマサ、メジロを獲っても。
永遠の 「ハマチ野郎」 でいて欲しいものです。
心からそう願います。
イエーイ!
僕はやっぱりシイラさんばかり。
そこで、潮の緩みをそっとネチコク狙ってみたんです。
チカメキントキさんの仲間ですかね!?
はっっ!!
シャッターを押すと急に色が変わりました!
綺麗な赤ですね~
煮付け。
最高レベルの旨味でした。
やったね!
どうしても、Taka氏が書いて欲しいというので。
ジグにて三連発あったのです。
まず、ボトムにてドスン。
落ちそうになりました。
急激に走り込んで、パッとフックオフしてしまいます。
私はついにヤツがやって来たのだと思いました。
二投目も同じ感じでした。
最後の一発がこの写真です。
ドラッグを様子を見ながら絞り込んでみました。
最終的にはロッドのグリップから曲がっていました。
これ以上、力を掛けることは無理でしょう。
やむなく、ラインをカットせざるを得なかったのです。
おそらく、正体は爬虫類であったと思います。
海面には見た事もないほどのそれが浮いていました。
少し沖ではイルカが乱舞しています。
まったく、さながらシーワールドの様でした。
そして、三人態勢での謎の漁船が近づきます。
先端の方は大きなモリを持って何かを目で追っていました。
そんな船が二艇。
時に、エンジンを全開に咆哮させて何かを追うのです。
イルカとのダブルパンチ!
三時間ほど、シイラまでもが消えてしまいました。
我々が居ても、瀬際までおかまいなしです。
誠に残念な気持ちになりました。
沈み瀬から引き出した後の姿です。
驚くべきは、リングの曲がりです。
「106lb」 のそれをもってしても。
この様になってしまいました。
柔と剛。
来たるべき時に備え、家での釣り、そして、実釣を精進してまいりたいと思います。
沢山書いたので二日目は後日。
それでは
My Tackles
Rod MC Works WILD BREAKER 103HS
Reel SHIMANO 13 STELLA 10000PG
Reel DAIWA SALTIGA Z6500 DOGFIGHT with Z6000GT Spool
Line YGKよつあみ PE #4 (STELLA)
Line YGKよつあみ PE#5 (DOGFIGHT)
Leader SUNLINE NYLONE 80LB (STELLA)
Leader SUNLINE NYLONE 100LB (DOGFIGHT)
2014年06月
この週は休みが僅かに一日。
おまけに誕生日

それでも、磯が恋しいんですよね~
仕事疲れもなんのそのです。
私がろくに寝てないのを知って。
氏の愛車はとても快適

道中の3時間はアッという間です

それまで、パラパラと降っていた雨は本降りへと変わって行った。
大雨ではないが、シトシトと間断なく降り注いでいる。
波はどうか?
無論、今いるパーキングからは分からない。
しかし、風は強そうだ。
そんな事を思いながら、今日、下りる磯を考える。
なかなか答えは出なかったが、時間は刻一刻と迫り行く。
ともかく、飲み水と氷を買おう。
そう言ってコンビニへと向かった。
毎回、こんなぬるい感じにてその時を迎える。
我々流の朝である。
ポイント付近の駐車スペースに着いた。
予想通り、他に車は無い。
月は無い事は無いが、雨雲がそれを覆っていて真っ暗である。
他に誰も居ないなら、わざわざ濡れた磯へと速足でおりる事はないだろう。
ワクワク感はあるものの、それを上回る煩わしさが打ち勝っていたのだ。
ギリギリまで、車の中で待機しようという事になった。
雨で夜明けも遅れている。
30分ほどはまだ時間があるだろうか。
思えば、この時間が良くなかったのである。
時間つぶしにと、Taka氏はカーステレオを鳴らしてくれた。
軽快なBGMにつられ、釣り談義も熱をおびてくる。
一つのアルバムを聞き終えて、新たに違うアーティストを選んでくれた。
しかし、それが問題だったのだ。
ずーずくずくずく じゃーん じゃーん♪
ずーずくずくずく じゃーん じゃーん♪
ずーずくずくずく じゃーん じゃーん♪
ずーずく じゃーじゃか だん!
Hey ho, let's go
Hey ho, let's go
Hey ho, let's go
Hey ho, let's go !!
朝の3時に 「RAMONES」 である


