5月8日の日記






長かったゴールデンウィークも終わってしまいました。
皆様も釣りに行楽にと楽しまれた事かと思います。
なかには、絶海の孤島まで大遠征をされ、凄い釣りをされました方々もいらっしゃる様で
いやー 誠に羨ましい限りです。
そんな私はずっとGWは働いておりました



さて、少し前になりますが、珍しくも父親から休みを合わせてくれないかと話がありました。
無口な性格の父は多くは語りませんが、どうやら一緒に釣りに行きたい様でした。
母親にきくと、あんたがいつも行ってる串本に行きたいんやって!  との事
早速、日程の調整をして行きました。


数日後、日取りだけは決まりました。
しかし、いざどこで何を釣るかがまとまりませんでした。
せっかくの機会なので、父にも夢をみてもらえたらと考えたのです。
しかし、そこは高齢の父ですから、慣れない危険なルートを行かせる訳にはまいりません。

何日も考えた結果、父の釣り経験、そして持っている道具などから、無難なのは、「カセ」、での真鯛狙いかなと考えました。
今回の釣行プランについて、数名の方々より情報やアドバイスを頂きました。
誠に有難うございました。
しかしながら、最終的なプランを相談する中で父は言ったのです。





















ショアから釣りたい!







いやはや、これで全ての下調べは無駄となりました
血はあらそえないって事でしょうかネ。

出発の前日、陸から狙える夢を求めて、最低限の餌釣りの道具を買い足しました。
遅めのGWとなりましたが、こうして、二人の南紀のんびり旅が始まったのです。











今回の旅の足は南紀特急ではなく、父の愛車で行く事になった。
意外にも荷物が多く、1ナンバー貨物の方が積み良いと思ったからである。
私の運転にて高速を走り行くが、実に音が心地良いのであった。
本当にディーゼル3000ccのNAかと思うほどの咆哮を放つのである。
釣りには全く関係無いハナシだが、やはりこうしたサウンドは大事だと思う。
心の盛り上がり方が全然違う。


高速を降りてすぐに寄ったのは餌屋さんであった。
南紀周辺でも買えなくはないのだが、虫エサはこちらの方が豊富で気もち安価な気がする。
オキアミは現地で買うとして、いくつかの種類の虫エサとアミを買って行くのだった。
普段、ルアーは高いなと溜息をつく私だが、いやいや、エサもまた高額である。
釣りをしていると金銭感覚がマヒをしてしまう(笑)
家を出たのは零時ちょうどであった。
途中、何度か立ち寄りをして南紀への到着は午前3時半であった。
とても車が少なく快適な道中であった。









今回は漁港での釣りをメインとする。
串本の市街地に入り、まず向かったのは24時間営業のスーパーであった。
半額のおにぎりとお菓子、飲み物を買って、早速、釣り場へと向かった。
漁港での餌釣りでもまた、良い魚を釣りたいとは思うのだけども。
その為に重い荷物を抱かえ、遠くまで歩くのはツライものである。
出来れば、車横づけで楽しめればそれが一番であろうか。

そんな軽い気持ちでポイントを探して行った。
とはいえ、狙いの魚が居ない様ではいけないのでそこは真剣である(笑)
広い港の中を三か所ほど周り、ようやく色々と楽しめそうな場所を見つける事が出来た。
皆さんもよくご存じの様で、連休直後とはいえ結構多くの釣り人が竿を出してみえる。
広いスペースに車を停めて準備をして行った。







自身はまず、シーバスロッドに3000番のリールを組みつけて行く。
テールスピンジグ、カブラ小にてボトムを狙ってみる作戦だ。
Rock父は投げ仕掛けをセットしている様であった。
元気なマムシを数本の針に刺している。
だんだんと空が白みだし、ダイナミックな景色が明らかとなって行く。
目立った風も無く、見渡す限りの海は凪いでいる。
父にとっては、ほぼ20年ぶりとなる串本での釣り。
これからの二日間に向け、豪快な音と共に仕掛けは彼方へと飛んで行った。



