12月1日、2日の日記
仕事中、歩いていると、股、そして、脚のつけ根あたりに激痛が走る。
いよいよの時が来たか。
続く痛みに、過去の事故が甦った。
いずれは出るかもと言った、医師の言葉が脳裏を巡る。
そんな日々であったが。
連休が明日に迫った夜半、南紀特急に乗り込んだ。
はたして、どれだけ出来るのか。
地磯歩きの途中、もし、動けなくなったなら・・・。
不安は尽きない。
しかし、行く。
悩みながら車を走らせた。
尾鷲まで来て、エサ屋に立ち寄った。
ふと、見ると、KN氏の車が駐車場の片隅に停まっている。
そこからしばしの間、自身は買い物に熱中した。
なぜなら、経験の無い事、知らない物を選ぶ為に。
この二日間、どこかのタイミングでやってみたい釣りがある。
それは 「底物」 であった。
あくまでも、生餌を使った釣りであり。
代名詞の石物狙いではない。
いわゆる、ライブベイトやデッドベイトにて。
フィッシュイーターを狙いたかった。
何度も売り場の中を行き来して。
結局、小一時間の時間を要した。
分からないが故、シンプルな仕掛けを考えてみる。
ワイヤーに関しては、まずは使わない方向でと思った。
店を出て、KN氏の車の窓ガラスをノックする。
眠っていた様で、申し訳なく思ったが。
互いの予定を確認するのだった。
氏もどうやら、腰が良くないらしく。
南紀まではちょっと・・・と迷っていたらしい。
私は磯歩きが不安な事、そして、エサをしたい事を告げた。
渡船使用を提案させて頂くと、快く、快諾して下さった。
自身の生餌の確保の為、深夜営業のスーパーを巡る。
幸運な事に、ほどほどの大きさのムロアジを。
それも、半額にて買う事が出来た。
足りない時を考え、大き目のアジも二袋ほど用意する。
朝までの数時間、パーキングにて仮眠をとり。
お世話になっている、渡船屋に向かうのだった。
平日ではあるが、良い時期となって来た様でお客は多かった。
その、殆どの方は、グレ狙いの上物の方々である。
僅かだが、石物の方もいらっしゃる様だ。
まず、悩んだのは、どの磯に乗せて頂くかである。
KN氏の釣りは、今回はカゴ釣りなのである。
私の釣りと、はたして、同じ磯で両立が出来るのか?
それが、問題であった。
おそらく!? と思う磯は二つ浮かんだが。
それに、自信は無かった。
よって、素直に船頭に相談させて頂く。
「その、どちらでも良いよ」 と有り難いご返答であった。
ルアーの事も考え、自身の好きな方の磯に乗せて頂く事にした。

数日前、中古購入したもの。
分からないから、石物用をとりあえず。





リールの方も思いつきで。
こんな事を施し、ついでに、左巻きへとかえてみる。
(願わくば、40号錘を遠投したかった為)
予定通りに磯へと乗る事が出来た。
まずは、ルアーにて探ってみたいところである。
KN氏は餌のオキアミを準備したりと、結構、大変そうであった。
自身はまず、青物を意識して表層から。
何も無い為、レンジを落として行く。
それでも、何もないので、根魚を狙ってみる。
水色、潮ともに良くは見えるのだけども。
これが、サッパリ当たらない。
よって、なんちゃって底物へと移行する。
仕掛けが出来上がり、待望の一投目である。
何とか、10メーターほど先へと投げ入れる事が出来た。
底を取り、糸フケを巻いて思う。
なんと、みるみる内に手前へと流されてしまうのである!
ルアーの感覚からすると、手前に当てる潮なのは確かだが。
それほど、目立った当て潮ではないはずだ。
しかし、40号の誘導仕掛けは、瞬く間に手前に寄ってくる。
どこか、止めておける場所は無いか?
そう思い、何度か投入位置を変えていて。
糸フケを取った矢先であった。
いきなり、物凄い力で引き込まれたのだ!
もう、舞い込むとか、そんな感じではなかった。
あわや、ノサれそうになりながら、やっとの事でアワセを入れる。
その後は、もう、がむしゃらになって巻いた。
水深がある故、なかなか上がってこない。
途中、一度根に入られたが、テンションを軽くかけているとすぐに出た。
やがて、水面に姿を現したのはオオモンハタであった。
初めてではない魚なのに、やたら、テンパる自身。
タモを持って駆け付けてくれたKN氏に向かって。
「早よ すくわんか!!」 の暴言まで飛び出す始末。
(すみません、KNさん 本当に助かりました。)
焦りまくり、フラフラと情けない姿であった。