名曲である。
勿論、名曲ではある。
しかし、二日間、殆ど眠っていない私の脳には印象が強すぎた。
アイ オ レチ ゴ
アイ オ レチ ゴ
アイ オ レチ ゴ
アイ オ レチ ゴ
頭の中のフィルターにかけられ、本来の詩はその姿を変える。
奇妙な掛け声が、まるで、ブリキの太鼓の音の中でこだまし続ける感じ。
止めようとしても止められず。
エンドレスに脳内を駆け巡る。
磯におりる道でも。
用意を始めても。
釣りをはじめても。
もう、まったく鳴り止まない!
たまらず、口ずさむと氏がやめなさい!っと止める始末である。
ナチュラルハイ。
全く、恐るべしである。
さて、釣りの方はどうか。
・・・・・・・・。
その音に乱され、実のところ、朝一番を殆ど覚えてはいない。
始めに投げたポッパーには何度かもじりが出たと思う。
モワモワして追ってきたが、その勢いは緩やかなものであった。
遠い、沖の潮目で二発の派手な水柱が立つ。
その後、しばし沈黙して小さなボイルが何回か出た。
Taka氏にメジロらしき魚が出たが乗らなかった。
そんな感じだったと思う。
いよいよ、空は真っ黒になり。
ザァーっという音と共に大粒の雨が叩きつけて来た。
Taka氏は 「気合いが入る!」 とキャストに更に力が入っている。
自身も投げ続けるのだが、合羽の中まで雨水が浸透して寒くて仕方がない。
そして、あのミュージックが流れ続けているのである。
少し雨が収まった頃、先程の潮目の上を沢山の鳥達が飛び交いだした。
右から左に。
左から右へ。
とても速いスピードにて、海中を凝視して水面ギリギリを飛んでいる。
何かを追っている。
私にはそんな感じに見えた。
しばらくすると、ある瀬の付近へと鳥達は集結して行くのだった。
おそらく、あの感じ。
魚が出る!
ババババババッ!!
やはり沸いた。
密集型のナブラであった。
遠くてハッキリとは見えないが、たまに派手な飛沫も立っている感じなのだ。
頭を出しているのかは分からない。
しかし、その一つ一つは小さそうな感じではある。
こちらの磯にも来るだろう。
そんな気がしてキャストを繰り返す。
しかし、全くもって気配は無い。
おまけに、5分経っても、10分経っても、ナブラは沈まないのである。
指を咥えて見ているだけ。
まさにそんな状況であった。
「行くかあの磯へ?」
お互いに顔を見合す二人。
直線距離にしたら数百メートルのその磯も。
そのままでは歩いて行けない場所にある。
元来た道を戻り、山を登って、そしてまた山を下る。
けっして険しい道のりではないものの。
眠らずに来て投げ続けている 「40歳」 の中年二人には決意が必要なのだ。
答えはもう決まっている。
あれを見せられて行かないという選択肢は無い。
ゼエゼエいいながら小走りで磯を駆けて行った。
這い上がる様にして山道をよじ登る。
木々の隙間からパッと視界が開けてその磯が見えた。
やはり、もう、ナブラは消えてしまっている。
いつもの事だろう。
汗だくになりながらも、やっとその磯へと下りる事が出来た。
あれだけいた鳥達の姿は無い。
東へ約500メートル。
鳥も魚も移動してしまっている。
遠い沖では、小さなナブラがところどころに沸いていた。
言い様のない虚しさを感じる。
やっぱりな・・・。
しかし、それで諦める事は無かった。
しっかりとした流れがあり、色濃い潮が沖から当てている。
波気もあり、まったりと絡む様な水面があちらこちらに生まれている。
何の魚だったかは分からないが、長時間、捕食を続けたのは誠である。
そこに餌となる生き物がいたからに他ならないだろう。
いたのか、今もまだいるのか。
自身はまだいるのだと信じたい。
過ぎ去った群れだけではなく、別の魚、別の群れが今も狙いを定めているかも知れない。
見えるものに惑わされてはいけない。
そう、自身に言い聞かせてキャストを再開する。
結果として、別の魚からの魚信を得る事は叶わなかった。
しかし、あの群れが帰って来たのである。
あと、100メートル。
あと、50メートル。
長い時間をかけて、ゆっくりとそれは近づいて来る。
ただ、待つだけはしたくなかった。
その間も休まずにキャストを繰り返す。
気が付くと、離れた場所にいた、Taka氏がこちらを向いて何か叫んでいた。
氏が指さす方を見ると、鳥達が凄い事になっている。
やがて、氏のいる前方にて水飛沫があがる。
すかさず、私も走ってそのチャンスにアタックする。
喰わない!!
何度となくナブラにルアーを入れている。
しかし、喰わない!
アクションを変えた。
レンジを変えた。
ルアーも換えた。
キャストポイント、通す角度など。
もう、思いつく、あらゆる事を試してはみた。
しかし、喰わせる事が出来ない。
落ち着け、落ち着くんだと思う度、余計に焦りが出てしまう。
興奮すると自身は叫ぶ。
おそらく、これを見て下さっている方からは、なかなかご想像が難しいかも知れない。
かなり、下品で荒い口調であろう。
Taka氏も叫ぶのだが、彼のは幾分かはジェントルである。
今日も他に人が居なくて良かったと思う。
三度目か四度目のルアー交換にて。
くしくも、互いに選んだのは手持ちの最小のルアーであった。
もう、これ以外には結ぶものは無い。
私はそんな気持ちだった。
Taka氏とはスリットを隔てた瀬にて並ぶ。
距離にして約5メートル。
そう離れてはいない。
どのアクションか? どの泳層か?
一つ一つを確かめていると氏が叫んだ。
ヒット!!
ついに!待ち望んだその時が来た。
これで、やっとその正体が分かる。

