12月11日の日記
日々の疲れか、はたまた心労か。
かなり調子の悪い毎日が続いておりました。
頭はガンガンとし、両耳の奥も激しく痛みます。
唾を飲むと、耳の中でバカバカと音がする。
リンパ線も腫れて、首の付け根がとても痛いのでした。
肩がまるで石の様に硬くなってもいました。
間違いなく熱がありそうですが、測るとそれを見て更に弱りそうです。
毎日の勤務もかなり辛いものでした。
しかし、釣りへの気持ちは盛り下がる事はありませんでした。
本当は今回も二日間の連休をもらってはいました。
ですが、あまりにえらくて体が動きません。
職場から戻りちょっと横になると、そのまま動けなくなってしまいます。
諦めて、素直に早く眠る事にしました。
翌日、昼前くらいから近所の海を見に行きました。
風も冷たく、いくら重ね着をしていても震えが止まりません。
人の多さにも気持ちが萎えてしまいます。
急いで家に帰り、汗をかくほど厚着をして再び寝る事にしました。
だいたいの熱ならこれで下がってしまうのですが・・・。
目を覚ましたのは午後10時頃であった。
ベットから立ち上がるとすぐに目まいがする。
どうやら、熱はまだ下がってはいない様だ。
起きてすぐ、胃腸の違和感を感じてトイレへと向かった。
昨日までは無かった症状である。
ここで、大事をとって休むのが大人であろう。
良くなってから、気持ちよく釣りに行った方が良いと。
勿論、それは自身にも分かってはいる。
しかし、今、釣りに行かないならば気がどうにかなりそうなのだ。
一日家に居ても、どうせろくな事を考えないだろう。
海に行きたい。
磯に立ちたい。
それだけである。
狂っていても構いはしない。
それが 「俺」 なのだ。
どこまで行っても、自分は自分でしかない。
いうことをきかない身体に鞭を打つ。
まずは釣りの準備だ。
そこで、ふいにジグが頭に浮かんだ。
おそらく、ここ最近はまるでキャスティングしていなかったせいだろう。
もしくは、単純に自身の好きな釣りがやりたかったのかも知れない。
それが何にせよ、その気持ちに従うのみである。
ゆっくり、落ち着いて投げ続けたい。
細かな変化をラインを通じて感じ、思いつく限りの事を試してみたい。
いつやって来るか分からない回遊を待つ。
そんな釣りにも醍醐味がある。
今日は自身の釣りをしたいと思った。
コンビニへと着いたのは午前3時過ぎであった。
飲み水を買おうと中に入ると、途端に気分が悪くなってくる。
急いでトイレへと駆け込みしばらく苦しんだ。
買物を済ませ、外に出るが足に力が入らない。
しっかりと暖房のきいた車内であっても、震えが止まらないのである。
動きたくても動けない。
震える手先でパーキングの片隅へとハンドルを向ける。
後部座席を倒し、毛布にくるまって祈った。
どうか、起きた頃には良くなっていますようにと。
そして、すぐに眠りへと落ちて行く。
再び目覚めたのは午前7時過ぎであった。
きっと、祈りが通じたのだろう。
先程までの事が嘘の様に楽になっていた。
朝のチャンスタイムを逃してしまった事にも悔いは無い。
否、むしろ、その方が自身には好都合である。
マズメに心乱される事もない。
そして、危険な磯へのルートをより安全に歩む事が出来るのだから。
まぁ、なる様になるだろう。
そこから、磯へは一時間以上の時間を要した。
楽になったとはいえ、いつもより、体力も注意力も確実に落ちている。
落ち葉に滑らぬ様、岩を踏み外さぬ様に一歩一歩進んだ。
それでも、途中、あわやという場面に遭遇する。
石の間にブーツのつま先が入ったのが分からなかった。
身体は前に行こうとしているのに、足が挟まって行かせようとしない。
足が抜けた瞬間、勢い余った身体は大きく前方へと投げ出される。
もし、そこに一本の細い木が無かったなら。
きっと、その崖から転落していただろう。
間一髪で、その枝の様な幹を抱いて事なきを得た。
油断は禁物である。
更に注意し、
一つ、また一つと難関をクリアーして行った。
残すはあと一つ。
それを超えれば立ち位置が見える。
釣りを開始し、まず、プラグを数投だけキャストしてみた。
手前から沖に向け、流れが強く走っていたからである。
そして、すぐに見切りをつけた。
今日のテーマであるジグへと移行して行く。
約二時間ほど、キャストポイントを変えたり、ジグを交換したりと探ってみた。
プラグ同様、ジグの形状や重心が変われば、その動きも大きく変化する。
そして、その動きが自然なかたちで出る様にと、釣り手が操作してやらねばならない。
しかし、頭では分かっていても、それはとても難しい事である。
その動きが見えないからに他ならない。
見える深さで動かしてみて、
はたしてそれが、遠く深い、沖のキャストポイントでならどうか?