自身は今の場所から、とりあえず届く範囲を広く探ってみる事にする。
しばらくすると、Rock父はチョット他の方の釣りを見て来ると言ってどこかに行ってしまった。
投げておいて放置、いつものカレイ釣りの気分なのだろう。
ここは串本、そんな事で大丈夫か?と不安に思う。
ルアーでは何のアタリも無い中、どうにも気になっているとやはりそれは起った。
ガシャン!っという音に振り返ると、立てかけてあった投げ竿が完全に浮き上がってしまっている。
急いで駆け寄って、竿が飛ばない様に止めるのが精一杯だった。
糸フケを取りながらきいてみるも、魚はすでに針を離した後であった。
待ってみても再び喰い込む気配は無い。
そこまでして、やっとRock父の姿が見えた。
もう言わんこっちゃない!っとブーブーと文句を言う。
自身はここでの投げ釣りで、過去に竿を二本も夜の海にダイブさせてしまっている。
結局、マムシ餌での投げでのアタリはこれが最後であった。
夜明けのデカイ一発は何であったか?今も気になるところだ。








そのすぐあと、隣の方がサビキにてアジを連発するのだった。
それを見てタギるRock父。
自身も砂もの狙いに飽きたのでアジングの準備にかかる。
サビキ、アジング、二人して同時に始めるが全くもって反応が無い。
さっき釣っていた方の竿も全く上がらなくなってしまった。
朝マズメの一瞬のジアイ!?
それにしても速過ぎではないか?
思わず父と顔を見合わせて苦笑いであった。


やがて陽が完全に昇った頃、Rock父のサビキ竿に反応が出始める。
元気なサバの子が一荷で上がって来た。
小さい小さいと言いながらも、今日初めての魚信にマンザラでもない様子である。
自身もアジ狙いを止め、サバ子に照準を合わせてみた。
いつも通りのジグヘッドでの釣りだったが、バイトは頻繁にあれどどうにも乗りが悪い。
隣りのRock父はバンバン釣っている。
ルアーマンが負けるワケにいかないでしょ!って事で急遽、
サビキVSルアー勝負となった(笑)


早速、ジグヘッドを捨ててマイクロジグにチェンジする。
これが正解でほぼワンキャスト、ワンキャッチとなった。
サバは大きいものでも小アジ程度。
しかし、なかなかよく走るので楽しいものである。
時間が経過するほどに群れの数は増すばかり。
そんなサバ子であっても、やはりスレて来たり、喰い気が下がる時があった。
様々なジグのアクションにて再びヤル気にさせる。
小物の数釣りはこうした所がとても面白い。
気がつけば、小型のクーラーボックスは魚で一杯になっている。
勝負の軍配はサビキのRock父にあがった。
いくら手返しよくしても、複数の針への一荷には勝てなかった。
今度、アラバマ何とかにジグを結んでやろうか(笑)









サバ子の釣果には十分に満足して、他の魚を狙う為に場所移動する事にした。
せっかくなので、ポイントを見ながら少し観光をして行く。
その昔、子供だった私が父に連れられて来た頃には、まだ大島へは船で渡るしかなかった様に思う。
確か今の道路がある場所には、浅海波止と呼ばれる素晴らしい波止があった記憶がある。
そこで二人で竿を出したのだが、波止はとても高く、その水深の深さと速い潮流でまったく釣りにならなかった。
足下を見下ろすと、60センチはあろうかというグレが悠々と通り過ぎて行った。
周りでは大きな真鯛が釣れたり、その光景の数々は当時のRock少年にとって強烈なインパクトとなった。
今から20年以上も前の事である。
そんな記憶が蘇って行く中、今こうして大島への橋を渡る。
何か所かの目ぼしいポイントを巡って行ったのだが、そのどこもヤエン釣りの方々で混み合っているのだった。



大島を後にし、再び漁港の一角にて釣りを始める。
今日は大潮であり、岸壁は大きく露出しているのだった。
それでもまだ干潮には程遠い時間である。
Rock父は投げ、カゴ釣り、サビキと忙しくやっているが全くアタリは無い。
自身は砂もの、アオリと狙ってみるがこちらも同様だ。
やがて、探りながら目が閉じて来たので堤防の上に大の字になって眠ってしまった。
その間もずっと続けていたRock父であったが、釣れ上がるのはここでもサバ子だけとの事。
粘る父に向かって昼食に行こうと誘う。