立派な 「ゴマサバ」 でした。
ちなみに、Taka氏の釣果です

一本あげて調子づいた氏。
瞬く間に、二本目もヒットさせる。
完全にパターンを掴んだのであろう。
ナブラの本体は沖へと遠ざかってしまったが、ブラインドで連続して掛けて行った。
焦ったのは自身だ。
同じ様にしているのにあたらない。
一本だけ釣れたものの・・・。
知らない間に喰っていたというのが本音。
短い時間でヒットパターンを探し当てた彼。
掛け値なしに、凄い!と思った。
サバと侮る事なかれ。
自身には全く攻略出来なかったのだ。
釣行の度にメキメキとスキルアップして行く氏。
悔しいが、根本的なところの腕が違うのだろう。

くぅぅぅぅぅー



今回もまた負けてしまいました。
「ドヤドヤ顔」 しちゃってからに!
よかったね!

7時間投げきって磯上がりとなった。
食事を終えると、昼からご出撃の、W氏とIGK氏お二人の姿が。
海を見ながら、しばし楽しいひと時。
四人そろったのは初めてかな?
短くも、貴重な時間を過ごさせて頂いた。
後ほど、釣果をお聞きしたところ。
二人は数時間の入れ喰いを楽しまれたとの事である。
ゴマサバとソウダガツオを合わせて三桁!!
凄まじい。
休まず、終始運転をして下さった、Takaさん。
誠に有難うございました。
また、連れて行ってください(笑)
帰りに立ち寄ったショップのFMラジオから。
誰がリクエストをしたのか。
LAUGHIN'NOSE の名曲 「GET THE GLORY」 が流れて来た。
PUNKで始まり、PUNKで終わった釣行。
悔しかったけど、最高のバースデイとなった。
40歳!?
これからでしょ!
それでは
今回はいつもの単独。
情けない話だが 「情報」 につられてその近辺へと入るのだった。
そんなの、うまく行ったためしは無い。
夜が明けて来たので、妄想マックスでキャストを開始する。
自身のセオリーは捨て、各パターンのみを想定したアプローチを繰り返して行く。
しかし、海からは何の音沙汰もない。
辛抱たまらなくなって、やっと、慣れ親しんだそれで探ってみた。
しかし、何も起きない。
それにしても、この眠たさはいったい何なのか!?
徹夜の釣行は常であるが、今日のそれはもうただ事ではない。
陽が昇りきる前にして、横たわってしまう位に眠いのである。
耐えに耐えたが、どうしてもその衝動を抑える事は出来なかった。
陽が昇り切った時点で、磯の平らなところで砕け散る。
我慢出来なかった。
どの位たって、目覚めたかは覚えていない。
離れた磯で頑張ってみえた二人が道具をしまう頃だったろう。
寝床の硬さに眠り続ける事が出来なかった。
まだ寝たいのを舌打ちして諦める。
ここからが僕の釣りとなるのだ。
無心になって投げていると、気になる沖にどえらい飛沫があがった。
刹那に思い返し、去年の七月を脳裏からローディングする。
アノシブキ・・ ・・・ ・・ ・・・。
アンリミテッドナボイルニツキハナレテイテモゲイゲキジュンビヲセヨ!!