おそらく、ラインの角度も違うし、まず、潮そのものが違うだろう。
良い流れがそこに生まれ、
ジグ、そして操作がうまく合致した時、やっときれいに泳ぐのではないかと思う。
しかしながら、それを感触で分かるほどの経験も無い。
分からないから投げ続ける。
色々と試してみる。
そうして、色々と考えて行くのが心地よい。
体力の消耗はご愛嬌だ。
アクションやジャークに変化を加え、
ジグのタイプを変えてやっていると、時に混乱して分からなくなって来る。
そんな時、自身は今までで一番釣れたジグを結ぶ様にしている。
そして、釣れた時のアクションを思い出してジャークさせるのだ。
私のセオリー通り、この時もそうしてみる事で頭をリセットさせた。
すると、どんどんと振り上げるロッドに重みが増して行く。
動かす腕には厳しいが、絡む様な強い潮が流れだしたのであろう。
良い感じだと無心になって行った。
やがて、軽く入れたワンピッチジャークが抜けた。
しまった!!
ハッと我に返り、すぐさまパニックアクションを刻む。
追い続けろ!!
パタと止め、次のジャークを入れようとした時であった。
ズドン!
喰った!
この衝撃感がたまらない。
追いアワセを入れ、僅かの間だけ置く様にしてきいてみる。
この感じ、おそらくは良型だろう。
それから、すぐにリール巻き殴って行く。
ハンドルを巻く手が重い。
すかさず、ポンピングで引き上げるとロッドが綺麗な弧を描いて行った。
竿で上げ、リールで巻き寄せて行く。
近づくにつれ、ヤツの鼓動が硬く、強くなっていった。
ピタっと止まり、グンっと穂先を煽る。
たまらずに悲鳴をあげるソルティガ。
スプールを押さえ込み、ドラグノブを何回転もさせて止める。
二度ほどそんな事があり、当初の二倍ほどドラグは強くなっただろう。
やっと、ラインが止まった。
しかし、なかなか上がってこない。
息は乱れ、腕や足もガクガクと痙攣してくる。
だがしかし、ここで休む訳には行かないのだ。
巻く度、時折、ゴンゴンと首を振る素振りをみせるヤツ。
テンションが抜けては怖い。
ハンドルを巻き続ける以外には無かった。
海面へと突き刺さるラインがどんどん近くなっている。
海中のラインの角度までは見る事が出来ないが、
もう、すぐそこに沈み根の張りだしが迫って来ているのだ。
きっと、このままでは、メインラインが岩に触れてしまう。
もう、ヤツも 「引く」 という力は残されてはいない。
しかし、ただただ、巻き寄せるのが重いのである。
これが深さというものなのだろう。
やがて、海面へとその姿を見せたヤツ。
暴れもせず、その腹を浮かべて横たえた。
足場が高く、自身には抜き上げる度胸は無い。
震える手でギャフを持った。
何とか柄を伸ばすものの、海面へ差し出したそれの重いこと。
利き手でさえ、とても真っ直ぐには持っていられないのだ。
何度も何度も掛けそこね、やっとの思いで貫く事が出来た。


メジロ 83センチ 6キロ !!
