前回の釣行後、数日して。
朝起きると、右肩に違和感を感じる。
何べんか、腕を上げ下げしていると。
ついには、痛くて、動かせなくなってしまった。
自宅で療養していると、今度は、猛烈な腰の痛みに悶絶する。
過去最強のギックリに焦り、そのまま、這ってベットへ。
翌日、病院へと行き、そこから何日もの間。
まっすぐ立てない状態で日々を過ごしたのだった。
当然、仕事に行くのがやっとの状態。
長い間、釣りを我慢するしかなかった。
やっとの事で、行く気になったのがこの日である。
いつものパーキングへと着き、真夜中ではあるが海を眺めに歩いた。
もちろん、それなりに天気予報などは見て来たつもり。
しかし、闇の中に映し出される波は、まったく違うものであった。
たまにだが、予報とは全然違う海がある。
何で!? 何故!? っと困惑するが、どうしようもなく在るのだ。
この夜もそうで、磯への道筋には。
自身の背丈の二倍はありそうな波があがっていた。
波を被るなんてものではない。
叩き落されるか、さらわれるか、そんな感じである。
まぁ良いか・・・。
じたばたしても始まらないし。
眠たいから寝よう。
そう思った。
目を覚ましたのは、それから、約二時間の後であった。
やはり、波は落ちていない為。
立てそうな場所へと移動する。
しかし、その方面にはもうすでに。
ヘッドライトの灯りがチカチカと動いて見えた。
結構、人は多く出ている感じであり。
およそ、立てそうな磯に集中しているのだろう。
他も回ったが、パーキングスペースには何台かの車がある。
明るくなって来た頃、ようやく、誰も居ない磯を見つけて下りた。
どうやら、ここは、よく分からない波は届かない様だ。
拍子抜けするほどの、平らな海が広がっている。
道中はかなり注意を要する。
どうにも、ここへ来ると。
私はまともに歩けない。
数か所の難所を必死で掻い潜り、やっとの思いで先端へと着いた。
まず、海を見て溜息が出る。
嗚呼、なんて、げんなりする水色をしているのか・・・。
潮もただ流れている感じだし。
普段は賑やかな、浅瀬にも魚達の姿も無かった。
それでも、久々という事も手伝って。
水面が炸裂するシーンを想像し、キャストを繰り返して行く。
何度も、何度も、妄想を膨らませてアタックするも。
何も無く、帰るルアーを見ると、その妄想はどんどんと縮んで行った。
最期には投げる気力さえ無くなり、腰掛けて携帯を触る。
友人には、ただ一言。
「撃沈」 と・・・。
再び、危険な道筋を帰って終わった。
あちこちと車を走らせてみるが。
下りたいと思う気持ちにはなれなかった。
やがて、三重まで帰って来て。
遠くの磯に目を凝らす。
なんて、青い海なのかと。
溜息が出た。
何か所かで海を見て帰宅。
こんな事がよくあるから。
また、釣りに行きたくなる。
それでは