動かないカンピューターがガチャガチャとそれをはじいて行った。
結び換えたのは、シンキングペンシルである。
遠くて見えないから、何を喰っているかは想像するしかない。
分からないから、我が場所にいるベイトを基調にした。
仕方ないじゃないか。
それでも、少し大きいと思った。
しかし、それより小さいものの持ち合わせは無い。
遠い沖で起こるそれらについて。
私は必ず、近づいて来ると思う様にしている。
今まで、先人たちのお話を聞く機会はあった。
ブログ等も見あさっただろう。
きっと、これを見て下さる皆さんにもおぼえがあると思う。
ブログの数々には、遠い沖で沸いたとか、近づく事は無かったと記されている事が多い。
本当に近づかなかったか?
はたまた、近づいても、うまく喰わせる事が出来なかったか!?
「イワシの頭も信心」 の世界かも知れないと。
僕はそんな風に思っている。
昔っから、読んでいて下さる方はご存じだろうか。
僕はいつも、赤裸々に日記を綴ってきた。
ほぼ、全てがリアルだと思う。
背伸びしたって仕方ない。
アマちゃんのペーペーがただ挑戦しているだけの日記。
面白くなくても、常に正直でありたいと思っただけの事。
それだけは。
ブレずに来たと思う。
その中でいつも言う。
「来い!」 と祈る事。
100パーセントではもちろんない。
だけど、来るんだ。
構えていた時、ふいにそれは訪れる。
ボカン、ボカンっとにわかに単発でそれは起きた。
あの迫力ではなかった。
魚が一緒なのか、変わっているか、知る術は無い。
だがしかし、届く範囲に起きたのは誠である。
やっぱりというか。
それまでに気になっていた流れの中でそれはあった。
好んで、餌達は気持ちよくそこを泳いでいたのだろう。
きっと、それらの餌もまた。
美味しい獲物を食べていたかも知れぬ。
計算外なのは、それらのベイトの起こした避難行動である。
仮に。
AとBというベイトが混在していたとしよう。
もし、天敵がBという餌を襲ったなら、Aはどうするだろうか!?
私はAもまた必死で逃げると思う。
仮に。
Bの逃避が目立たないものであるなら。
それが、陸上の我々に分かるだろうか!?
更に。
Aの逃避行動が水面を割る、派手なものであったならどうか!?
少なくとも、私はベイトがAであったと認識するだろう。
この時、私はベイトがAであったのだと当然に思った。
結んだのは、Bもしくは、Cを仮定したルアーであった。
祈ったからか、目の前、そして、キャストで何とか届く場所にて捕食はあった。
喰わなかった。
ボイルの中にしっかりと届けたにも関わらず。
Aを喰っているならば、自身のルアーとは全然サイズが違う。
少なくとも。
私には、サイズを誤魔化せる様なアクションの手持ちが無い。
結んだルアーが間違っていた。
そういう風に解釈してしまいがちなのだ。
分かって頂けるだろうかこのジレンマを。
きっと、ルアーのサイズなんかじゃない!!
うまくそこを。
「うまい動き」 で泳がせる事が出来なかったからヒットが得られなかった。
本当はそれだけだろう。