やっと、三重の磯で、メジロさんに出会う事が出来ました。
好きなジグで釣れてくれた事。
その二つに感動です。
やったね!!

この、お腹まわりの感じがたまりません。
ムッチリ!
ただただ、嬉しくて写真を撮った。
手足はしびれ、完全に息があがってもいる。
少し動くのさえも一苦労であった。
平たい地形の場所まで移動し魚を絞めて行く。
感謝を込め、昇天の儀式を丁寧に進めて行った。
おそらく、釣れてからは20分は経過したろう。
最早、魚は居ないだろう。
そう思った。
しかし、それは間違いであった。
同じキャストポイント、同じ流れ、同じ泳層にてまたもバイトを得る。
抜けたり、ガンッ!とした衝撃がいくつかあった。
すぐにジグを回収し、一旦、大きく深呼吸をする。
どうも、リズムが良くない。
ついでに、再度、ドラグチェックもしてみる。
感覚ではおよそ、10キロ強といったところだろう。
不用意なランに焦らないで済むはずだ。
再度、キャストをし、今度は自分の好きなテンポを意識して動かした。
すぐさま、ゴンっと来たのでフッキングを叩きこむ。
ドスっという手応えとともに乗った。
一度ならず二度までも。
ジグで、最も自身が興奮する感じである。
先程のファイトがあったせいか、二度目はずっと速く浮かせる事が出来た。
水面に現れた魚を見ると、サイズも少し落ちた様に見える。
ギャフがうまく決まらず、
一度は抜いて岩の上に置いたのだが、暴れてまた海に落ちてしまった。
残念ながら、再度のギャフ掛けの際にフックアウトしてしまう。
続投すると、またもやヒットがあった。
きいた感じでは、先程の魚と同じ位に思われた。
しかし、どんどんと体力が落ちて行き、ファイトがとても辛い。
ギャフを伸ばすと、潮位が落ちた為か、最早波が上がらないと届かなくなっていた。
仕方なく、この一匹は抜き上げて獲った。
血抜きだけしてすぐに戻る。
さすがに、この頃になるとバイトは遠退いてしまう。
2~3投して、僅かに一度、違和感が走るといった感じとなった。
そこで、先程までの泳層を意識的にズラしてみる事にした。
より浅いところまでジグを泳がせてみたのである。
より浅く、より近く。
先程と同じロッドの角度、ジャークパワーでは良くないだろう。
それも意識して変えてみた。
もう、追ってはこないかな?
そう思った刹那、カウンターぎみに魚が乗る!
一瞬、ききながら 「嫌な」 感じがした。
浅場とはいえ、そこは、深い水の中での事。
また、掛けた地点が先程よりはずっと近いのである。
正直、今までみたいに無事に寄せて来れる気がしないのであった。
そして、がむしゃらにシャクッていた為、すでに息が上がっている。
じっとしていれば、そのまま少し休めるだろう。
そう思い、止めたままでじっとしていた。
まさかであった。
おそらく、ヤツは我に返ったのだろうか。
ゆっくり、強く、穂先を絞り込んで行く。
そこで、自身は 「止めていられるだろう」 との確信があった。
出せる訳がないと。
強烈な力で、深みへと潜るヤツのおぞましい程のパワー!