KNさん、撮影まで・・・。
誠に有難うございました☆

良いサイズでもあったが、いかんせん、ルアーとは違う気がした。
気のせいかも知れないのだが。
喰ってからの、何か、勢いが違う。
いくら、油断していたとはいえ。
強い青物たちとも渡り合ってきた自身。
一瞬、怖くなるほどの勢いであった。
強烈な何かを私の中に残した。
その後、自身は夢中となって釣りを続けた。
依然として、強い当て潮には苦しめられたし。
とうとう、避けては通れない、ウツボの猛攻を受ける事にもなった。
コイツがとても気忙しく、仕掛け投入後、すぐに当たる。
放置すれば根に入られるし。
良くて、仕掛けをぐるぐる、ボロボロにされる。
何度かは素バリで返ってくる事もあって。
ぎこちない手での手返しには本当に骨が折れた。
一度、ボーっとしていると。
ウツボとは違う感じで穂先が叩かれ、くっと押さえたかと思うと。
水面まで竿が入って、舞い込んだのである。
走り寄った頃に、ガクンっと竿は戻ってしまった。
一方、KN氏には早々に良い魚が掛かった。
魚は強く、粘りのやりとりで応戦するも、オーバーハングに入られて獲れなかった。
潮も変わり、我慢の時間が長く続いたが。
場所を変えて、アタリを取り戻されていた。
大型のサンノジをも、ものともしない、パワーファイト。
サンノジ好きの私は何枚かを頂いた。
うまく、下処理さえすれば、なかなか、美味な魚であると思う。
二人共、しっかり、釣りをして帰港。
瞬く間の一日であった。
お世話になりました、KN氏。
誠に有難うございました。
二日目
どうしても、どうしても、気になる海があった。
何か予感がする!
胸騒ぎが止まらない。
前日、現地で更なる道具の追加をして。
スーパーを何店舗も回って、良さそうなエサも買い足した。
おそらく、潮も予想通りのはず。
身体の不調など、どこへやらだ。
気合いを入れて、渡船屋の扉を開けた。
出船後、船頭はまっ先にその磯へと舵を向ける。
「波上がるから、昼までや!!」
そう、罵声にも似た声でマイクに叫ぶ。
船は大きく揺れ、とても、まともには立ってられない。
やがて、船首はその磯へとつけた。
憧れ続けた磯、荒れ狂う波の中、ポツンと小さく浮かぶ僅かな岩がそこにはある。
「乗るか!」
正直、私はビビった。
この怖さ・・・。
あれは、初めて乗せて頂いた。
大荒れの中の 「沖ノ三ツ石」 と同じ感情だったかも知れない。
結果、一秒か二秒か、考えて首を横に振っていた。
ここに乗りたくてきたはずが。
脚が前に出なかった。
三人の上物師、お一人の底物師を乗せ。
船はいつも通りのルートへ向かう。

まともな、道具などはない。
お恥ずかしながら、ピトンの固定にはジグをねじ込んだ。
突っ込まれたら、竿受けから竿を立てる事も難しいだろう。

ジグでのライブベイト、食材の確保にも挑戦。
感覚が最早、おかしくなってきていて。
このサイズの魚でも、エサとして、大きいとは感じなくなって来た。
元気に泳いでいても、いつの間にか、ウツボの餌食になってしまう。
グレの方と仲良くなり、コッパグレを数匹、エサとして分けて頂いたりもした。
この日はムロアジの他、メジカ、ウルメイワシなども使用したが。
アジに換えると、ピタリとウツボの当たりさえもが遠のく。
はたして、本命も好まないエサなのかは不明である。