待つ事にしました。
ナブラ待ち。
今日、選んだのは自身の中のライトタックルです。
ベテランが 「南紀」 にふさわしいと思うかたちに近いかも知れません。
結果から言いますとね。
出したい動きをさせるには、より大きなモーションが必要となりました。
長いそれを大きく動かし続ける事。
私には過酷でありました。
アングラーの数だけ、ルアーも、その動きも違いますから。
「なに」 って答えは無いと思います。
僕には 「レイジングブル」 がやりやすいのです。
掛けた魚とのファイト以前に。
投げるものを、自分らしく動かせるかも大事です。
きっと。

限界まで粘っての岬です。
ホリデーアングラーの私にはファンもまた重要なのです。
綺麗なものが好き。

あくる朝も気になる磯へ。
どちらかといえば、天候を最優先に考えて入る事にしました。
6月ならではの風が吹きますね~。
朝から頭の中は。
「ない ない ない ない ない ない !!!」
そんなエンドレス。
気配なんて分かろうはずもないですが。
どうしたって、釣れない。
そんな時こそ。
実は、丁寧に確かめる様に、ルアーを泳がせていたりしませんか!?
無心になって試している。
「出る」 のは、そんな時こそっ!て知っているにも関わらず。
少し、何も無いと躍起となる。
無いと思いつつ。
瀬際まで、執拗に、丁寧に引いてみたりして。
ドバドバドバ!
(その勢いを表現する濁音を知らず)
とんでもない! 大きさの 「魚」 が喰いに来た。
追わせて、追わせて。
けれど、完全に狂った魚を喰わせる事が出来ない。
魚は本気。
あえて 「魚」 と述べる。
確かサメは 「魚」 だったろうか。
断定は出来ない。
焦げ茶色のヤツ。
本気で喰いに来ている魚を喰わせれない。
失格としか言いようがない。
それでは
5月21日、22日の日記
「もう、我慢出来やん!!」
仲間の、Taka氏がしびれを切らしました。
ここしばらく、仕事もプライベートも多忙を極めておられた氏。
行きたいのはやまやま。
行くに行かれぬ日々だったのでしょう。
およそ、二ヶ月の月日を我慢されていました。
Taka氏の 「魚運」 は飛び抜けて輝いていると思います。
行けば、まず、魚と出会われるのです。
ここ最近、私とご一緒して頂く事が多いのですが。
不思議とあります。
もう、本当、毎回連れて行きたいほどです(笑)
実は、そんな氏にも願いがありました。
行けば、高確率でヒットを得る彼です。
シイラ、ツバス、ハマチ、そしてシオと。
順調にロックショアでの釣果を重ねてこられました。
しかし・・・。
皆の人気者のあの魚とはなかなか縁がありません。
そして、いつの日からか、自らをこう呼ばれる様になったのです。
「俺はハマチ野郎だ」
もちろん、私が名づけたんじゃないですよ!!
自称ですよ!
じ ・ し ょ ・ う
他の仲間からも聞きましたから、きっと公言されてみえるものと思います。
釣りにとても真摯な彼らしいお言葉かと思います。
今回の目的はズバリ!
Taka氏が 「メジロ野郎」 へと昇る事。
行く前から二人して、メジロ~!メジロ~!!っと気合い満タン。
MEJIROCK'n'ROLL で行きましょう~♪♪
釣行前夜。
仕事を片付けられた氏が先に南紀へと向かわれる。
自身はいつもの様に用意に手間取った。
二時間ほど遅れての出発となった。
氏より、幾度かメールを頂く。
「Rock君、ヤバイよ凄い雨だ」
このメールの意味は出発してすぐに理解できた。
なるほど、大抵の事では驚かない氏が言うのも納得であった。
雨続きの私だが、今夜は今までで一番酷い。
時折、ワイパーの速度を全開にしても追いつかない位である。
踏めるのはトンネルの中だけ。
慎重に慎重にと南紀特急を進めて行くのだった。
やがて、いつもの場所へと着く。
珍しくも、Taka氏は寝てみえるご様子である。
きっと、毎日の疲れが重なっているのだろう。
磯へ下りるには、まだ少し時間がある。
釣行の無事を祈りつつその時を待った。
不思議と今回も小雨となりました。
吹き荒れていた風も弱まったのです。
大海原に向け渾身のキャストを繰り出します。
自身は迷っていた。
今日の魚の気分はどんなか?
否、その前に、魚はちゃんと回遊してくるのだろうか?
やってみなければ分からない事を、ウジウジと考えてしまう自身の悪い癖である。
広がる海を見ながら、感じるままに攻め手を換えて行った。
一通りのトップでの攻めを終え、サブサーフェスや、より深みをも探って行った。
しかし、何も起こらない。
そうして、またトップへと戻り誘いを続けて行った。
「Takaさん、まだ、魚は回ってきてないんちゃうかな?」
「そうかもな」
何度かそんな会話を続けていた記憶がある。