ギイィィィィー!!っと逆回転するスプール。
瞬間的に竿を真っ直ぐにされ、磯から落ちない様に踏ん張るのが精一杯だ。
そんな、ソルティガの悲鳴を聞いたのも約5秒間であった。
ガサガサっとした感触の後、フッと張りつめていたものが無くなる。
その瞬間、ハッっと声にならない声が自然と出た。
ヤツに主導権を与え、走らせてしまったのは全くのミスではある。
しかし、このドラグをいとも簡単に出すのはやはり普通ではないだろう。
不思議と悔しさは感じなかった。
むしろ、清々しささえ感じていたろうか。
凄い魚がいる。
磯で初めて魚に切られた事。
素晴らしい体験がやっと自身にも出来た。
きっと、それが、前途した様な気持ちにさせた理由かも知れない。
新たにジグを結び、すぐにチャレンジしたが、違和感が一度あったのみで終わる。
これ以上は魚がもたない。
後ろ髪引かれる思いで磯を後にする事にした。
魚を背負うと、ただそれだけで苦しかった。
帰り道、何度、休んだか分からない程である。
気をつけながらゆっくり下山した。

二匹目の魚から出てきたベイトです。
トウゴロウの他、アジも食べていた様子です。
はたして、ジグは何に見えていたのでしょう。
食性なのかリアクションか。
気になるところです。

上の魚の方が美味しいかと思いましたが、
実際、明らかに下の魚の方が美味しく思いました。
昇天の儀式は同じ風にしたつもりではあります。
単純に、昇天してからの経過時間の違いによるものかも知れません。
地磯にて、いかにその鮮度を保つか?
それも模索してみたいと思います。
滅多と釣れませんけど(笑)
磯から上がるとすぐ先輩と出会った。
釣果をまるで自分の事の様に喜んで下さった。
それがまた、とても嬉しかった。
夕方の釣りをご一緒させて頂く予定であったが、
急用が出来た為にそれは叶わなかった。
自身はせっかくだからと、プラッキングにてチャレンジした。
しかし、残念ながらバイトは無かった。
滅多にない釣果。
しかし、それがあるから、また夢を見て通う。
磯ジギング。
たまらない。
それでは
My Tackles
Rod MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel DAIWA 10 SALTIGA 5000
Line YGKよつあみ PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 80LB
日々の疲れか、はたまた心労か。
かなり調子の悪い毎日が続いておりました。
頭はガンガンとし、両耳の奥も激しく痛みます。
唾を飲むと、耳の中でバカバカと音がする。
リンパ線も腫れて、首の付け根がとても痛いのでした。
肩がまるで石の様に硬くなってもいました。
間違いなく熱がありそうですが、測るとそれを見て更に弱りそうです。
毎日の勤務もかなり辛いものでした。
しかし、釣りへの気持ちは盛り下がる事はありませんでした。
本当は今回も二日間の連休をもらってはいました。
ですが、あまりにえらくて体が動きません。
職場から戻りちょっと横になると、そのまま動けなくなってしまいます。
諦めて、素直に早く眠る事にしました。
翌日、昼前くらいから近所の海を見に行きました。
風も冷たく、いくら重ね着をしていても震えが止まりません。
人の多さにも気持ちが萎えてしまいます。
急いで家に帰り、汗をかくほど厚着をして再び寝る事にしました。
だいたいの熱ならこれで下がってしまうのですが・・・。
目を覚ましたのは午後10時頃であった。
ベットから立ち上がるとすぐに目まいがする。
どうやら、熱はまだ下がってはいない様だ。
起きてすぐ、胃腸の違和感を感じてトイレへと向かった。
昨日までは無かった症状である。
ここで、大事をとって休むのが大人であろう。
良くなってから、気持ちよく釣りに行った方が良いと。
勿論、それは自身にも分かってはいる。
しかし、今、釣りに行かないならば気がどうにかなりそうなのだ。
一日家に居ても、どうせろくな事を考えないだろう。
海に行きたい。
磯に立ちたい。