赤ではないが、充分に美味しい魚。
鍋用にキープさせて頂いた。

結果、本命のアタリらしきものは皆無であった。
お土産として、彼らを持ち帰る事に。
私が臆して乗れなかった磯で。
この日、素晴らしい九絵の釣果があった。
今も、あの、一人の底物師のシルエットが脳裏に焼き付いている。
今後、経験を重ねて。
臆して退く事のない様に精進してまいりたい。
次回は初の単独遠征のエピソードを記したいと思う。
それでは
仕事中、歩いていると、股、そして、脚のつけ根あたりに激痛が走る。
いよいよの時が来たか。
続く痛みに、過去の事故が甦った。
いずれは出るかもと言った、医師の言葉が脳裏を巡る。
そんな日々であったが。
連休が明日に迫った夜半、南紀特急に乗り込んだ。
はたして、どれだけ出来るのか。
地磯歩きの途中、もし、動けなくなったなら・・・。
不安は尽きない。
しかし、行く。
悩みながら車を走らせた。
尾鷲まで来て、エサ屋に立ち寄った。
ふと、見ると、KN氏の車が駐車場の片隅に停まっている。
そこからしばしの間、自身は買い物に熱中した。
なぜなら、経験の無い事、知らない物を選ぶ為に。
この二日間、どこかのタイミングでやってみたい釣りがある。
それは 「底物」 であった。
あくまでも、生餌を使った釣りであり。
代名詞の石物狙いではない。
いわゆる、ライブベイトやデッドベイトにて。
フィッシュイーターを狙いたかった。
何度も売り場の中を行き来して。
結局、小一時間の時間を要した。
分からないが故、シンプルな仕掛けを考えてみる。
ワイヤーに関しては、まずは使わない方向でと思った。
店を出て、KN氏の車の窓ガラスをノックする。
眠っていた様で、申し訳なく思ったが。
互いの予定を確認するのだった。
氏もどうやら、腰が良くないらしく。
南紀まではちょっと・・・と迷っていたらしい。
私は磯歩きが不安な事、そして、エサをしたい事を告げた。
渡船使用を提案させて頂くと、快く、快諾して下さった。
自身の生餌の確保の為、深夜営業のスーパーを巡る。
幸運な事に、ほどほどの大きさのムロアジを。
それも、半額にて買う事が出来た。
足りない時を考え、大き目のアジも二袋ほど用意する。
朝までの数時間、パーキングにて仮眠をとり。
お世話になっている、渡船屋に向かうのだった。
平日ではあるが、良い時期となって来た様でお客は多かった。
その、殆どの方は、グレ狙いの上物の方々である。
僅かだが、石物の方もいらっしゃる様だ。
まず、悩んだのは、どの磯に乗せて頂くかである。
KN氏の釣りは、今回はカゴ釣りなのである。
私の釣りと、はたして、同じ磯で両立が出来るのか?
それが、問題であった。
おそらく!? と思う磯は二つ浮かんだが。
それに、自信は無かった。
よって、素直に船頭に相談させて頂く。
「その、どちらでも良いよ」 と有り難いご返答であった。
ルアーの事も考え、自身の好きな方の磯に乗せて頂く事にした。

数日前、中古購入したもの。
分からないから、石物用をとりあえず。





リールの方も思いつきで。
こんな事を施し、ついでに、左巻きへとかえてみる。
(願わくば、40号錘を遠投したかった為)
予定通りに磯へと乗る事が出来た。
まずは、ルアーにて探ってみたいところである。
KN氏は餌のオキアミを準備したりと、結構、大変そうであった。
自身はまず、青物を意識して表層から。
何も無い為、レンジを落として行く。
それでも、何もないので、根魚を狙ってみる。
水色、潮ともに良くは見えるのだけども。
これが、サッパリ当たらない。
よって、なんちゃって底物へと移行する。
仕掛けが出来上がり、待望の一投目である。
何とか、10メーターほど先へと投げ入れる事が出来た。
底を取り、糸フケを巻いて思う。
なんと、みるみる内に手前へと流されてしまうのである!
ルアーの感覚からすると、手前に当てる潮なのは確かだが。
それほど、目立った当て潮ではないはずだ。
しかし、40号の誘導仕掛けは、瞬く間に手前に寄ってくる。
どこか、止めておける場所は無いか?
そう思い、何度か投入位置を変えていて。
糸フケを取った矢先であった。
いきなり、物凄い力で引き込まれたのだ!
もう、舞い込むとか、そんな感じではなかった。
あわや、ノサれそうになりながら、やっとの事でアワセを入れる。
その後は、もう、がむしゃらになって巻いた。
水深がある故、なかなか上がってこない。
途中、一度根に入られたが、テンションを軽くかけているとすぐに出た。
やがて、水面に姿を現したのはオオモンハタであった。
初めてではない魚なのに、やたら、テンパる自身。
タモを持って駆け付けてくれたKN氏に向かって。
「早よ すくわんか!!」 の暴言まで飛び出す始末。
(すみません、KNさん 本当に助かりました。)
焦りまくり、フラフラと情けない姿であった。