一段落して、Taka氏の投げているものを目で追っていた。
自身と同じく、大きいものがお好みの様である。
開始から三十分が過ぎ、やがて一時間が過ぎても何も無かった。
やはり、まだ回遊が無いのだろう。
気長に行こうと自身はペースを落とす。
Taka氏はルアーを交換されるとの事であった。
「この日の為に買って来た」 とそれを私に見せてくれた。
それは、12~13センチ程のダイビングペンシルに見えた。
私ならば、まず手にはしないルアーである。
何故なら、自身には泳がせられそうにないから。
氏はどの様にそれを使うのだろう?
後でじっくり見てみようと自身の釣りへ戻った。
ヒット!!
その雄叫びが上がったのはそれからすぐであった!
マジか!?
急いで振り返ると、氏のロッキーショアが美しい弧を描いていた。
強いアワセを入れて即座にファイトに入る氏。
豪快な引きを受け止めながらゴリ巻きで寄せてくる。
浮かせる前に寄せすぎた為、少し横に走られてドキっとする展開もあった。
氏はいたって冷静に 「足」 を使い応戦。
すぐに、シモリの向こう側へと誘導して浮かす事が出来た。
そこからが巧い!
水面へと出されて、頭を振って暴れる魚をすぐに静かにさせて行く。
器用にロッドを横に寝かせて、少しだけ魚を沈めて寄せているのだ。
おそらく、これは長年のシーバス釣りで自然と培ったものだろうか。
三重でランカーを何本も手にしてきた技術が生きる。
そして、最後は素早く魚に駆け寄ってハンドランディングでキメた。
その体躯を生かし切った一連の動作。
ワイルドというべき他は無い。
見事であった。
暴れるそれを抑え、ついに氏の手中へと横たわる。
氏が叫んだ。
私も同時に叫んでいた。
Taka氏、
ついに念願のメジロを獲る!!
魚を絞め終わり、ガッチリと握手をかわす。
本当におめでとう。
二本目いこうゼ!
おうよ!
ここから氏のオンステージが始まる。
キャストを再開するとすぐに氏がヒットさせる。
今度はハマチであった。
そしてまたヒット。
魚の回遊が無かったのではない。
魚はちゃんとそこに到達していたのだ。
我々が魚の気持ちに見合った事が出来ていなかった。
いやおうなしにそれを痛感する。
Taka氏の操るそれはまるで生き物の様に見えた。
いつも、こうして氏のルアーアクションを述べている自身だが。
私は 「彼の動き」 を他で見た事が無い。
常にテンションを掛け、縦横無尽に操るロッドワーク。
そこから生み出されるのは、喰われまい様にと、必死で水から飛び出そうと逃げ惑う小魚そのものなのだ。
そのルアーに本来意図された動きではないだろう。
手癖にてそれに新たな命を吹き込む。
ルアーはこんなにも動くものかと感服するのだった。
しかし、自身にも意地というものがある。
動きを真似しようにも出来るものではないし。
すぐに、ルアーサイズを近づけるなどといった事もしたくはなかった。
とりあえずは、自身の信じるこの18センチでやりきる。
それからは、ともかく、アクションのみを変えて挑戦して行った。
やがて、これという動きに辿り着き、自身にもバイトが出る様にはなる。
しかし、水柱は立つのだが、これがどうにもフックアップしないのだ。
その数、5回やそこらでは無かったろう。
しかし、どうやっても乗せるまでは行かない。
ここが、自身の今の限界点なのだろう。
そこでやっと、自身もルアーを交換する。
それでも、Taka氏とは違った攻めとした。
彼のアクションが今のパターンにハマっているのは間違いない。
ならば、他のアクション、レンジでも喰うのか?
さらに良い何かは無いだろうか?
何のエサと思って喰ってきているのかは分からない。
ただ、魚がいる今、試せる貴重なチャンスだと思った故である。
ヒットを得たのは、シンキングペンシルを用いた攻めであった。
リーリングして引いて来ても、この時、自身にヒットさせる事は出来なかった。
ならばと、深く沈ませてみたのである。
自身のイメージでは、しっかりとフリーフォールで沈ませたと思う。
そこで、緩んだラインを詰めて気持ち張った。
そこで止めておきながら、ツン、ツンっと穂先を軽く煽ったのである。
これに、ドン!っと来た。
マグレかと思い、他の動きも加えてしばし探ってみる。
しかし、無かった。
同じ風にやるとまた、ドン!っと来る。
一つ見つけた。
隣では、Taka氏が脳汁にまみれていた。
いつも冷静な彼も、その興奮を隠せない。
二か月間の鬱憤を全て晴らすかの勢いだったろう。
やがて、至近距離にてナブラとなる。
ヒット! ヒット! ヒット!
彼の力強い声がその度に響いた。
自身はそこでルアーを戻す。
どうしても、18センチにて獲っておきたい。
何の事は無い、ただの意地である。
ナブラが消え、それと共に終焉を迎えた。