それだけである。
狂っていても構いはしない。
それが 「俺」 なのだ。
どこまで行っても、自分は自分でしかない。
いうことをきかない身体に鞭を打つ。
まずは釣りの準備だ。
そこで、ふいにジグが頭に浮かんだ。
おそらく、ここ最近はまるでキャスティングしていなかったせいだろう。
もしくは、単純に自身の好きな釣りがやりたかったのかも知れない。
それが何にせよ、その気持ちに従うのみである。
ゆっくり、落ち着いて投げ続けたい。
細かな変化をラインを通じて感じ、思いつく限りの事を試してみたい。
いつやって来るか分からない回遊を待つ。
そんな釣りにも醍醐味がある。
今日は自身の釣りをしたいと思った。
コンビニへと着いたのは午前3時過ぎであった。
飲み水を買おうと中に入ると、途端に気分が悪くなってくる。
急いでトイレへと駆け込みしばらく苦しんだ。
買物を済ませ、外に出るが足に力が入らない。
しっかりと暖房のきいた車内であっても、震えが止まらないのである。
動きたくても動けない。
震える手先でパーキングの片隅へとハンドルを向ける。
後部座席を倒し、毛布にくるまって祈った。
どうか、起きた頃には良くなっていますようにと。
そして、すぐに眠りへと落ちて行く。
再び目覚めたのは午前7時過ぎであった。
きっと、祈りが通じたのだろう。
先程までの事が嘘の様に楽になっていた。
朝のチャンスタイムを逃してしまった事にも悔いは無い。
否、むしろ、その方が自身には好都合である。
マズメに心乱される事もない。
そして、危険な磯へのルートをより安全に歩む事が出来るのだから。
まぁ、なる様になるだろう。
そこから、磯へは一時間以上の時間を要した。
楽になったとはいえ、いつもより、体力も注意力も確実に落ちている。
落ち葉に滑らぬ様、岩を踏み外さぬ様に一歩一歩進んだ。
それでも、途中、あわやという場面に遭遇する。
石の間にブーツのつま先が入ったのが分からなかった。
身体は前に行こうとしているのに、足が挟まって行かせようとしない。
足が抜けた瞬間、勢い余った身体は大きく前方へと投げ出される。
もし、そこに一本の細い木が無かったなら。
きっと、その崖から転落していただろう。
間一髪で、その枝の様な幹を抱いて事なきを得た。
油断は禁物である。
更に注意し、
一つ、また一つと難関をクリアーして行った。
残すはあと一つ。
それを超えれば立ち位置が見える。
釣りを開始し、まず、プラグを数投だけキャストしてみた。
手前から沖に向け、流れが強く走っていたからである。
そして、すぐに見切りをつけた。
今日のテーマであるジグへと移行して行く。
約二時間ほど、キャストポイントを変えたり、ジグを交換したりと探ってみた。
プラグ同様、ジグの形状や重心が変われば、その動きも大きく変化する。
そして、その動きが自然なかたちで出る様にと、釣り手が操作してやらねばならない。
しかし、頭では分かっていても、それはとても難しい事である。
その動きが見えないからに他ならない。
見える深さで動かしてみて、
はたしてそれが、遠く深い、沖のキャストポイントでならどうか?
おそらく、ラインの角度も違うし、まず、潮そのものが違うだろう。
良い流れがそこに生まれ、
ジグ、そして操作がうまく合致した時、やっときれいに泳ぐのではないかと思う。
しかしながら、それを感触で分かるほどの経験も無い。
分からないから投げ続ける。
色々と試してみる。
そうして、色々と考えて行くのが心地よい。
体力の消耗はご愛嬌だ。
アクションやジャークに変化を加え、
ジグのタイプを変えてやっていると、時に混乱して分からなくなって来る。
そんな時、自身は今までで一番釣れたジグを結ぶ様にしている。
そして、釣れた時のアクションを思い出してジャークさせるのだ。
私のセオリー通り、この時もそうしてみる事で頭をリセットさせた。
すると、どんどんと振り上げるロッドに重みが増して行く。
動かす腕には厳しいが、絡む様な強い潮が流れだしたのであろう。
良い感じだと無心になって行った。
やがて、軽く入れたワンピッチジャークが抜けた。
しまった!!