向かった先は潮岬のレストランであった。
南紀で釣りをされるルアーマンの皆様ならご存じの方も多い事でしょう。
是非とも、Rock父にかの、メガ鮪天丼セットを食べてもらいたいと思って来たのであった。
今日はもう一人運転手がいるので、自身は瓶ビールを頼む事にした。
メガ天丼とビール、いやいや、なかなかどうして食が進むのである。
実に美味い!
満腹になり駐車場の車へと戻る二人。
ふと、辺りを見回すと、凄腕ショアマンの車もちらほらと。
そんな光景を横目に車中にて爆睡する二人であった。










目覚めたのは午後7時であった。
ビールを頂いたせいでスコーンと快眠する事が出来たワタシ。
イビキがうるさい!と怒るRock父だったが、そんなオヤジも寝言で何度か自身を起こしたのでお互い様である。
辺りが暗闇に包まれる頃、夜のアジを求めて再び竿を出す事にした。



まずは港内の街灯下でやってみる。
Rock父はサビキ、少し離れて自身はアジングで探る。
すぐにサビキの方で一匹釣れたのだが、その後がなかなか続かない。
自身のワームにはサッパリであった。
海面を眺めていると、白く、長細い何かが群れになって速く行ったり来たりしている。
どうやら、ケンサキの様なイカが入っている様であった。
そこで自身は少し移動し港の外側を狙ってみる事にした。
広大な堤防であるが、その殆どの場所には街灯の灯りは届かない。
僅かばかり街灯が照らす場所を選びそこに立つ事にした。
潮は左手から右手に向けてかなりの勢いで流れている。
水深も結構ありそうな感じであった。



そこで、港内で使っていたものを止め、1.5グラム程のジグヘッドを結んでみる事とした。
キャストしてすぐにフォールに入ると、やはり大きく右に向かって流れて行く。
この流れのせいでおそらく、その沈下スピードは落ちているだろうか。
潮に乗せながらゆっくりと送り込んで行った。
ほどなくして、コツンっと小さな感触が伝わる。
しかし、どうやらまだ口の中には入っていない様であった。
すぐに同じ位のバイトが二度、三度と続いて行ったのである。
どうやら、同じ個体が追い喰いしているのだろうか。
少しラインの角度を変えてやると、明確にコツンっとした感触が伝わってきた。
そこで間髪入れずにフッキング。
ギュンギュンっと絞り込み、流れに乗った魚は結構元気である。
あがって来たのは、20センチちょっとのアジであった。
しっかりと上顎に掛かかっており、満足の一匹に笑みがこぼれる。
その後は連発劇こそ無いものの、5分に一回くらいの感覚でバイトを得られた。
ポツポツと良型のアジが揃って行く。
やはり、港内で釣れるサイズよりは少し大きい様で、20~24センチまでマチマチの型が釣れてくれた。







初めて知ったのだが、実はRock父はアジングをやってみたかった様である。
自身が購入した雑誌をみたりもしていたとの事であった。
この時も自身の竿を手渡し、隣で基本的な操作を伝えながらやってはみた。
フォールだけよりもリトリーブを入れた方が良くないか?など、結構な用語も出てきて驚いたのだった。
しかし、ちょうどアジの喰い気が下がった頃で残念ながらヒットまでは行かなかった。
今度、またチャンスがあれば、近場でのアジングに誘いたいと思っている。
アジ地獄に引きずり込んでやりたい(笑)






何だかんだと、色々やりながら気がつけば日付が変わる頃となってしまった。
二日目の釣りに備えて納竿とする。

明日はどうしよう?
今日一日、日中の漁港での釣りはとても厳しいものであった。
明日もまた漁港か・・・。
さすがにRock父も気が重い様に見えた。
天気予報を見てみると、時折は雨が降りそうだが、明日もまた穏やかな海となりそうである。
色々と考えてはみたが、今更、まったりとカセ釣りをするのはどうかと思った。
そこで思い切って伝えてみる。






磯に行こうかと。





無論、前途した理由から地磯の釣りは難しいだろう。
たとえ釣れなくとも、最高のロケーションの中で一緒に糸を垂れ、磯で弁当を頬張ったら気持ちいいだろう。
また、自身がいつもどんな釣りをしているか知っても欲しい。
それ故に渡船にて渡してもらうプランを話してみた。
Rock父はお前に任せると一言であった。
眠れるのはあと二時間ほど。
大急ぎで準備をして横になる二人であった。




後篇につづく