Takaさん、初メジロさん本当におめでとうございました。
やったね!!
途中、釣りをセーブしてみえたのは知ってましたヨ。
魚に対する思いやりもジェントルですね


仲間内とはいえ勝負は勝負です。
完敗です。
ちーん。

Takaさんのヒットが無ければ。
きっと、私はノーバイトだったでしょう。
「魚は回ってこなかった」 と言っていたかも知れません。
先に帰宅した氏から。
この日のベイトが何だったかをお伝え頂きました。
正直、まさかのベイトでした。
ここ最近のヒットパターンがまるで通じない。
それほどまでに明確に出るのです。
思えば、自身が苦手とするベイトパターンなのでしょう。
貴重な経験が出来て幸運でした。

夕方、残った私は独りで磯に立ちました。
あるかもと気になっていた場所。
しかし、強い北西風を横から受けてうまく出来ません。
ラインを風にとられ、殆どのルアーは水面を滑走して行きます。
この状況でもやれるものを。
探す事が急務かと思いました。
二日目。
予報では、朝のチャンスタイムが過ぎた頃に北西の風がより強く吹くとの事であった。
おそらく、磯上でのそれは、10メートルをゆうに超えるものとなるであろうか。
それまでの時間でさえ、6~8メートルは下らないだろう。
それを鑑みて入る磯を決めた。
出来れば、ジグの釣りもやりたいとの思いであった。
良い時間なのに誰も来なかった。
たまたまなのか、やはり、天候を見て釣行を断念されたのか。
広大な磯に私一人であった。
昨日の事があるので。
よりシビアに考え、いくつかの攻め手を刻んで行く。
早い時間には特に。
駆け足にて、様々に探っては様子を見た。
もしやと思い、早々にジグを泳がせてみたりもする。
しかし、青物のコンタクトを得る事は叶わない。
いよいよ、風が猛威を振るう様になって来た。
突風にバランスを崩し転げそうになる。
そこで、水絡みが良くて、しっかり飛ぶルアーへと換えた。
ラインスラッグをとり、ロングジャークを入れる。
一呼吸おいて、バシャ!っと上がる飛沫。
出た!
アワセを入れると何かが乗った。

グレさん。
すみません

沸いてるあなたたちの気配は無かったのですが・・・。
深い傷を負わせてしまいましたので。
有り難くキープさせて頂く事にしました。
とても、美味しゅうございました

Taka氏の念願も叶った。
パターンの片鱗も見る事が出来た。
後半は厳しい釣りとなったが、それも何かの糧へとなれば幸いである。
それでは
My Tackles
Rod MC Works RAGING BULL 100XR-2 and 100XR-1
Reel SALTIGA Z6000 with Z6000GT Spool
Line YGKよつあみ PE #5
Leader SUNLINE NYLONE 100LB