KNさん、撮影まで・・・。
誠に有難うございました☆

良いサイズでもあったが、いかんせん、ルアーとは違う気がした。
気のせいかも知れないのだが。
喰ってからの、何か、勢いが違う。
いくら、油断していたとはいえ。
強い青物たちとも渡り合ってきた自身。
一瞬、怖くなるほどの勢いであった。
強烈な何かを私の中に残した。
その後、自身は夢中となって釣りを続けた。
依然として、強い当て潮には苦しめられたし。
とうとう、避けては通れない、ウツボの猛攻を受ける事にもなった。
コイツがとても気忙しく、仕掛け投入後、すぐに当たる。
放置すれば根に入られるし。
良くて、仕掛けをぐるぐる、ボロボロにされる。
何度かは素バリで返ってくる事もあって。
ぎこちない手での手返しには本当に骨が折れた。
一度、ボーっとしていると。
ウツボとは違う感じで穂先が叩かれ、くっと押さえたかと思うと。
水面まで竿が入って、舞い込んだのである。
走り寄った頃に、ガクンっと竿は戻ってしまった。
一方、KN氏には早々に良い魚が掛かった。
魚は強く、粘りのやりとりで応戦するも、オーバーハングに入られて獲れなかった。
潮も変わり、我慢の時間が長く続いたが。
場所を変えて、アタリを取り戻されていた。
大型のサンノジをも、ものともしない、パワーファイト。
サンノジ好きの私は何枚かを頂いた。
うまく、下処理さえすれば、なかなか、美味な魚であると思う。
二人共、しっかり、釣りをして帰港。
瞬く間の一日であった。
お世話になりました、KN氏。
誠に有難うございました。
二日目
どうしても、どうしても、気になる海があった。
何か予感がする!
胸騒ぎが止まらない。
前日、現地で更なる道具の追加をして。
スーパーを何店舗も回って、良さそうなエサも買い足した。
おそらく、潮も予想通りのはず。
身体の不調など、どこへやらだ。
気合いを入れて、渡船屋の扉を開けた。
出船後、船頭はまっ先にその磯へと舵を向ける。
「波上がるから、昼までや!!」
そう、罵声にも似た声でマイクに叫ぶ。
船は大きく揺れ、とても、まともには立ってられない。
やがて、船首はその磯へとつけた。
憧れ続けた磯、荒れ狂う波の中、ポツンと小さく浮かぶ僅かな岩がそこにはある。
「乗るか!」
正直、私はビビった。
この怖さ・・・。
あれは、初めて乗せて頂いた。
大荒れの中の 「沖ノ三ツ石」 と同じ感情だったかも知れない。
結果、一秒か二秒か、考えて首を横に振っていた。
ここに乗りたくてきたはずが。
脚が前に出なかった。
三人の上物師、お一人の底物師を乗せ。
船はいつも通りのルートへ向かう。

まともな、道具などはない。
お恥ずかしながら、ピトンの固定にはジグをねじ込んだ。
突っ込まれたら、竿受けから竿を立てる事も難しいだろう。

ジグでのライブベイト、食材の確保にも挑戦。
感覚が最早、おかしくなってきていて。
このサイズの魚でも、エサとして、大きいとは感じなくなって来た。
元気に泳いでいても、いつの間にか、ウツボの餌食になってしまう。
グレの方と仲良くなり、コッパグレを数匹、エサとして分けて頂いたりもした。
この日はムロアジの他、メジカ、ウルメイワシなども使用したが。
アジに換えると、ピタリとウツボの当たりさえもが遠のく。
はたして、本命も好まないエサなのかは不明である。

赤ではないが、充分に美味しい魚。
鍋用にキープさせて頂いた。

結果、本命のアタリらしきものは皆無であった。
お土産として、彼らを持ち帰る事に。
私が臆して乗れなかった磯で。
この日、素晴らしい九絵の釣果があった。
今も、あの、一人の底物師のシルエットが脳裏に焼き付いている。
今後、経験を重ねて。
臆して退く事のない様に精進してまいりたい。
次回は初の単独遠征のエピソードを記したいと思う。
それでは