ハッと我に返り、すぐさまパニックアクションを刻む。
追い続けろ!!
パタと止め、次のジャークを入れようとした時であった。
ズドン!
喰った!
この衝撃感がたまらない。
追いアワセを入れ、僅かの間だけ置く様にしてきいてみる。
この感じ、おそらくは良型だろう。
それから、すぐにリール巻き殴って行く。
ハンドルを巻く手が重い。
すかさず、ポンピングで引き上げるとロッドが綺麗な弧を描いて行った。
竿で上げ、リールで巻き寄せて行く。
近づくにつれ、ヤツの鼓動が硬く、強くなっていった。
ピタっと止まり、グンっと穂先を煽る。
たまらずに悲鳴をあげるソルティガ。
スプールを押さえ込み、ドラグノブを何回転もさせて止める。
二度ほどそんな事があり、当初の二倍ほどドラグは強くなっただろう。
やっと、ラインが止まった。
しかし、なかなか上がってこない。
息は乱れ、腕や足もガクガクと痙攣してくる。
だがしかし、ここで休む訳には行かないのだ。
巻く度、時折、ゴンゴンと首を振る素振りをみせるヤツ。
テンションが抜けては怖い。
ハンドルを巻き続ける以外には無かった。
海面へと突き刺さるラインがどんどん近くなっている。
海中のラインの角度までは見る事が出来ないが、
もう、すぐそこに沈み根の張りだしが迫って来ているのだ。
きっと、このままでは、メインラインが岩に触れてしまう。
もう、ヤツも 「引く」 という力は残されてはいない。
しかし、ただただ、巻き寄せるのが重いのである。
これが深さというものなのだろう。
やがて、海面へとその姿を見せたヤツ。
暴れもせず、その腹を浮かべて横たえた。
足場が高く、自身には抜き上げる度胸は無い。
震える手でギャフを持った。
何とか柄を伸ばすものの、海面へ差し出したそれの重いこと。
利き手でさえ、とても真っ直ぐには持っていられないのだ。
何度も何度も掛けそこね、やっとの思いで貫く事が出来た。


メジロ 83センチ 6キロ !!
やっと、三重の磯で、メジロさんに出会う事が出来ました。
好きなジグで釣れてくれた事。
その二つに感動です。
やったね!!

この、お腹まわりの感じがたまりません。
ムッチリ!
ただただ、嬉しくて写真を撮った。
手足はしびれ、完全に息があがってもいる。
少し動くのさえも一苦労であった。
平たい地形の場所まで移動し魚を絞めて行く。
感謝を込め、昇天の儀式を丁寧に進めて行った。
おそらく、釣れてからは20分は経過したろう。
最早、魚は居ないだろう。
そう思った。
しかし、それは間違いであった。
同じキャストポイント、同じ流れ、同じ泳層にてまたもバイトを得る。
抜けたり、ガンッ!とした衝撃がいくつかあった。
すぐにジグを回収し、一旦、大きく深呼吸をする。
どうも、リズムが良くない。
ついでに、再度、ドラグチェックもしてみる。
感覚ではおよそ、10キロ強といったところだろう。
不用意なランに焦らないで済むはずだ。
再度、キャストをし、今度は自分の好きなテンポを意識して動かした。
すぐさま、ゴンっと来たのでフッキングを叩きこむ。
ドスっという手応えとともに乗った。
一度ならず二度までも。
ジグで、最も自身が興奮する感じである。
先程のファイトがあったせいか、二度目はずっと速く浮かせる事が出来た。
水面に現れた魚を見ると、サイズも少し落ちた様に見える。
ギャフがうまく決まらず、
一度は抜いて岩の上に置いたのだが、暴れてまた海に落ちてしまった。
残念ながら、再度のギャフ掛けの際にフックアウトしてしまう。
続投すると、またもやヒットがあった。
きいた感じでは、先程の魚と同じ位に思われた。
しかし、どんどんと体力が落ちて行き、ファイトがとても辛い。
ギャフを伸ばすと、潮位が落ちた為か、最早波が上がらないと届かなくなっていた。
仕方なく、この一匹は抜き上げて獲った。
血抜きだけしてすぐに戻る。
さすがに、この頃になるとバイトは遠退いてしまう。
2~3投して、僅かに一度、違和感が走るといった感じとなった。
そこで、先程までの泳層を意識的にズラしてみる事にした。
より浅いところまでジグを泳がせてみたのである。
より浅く、より近く。
先程と同じロッドの角度、ジャークパワーでは良くないだろう。
それも意識して変えてみた。
もう、追ってはこないかな?
そう思った刹那、カウンターぎみに魚が乗る!
一瞬、ききながら 「嫌な」 感じがした。
浅場とはいえ、そこは、深い水の中での事。
また、掛けた地点が先程よりはずっと近いのである。
正直、今までみたいに無事に寄せて来れる気がしないのであった。
そして、がむしゃらにシャクッていた為、すでに息が上がっている。
じっとしていれば、そのまま少し休めるだろう。
そう思い、止めたままでじっとしていた。
まさかであった。
おそらく、ヤツは我に返ったのだろうか。
ゆっくり、強く、穂先を絞り込んで行く。
そこで、自身は 「止めていられるだろう」 との確信があった。
出せる訳がないと。
強烈な力で、深みへと潜るヤツのおぞましい程のパワー!
ギイィィィィー!!っと逆回転するスプール。
瞬間的に竿を真っ直ぐにされ、磯から落ちない様に踏ん張るのが精一杯だ。
そんな、ソルティガの悲鳴を聞いたのも約5秒間であった。
ガサガサっとした感触の後、フッと張りつめていたものが無くなる。
その瞬間、ハッっと声にならない声が自然と出た。
ヤツに主導権を与え、走らせてしまったのは全くのミスではある。
しかし、このドラグをいとも簡単に出すのはやはり普通ではないだろう。
不思議と悔しさは感じなかった。
むしろ、清々しささえ感じていたろうか。
凄い魚がいる。
磯で初めて魚に切られた事。
素晴らしい体験がやっと自身にも出来た。
きっと、それが、前途した様な気持ちにさせた理由かも知れない。
新たにジグを結び、すぐにチャレンジしたが、違和感が一度あったのみで終わる。
これ以上は魚がもたない。
後ろ髪引かれる思いで磯を後にする事にした。
魚を背負うと、ただそれだけで苦しかった。
帰り道、何度、休んだか分からない程である。
気をつけながらゆっくり下山した。

二匹目の魚から出てきたベイトです。
トウゴロウの他、アジも食べていた様子です。
はたして、ジグは何に見えていたのでしょう。
食性なのかリアクションか。
気になるところです。

上の魚の方が美味しいかと思いましたが、
実際、明らかに下の魚の方が美味しく思いました。
昇天の儀式は同じ風にしたつもりではあります。
単純に、昇天してからの経過時間の違いによるものかも知れません。
地磯にて、いかにその鮮度を保つか?
それも模索してみたいと思います。
滅多と釣れませんけど(笑)
磯から上がるとすぐ先輩と出会った。
釣果をまるで自分の事の様に喜んで下さった。
それがまた、とても嬉しかった。
夕方の釣りをご一緒させて頂く予定であったが、
急用が出来た為にそれは叶わなかった。
自身はせっかくだからと、プラッキングにてチャレンジした。
しかし、残念ながらバイトは無かった。
滅多にない釣果。
しかし、それがあるから、また夢を見て通う。
磯ジギング。
たまらない。
それでは
My Tackles
Rod MC Works RAGING BULL 100XF-1
Reel DAIWA 10 SALTIGA 5000
Line YGKよつあみ PE #4
Leader VARIVAS NYLONE 80LB